医療法 第31条
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公的医療機関(都道府県、市町村その他厚生労働大臣の定める者の開設する病院又は診療所をいう。以下この節において同じ。)は、協議が調つた事項その他当該都道府県において必要とされる医療の確保に関する事項の実施に協力するとともに、第三十条の二十四の規定により協力を要請されたときは、当該要請に応じ、医師の確保に関し協力しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第31条は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第31条の条文原文は「公的医療機関(都道府県、市町村その他厚生労働大臣の定める者の開設する病院又は診療所をいう。」で始まります。
- 医療法第31条は第五章 医療提供体制の確保に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第31条の前の条は医療法第30条の27です。
- 医療法第31条の次の条は医療法第32〜33条です。
- 医療法第31条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第31条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第31条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/31
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法31条は、県・市町村や日赤・済生会などが開設する病院を公的医療機関とし、地域医療の確保と、知事の要請に応じた医師確保への協力を義務づける。
Q · 県から医師派遣を頼まれたら、日赤や済生会の病院は断れるの?
原則断れない。応じる義務があり、条件は県と調整する
医療法31条は、県・市町村や日本赤十字社・済生会・厚生連などが開設する「公的医療機関」に対し、都道府県知事から医療法30条の24に基づいて医師確保への協力を要請されたときは応じなければならないと定めています。条文は努力義務ではなく「しなければならない」という表現です。ただし31条自体に罰則はなく、派遣する人数・期間・費用負担などの具体的な中身は、実務上、県の地域医療対策協議会などでの調整で決まることが多いのが実情です。
解説
日赤、済生会、JA 厚生連。看板に「県立」も「市立」もないのに、法律上は県立・市立病院と同じ列に並べられる病院がある。医療法31条は、都道府県・市町村と、厚生労働大臣が定める者(日本赤十字社、済生会、厚生農業協同組合連合会など)が開設する病院・診療所を「公的医療機関」と呼ぶ。そのうえで二つの義務を負わせている。一つ目は、県の協議の場でまとまった事項など、その県に必要な医療を確保するための施策に協力すること。二つ目は、知事から医師確保への協力を求められたら(30条の24)、それに応じることだ。条文の書き方は「努めなければならない」ではなく「しなければならない」である。あなたの町の小さな診療所に週一回だけ来る医師も、この仕組みを通じて基幹病院から派遣されている可能性がある。逆に言えば、地元の医師不足を病院の窓口で訴えても効き目は薄い。医師の配置を実際に動かすのは、県の医師確保計画と協議会でまとまった内容のほうである。
法的な位置づけ
公的医療機関とは、医療法第31条に基づき、都道府県、市町村その他厚生労働大臣の定める者(日本赤十字社、済生会、厚生農業協同組合連合会など)が開設する病院又は診療所をいう。当該都道府県で必要とされる医療の確保に関する事項の実施への協力と、都道府県知事の要請に応じた医師確保への協力が法的義務として課される。
手順
- 1.地域が医師少数区域かを確認 県のウェブサイトで医療計画(医師確保計画)を開き、自分の住む二次医療圏が医師少数区域・医師多数区域のどちらに設定されているかを確認する
- 2.地域医療対策協議会の議事録を読む 県が公開している地域医療対策協議会の議事録・資料を検索し、自分の地域の診療科や医師派遣が議題に上がっているかを確かめる
- 3.市町村経由で県に要望する 市町村の保健医療担当課に地域の医師不足の実情を伝え、県の協議会の議題に載せるよう要望してもらう。住民団体としてまとめると声が届きやすい
- 4.計画見直し時の意見募集に参加 医師確保計画の見直し時期に行われる意見募集(パブリックコメント)の期間を把握し、期限内に具体的な意見を提出する。期間を逃すと次の見直しまで反映されにくい
よくある質問 AI による整理
Q1公的医療機関とは
医療法31条が定める、都道府県・市町村や厚生労働大臣の定める者(日赤・済生会・厚生連など)が開設する病院・診療所のことです。
Q2公的医療機関 一覧 どこで見られる?
開設者の範囲は厚生労働大臣の告示で定められています。個別の病院は各都道府県の医療計画や病院名簿で確認するのが確実です。
Q3済生会病院は公立病院?
公立ではありません。済生会は社会福祉法人ですが、厚生労働大臣の定める者として、済生会の病院は医療法31条の公的医療機関に位置づけられています。
Q4厚生連病院とは
JA グループの厚生農業協同組合連合会が開設する病院です。農村部の地域医療を担うことが多く、医療法31条の公的医療機関に含まれます。
Q5医師確保計画とは
都道府県が医療計画の一部として定める医師確保の計画です。医師少数区域などを設定し、医師の偏在対策の方針や目標を定めます。
Q6地域医療対策協議会 何を決める?
都道府県が設置し、医師の派遣調整やキャリア形成プログラムなど医師確保の具体策を協議します。まとまった事項に公的医療機関は協力義務を負います。
Q7公的医療機関の協力義務 違反したらどうなる?
31条自体に罰則はありません。ただ法的な義務であり、公的医療機関には厚生労働大臣や知事による監督規定も別に置かれています(現行効力要確認)。
Q8医師不足 誰に相談すればいい?
病院窓口より、市町村の担当課や県の医療政策担当部署が有効です。医師確保計画の意見募集や県議会議員への陳情も声を届けるルートになります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1近所の日赤病院って、国がやってる病院じゃないんですか?
国の病院ではない。開設しているのは日本赤十字社という法人だが、医療法31条と厚生労働大臣の告示によって、県立・市立病院と同じ「公的医療機関」に位置づけられている。実務のポイント:国立病院機構の病院は、逆に31条の公的医療機関には入らない。国の政策文書では、これらを含めた「公立・公的医療機関等」という広い括りが別に使われる。ニュースに出てくる病院数が記事によって違うのは、この括りの違いによることが多い
Q2県に医師を出してくれと頼まれて、病院が断ったら罰則はあるんですか?
31条そのものには、違反を直接罰する規定は置かれていない。ただし法的な義務であることは確かで、公的医療機関に対しては厚生労働大臣や知事による監督の規定も別に設けられている(35条、現行効力を要確認)。実務のポイント:実際の医師派遣の多くは、大学の医局を通じた調整で決まる。31条は表に出て使われる武器というより、県と病院が交渉するときの背骨として働いている
Q3勤務医です。病院が県に協力するからといって、僻地に行けと命令されることはあるんですか?
31条の義務を負うのは病院の開設者であり、医師個人ではない。あなたをどこに配置するかは、就業規則や労働契約にある配転・出張の規定によって決まる。実務のポイント:応援先で働いた時間も、所属する病院での労働時間として管理される。2024年4月から医師にも時間外労働の上限(A 水準は原則年960時間)が適用されている。そのため派遣が上限を超えそうな場合は、それを理由に派遣の条件を見直すよう求める余地がある(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「公的医療機関=国や県が運営する病院」と思われがちだが、31条の範囲はそうなっていない。日本赤十字社や済生会のような法人が開設する病院は含まれる一方、国立病院機構の病院や国立大学病院はこの条文の「公的医療機関」には入らない。国の政策文書では、国立病院機構などまで含めた「公立・公的医療機関等」というより広い括りが別に使われており、報道される病院数はどの括りを使うかで変わる
- 「なぜ地元の病院は医師を派遣してくれないのか」という問いは、立て方がずれている。医師派遣の起点は、病院単独の判断よりも県の協議と知事の要請にある。問うべきは「県の協議会で自分たちの地域について何が決まったか、あるいは決まらなかったか」である
- 「協力しなければならない」という文言は知っていても、その重さまでは知られていない。公的医療機関は公的な位置づけを持つ代わりに、地域の医療体制を再編する議論で真っ先に対象になる。2019年に厚生労働省が、再編・統合の再検証を求める公立・公的病院として424病院の実名を公表したことも、同じ構造の上にある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の中身 | 医療法31条:公的医療機関の定義と協力義務 | 医療法30条の24:知事による医師確保の協力要請 医療法30条の23:地域医療対策協議会での協議 |
| 主体 | 公的医療機関(の開設者)が義務を負う | 都道府県知事が要請する側 都道府県が協議の場を設ける |
| 関係の流れ | 協議の結果や要請を受けて実施に協力する(出口) | 協議が調った事項に基づき要請する(中間) 医師確保の具体策を話し合う(入口) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は公立醫療機構を政府機関・公営事業・公立学校の設立に限って定義し、医療資源の均衡配置は中央主管機関による醫療區域の計画で進める。日赤型の民間法人を公的に位置づける枠組みは日本特有
韓国は公共保健医療機関の範囲と役割を独立の法律で定める。医療脆弱地域への対応を公共医療の任務とする点で日本と問題意識が共通する
フランスは公立病院に加え、一定の民間非営利施設も公的病院サービス(service public hospitalier)を担う仕組みを持ち、開設主体を越えて公的任務を課す点で日本の構造と近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 県から「来年度、離島の診療所に常勤医を一名出してほしい」という文書が届いた。済生会病院の院長は断れるのか? 31条は応じる義務を定めている。ただ実務上は、人数や期間、費用を誰が持つか、自院の手薄になる部分をどう埋めるかは、県との調整で決まることが多い。「断るか従うか」の二択ではなく、協力の中身をどう詰めるかの交渉になる
- あなたは厚生連病院の勤務医で、医局会で突然、隣町の診療所への週一回の応援を割り振られた。協力義務を負っているのは病院であって、あなた個人に対する直接の命令ではない。あなたの勤務がどうなるかは、就業規則や労働契約、そして2024年4月から医師にも適用された時間外労働の上限規制の範囲内で決まる
- 町立病院が「来春で分娩の取り扱いを休止する」と発表した。説明会で院長を責めても、医師は一人も戻ってこない。声を届けるべき先は、県の地域医療対策協議会である
- 県の医師確保計画は3年ごとに見直される。素案への意見募集の期間は1か月前後のことが多い。この期間に地元の市町村や住民団体が何も言わなければ、その地域への医師配分は次の見直しまで3年間ほぼ固定される
取るべき行動
被害を受けた側:1. 地元の病院の休診や縮小を知ったら、まず県の医療計画(医師確保計画)で、自分の地域が医師少数区域に指定されているかを確認する2. 県のサイトで地域医療対策協議会の議事録を読み、自分の地域が議題に上がっているかを確かめる3. 市町村の担当課を通じて要望するか、計画への意見募集の期間に意見を出す4. 県議会議員への陳情も有効である。病院の窓口に苦情を言うのが、医師の配置を動かすうえでは最も効き目の薄いルートだと知っておく
訴えられた側:1. 要請文書が根拠としている条文(30条の24)と、求められている協力の中身を確認する2. 31条により応じる義務はあるが、派遣の人数・期間・費用負担は実務上調整で決まることが多い。自院の診療体制に支障が出る場合は、具体的なデータで示す3. 派遣する医師の労働時間の管理(医師の時間外労働上限規制)を、派遣先と文書で明確にしておく4. 協議会の段階から議論に参加し、正式な要請が出る前に条件を詰めておく
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。実務上の節目は、医師確保計画の見直し周期(3年ごと)と、計画を決める前の協議会の開催・意見募集の期間である。この時期を逃すと、次の見直しまで反映されにくい(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:医療法制定時に公的医療機関の章が設けられ、公的医療機関の定義規定として置かれた。その後の改正で医師確保への協力義務などが追加されている(改正経緯は e-Gov で要確認)
- 医療法 第30条の4医療計画と医師確保計画の策定
- 医療法 第30条の23地域医療対策協議会での協議(現行効力を要確認)
- 医療法 第30条の24知事による医師確保の協力要請
- 医療法 第7条の2公的医療機関の開設・増床の制限(現行効力を要確認)
- 医療法 第35条公的医療機関に対する行政の命令権(現行効力を要確認)
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第36条の2公的医療機関等の感染症医療の提供義務(現行効力を要確認)
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