医療法 第46条の3
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- 社員総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項について決議をすることができる。
- 2.この法律の規定により社員総会の決議を必要とする事項について、理事、理事会その他の社員総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第46条の3は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第46条の3の条文原文は「社員総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項について決議をすることができる。」で始まります。
- 医療法第46条の3は第二款に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第46条の3の前の条は医療法第46条の2です。
- 医療法第46条の3の次の条は医療法第46条の3の2です。
- 医療法第46条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第46条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第46条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/46_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法46条の3は、社団医療法人の社員総会が同法と定款に定める事項を決議できると定める。法律上総会決議を要する事項を他の機関に委ねる定款の定めは無効である。
Q · 医療法人の定款に「理事の選任は理事会で決める」と書けば、社員総会を開かなくていいの?
いいえ。法定の総会決議事項は定款で理事会に移せない
医療法46条の3第1項により、社員総会は医療法と定款に定める事項を決議できます。そして同条2項は、医療法が社員総会の決議を求める事項(役員の選任、定款変更、解散など)を理事会や理事長など他の機関が決定できるとする定款の定めを無効としています。定款に書いても効力はなく、社員総会の決議を経ない選任は後に効力を争われるおそれがあります。
解説
クリニックを法人化した院長の多くは、医療法人を「自分の会社」だと思っている。ところが法律上、社団医療法人の最高意思決定機関は院長でも理事会でもなく、社員総会である。本条1項は、社員総会が医療法と定款で定めた事項を決議できると定める。2項はさらに踏み込む。法律が社員総会の決議を求めている事項(理事・監事の選任や解任、定款変更、解散など)を「理事会が決める」「理事長に一任する」と定款に書いても、その定めは効力を持たない。つまり、医療法人の支配権は定款の工夫では動かせない。誰が社員名簿に載っているかで決まる。社員の議決権は出資額に関係なく原則一人一票であり、資金をいくら出していても、社員総会で多数を握れなければ理事長の座すら守れない。承継や親族間の対立が起きる前に社員構成を確認しておくかどうかで、結果は大きく変わる。
法的な位置づけ
医療法46条の3は、社団医療法人における社員総会の決議権限を定める規定である。社員総会は医療法と定款に定める事項について決議でき、医療法が社員総会の決議を要求する事項を理事、理事会その他の社員総会以外の機関に決定させる定款の定めは無効とされる。法定の総会専権事項を定款自治の外に置く強行規定として機能する。
よくある質問 AI による整理
Q1医療法人の社員総会とは?
社団医療法人の最高意思決定機関です。役員の選任・解任、定款変更、解散など、法人の根幹に関わる事項を社員の決議で決めます。
Q2医療法人の社員になるには?
定款が定める入社手続きを経る必要があります。出資したことと社員であることは別で、社員名簿への記載が確認の出発点になります。
Q3医療法人の理事長を辞めさせることはできる?
理事長の職は理事会で解くことができ、理事の地位そのものは社員総会の決議で解任できます。最終的な主導権は社員総会の多数を握る側にあります。
Q4医療法人の定款変更に社員総会は必要?
必要です。社員総会の決議に加え、原則として都道府県知事の認可も要します。理事会だけの決定で定款を変えることはできません。
Q5定款で役員選任を理事会に任せたら違法?
違法というより、その定款の定めが効力を持ちません(医療法46条の3第2項)。その定めに基づく選任は効力を争われるおそれがあります。
Q6医療法人の議決権は出資額に比例する?
比例しません。社員は原則として各一個の議決権を持ちます(医療法46条の3の3)。出資持分の大小と総会での票数は別に数えます。
Q7医療法人の社員総会はいつ開く?
理事長は少なくとも毎年1回、定時社員総会を開く必要があります。必要に応じて臨時社員総会を招集することもできます。
Q8社員総会の決議を経ない役員選任は無効?
法律上総会決議が必要な選任を他機関が行った場合、効力を争われる余地があります。決議不存在・無効確認訴訟で争われるのが典型です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの医療法人、社員総会なんて一度も開いたことないんですけど、まずいですか?
医療法は社団医療法人に社員総会の設置を求め(医療法46条の2)、役員の選任など多くの事項を社員総会の決議事項としている(本条、46条の5)。開催の実態がなければ、過去の役員選任の効力が争われるおそれがある。実務のポイント:議事録だけを作成し、実際には開催していない法人は少なくない。平時には問題にならないが、相続や内紛が起きた瞬間、その議事録が相手方の最初の攻撃材料になる
Q2定款に「理事長が全部決める」って書けば、社員総会はいらなくなりますか?
なりません。法律が社員総会の決議を要求している事項について、理事長や理事会に決定を委ねる定款の定めは効力を持たない(本条2項)。法律上の専権事項以外は、定款の定めに従う余地がある。実務のポイント:古い定款やネットの雛形には、本条2項と矛盾する条項が残っていることがある。行政の認可を得た定款でも条項の有効性が保証されるわけではないため、承継前に専門家に一度照合してもらうべきである
間違えやすい点 AI による整理
- 「理事長は院長だから法人を支配できる」と思われがちだが、理事長を選ぶ理事を選任・解任するのは社員総会である。理事長のポストは、社員総会の多数の支持があって初めて成り立つ
- 出資持分がある医療法人なら、出資の割合で議決権が決まると考える人は多い。医療法の立場は違う。社員の議決権は原則一人一票で(医療法46条の3の3)、持分の大きさとは別に数えられる。出資者と社員は別の概念であり、この二つを混同したまま事業承継の設計をすると、財産は子に渡ったのに支配権は他人に残るというねじれが起きる
- 「定款は自由に作れるのだから、面倒な社員総会は理事会で代替すればよい」という発想そのものが、本条2項の前では成り立たない。問うべきは「どう代替するか」ではない。「その事項が法律上社員総会の専権事項かどうか」である。専権事項なら、どう書いても定款の定めは効力を持たない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 総会の決議範囲 | 医療法46条の3第1項:医療法と定款に定める事項に限る | 会社法295条:取締役会設置会社では会社法と定款に定める事項に限る 一般法人法35条:理事会設置法人では同法と定款に定める事項に限る |
| 他機関への委譲の可否 | 法定の総会決議事項を他機関に委ねる定款の定めは無効(2項) | 法定の総会決議事項を他機関に委ねる定款の定めは無効(295条3項) 法定の総会決議事項を他機関に委ねる定款の定めは無効(35条4項) |
| 議決権の数え方 | 社員は原則一人一票(医療法46条の3の3) | 原則として一株一議決権(持株数に比例) 社員は原則一人一票 |
| 実務上の支配権の所在 | 社員名簿の多数を押さえた側。出資額とは切り離される | 株式の多数を押さえた側。出資と支配が連動する 社員の多数を押さえた側 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も社団の総会を最高機関とし、定款変更や理事・監察人の任免を総会決議事項とする。医療社団法人も同じ枠組みの上に置かれる
韓国は、定款で理事等に委任した事項以外の社団法人の事務は総会の決議によるとする。総会の権限を広く推定する点で本条とは作りが異なる
ドイツは社員総会を社団の基本機関としつつ、多くの規定を定款で変更できる任意規定とする。日本の本条2項のような強行性は相対的に弱い
米国の非営利法人法モデルは、メンバーを置く法人でメンバーが理事を選任する枠組みを持つ。州法ごとに差がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 開業医の父が亡くなり、長男が理事長を継いだ。ところが社員名簿を開くと、社員は母、長女、次男、事務長の4人で、長男は入っていない。社員総会で理事を解任されれば、理事長の地位もそこで終わる
- もし定款に「理事の選任は理事会の決議による」と書いてあったら、その定款で選ばれた理事は有効なのか? 本条2項により、その定款の定め自体が効力を持たない。社員総会の決議を経ていない選任は、あとで効力を争われるおそれがある
- あなたは医療法人の理事長で、反対派の理事を外したいと考えている。理事会決議だけで処理しようとした瞬間、相手方の弁護士から「本条2項違反だ」という書面が届く
- クリニックの M&A で買収側についた。持分をすべて譲り受けて安心していたら、旧院長の親族が社員として残っていて、社員総会の過半数を握っていた。クロージング前日のこの発見が、取引全体を白紙に戻す
- 医療法人の事務長をしている友人から、理事長が「定款を変えておいて」と言っているが、社員総会を開かなくても理事会で済むか、と相談された。定款変更は社員総会の決議が必要な事項であり、しかも都道府県知事の認可まで要る。答えは三十秒で出る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 定款、社員名簿、過去の社員総会議事録、役員変更の届出書類を手元に集める2. 争点となっている決定(理事の解任、定款変更など)が法律上社員総会の決議を要する事項か確認する3. 理事会や理事長が単独で決めていれば、本条2項を根拠に効力を争う旨を内容証明で通知する4. 解決しなければ、医療法人に詳しい弁護士と、決議不存在または無効の確認訴訟を検討する。所轄の都道府県への情報提供も選択肢の一つである
訴えられた側:1. 問題となっている決定について、社員総会の招集通知、出席者、議事録が揃っているか直ちに点検する2. 手続きに欠けがあれば、改めて社員総会を適法に招集し、同一内容を決議し直す(追認的な再決議)ことを検討する3. 定款に本条2項に反する条項があれば、社員総会の決議と知事認可を経て定款を変更する4. 相手方と協議する前に、社員の過半数を確保できるか票読みをしておく
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。ただし社員総会決議の効力そのものを争う場合、時間が経つほど既成事実が積み重なり、実務上の立証は難しくなる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説的理解:本条2項は、会社法295条3項・一般法人法35条4項と同じく、法定の総会決議事項を他機関に移す定款自治を否定する強行規定と解される。法定事項以外は定款の定めに委ねられる
改正沿革 AI による整理
- 平成27年(2015年)医療法改正(平成28年9月1日施行とされる、要人的検証) 医療法人の機関(社員総会・理事会等)に関する規定が一般社団法人法に倣って整備され、本条の現行規定が置かれたとみられる。新設か改正か、旧条文番号との対応は未確認
改正の年表
- 1.平成27年(2015年) 改正:医療法の一部を改正する法律により、医療法人の機関(社員総会・理事会等)の規定が一般法人法に倣って整備された。本条の現行規定もこの改正で置かれたとされる(施行は平成28年9月1日とされる、要検証)
- 医療法 第46条の2社員総会等の機関設置義務
- 医療法 第46条の3の3社員の議決権は各一個(現行効力を要確認)
- 医療法 第46条の5役員は社員総会決議で選任
- 医療法 第54条の9定款変更の社員総会決議と認可(現行効力を要確認)
- 医療法 第55条社員総会決議による解散
- 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 第35条社員総会権限の同型規定(通称 一般法人法)
- 会社法 第295条株主総会権限の同型規定
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