医療法 第36条
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- 厚生労働大臣は、特定医薬品(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第二条第十七項に規定する特定医薬品をいう。以下同じ。)について、その供給が不足し、又はその特定医薬品の需給の状況その他の状況から合理的に判断して、その供給が不足する蓋然性があると認められるため、適切な医療の提供が困難になることにより、国民の生命及び健康に影響を与えるおそれがあると認める場合は、製造販売業者(同法第十二条第一項の医薬品の製造販売業の許可を受けた者をいう。以下同じ。)、製造業者(同法第十三条第一項の医薬品の製造業の許可を受けた者をいう。以下同じ。)、卸売販売業者(同法第三十四条第一項の卸売販売業の許可を受けた者をいう。第三十八条の四において同じ。)その他の関係者に対し、当該特定医薬品又は代替薬(同法第十八条の五に規定する代替薬をいう。以下この条において同じ。)の増産、販売の調整その他の当該特定医薬品又は代替薬を必要とする医療提供施設に対する当該特定医薬品又は代替薬の提供を図るために必要な協力を求めることができる。
- 2.厚生労働大臣は、前項に規定する場合には、薬局開設者(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第一条の四に規定する薬局開設者をいう。)又は病院若しくは診療所の開設者その他の関係者に対し、調剤又は処方に関する配慮その他の当該特定医薬品又は代替薬を必要とする者に対する医療の提供を図るために必要な協力を求めることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第36条は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第36条の条文原文は「厚生労働大臣は、特定医薬品(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第二条第十七項に規定する特定医薬品をいう。」で始まります。
- 医療法第36条は第五章 医療提供体制の確保に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第36条の前の条は医療法第35条です。
- 医療法第36条の次の条は医療法第37条です。
- 医療法第36条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第36条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第36条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/36
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法36条は、特定医薬品が不足するおそれがある場合に、厚生労働大臣がメーカーや卸に増産・販売調整を、薬局や医療機関に処方・調剤上の配慮を求められると定める。強制力はない。
Q · 薬が足りないとき、国はメーカーに増産を命令できるの?
命令はできず、強制力のない「協力の求め」にとどまる
医療法36条1項により、厚生労働大臣は特定医薬品が不足し、または不足する蓋然性があって国民の生命・健康に影響するおそれがあると認める場合、製造販売業者・製造業者・卸売販売業者に、当該医薬品や代替薬の増産・販売調整への協力を求めることができます。2項では薬局や病院・診療所の開設者にも調剤・処方上の配慮を求められます。ただし、いずれも命令ではなく、本条に罰則はありません。
解説
薬局で「その薬、今は入らないんです」と言われたとき、多くの人は薬局の在庫管理の問題だと考える。実際には、国が動ける仕組みが条文として用意されている。厚生労働大臣は、特定医薬品が不足しているか、不足する蓋然性(かなり高い見込み)があり、国民の生命・健康に影響が出るおそれがあると認めた場合、製造販売業者・製造業者・卸売販売業者に増産や販売の調整を求めることができる。薬局や病院・診療所の開設者には、調剤や処方での配慮を求めることができる。要になるのは語尾の「協力を求めることができる」である。命令ではない。行政指導(役所が法的な強制力なしにお願いする行為)の性格が強く、本条そのものに罰則はない。つまり、不足時に何が起きるかは、メーカーから処方医まで、供給網のそれぞれの段階がどれだけ応じるかで決まる。処方日数が急に短くなったなら、その背後にこの連鎖があるかもしれない。
法的な位置づけ
医療法第36条は、特定医薬品の供給不足時における協力要請を定める規定である。厚生労働大臣は、供給不足またはその蓋然性により適切な医療の提供が困難となり、国民の生命・健康に影響するおそれがあると認める場合、製造販売業者等に増産・販売調整を、薬局開設者や病院・診療所の開設者に調剤・処方上の配慮を求めることができる。
よくある質問 AI による整理
Q1特定医薬品とは何ですか?
医薬品医療機器等法(薬機法)2条17項が定める医薬品です。医療法36条は、この特定医薬品の供給不足を協力要請の前提にしています。対象の範囲は薬機法の定義で決まります。
Q2代替薬とはどういう薬ですか?
薬機法18条の5が定める、特定医薬品の代わりになる医薬品です。医療法36条1項は、不足した薬だけでなく代替薬についても増産や販売調整への協力を求められるとしています。
Q3医薬品の出荷調整とは何ですか?
メーカーや卸が、在庫の偏りを防ぐために出荷量を絞り、取引先に配分する対応です。医療法36条1項の「販売の調整」は、国がこうした配分への協力を求めるための根拠になります。
Q4薬の供給不足はいつまで続く?
品目によって違います。増産には原薬の調達や製造ラインの確保が必要なため、解消までに数か月以上かかることもあります。見込みは薬剤師や処方医に確認するのが確実です。
Q5入荷未定の薬を薬局で取り寄せできる?
卸の段階で販売調整がかかっていれば、薬局が個別に在庫を積み増すのは難しいのが実情です。取り寄せを待つより、処方医に代替薬を相談する方が早い場合が多いです。
Q6薬不足のとき別メーカーの薬に変えてもいい?
同じ成分の別メーカー品や代替薬に変えられる場合はありますが、判断するのは医師・薬剤師です。自己判断で薬を変えたり服用間隔を空けたりせず、必ず相談してください。
Q7医療法36条の協力要請の対象になるのは誰?
1項は製造販売業者・製造業者・卸売販売業者などが対象です。2項は薬局開設者や病院・診療所の開設者などが対象で、上流から下流まで供給網全体が含まれています。
Q8医薬品の供給不足の情報はどこで確認できる?
厚生労働省や製薬業界団体が公表している供給状況の情報で確認できます。個別の薬については、かかりつけの薬剤師に聞くのが最も早く確実です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1薬が足りないのって、国は何もしてくれないんですか?
何もしていないわけではない。医療法36条1項により、厚生労働大臣は製造販売業者や卸に増産や販売の調整を求めることができる。ただし法的には「協力の求め」であり、強制力はない。実務のポイント:原薬(有効成分)を海外の特定の供給元に頼っている品目も多く、国の要請があっても増産の効果は数か月単位でしか出ない。短期で効くのは、流通段階での配分の調整の方である
Q2処方日数を短くされたんですけど、断れないんですか?
処方は医師の医学的判断であり、患者に日数を指定する権利があるわけではない。医療法36条2項は、供給不足時に処方・調剤上の配慮を求める根拠にもなっている。実務のポイント:処方箋の使用期間は原則として交付日を含めて4日(保険医療機関及び保険医療養担当規則20条)。在庫のある薬局を探せる猶予も4日しかないので、受け取ったらその日のうちに薬局へ在庫を電話で確認しておく
Q3メーカー側なんですが、協力要請を断ったら処分されますか?
本条そのものに罰則はない。行政指導としての協力要請であれば、応じなかったことを理由に不利益に扱うことは禁じられている(行政手続法32条2項)。実務のポイント:口頭で要請を受けたら、趣旨・内容・責任者を記した書面の交付を求められる(同法35条3項)。書面があれば、出荷を絞った取引先への説明資料としてそのまま使える
間違えやすい点 AI による整理
- 「国が命令すれば、足りない薬はすぐ増える」と思われがちだが、本条で国ができるのは協力を求めることまでで、増産を強制する力はない。しかも増産には原薬の調達や製造ラインの確保が必要で、要請に応じたとしても効果が出るまで数か月単位でかかることが珍しくない
- 「どの薬局なら在庫があるか」を探し回るのは、問いの立て方そのものがずれている。卸の段階で販売調整がかかっていれば、個々の薬局が在庫を積み増すことはできない。立てるべき問いは「どの代替薬に切り替えられるか」であり、それを決められるのは処方医だけである
- 事業者から見れば「任意の協力要請だから、応じなくても処分はない」。法的にはその通りで、行政指導に従わなかったことを理由に不利益に扱うことは禁じられている(行政手続法32条2項)。しかし医療機関や取引先から見れば、不足のときにどう動いたかは長く記憶される。法的なリスクがゼロでも、取引上のリスクまでゼロになるわけではない
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では、必要藥品の製造・輸入業者に供給不足や供給停止の事前通報を義務づけ、中央主管機関が対応をとる仕組みがある。事業者の通報義務から出発する点で、協力要請を軸とする日本の本条とは設計が異なる
ドイツは製薬企業・卸に、需要に応じて医薬品を継続的に供給する義務を法律で課している。任意の協力要請にとどまる日本より、事業者の義務が明示的である
フランスは、治療上重要な医薬品について供給不足防止計画や安全在庫の確保を事業者に義務づけ、違反には制裁がある。強制力の点で日本の本条と対照的である
米国は、一定の医薬品について製造中止や製造中断の FDA への事前通知を製造業者に義務づける。国による配分調整より、情報の早期把握を重視する設計である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 持病の薬が残り5日分。薬局からは「メーカーが出荷調整中で入荷未定」と言われた。5日のうちに何をするか。薬局を何軒も回るより、処方医に代替薬への切替を相談した方が早い。本条1項が代替薬まで協力要請の対象にしているのは、切り替えた先の供給を確保するためである
- あなたは中堅卸の営業担当。厚生労働省から、ある抗菌薬について販売調整への協力要請が届いた。長年の得意先の病院は「いつも通り100箱」と言ってくる。断れば関係がこじれ、応じれば他の医療機関に回らない。要請の書面を示して配分ルールを説明できるかどうかで、関係が壊れるかが決まる
- もし国の要請に応じず、手元の在庫を特定の取引先にだけ流す業者がいたら、どうなる? 本条そのものに罰則はない。制裁は条文の外から、医療機関や取引先からの信頼の喪失という形でやって来る
- 診療所の院長であるあなたに、長期処方を控えるよう協力要請が来た。患者から「なぜ2週間分だけなんですか」と詰められる。説明の根拠は本条2項にある。
- 薬局開設者のあなたは、在庫が少ない薬を常連患者に90日分出すか、初めて来た患者と分け合うかで迷っている。調剤上の配慮を求める要請は、その判断に公的なものさしを与える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 「入荷未定」と言われたら、残りの日数を確かめ、薬剤師に出荷調整の見込みと代替薬の有無を聞く2. 処方医に連絡し、代替薬や同じ成分の別メーカー品に切り替えられるか相談する(処方の変更は医師にしかできない) 3. 自己判断で服用の間隔を空けたり、他人の薬を分けてもらったりしない4. 持病の薬は、残りが1週間を切る前に動く習慣をつける
訴えられた側:1. 要請を受けたら、口頭であれば書面の交付を求め、対象品目・期間・趣旨を確定させる(行政手続法35条) 2. メーカー・卸は配分ルールを文書にし、取引先への説明を一本化する3. 医療機関・薬局は処方日数と代替薬についての院内方針を決め、患者向けの掲示を用意する4. 応じられない部分は理由を記録し、所管の窓口と早めに協議する
時効(請求できる期限):本条に固有の時効や期限はない(協力要請は、供給不足またはそのおそれがある期間に行われる)。一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)はあるが、本条の要請そのものには直接関係しない。患者にとって実際に効いてくる期限は処方箋の使用期間で、原則として交付日を含めて4日(保険医療機関及び保険医療養担当規則20条)である(最新の改正状況をご確認ください)
- 医療法 第1条医療提供体制確保という法目的
- 医療法 第30条の4都道府県医療計画の策定
- 医療法 第38条の4卸売販売業者の語を共用する条文(現行効力を要確認)
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第2条特定医薬品の定義(第17項)
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第18条の5代替薬の定義規定
- 行政手続法 第32条行政指導は任意の協力が前提
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