医療法 第30条の5
クイックジャンプ
都道府県は、医療計画を作成し、又は医療計画に基づく事業を実施するために必要があると認めるときは、市町村その他の官公署、介護保険法第七条第七項に規定する医療保険者(第三十条の十四第一項及び第三十条の十八の五第一項において「医療保険者」という。)又は医療提供施設の開設者、管理者若しくは設置者に対し、当該都道府県の区域内における医療提供施設の機能に関する情報その他の必要な情報の提供を求めることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第30条の5は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第30条の5の条文原文は「都道府県は、医療計画を作成し、又は医療計画に基づく事業を実施するために必要があると認めるときは、市町村その他の官公署、介護保険法第七条第七項に規定する医療保険者…」で始まります。
- 医療法第30条の5は第二節 医療計画に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第30条の5の前の条は医療法第30条の4です。
- 医療法第30条の5の次の条は医療法第30条の6です。
- 医療法第30条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第30条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第30条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/30_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法30条の6は、都道府県が医療計画の作成等に必要なとき、官公署・医療保険者・医療提供施設の開設者等に情報提供を求められると定める。本条に罰則はない。
Q · 県から届いた医療機能の調査票、そもそも何の法律に基づいて送られてくるの?
医療法30条の6が根拠で、医療計画づくりのための照会です
医療法30条の6は、都道府県が医療計画の作成や計画に基づく事業の実施に必要と認めるとき、市町村などの官公署、健康保険組合などの医療保険者、病院・診療所・薬局などの開設者や管理者に情報提供を求められると定めています。本条に罰則はありませんが、集まった情報は病床の目標や救急・在宅医療の配置の検討材料になります。なお病床機能報告(30条の13)は別の条文に基づく報告義務です。
解説
病院が救急を続けるのか、病床を減らすのか。その議論の出発点になる数字の多くは、都道府県が集めた情報から来ている。本条は、都道府県が医療計画(6年ごとに作る地域医療の設計図)を作るとき、またはその計画に基づく事業を行うときに、情報の提供を求められる根拠である。求める相手は、市町村などの官公署、健康保険組合などの医療保険者、そして病院・診療所・調剤薬局・介護老人保健施設などの開設者や管理者である。本条そのものに、回答を強制する罰則はない。それでも、ここで集まった情報は、病床の目標数、救急や在宅医療の配置、地域で足りない機能の洗い出しに使われる。去年の数字を写して返したクリニックと、自院の在宅対応や夜間診療を正確に書き込んだクリニックとでは、数年後に計画の中でどう扱われるかが変わりうる。あなたが医療者なら情報を出す側として、住民なら計画を読む側として、この情報の流れの両端に立っている。
法的な位置づけ
医療法第30条の6は、都道府県による情報提供の求めを定める規定である。医療計画の作成または医療計画に基づく事業の実施に必要と認めるときに、市町村その他の官公署、介護保険法第7条第7項に規定する医療保険者、医療提供施設の開設者・管理者・設置者を相手方として、医療提供施設の機能に関する情報その他の必要な情報の提供を求める権限を付与する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.照会文書の根拠条文を確認する 届いた照会文書で、根拠が医療法30条の6(任意協力)か、30条の13などの報告義務かを確認し、院内での優先順位と担当者を決める
- 2.自院の最新機能を棚卸しする 前年の回答を写さず、在宅医療、夜間・休日診療、専門外来、救急受入れなど現時点の機能と実績を院長・各部門に確認して数字をそろえる
- 3.患者情報の範囲を調整する 個人が特定されうる情報が求められている場合、集計値や匿名化データで足りないか照会元に確認し、提供範囲を文書で残す
- 4.回答を提出し記録を保存する 期限内に回答を提出し、提出内容の控えを保存する。次回照会や病床機能報告との数字の整合を取るための基礎資料にする
よくある質問 AI による整理
Q1医療計画とは何ですか?
都道府県が地域の実情に応じて作る医療提供体制の計画です(医療法30条の4)。病床の基準や救急・在宅医療などの体制を定め、6年ごとに作られます。
Q2医療計画は何年ごとに見直されますか?
計画期間は6年で、在宅医療など一部の事項は3年ごとに中間見直しが行われます。見直し前の照会は、実質的に自院の機能を反映させる締切になります。
Q3医療法30条の6の「医療提供施設」には薬局も含まれますか?
含まれます。医療提供施設には病院・診療所のほか、介護老人保健施設、介護医療院、調剤を実施する薬局などが含まれ、本条の求めの相手になりえます。
Q4医療法30条の6の「医療保険者」とはどこのことですか?
介護保険法7条7項が定める医療保険者を指し、健康保険組合、協会けんぽ、市町村(国民健康保険)、共済組合などが該当します。
Q5都道府県の医療計画はどこで見られますか?
各都道府県のウェブサイトで公開されています。地域医療構想調整会議の資料や、計画素案の意見募集の案内も同じページに掲載されることが多いです。
Q6県の医療機能調査はいつ届きますか?
時期は都道府県ごとに異なり、照会文書で回答期限が個別に指定されます。計画策定や中間見直しの前年度に照会が集中する傾向があります。
Q7照会に回答した内容は公開されますか?
集計結果が調整会議資料などで公表されることがあります。個別の回答が開示されるかは、各都道府県の情報公開条例の不開示事由の判断によります。
Q8市町村も県から情報提供を求められますか?
求められます。本条は求めの相手に「市町村その他の官公署」を明記しており、救急搬送や在宅医療に関する行政データの提供が想定されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1県から来た調査って、忙しいから出さなくても罰則はないんですよね?
本条(医療法30条の6)による情報提供の求めそのものに罰則はない。ただ、同じ時期に届く病床機能報告(30条の13)には報告義務があり、報告しなければ都道府県知事の命令や公表の対象になりうる(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:照会文書には根拠条文が書かれていることが多い。まずそこを見て、義務の調査か任意協力の調査かを仕分けるだけで、事務の優先順位がすぐに決まる
Q2患者さんのデータを県に出して、個人情報保護法的に大丈夫なんですか?
本条による求めに応じて提供する場合は、個人情報の保護に関する法律27条1項1号の「法令に基づく場合」に当たりうると解され、本人の同意なしに提供できる余地がある。ただし本条は回答義務まで定めていないので、どこまで出す必要があるかは提供する側で判断しなければならない。実務のポイント:実務では集計値で足りる照会が多い。個票を求められたら、集計値で代わりにならないか照会元に確かめるのがトラブルを避ける定石である
間違えやすい点 AI による整理
- 都道府県の照会には必ず答えないと罰せられる、と身構える医療機関は多い。しかし本条には罰則がない。ただ、病床機能報告(医療法30条の13)のように、別の条文で報告が義務づけられている調査もある。両者を一緒くたにして「どうせ任意だろう」と放置すると、義務のある報告まで落とすという逆方向の失敗につながる
- 医療者から見れば、照会票は日々の事務負担の一つにすぎない。ところが行政から見ると、それは地域のどこにどんな機能があるかを知るための、代わりの少ない一次データである。空欄や古い数字は「その機能はない」と読まれかねない。回答する側の軽い扱いと、受け取る側の重い扱い。このずれが、数年後の再編議論で自院を不利にする
- 「医療計画は病院と役所の話で、住民には関係ない」という前提の置き方がそもそもずれている。救急車でどの病院に運ばれるか、近所の在宅医が増えるかどうか。どちらも医療計画の射程に入っており、その土台の情報はこの条文を通って集められている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 性格 | 医療法30条の6:都道府県による情報提供の「求め」(任意協力) | 医療法30条の13:病床機能報告(報告義務) 医療法6条の3:医療機能情報の報告(報告義務) |
| 相手方 | 官公署、医療保険者、医療提供施設の開設者・管理者・設置者 | 一般病床・療養病床を有する病院・診療所の管理者 病院・診療所・助産所の管理者 |
| 目的 | 医療計画の作成・計画に基づく事業の実施 | 地域医療構想の推進に向けた病床機能の把握 住民・患者による医療機関選択の支援 |
| 応じない場合 | 本条に罰則なし | 都道府県知事が報告を命じ、従わない場合は公表されうる 都道府県知事による命令等の対象になりうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では医療機関が法令または主管機関の通知に基づき報告し、資料収集に応じる義務が医療法に置かれ、医療網計画の基礎となる。日本の任意協力型よりも義務的な構造である
韓国では保健福祉部と地方自治体が病床の需給計画を立てる。計画策定の基礎データは健康保険審査評価院の請求データの比重が大きい
ドイツでは各州が病院計画(Krankenhausplan)を策定し、州の病院法に基づき病院からデータを収集する。計画への収載が公的助成の前提となる点で拘束力が強い
米国では連邦統一の地域医療計画はなく、一部の州が CON 法で病床や設備の新設を許可制にしている。州ごとに制度の有無が分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 県から「医療機能に関する調査」の照会文書が届いた。回答期限は二週間後。院長は外来で手一杯で、事務長は昨年の回答をそのまま写して返すつもりでいる。その数字をもとに、次の見直しで自院が地域の在宅医療の担い手として数えられるかどうかが決まるかもしれない
- もし、あなたの会社の健康保険組合に県から情報提供の求めが来たら、何が出ていくのか? 本条は医療保険者も求めの相手に含めている。出すのは通常、個人が特定されない集計データだが、どこまで出すかは組合側が判断することになる
- 地元の総合病院が夜間救急の縮小を発表した。経緯をたどると、県が集めた機能情報と調整会議の資料に行き着く。その資料の多くは県のサイトで公開されている
取るべき行動
被害を受けた側:地域の医療が縮小される側の住民や患者として動く場合:1. 都道府県のサイトで医療計画と、地域医療構想調整会議の資料を確認する2. 数字に疑問があれば、情報公開条例に基づく開示請求で集計の根拠資料を求める3. 計画素案の意見募集の期間に、受診が難しかった具体的な事実を添えて意見を出す4. 医療計画を作るときは市町村の意見を聴く手続がある(医療法30条の4)ため、市町村や議会を通じて声を届ける
訴えられた側:情報提供を求められた医療機関や医療保険者として動く場合:1. 照会文書で根拠条文(本条か、30条の13などの報告義務か)と利用目的を確認する2. 本条に罰則はないが、制度は協力を前提に回っているため、正当な理由なく拒むより、提供範囲を調整する交渉を優先する3. 患者情報が含まれる場合は、集計化・匿名化で足りないか照会元に確認する4. 提出した内容の記録を院内に残し、次回の照会と数字の整合を取る
時効(請求できる期限):本条自体に期限や時効の定めはない。回答期限は都道府県の照会文書で個別に指定される。医療計画は6年ごとに作られ、一部の事項は3年ごとに中間見直しが行われるため、見直しの前の照会が実質的な締切になる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
行政調査論(一般的理解):本条は罰則や強制手段を伴わない情報収集権限であり、相手方の任意の協力を前提とする非権力的な行政調査に位置づけられる。確実な把握が必要な事項は別条の報告義務で手当てされる。
- 医療法 第30条の4都道府県の医療計画作成義務
- 医療法 第30条の13義務型の病床機能報告制度
- 医療法 第30条の14地域医療構想の協議の場、医療保険者の参画
- 医療法 第6条の3病院等の医療機能情報の報告義務
- 介護保険法 第7条本条の医療保険者の定義の引用元
- 個人情報の保護に関する法律 第27条法令に基づく第三者提供の例外
- 高齢者の医療の確保に関する法律 第9条都道府県医療費適正化計画との連動
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める