医療法 第59条の2
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第五十八条の二から第五十八条の四までの規定は、医療法人が新設合併をする場合について準用する。この場合において、第五十八条の二第一項及び第三項中「吸収合併契約」とあるのは「新設合併契約」と、同条第四項中「吸収合併存続医療法人」とあるのは「新設合併設立医療法人」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第59条の2は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第59条の2の条文原文は「第五十八条の二から第五十八条の四までの規定は、医療法人が新設合併をする場合について準用する。」で始まります。
- 医療法第59条の2は第三目に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第59条の2の前の条は医療法第59条です。
- 医療法第59条の2の次の条は医療法第59条の3です。
- 医療法第59条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第59条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第59条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/59_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法59条の2は、医療法人の新設合併に吸収合併の規定(58条の2〜58条の4)を準用する。社団医療法人なら総社員の同意が要り、都道府県知事の認可も必要となる。
Q · 医療法人どうしで新しい法人を作る「新設合併」には、どんな手続が必要なの?
吸収合併と同じく、社員全員の同意と知事の認可が必要
医療法59条の2は、新設合併について独自の手続を置かず、吸収合併の58条の2から58条の4を準用します。社団医療法人なら総社員の同意、財団医療法人なら寄附行為に合併できる旨の定めがあることと理事の3分の2以上の同意(寄附行為に別段の定めがあればそれに従う)が必要です。さらに都道府県知事の認可、認可後2週間以内の財産目録・貸借対照表の作成、2か月以上の異議申述期間を設ける債権者保護手続が求められます。
解説
二つの医療法人を一つにする方法は二つある。一方が他方を飲み込む吸収合併と、両方がいったん消えて新しい法人を一つ作る新設合併だ。本条は新設合併について、新しい手続を定めていない。吸収合併の三つの条文(58条の2から58条の4)をそのまま使い、「吸収合併契約」を「新設合併契約」と、「吸収合併存続医療法人」を「新設合併設立医療法人」と読み替えるだけである。その結果、新設合併にも吸収合併と同じ関門がかかる。社団医療法人なら総社員の同意、財団医療法人なら寄附行為に合併できる旨の定めがあることと理事の3分の2以上の同意(寄附行為に別段の定めがあれば別)、そして都道府県知事の認可、財産目録の作成、債権者保護手続である。株式会社の合併なら株主総会の特別決議(3分の2)で足りるが、社団医療法人では社員が一人反対しただけで合併が止まる。理事長の独断では何も決まらない。
法的な位置づけ
医療法第59条の2は、医療法人の新設合併に関する準用規定である。吸収合併の手続を定める第58条の2から第58条の4を新設合併に準用し、契約と法人の呼称を読み替えることで、社員・理事の同意、都道府県知事の認可、財産目録の作成・備置き、債権者保護手続を新設合併にも課す。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.同意要件を満たせるか確認する 社団医療法人なら社員名簿を確認し、総社員の同意を得られるか見極める。財団医療法人なら寄附行為に合併できる旨の定めがあるか、理事の3分の2以上の同意を得られるかを確認する
- 2.新設合併契約案を作り都道府県と事前相談する 医療法59条の定める事項を盛り込んだ新設合併契約案を作成し、合併後の病床数や診療科構成を示して都道府県の担当課に事前相談する
- 3.都道府県知事の認可を申請する 同意をそろえたうえで、都道府県知事に合併認可を申請する。申請書類の細目は医療法施行規則と所管都道府県の手引きに従う
- 4.財産目録の作成と債権者保護手続を進める 認可の通知を受けてから2週間以内に財産目録・貸借対照表を作成して備え置き、債権者に2か月以上の異議申述期間を設けて公告・個別催告する。異議があれば弁済や担保提供で対応する
- 5.設立登記と開設・保険指定の手続を調整する 新設合併設立医療法人の設立登記を行い、合併の効力を生じさせる。前後して保健所への開設関係の届出、地方厚生局への保険医療機関指定の申請を段取りどおりに進める
よくある質問 AI による整理
Q1医療法人の新設合併とは?
合併する医療法人がすべて消滅し、新しい医療法人を設立して権利義務を引き継がせる合併です。手続は医療法59条の2により吸収合併の規定が準用されます。
Q2医療法人の合併に知事の認可は必要?
必要です。準用される58条の2により、新設合併も都道府県知事の認可を受けなければ効力を生じません。認可前の事前相談が実務上の慣行です。
Q3財団医療法人は合併できる?
寄附行為に合併できる旨の定めがある場合に限り可能です。そのうえで理事の3分の2以上の同意(寄附行為に別段の定めがあればそれに従う)が必要です。
Q4医療法人の合併で財産目録はいつまでに作る?
準用される58条の3により、知事の認可の通知を受けた日から2週間以内に財産目録と貸借対照表を作成し、事務所に備え置く必要があります。
Q5医療法人の合併で債権者は異議を言える?
言えます。準用される58条の4により、医療法人は債権者に2か月以上の異議申述期間を設けて公告・催告しなければならず、期間内の異議には弁済等で対応します。
Q6医療法人の合併はいつ効力が生じる?
新設合併の場合、新設合併設立医療法人の設立登記をした時点で効力が生じると整理されています。認可を得ただけでは合併は完了しません。
Q7医療法59条の2の読み替えとは?
58条の2第1項・第3項の「吸収合併契約」を「新設合併契約」に、同条第4項の「吸収合併存続医療法人」を「新設合併設立医療法人」に置き換えて読むという指示です。
Q8新設合併で持分あり医療法人は作れる?
第5次医療法改正(2007年施行)以降は持分あり医療法人を新たに設立できないとされ、新設合併で生まれる法人も持分なしと整理されるのが一般的です。所管の都道府県に確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1新設合併って、吸収合併と比べて何が面倒なんですか?
手続の骨組みは医療法59条の2で吸収合併(58条の2から58条の4)と共通にされている。違いは結果で、新しい医療法人が生まれるため、持分の扱いや保険医療機関の指定などが新規扱いになりやすい。実務のポイント:「対等合併の見た目」のために新設合併を選んだ結果、行政手続と税務の負担が増えることがある。実務上は吸収合併を選び、名称変更で対等性を示す方法がよく使われる
Q2社員の一人が合併に反対しています。多数決で押し切れませんか?
社団医療法人の場合、準用される58条の2第1項で総社員の同意が求められているため、多数決では足りない。実務のポイント:現場では、反対する社員に退社してもらってから同意をそろえる手順がとられることがある。ただし持分あり法人で退社すると持分の払戻請求が発生しうるので、退社の条件を先に決めておかないと、合併より高くつくことがある
間違えやすい点 AI による整理
- 「理事会で決めて理事長が判を押せば合併できる」と考える人が多い。これは株式会社の感覚である。社団医療法人の合併には総社員の同意が必要で、多数決ではない。名目上だけ社員になっている親族一人でも、合併を拒否する力を持っている
- 新設合併も吸収合併も手続は同じだから結果も同じ、というのは半分だけ正しい。手続の骨組みは本条によって共通だが、新設合併では新しい医療法人が生まれる。平成19年(2007年)施行の第5次医療法改正以降、持分あり医療法人は新しく設立できないとされており、実務上、新設合併で設立される法人は持分なしになると整理されている。出資持分の扱いと課税関係が大きく変わりうるので、手続の形が同じでも経済的な意味は別物になる(最新の取扱いは所管の都道府県に確認が必要)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 59条の2:新設合併に吸収合併の手続を準用する転送規定 | 58条の2:吸収合併の同意・認可の本体規定 59条:新設合併契約で定める事項 |
| 合併後の法人 | 全当事法人が消滅し、新設合併設立医療法人が生まれる | 吸収合併存続医療法人が残り、他方が消滅する 新設法人の名称・事務所・定款等を契約で定める |
| 同意・認可 | 58条の2を準用:総社員の同意/理事3分の2以上の同意+知事認可 | 総社員の同意/理事3分の2以上の同意+知事認可 契約内容そのものを定める規定で、同意要件は置かない |
| 債権者保護 | 58条の3・58条の4を準用:財産目録作成、2か月以上の異議期間 | 58条の3・58条の4が直接適用される 直接の規定なし(59条の2経由で準用) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾の醫療法も醫療財團法人・醫療社團法人を定め、合併には主管機關の許可を要する構造をとる。個別条番号は要確認
ドイツ組織再編法は新設合併(Verschmelzung durch Neugründung)に吸収合併の規定を準用する構造で、本条と発想が近い。病院運営主体は GmbH 等が多い
米国の非営利法人の合併は州法が規律し、理事会・社員の承認や州司法長官への通知を求める州が多い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 同じ地域で内科と整形外科を別々の医療法人で経営している兄弟の院長が、「対等な形で一つにしたい」と言い出した。存続する側と消える側を作らない新設合併を選べば見た目は対等になる。ただし新しい法人を一から設立する扱いになり、持分の扱いや保険医療機関の手続が吸収合併より重くなりうる点を、事前に税理士や行政書士と詰めておく必要がある
- 引退した先代院長の妻が、社員として名前が残ったまま。合併に反対だと言われたら、どうなる? 社団医療法人の合併には総社員の同意が必要なので、その一人の反対で合併手続は前に進まない
- あなたは医療法人の取引先の医療機器リース会社の担当者だ。取引先の医療法人が新設合併で消える旨の公告が官報に出ている。異議を述べる期間は2か月以上とされるが、公告に書かれた期限を過ぎると、合併を承認したものとみなされる。今週中に契約残高と担保を確認しないと、交渉のきっかけを失う
取るべき行動
被害を受けた側:合併する医療法人の債権者(リース会社、仕入先、金融機関など)の場合:1. 官報公告と個別の催告に書かれた異議申述期限を確認する2. 残っている債権額と担保の状況をまとめる3. 期限内に書面で異議を述べ、弁済や担保提供を求める4. 期限を過ぎると合併を承認したものとみなされるので、社内決裁は前倒しで進める
訴えられた側:合併を進める医療法人の側の場合:1. 社員名簿(財団なら寄附行為)を確認し、同意要件を満たせるか最初に見極める2. 新設合併契約の案を作り、都道府県の担当課に事前相談する3. 認可後、財産目録と貸借対照表の作成・備置き、債権者保護手続を期限内に進める4. 設立登記の前後で、保険医療機関の指定や開設許可に関する届出の段取りを厚生局・保健所と調整しておく
時効(請求できる期限):本条そのものに時効はない。準用される58条の3により認可の通知を受けてから2週間以内に財産目録・貸借対照表を作成し、58条の4により債権者に異議を述べる機会として2か月以上の期間を設けなければならない(最新の改正状況をご確認ください)。合併の効力は新設合併設立医療法人の設立登記によって生じる
学説
準用規定の一般的解釈:本条が明示する読み替えは二語に限られるが、準用規定は性質に反しない範囲で必要な読み替えを加えて適用されるのが一般的な理解であり、「当該医療法人」などの文言も新設合併の当事法人に即して読むことになる
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