医療法 第61条の4
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- 新設分割設立医療法人は、新設分割計画の定めに従い、新設分割医療法人の権利義務(当該医療法人がその行う事業の用に供する施設に関しこの法律の規定による許可その他の処分に基づいて有する権利義務を含む。)を承継する。
- 2.前項の規定にかかわらず、新設分割医療法人の債権者であつて、前条において準用する第六十条の五第一項の各別の催告を受けなかつたものは、新設分割計画において新設分割後に新設分割医療法人に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであつても、新設分割医療法人に対して、新設分割医療法人が次条の分割の登記のあつた日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。
- 3.第一項の規定にかかわらず、新設分割医療法人の債権者であつて、前条において準用する第六十条の五第一項の各別の催告を受けなかつたものは、新設分割計画において新設分割後に新設分割設立医療法人に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであつても、新設分割設立医療法人に対して、その承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第61条の4は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第61条の4の条文原文は「新設分割設立医療法人は、新設分割計画の定めに従い、新設分割医療法人の権利義務(当該医療法人がその行う事業の用に供する施設に関しこの法律の規定による許可その他の処…」で始まります。
- 医療法第61条の4は第二目に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第61条の4の前の条は医療法第61条の3です。
- 医療法第61条の4の次の条は医療法第61条の5です。
- 医療法第61条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第61条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第61条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/61_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法61条の4は、新設分割で設立された医療法人が、計画に従い医療法上の許可等を含む権利義務を承継すると定める。個別催告を受けなかった債権者は両法人に請求できる。
Q · 医療法人を分割して病院を切り出したら、開設許可は取り直しになるの?
原則不要。医療法上の許可は新法人に承継される
医療法61条の4第1項により、新設分割で設立された医療法人は、新設分割計画の定めに従って、分割元の医療法人の権利義務を承継します。この権利義務には、施設に関する医療法上の許可その他の処分に基づくものも含まれます。そのため、病院の開設許可を一から取り直す必要は原則としてありません。ただし、承継の対象として明記されているのは医療法による処分だけです。健康保険法にもとづく保険医療機関の指定など、他の法律による許認可については別途手続を確認する必要があります。
解説
医療法人は、ひとつの法人を二つに割ることができる。新設分割で生まれた新しい医療法人は、新設分割計画に書かれたとおりに元の法人の権利義務を引き継ぐ。見落とされやすいのは第1項の括弧書きである。病院の開設許可など、医療法にもとづく許可その他の処分(都道府県知事などが法人に与えた許可や決定)から生じる権利義務も承継の対象に含まれる。つまり、切り出した病院のために開設許可を一から取り直す必要は原則としてない。一方で、括弧書きが対象にしているのは「この法律」、つまり医療法による処分だけである。健康保険法にもとづく保険医療機関の指定など、他の法律による許認可が同じように引き継がれるとは読めない。実務では、地方厚生局などへの別の手続が必要になる。第2項と第3項は債権者を守る仕組みである。各別の催告(異議を述べられることを個別に知らせる通知)を受けなかった債権者は、計画上は請求できないとされた側の法人に対しても、一定の財産額を上限に支払いを求められる。取引先であるあなたに通知が届かなかったことが、そのまま法的な手がかりになる。
法的な位置づけ
医療法61条の4は、医療法人の新設分割の効果を定める規定である。新設分割設立医療法人は、新設分割計画の定めに従い、医療法上の許可その他の処分に基づく権利義務を含めて新設分割医療法人の権利義務を承継する。また、各別の催告を受けなかった債権者は、財産の価額を限度として、計画上は請求できないとされた法人にも履行を請求できる。
よくある質問 AI による整理
Q1医療法人の新設分割とは何ですか?
医療法人がその事業に関する権利義務の全部または一部を、分割によって設立する新しい医療法人に承継させる組織再編です。効果は医療法61条の4が定めています。
Q2医療法人の分割で保険医療機関の指定は引き継がれる?
医療法61条の4が承継対象として明記しているのは医療法上の処分だけです。健康保険法による保険医療機関の指定は別枠と考え、地方厚生局への手続を事前に確認する必要があります。
Q3医療法人の分割で借金は誰が払う?
原則として新設分割計画で定めた法人が払います。ただし各別の催告を受けなかった債権者は、計画上は請求できない側の法人にも、財産の価額を限度に請求できます。
Q4個別催告を受けなかった債権者はいくらまで請求できる?
分割元の法人には分割登記の日に有していた財産の価額まで、新法人にはその承継した財産の価額まで請求できます(医療法61条の4第2項・第3項)。
Q5医療法人の分割に都道府県知事の認可は必要?
必要と整理されています。前条(61条の3)が認可や債権者保護手続を定めているため、手続の詳細は所管の都道府県に確認してください(現行規定は要確認)。
Q6医療法人の分割はいつ効力が生じる?
本条は次条(61条の5)の分割の登記を基準日としています。請求上限を算定する基準日にもなるため、登記事項証明書で日付を確定することが重要です。
Q7医療法人の分割と合併の違いは?
合併は複数の法人を一つにまとめるのに対し、分割は一つの法人の権利義務を切り出して別の法人に移します。どちらにも債権者を保護する手続が置かれています。
Q8医療法人の分割は違法な債務逃れにならない?
適正な手続を踏めば適法です。ただし催告を漏らすと債権者は両法人に請求でき、債務を切り離した効果は崩れます。分割が詐害的な場合には、別の法理による救済が問題になる余地もあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1分割した病院って、開設許可を取り直さなくていいんですか?
原則として取り直しは不要である。医療法61条の4第1項は、医療法の規定による許可その他の処分に基づく権利義務も承継すると定めている。実務のポイント:承継されるのは医療法上の処分に限られる。保険医療機関の指定など他の法律による許認可は別扱いで、切替日の設定を誤ると保険請求に空白が生じることがある。日程は事前に地方厚生局と詰めておくべきである
Q2取引先が分割されたけど通知なんて来てない。泣き寝入りですか?
泣き寝入りする必要はない。各別の催告を受けていない債権者は、分割計画上は請求できないとされた法人に対しても請求できる(医療法61条の4第2項、第3項)。上限は、分割登記の日に元の法人が持っていた財産の価額、または新法人が承継した財産の価額である。実務のポイント:請求の前に登記事項証明書を取り、分割登記の日を確定しておくと、上限額をめぐる争いで先手を取りやすい
Q3残業代が未払いのまま職場の法人が分割されました。誰に請求すればいい?
まず分割計画で、雇用契約と未払い賃金がどちらの法人に承継されたかを確認する。新法人は計画に従って権利義務を承継する(医療法61条の4第1項)。実務のポイント:催告を受けていなければ、もう一方の法人にも財産の価額を上限として請求できる余地がある。賃金請求権の時効は当面3年(労働基準法115条、同法附則143条、最新の改正状況をご確認ください)なので、確認に時間をかけすぎないこと
間違えやすい点 AI による整理
- 「開設許可を承継するなら、病院運営に必要な許認可はすべて自動的に移る」と考える経営者は多い。しかし承継の対象として明記されているのは、医療法の規定による許可その他の処分である。保険医療機関の指定(健康保険法)や、麻薬施用者免許など他の法律による許認可は別枠である。分割日に保険請求が止まるリスクは、この読み違いから生じる
- 分割計画で債務の帰属を決めれば債権者はそれに従うしかない、というところまでは多くの人が知っている。しかし、個別催告を一件漏らしたときの重さまでは知られていない。催告を受けなかった債権者は、計画上請求できないはずの法人にも請求できる。上限は財産の価額までだが、その金額が法人の資産の大半にあたることもある
- 債権者の側は「分割されたら、どちらを訴えればいいのか分からず詰む」と考えがちである。しかし法律はそもそも、どちらか一方だけを選ぶ場面として作られていない。催告を受けていなければ、両方の法人に請求できる道が残る。まず考えるべきなのは「どちらを訴えるか」ではなく、自分に催告が来たかどうかである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 医療法61条の4:新設分割の効果(権利義務の承継と債権者の請求権) | 医療法61条の3:認可、財産目録、債権者異議手続の準用 医療法60条の5:債権者異議の公告と各別の催告 |
| 債権者の立場 | 催告を受けなかった債権者は、財産の価額を限度に両法人へ請求できる | 分割の手続段階で債権者を保護する仕組みを整える 一定期間内に異議を述べる機会を与える |
| 機能する時点 | 分割の効力が生じた後(事後の救済) | 分割の手続中(認可・手続の準用) 分割の手続中(公告・催告) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾には医療法人の分割に直接対応する規定はない。会社分割では、承継会社が出資の範囲内で分割前の債務について連帯弁済責任を負い、日本の財産価額を上限とする考え方に近い
韓国の会社分割では分割会社と新設会社が原則として連帯責任を負い、債権者保護手続を経れば責任を限定できる
ドイツの組織変更法では、分割に関与した各法主体が分割前の債務について一定期間連帯責任を負う
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 医療機器のリース会社で債権管理を担当している。取引先の医療法人が分院部門を新法人に切り出し、リース料の支払いが止まった。記録を調べると、分割の個別通知は一度も届いていない。第2項と第3項により、分割登記の日に元の法人が持っていた財産の価額、または新法人が承継した財産の価額を上限として、どちらの法人にも請求できる可能性がある
- 理事長として、二つの病院のうち一つを長男の新法人に、もう一つを次男側に残す承継プランを税理士と練っている。開設許可を取り直さなくて済むのは大きい。ただし、保険医療機関の指定が同じ扱いで引き継がれると思い込んでいると、切替日の保険請求で一か月分の収入が宙に浮くおそれがある。手続日程は今すぐ地方厚生局に確認したい
- 分割計画に「新法人は旧法人の借入金を一切承継しない」と書いた。それで安心できるのか? 判明している債権者への個別催告を一社でも漏らせば、その債権者は新法人の承継財産を上限に取り立てに来られる。漏れた一通が、切り離したはずの債務を呼び戻す
- クリニックに勤める看護師が、未払いの残業代について弁護士に相談した。法人は分割されて名前も変わっていた。請求先が分からないと焦る必要はない。まず分割計画と登記を確認すれば、どちらの法人が債務を負うかの手がかりが得られる
- 取引先の医療法人から分割の官報公告が出たと、同僚から聞いた。異議を述べられる期間は少なくとも2か月(第61条の3で準用する第60条の5、要確認)。放っておくと、あとで争える材料が大きく減る。今週中に社内で稟議を回したい
取るべき行動
被害を受けた側:1. 分割の公告(官報など)と自社宛ての個別催告の有無を確認する。届いていなければ、それが最大の論点になる2. 法務局で両法人の登記事項証明書を取り、分割登記の日を特定する3. 分割計画の閲覧を請求し、債務がどちらの法人に帰属するとされているかを確認する4. 内容証明郵便で両法人に請求し、財産の価額を上限とする支払いを求める
訴えられた側:1. 判明している債権者について、実際に催告を送った記録(発送控え、配達証明)を揃える2. 請求額が、分割登記の日の財産価額または承継財産の価額という上限を超えていないかを確認する3. 相手が「知れている債権者」に当たるかどうか、会計帳簿で当時の認識を検証する4. 保険医療機関の指定など、他の法律による手続の漏れがないかも同時に点検する
時効(請求できる期限):債権者異議の期間は公告と催告から2か月以上(第61条の3で準用する第60条の5、最新の改正状況をご確認ください)。第2項と第3項による請求そのものに特別な時効はなく、一般の消滅時効(民法166条:権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される
学説
一般的な理解:新設分割による承継は、分割計画で定めた範囲の権利義務が個別の移転手続なしに一括して移る部分的包括承継と理解されている。本条第1項の括弧書きは、医療法上の処分に基づく地位もこの承継に含めることを明示したものである。
改正沿革 AI による整理
- 平成27年(2015年)改正、平成28年(2016年)9月施行(要人的検証) 医療法人の分割制度の導入に伴い新設されたとみられる。条番号の移動や、その後の改正の有無は未確認
改正の年表
- 1.平成27年(2015年) 新設:医療法の改正により医療法人の分割制度が導入され、本条が新設されたとみられる(平成28年(2016年)施行、条番号の変動と以後の改正の有無は要確認)
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