医療法 第56条の15
クイックジャンプ
裁判所は、第五十六条の四の規定により清算人を選任した場合には、医療法人が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。この場合においては、裁判所は、当該清算人及び監事の陳述を聴かなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第56条の15は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第56条の15の条文原文は「裁判所は、第五十六条の四の規定により清算人を選任した場合には、医療法人が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。」で始まります。
- 医療法第56条の15は第七節に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第56条の15の前の条は医療法第56条の14です。
- 医療法第56条の15の次の条は医療法第56条の16です。
- 医療法第56条の15には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第56条の15 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第56条の15(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/56_15
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法56条の15は、裁判所が選任した清算人の報酬額を裁判所が定めることができると規定する。決定の前には、清算人と監事の陳述を聴かなければならない。
Q · 裁判所が選んだ医療法人の清算人の報酬は、誰がいくらに決めるの?
裁判所が決める。その前に清算人と監事の意見を聴く
医療法56条の15により、裁判所が56条の4に基づいて清算人を選任した場合、医療法人がその清算人に支払う報酬の額は裁判所が定めることができます。法人と清算人の交渉で決めるものではありません。決定前に、裁判所は清算人と監事の陳述を必ず聴きます。報酬は解散した医療法人の財産から支払われるため、その額は債権者への弁済や残余財産の額にも影響します。
解説
裁判所が選んだ清算人の報酬額を決めるのは、医療法人でも清算人本人でもなく、裁判所である。理事が清算人を引き受けない場合などに、裁判所は清算人(解散した法人の財産を整理し、債務を払い終えるまでを担う人)を選ぶ。選ばれるのは多くの場合弁護士である(医療法56条の4)。本条により、その人の報酬額を裁判所が定め、医療法人の財産から支払わせることができる。額は当事者同士の値段交渉では決まらない。決める前に裁判所が意見を聴かなければならないのは、清算人と監事の二者だけである。法人側から「その額は高すぎる」と公式に伝える窓口は、条文上は監事に限られる。監事が名ばかりで何も言わなければ、清算人の申告に近い額で決まりやすい。持分のある旧制度の医療法人では、報酬が増えるほど出資者に戻る残余財産が減る。あなたが出資者や遺族の立場なら、監事が誰で、裁判所に何を伝えるのかを最初に確かめておくべきである
法的な位置づけ
医療法56条の15は、解散した医療法人について裁判所が選任した清算人の報酬決定を定める規定である。報酬額は当事者間の合意ではなく裁判所が定めることができ、その際には清算人と監事の陳述を聴くことが義務付けられている。報酬は医療法人の財産から支払われる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.清算人が裁判所選任かどうかを確認する 医療法人の清算人が理事なのか、裁判所が56条の4で選任したのかを確認する。裁判所選任の場合のみ本条の報酬決定が問題になるため、事件番号と担当部も把握しておく
- 2.監事と連絡を取り、意見の方向性をそろえる 監事に連絡し、出資者・遺族・債権者の意向を伝える。裁判所の陳述聴取で監事が何を述べるかを、事前にすり合わせる
- 3.報酬額の妥当性を判断する材料をそろえる 財産目録、清算人の作業範囲(診療録の保管、リース機器の引揚げ、未払賃金の確認など)、財産の規模を整理し、報酬額が見合うか比較する材料を作る
- 4.陳述聴取の前に書面で意見を提出する 監事は口頭だけでなく書面で意見を出し、記録に残す。決定後に不満を述べるより、決定前に具体的な数字で示すほうが判断に反映されやすい
- 5.決定後、不服申立ての可否と期限を確認する 報酬決定の告知を受けたら、即時抗告ができるか、期限はいつまでかをすぐ弁護士に確認する。原則の期間は告知から2週間とされる
よくある質問 AI による整理
Q1医療法人の清算人とは何をする人ですか?
解散した医療法人の現務の結了、債権の取立て、債務の弁済、残余財産の引渡しを担う人です。原則は理事が就き、就けない場合は裁判所が選任します。
Q2医療法人の清算人は誰がなりますか?
原則として理事が清算人になります。定款や社員総会で別の人を定めることもでき、清算人がいないときは裁判所が利害関係人の申立て等により選任します。
Q3裁判所選任の清算人の報酬はどこから支払われますか?
解散した医療法人の財産から支払われます。医療法56条の15により裁判所が額を定め、法人がその清算人に支払う形です。
Q4清算人の報酬決定で監事は何ができる?
裁判所は報酬を決める前に監事の陳述を聴かなければなりません。監事は財産規模や作業量に照らした意見を、書面などで裁判所に伝えられます。
Q5医療法人の監事がいない場合はどうなる?
医療法人は監事を置く義務があります(医療法46条の5)。欠員のまま清算に入ると陳述聴取に支障が出るため、早めに補充の手続を確認すべきです。
Q6清算人の報酬決定に不服は申し立てられる?
報酬決定は非訟事件として扱われ、不服申立ては非訟事件手続法の即時抗告の規定によります。可否と期限(原則2週間)は弁護士に至急確認してください。
Q7清算人の報酬が高すぎて財産が足りないときは?
清算中に法人の財産が債務を完済するのに足りないと分かれば、清算人は破産手続開始を申し立てます。以後は破産手続で処理されます。
Q8クリニックを閉院するときも清算人は必要?
個人開業の閉院なら清算人は不要です。医療法人として開設している場合、法人を解散させれば清算手続が必要になり、清算人が置かれます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判所が選んだ清算人の報酬って、相場みたいなものはあるんですか?
法律で決まった額はない。医療法56条の15に基づき、財産の規模や作業量を踏まえて、裁判所が事案ごとに定める。実務のポイント:清算人の選任を申し立てるとき、裁判所から報酬や費用に充てる予納金を求められることが実務上は多い。額は裁判所と事案によって違う。申立てを考えているなら、事前に裁判所へ問い合わせると目安がつかめる
Q2監事なんて名ばかりでやってたんですが、裁判所から意見を聞かれたら何を言えばいいんですか?
本条では、裁判所は報酬を決める前に清算人と監事の陳述を聴かなければならない。財産の規模、実際にされた作業、法人側から見た負担感を、具体的な数字とともに伝えればよい。実務のポイント:口頭でなく書面で出すと記録に残り、裁判所の判断材料になりやすい。出資者や遺族の意向を事前に取りまとめてから陳述に臨む監事は少なく、そこで差がつく
間違えやすい点 AI による整理
- 「清算人の報酬は、清算人と法人が話し合って決めるもの」と考えがちだが、裁判所が選んだ清算人については、本条により裁判所が額を定めることができる。当事者間で値切り合う構図にはならない。意見を届けるなら、裁判所の陳述聴取の場が本番になる
- 監事の仕事は決算書に判を押すだけだと思っている人は多い。解散後の清算の局面では、清算人の報酬について裁判所に意見を述べる数少ない当事者になる。形だけの監事を置いていたツケは、平時ではなく法人が消えていく最後の局面で回ってくる
- 「持分なし医療法人の残りの財産は、どうせ国や自治体などに帰属するのだから、報酬がいくらでも関係ない」と考えるのは早い。清算人の報酬は、未払賃金や取引先への支払と同じ法人の財産から出ていく。財産がぎりぎりの法人では、報酬の額が債権者への弁済にも響く。財産が足りないと分かれば、清算人は破産手続開始を申し立てることになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の内容 | 医療法56条の15:裁判所選任の清算人の報酬額を裁判所が定める | 医療法56条の4:清算人がいないとき裁判所が清算人を選任する 医療法56条の3:原則として理事が清算人となる |
| 裁判所の関与 | 報酬額の決定(清算人と監事の陳述聴取が必須) | 清算人そのものの選任 原則なし(法人内部で決まる) |
| 報酬の決まり方 | 裁判所が定めることができる | 本条(56条の15)の決定につながる前提規定 法人内部の手続で定まり、本条の対象外 |
| 出資者・遺族が取れる対策 | 監事を通じて陳述聴取の場で意見を届ける | 選任前に清算人候補を確保し、裁判所選任を避ける 定款や社員総会で清算人を事前に決めておく |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾でも、清算人を定められないときは裁判所が利害関係人の申立て等により清算人を選任できる。報酬の扱いは個別の手続規定を確認する必要がある
ドイツ株式法では、裁判所が選任した清算人の報酬と費用を裁判所が定める。報酬決定を裁判所に委ねる構造は本条と共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 一人医師の医療法人の院長が急逝した。理事の家族は誰も清算人を引き受けたがらず、債権者の申立てで裁判所が弁護士を清算人に選んだ。半年後、遺族のもとに「報酬を含む清算費用」の明細が届く。その額が妥当かどうかを裁判所に伝える役目は、監事の肩にかかっている
- 報酬決定の前に、裁判所から監事であるあなたに意見照会が届いたらどうするか? 名義だけ貸していた親族の監事でも、ここで黙っていれば、法人の財産からいくら出ていくかに一言も口を挟まないまま決まる
- あなたが清算人に選ばれた弁護士の側だとする。旧院長の診療録の保管先探し、リース機器の引揚げ、退職した職員の未払賃金の確認と、作業量は当初の見込みの三倍に膨らんだ。報酬について陳述を求められる期日まで、あと10日しかない。作業時間の記録を今から整理しないと、実際の負担が報酬額に反映されない
取るべき行動
被害を受けた側:報酬額の影響を受ける側(出資者・遺族・債権者)にいる場合の手順。1. 裁判所が清算人を選任したことを確認し、事件番号と担当部を把握する2. 監事に連絡し、報酬について陳述を求められた際の意見内容をすり合わせる3. 清算人の作業範囲と財産目録を早い段階で確認し、報酬額が財産規模に見合うか比較する材料をそろえる4. 決定に不服がある場合、即時抗告できるかどうかと期限を弁護士に至急確認する
訴えられた側:清算人として報酬決定を受ける側にいる場合の手順。1. 選任直後から作業時間・内容・支出を日単位で記録する2. 陳述の機会では、診療録の保管や行政への届出など、医療法人に特有の作業負担を具体的に示す3. 法人の財産が債務を完済するのに足りないと分かったら、報酬の議論より先に破産手続開始の申立ての要否を検討する4. 監事の意見書が出た場合は、反論を書面で整理する
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。報酬決定は非訟事件(裁判所が後見的に判断する手続)として扱われ、不服申立ては非訟事件手続法の即時抗告の規定による。即時抗告の期間は原則として裁判の告知を受けた日から2週間(同法67条)。本条の決定に即時抗告できるかどうかは、個別の特則を含めて確認が必要である(最新の改正状況をご確認ください)
- 医療法 第56条の4裁判所による清算人の選任、本条の前提
- 医療法 第56条の3原則として理事が清算人となる規定
- 医療法 第56条の5重要な事由による清算人の解任
- 医療法 第56条の14清算事件の管轄裁判所(現行効力を要確認)
- 医療法 第46条の5監事の必置、陳述主体の根拠(現行効力を要確認)
- 非訟事件手続法 第66条終局決定に対する即時抗告の一般規定
- 非訟事件手続法 第67条即時抗告の期間2週間
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める