医療法 第62条の2
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民法(明治二十九年法律第八十九号)第三百九十八条の九第三項から第五項まで並びに第三百九十八条の十第一項及び第二項並びに事業性融資の推進等に関する法律(令和六年法律第五十二号)第二十六条第一項の規定は、この款の規定により医療法人が分割をする場合について準用する。この場合において、民法第三百九十八条の九第三項中「前二項」とあるのは「医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第六十二条の二において準用する次条第一項又は第二項」と、「前項」とあるのは「同項」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第62条の2は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第62条の2の条文原文は「民法(明治二十九年法律第八十九号)第三百九十八条の九第三項から第五項まで並びに第三百九十八条の十第一項及び第二項並びに事業性融資の推進等に関する法律(令和六年法…」で始まります。
- 医療法第62条の2は第三目に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第62条の2の前の条は医療法第62条です。
- 医療法第62条の2の次の条は医療法第62条の3です。
- 医療法第62条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第62条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第62条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/62_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法62条の2は、医療法人の分割時に民法の根抵当権規定を準用し、担保を提供した設定者に元本確定請求を認める。請求は分割を知って2週間、分割から1か月以内に限られる。
Q · 医療法人が分割したら、親の土地の根抵当権はどうなるの?
担保範囲は原則広がるが、期限内なら元本確定で止められる
医療法62条の2は民法398条の10第2項を準用しています。このため、債務者である医療法人が分割すると、根抵当権は分割時にある債務に加え、分割した法人と承継した法人が分割後に負う債務まで担保します。担保を提供した設定者は元本の確定を請求でき、請求すれば元本は分割の時に確定したものとみなされます。ただし、分割を知った日から2週間、または分割の日から1か月を過ぎると請求できません。債務者自身が設定者である場合も請求できません。
解説
医療法人が分割するとき、一番損をしやすいのは法人の外にいる人である。典型は、法人の銀行借入の担保として、自宅や土地に根抵当権(決められた上限額まで、繰り返し発生する借金をまとめて担保する抵当権)を設定した前理事長やその家族だ。分割が起きると、その根抵当権は分割前からある債務だけでなく、分割した法人と事業を引き継いだ法人の両方が分割後に負う債務まで担保するようになる(民法398条の10第2項の準用)。上限額(極度額)は変わらない。しかし、その上限まで借金を積み上げられる借り手が一つから二つに増える。本条はここに非常口を用意した。担保を差し出した人は元本の確定を請求できる。請求すれば、担保される元本は分割の時点で確定したものとみなされる。ただし期限は短い。分割を知った日から2週間、または分割の日から1か月を過ぎると請求できなくなる。また、債務者である医療法人自身が担保を設定した場合は、この請求はできない。
法的な位置づけ
医療法62条の2は、医療法人が分割をする場合に、民法398条の9第3項から第5項、同法398条の10第1項・第2項、および事業性融資の推進等に関する法律26条1項を準用する規定である。分割後の根抵当権の担保範囲、根抵当権設定者による元本確定請求、およびその請求期間の制限を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.登記事項証明書で根抵当権の内容を確認 担保に提供した不動産の登記事項証明書を法務局またはオンラインで取得する。根抵当権の債務者、極度額、根抵当権者、設定者が誰になっているかを確認する
- 2.分割の日と知った日を記録する 医療法人の登記事項証明書で分割の登記日を確認し、自分が分割を知った日を電話記録・メール・通知書などで残す。どちらか早い方の期限(知って2週間/分割から1か月)を割り出す
- 3.根抵当権者に元本確定請求を送付 根抵当権者(通常は銀行)に対して、医療法62条の2で準用する民法398条の9第3項に基づき元本の確定を請求する旨を内容証明郵便で送る。配達証明を付け、到達日を証拠化する
- 4.確定後の担保条件を整理・交渉 確定後は、極度額減額請求(民法398条の21)や根抵当権消滅請求(同法398条の22)の可否を検討し、法人・銀行と担保の組み直しを協議する。具体的な判断は司法書士または弁護士に確認する
よくある質問 AI による整理
Q1根抵当権の元本確定請求とは?
担保される元本をその時点の額に固定するよう求める請求です。確定後の新たな借入はその根抵当権で担保されなくなります。
Q2医療法人が分割したら根抵当権はどうなる?
債務者の医療法人が分割すると、根抵当権は分割前の債務に加え、分割した法人と承継した法人が分割後に負う債務まで担保します(医療法62条の2、民法398条の10)。
Q3元本確定請求の期限はいつまで?
分割を知った日から2週間、または分割の日から1か月のどちらか早い方が到来すると請求できなくなります(民法398条の9第5項の準用)。
Q4物上保証人は元本確定請求できる?
できます。請求権を持つのは根抵当権設定者であり、他人の借金のために自分の不動産を担保に出した物上保証人が典型です。
Q5元本確定請求は内容証明が必要?
条文上、方式の定めはありません。ただし期限が短いため、到達日を証明できる内容証明郵便で根抵当権者に送るのが実務の定石です。
Q6元本確定後の根抵当権はどうなる?
確定した元本とその利息などを極度額の範囲で担保する、普通の抵当権に近い状態になります。確定後の新規融資は担保されません。
Q7債務者が設定者だと元本確定請求できないのはなぜ?
分割を決めたのは債務者である法人自身だからです。自ら再編を選んだ者に退出の手段を与える必要はない、という考え方によります。
Q8医療法人の分割と会社分割で根抵当権の扱いは違う?
基本的な枠組みは同じです。医療法62条の2は会社分割を定める民法398条の10を準用しており、担保範囲の広がりと確定請求のルールは共通です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの親の土地、医療法人の借入の担保に入ってるんですけど、分割って関係あるんですか?
大いに関係がある。債務者である医療法人が分割すると、根抵当権は、分割した法人と承継した法人の双方が分割後に負う債務まで担保する(本条で準用する民法398条の10第2項)。親は元本確定を請求して、担保の範囲を分割時点に固定できる。実務のポイント:分割の前に銀行や法人から「同意書」への署名を求められることがある。署名する前に、その書面が確定請求の判断にどう影響するかを専門家に確認するとよい
Q2元本確定を請求したら、銀行が怒って法人の融資が止まったりしませんか?
確定後は、新しい借入がこの根抵当権で担保されなくなる。そのため銀行が追加の担保を求めるなど、融資条件を見直す可能性はある(本条で準用する民法398条の9第4項)。実務のポイント:実務では、請求そのものよりも「請求できる立場にある」ことを交渉材料に使う方が利益につながりやすい。承継法人分は別担保にする、極度額を下げるといった条件を期限内にまとめられるかどうかがポイントになる
間違えやすい点 AI による整理
- 「極度額が決まっているのだから、分割しても自分の負担は増えない」と考えがちだが、それは浅い。上限は同じでも、上限を埋める借り手が増える。承継した法人が新たに借り入れれば、あなたの土地で担保される額は極度額いっぱいに近づいていく。最終的に競売で失う財産の額が、自分の知らない法人の経営に左右されることになる
- 「分割は法人内部の組織再編で、担保を出した個人には関係ない」というのは、法人の側から見た景色にすぎない。法律から見れば、あなたの不動産が担保する範囲そのものが変わる出来事である。この見え方のずれに気付かないまま1か月が過ぎれば、請求権は法的に消える
- 「元本確定を請求できるのは銀行の方だろう」と思い込んでいる人も多い。本条が準用する民法398条の9第3項で請求権を持つのは、根抵当権の設定者、つまり担保を差し出した側である。銀行の同意は要らない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる再編 | 医療法62条の2:医療法人の分割(吸収分割・新設分割) | 民法398条の10:会社分割 民法398条の9:合併 |
| 担保範囲の変化 | 分割前の債務に加え、分割した法人と承継した法人が分割後に負う債務も担保(準用) | 分割前の債務に加え、分割会社と承継会社が分割後に負う債務も担保 合併時の債務に加え、合併後の存続法人・新設法人が負う債務も担保 |
| 設定者の対抗手段 | 元本確定請求(民法398条の9第3項の準用、読み替えあり) | 元本確定請求(398条の9第3項から第5項を準用) 元本確定請求(398条の9第3項) |
| 請求期間 | 分割を知って2週間/分割の日から1か月 | 分割を知って2週間/分割の日から1か月 合併を知って2週間/合併の日から1か月 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾は、原債権確定前に抵押権者または債務者の法人が合併した場合に、抵押人の確定請求を認める。期限は知った日から15日・合併登記から30日と、日本よりさらに短い
最高額抵押権の確定事由を列挙するが、債務者の分割を理由とする設定者の確定請求という形の規定はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 父が二十年前、クリニックの運転資金枠のために実家の土地へ根抵当権を設定した。今の理事長は兄で、介護部門を別の医療法人に吸収分割させるという。父の土地は、承継先の法人が今後借りる金まで背負うことになるのか? 答えは原則イエスだ。分割を知った日から数えて、残された時間は2週間しかない
- あなたは地方銀行の融資担当で、取引先の医療法人から分割の相談を受けた。物上保証人(他人の借金のために自分の財産を担保に出した人)が元本確定を請求すれば、その根抵当権には分割後の新規融資が一切乗らなくなる。分割スキームが固まる前に、担保の組み直しを提案しなければならない
- 分割の認可が下り、法人の登記も済んだ。物上保証人である叔母がそれを知ったのは5週間後だった。「知った日から2週間」はまだ過ぎていない。しかし「分割の日から1か月」はすでに過ぎている。請求権は消えている
- 医療法人の理事として、自分の法人の債務のために法人所有の建物に根抵当権を設定している。この場合、分割があっても元本確定は請求できない。自分が債務者で、しかも担保の設定者でもあるからだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 担保に出した不動産の登記事項証明書を取得し、根抵当権の債務者・極度額・設定者を確認する。2. 分割の効力が生じた日と、自分が分割を知った日を記録に残す。3. 請求の意思表示は内容証明郵便で根抵当権者(通常は銀行)に送り、到達した日を証拠化する。4. 確定した後、必要に応じて極度額減額請求(民法398条の21)も検討する。具体的な対応は司法書士または弁護士に確認する
訴えられた側:法人側または銀行側の立場なら、1. 分割計画の段階で物上保証人を洗い出す。2. 確定請求を受けた場合の資金繰りへの影響を試算する。3. 物上保証人に分割の事実と予定日を書面で早めに通知する。通知で「知った日」が早まり、請求期間の見通しが立つ。4. 承継先の法人の借入には別の担保を用意するなど、紛争を防ぐ担保設計に組み直す
時効(請求できる期限):元本確定の請求は、根抵当権の設定者が分割を知った日から2週間を経過したとき、または分割の日から1か月を経過したときは、することができない(医療法62条の2で準用する民法398条の9第5項)。どちらか早い方の期限が到来した時点で請求権は消える
学説
一般的理解:民法398条の9・398条の10の確定請求は、自らの関与しない債務者側の組織再編によって担保負担が拡大する設定者を保護するための制度であり、請求期間を短く限ることで再編後の法律関係の早期安定を図るものと解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成27年(2015年) 新設:医療法の一部改正により医療法人の分割制度が創設され、分割時の根抵当権の取扱いについて民法規定を準用する本条が設けられた
- 2.令和6年(2024年) 改正:事業性融資の推進等に関する法律(令和6年法律第52号)の制定に伴い、同法26条1項を準用対象に加える整備が行われた(施行日は同法の施行に連動、要確認)
- 医療法 第60条医療法人の吸収分割の根拠(現行効力を要確認)
- 医療法 第61条医療法人の新設分割の根拠(現行効力を要確認)
- 医療法 第57条医療法人の合併、分割と並ぶ再編手段
- 民法 第398条の10会社分割時の根抵当権の担保範囲
- 民法 第398条の9元本確定請求と請求期間の本体規定
- 事業性融資の推進等に関する法律 第26条分割時の担保関係規律の準用元(現行効力を要確認)
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