医療法 第69条の6
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第六十九条の四第一項の規定により医療法人情報の提供を受けた者若しくはその者の行う当該医療法人情報に係る調査、学術研究若しくは分析に従事する者又はこれらの者であつた者は、当該医療法人情報の利用に関して知り得た医療法人情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第69条の6は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第69条の6の条文原文は「第六十九条の四第一項の規定により医療法人情報の提供を受けた者若しくはその者の行う当該医療法人情報に係る調査、学術研究若しくは分析に従事する者又はこれらの者であつ…」で始まります。
- 医療法第69条の6は第十節に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第69条の6の前の条は医療法第69条の5です。
- 医療法第69条の6の次の条は医療法第69条の7です。
- 医療法第69条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第69条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第69条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/69_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法69条の6は、69条の4により医療法人情報の提供を受けた者と研究従事者(元従事者を含む)に対し、内容をみだりに漏らすことと不当な目的での利用を禁じる。
Q · 病院の経営データの研究を手伝っただけの院生にも守秘義務はあるの?
ある。従事者全員が対象で、辞めた後も義務は続く
医療法69条の6は、69条の4第1項により医療法人情報の提供を受けた本人だけでなく、その調査・学術研究・分析に「従事する者」も対象にしています。院生、リサーチアシスタント、委託先のアナリストも含まれます。さらに「これらの者であつた者」と明記されているため、修了・退職・プロジェクト終了後も、知り得た内容をみだりに他人に知らせることや、不当な目的に利用することは禁じられたままです。
解説
病院を経営する医療法人の収益、費用、職種ごとの給与水準。こうした経営データは国に集められ、医療法69条の4第1項に基づいて研究者などに個別の法人単位で提供されることがある。そこで生まれるのが本条の守秘義務である。対象はデータの提供を受けた本人だけではない。その調査・学術研究・分析に従事した者、つまり共同研究者、リサーチアシスタント、委託先のアナリストまで含まれる。さらに「これらの者であつた者」と明記されているため、プロジェクトを抜けても、大学を辞めても、転職しても義務は消えない。禁止されている行為は二つある。一つは知り得た内容を「みだりに」他人に知らせること。もう一つは「不当な目的」に利用すること。論文の図表に集計値を載せることと、特定の赤字病院の数字を知人のファンドに耳打ちすることは、同じデータを使っていても法的な意味がまったく違う。データを受け取った瞬間から、あなたは線の内側に立っている。
法的な位置づけ
医療法69条の6は、医療法人情報の守秘義務および目的外利用禁止を定める規定であり、同法69条の4第1項に基づき医療法人情報の提供を受けた者、その者が行う調査・学術研究・分析の従事者、ならびにこれらの地位を離れた者に対し、利用に関して知り得た情報の漏示と不当目的での利用を禁止する。義務の存続期間について条文上の期限は置かれていない。
手順
- 1.従事者名簿を確定して文書化する 研究チームの最初の打合せで、提供申請上の従事者の範囲を確認し、院生・リサーチアシスタント・委託先を含む名簿を作る。名簿外の者にデータを渡さない運用を全員で共有する
- 2.保管場所とアクセス権を限定する データの保管先を指定の端末・フォルダに限定し、私物端末や個人クラウドへのコピーを禁止する。共有前には相手が名簿に載っているかを必ず確認する
- 3.公表前に識別可能性を審査する 論文・報告書・学会資料の最終稿で、地域・規模等のクロス集計のセル内法人数を確認し、最小セル数に満たない箇所は統合または秘匿する
- 4.退任・終了時の取扱いを確認する メンバーの離脱やプロジェクト終了時に、手元コピーの消去を確認し、退任後も守秘義務が続くことを書面で再確認する
よくある質問 AI による整理
Q1医療法69条の6とは
研究等のために提供された医療法人の経営情報について、受領者と従事者(元従事者を含む)に漏示と不当目的利用を禁じる守秘義務規定です。
Q2医療法人情報 提供を受けた者 誰
医療法69条の4第1項の規定に基づき、医療法人情報の提供を受けた者を指します。提供の要件や手続は69条の4側で定められています。
Q3医療法 守秘義務 いつまで
条文上の期限はありません。「これらの者であつた者」も対象のため、研究終了・退職・転職後も義務は続くと考えるべきです。
Q4研究補助 アルバイト 守秘義務 対象になる?
なります。条文は調査・学術研究・分析に「従事する者」を対象にしており、雇用形態や肩書ではなく実際に関与したかで判断されます。
Q5医療法人の経営データ 不当な目的 例
個別法人の数字を買収候補の選別、競合病院の人材引き抜き条件づくり、取引交渉の材料などに使う場面が典型的に問題となりえます。
Q6医療法69条の6違反 罰則
罰則の有無と法定刑は罰則章の規定と最新の改正状況の確認が必要です。別途、民法709条に基づく損害賠償責任が問題になりえます。
Q7医療法人情報 外部に漏らしていなくても違法?
違法となりえます。本条は「他人に知らせる」ことと「不当な目的に利用する」ことを別々に禁じており、自分の商売に使うだけでも後者にあたりえます。
Q8医療法人 経営データ 漏えい されたら どうする
漏えいの形跡を日時・相手・内容とともに記録し、データ提供元に事実を伝えたうえで、損害賠償や営業秘密保護の可否を弁護士に相談します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1論文にグラフを載せるのも「他人に知らせる」ことになっちゃうんですか?
承認された研究目的に沿って集計し、個別の医療法人が識別できない形で公表するのは本条が禁じる「みだりに」には通常あたらない。問題は識別可能性である(医療法69条の4、69条の6)。実務のポイント:危ないのはむしろ地域別・規模別に細かく切ったクロス表で、セル内の法人数が1つや2つになると実質的に個別開示と同じになる。公表前に最小セル数のルールを決めておくのが研究者の身を守る
Q2研究室を辞めたら、もう昔のデータの話をしても平気ですよね?
平気ではない。本条は「従事する者」だけでなく「これらの者であつた者」も対象にしており、退職や修了で義務は外れない(医療法69条の6)。実務のポイント:トラブルは転職先の雑談から起きることが多い。コンサルや金融に移った元研究者が悪意なく「あの法人は厳しかった」と口にする、それ自体が線を越えうる。データのコピーを私物の端末に残さないことが、将来の自分を守る一番安い手段である
間違えやすい点 AI による整理
- 「守秘義務があるのは申請した研究代表者だけ」と考えがちだが、条文は調査・学術研究・分析に「従事する者」まで明示的に対象にしている。院生、リサーチアシスタント、外部委託のアナリストも例外ではない
- 守秘義務はプロジェクト終了や退職で消えると思っている人は多い。条文は「これらの者であつた者」も対象とする。義務の期限は条文上定められておらず、データを見たという事実がある限り義務が続くと考えておくべきである
- 問うべきは「データを外に出したかどうか」だけではない。外部に一切出していなくても、知り得た個別法人の数字を自分や勤務先の商売の判断に使えば「不当な目的に利用」にあたりうる。漏えいと不正利用は別々の違反類型である
- 研究者から見れば「集計して公表するのは研究の成果」だが、法律から見て問題になるのは、公表物から特定の医療法人が識別できるかどうかである。地域と病床規模を細かく切った表は、セルの数が1や2になった瞬間に個別法人の開示と変わらなくなる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 医療法69条の6:受領後の守秘・目的外利用禁止(出口) | 医療法69条の4:研究者等への医療法人情報の提供根拠(入口) 統計法41条:統計調査情報の取扱者に課す守秘義務 |
| 義務を負う者 | 提供を受けた者、その調査・研究・分析の従事者、元従事者 | 提供を受けようとする者(提供の可否と条件が問題となる) 統計調査情報の取扱いに従事する者等 |
| 禁止・規律される行為 | みだりに他人に知らせること、不当な目的への利用 | 誰に、どの範囲の情報を提供するか 知り得た秘密の漏えい |
他国ではどう定めているか 3 か国
法令または契約により業務上知り得た工商秘密を守る義務がある者の無断漏洩を処罰する一般規定。研究提供データに特化した同型規定は未確認
連邦統計の個別データについて統計秘密を定め、研究目的の提供時にも秘密保持を課す構造が本条と近い
統計目的で収集した情報の非統計目的利用と開示を禁じる連邦法で、目的外利用禁止の発想が本条と共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 大学院の医療経済ゼミで、指導教員が厚生労働省から受領した医療法人の経営データの集計を手伝った。修了後、コンサル会社に就職し、上司から「あの地域で人件費率が高くて苦しい法人、どこだった?」と聞かれる。あなたはもう研究室を離れたが、「従事する者であつた者」として本条の義務はまだ続いている
- もし共同研究者が、承認された研究テーマとは別に、個別法人の数字を病院 M&A の買収候補リストづくりに流用していると気づいたら、どうなる? 研究の名目でデータを取っていても、買収ターゲットの選別は「不当な目的」での利用にあたりうる。黙っていると、研究チーム全体の信用とデータ提供の継続が一緒に危うくなる
- 学会発表の締切まであと3日。共同著者の一人が「元データをそのまま Google ドライブで共有して」と言ってくる。その人が提供申請時の従事者に入っていなければ、共有した時点で「みだりに他人に知らせ」たと評価されかねない。急いでいるときほど、送信ボタンの前で名簿を確認する
- 地方の医療法人の理事長として、ある日、取引先の業者から自院の給与水準をやけに正確に言い当てられた。公開されている事業報告書には載っていない粒度の数字だった。どこから漏れたのか、あなたには調べる理由がある
- シンクタンクの委託分析チームに派遣された。契約上は単なる作業者でも、条文上は「分析に従事する者」である。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 公開の事業報告書にはない粒度の自院の数字が外部で使われている形跡を見つけたら、発言や書面の日時・相手・内容を記録する2. データ提供元である厚生労働省に、漏えいの疑いとして事実を伝える3. 損害が生じていれば民法709条による損害賠償請求を検討する。自院で秘密として管理していた情報であれば、不正競争防止法上の営業秘密として保護されるかどうかも弁護士と確認する
訴えられた側:1. 共有や転送が続いているなら直ちに止め、コピーの所在を洗い出す2. 提供を受けた際の承認内容(利用目的、従事者の範囲、公表方法)と実際の利用を照らし合わせ、どこが逸脱と言われているのかを特定する3. 厚生労働省への報告の要否は提供時の条件に従う。4. アクセスログや社内のやり取りを保全したうえで弁護士に相談する。自分で消去や隠蔽をすると事態はさらに悪化する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。義務は「であつた者」にも及ぶため、期間の区切りは条文上ない。民事上の損害賠償は民法724条により、損害および加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年。本条違反に対する罰則の有無と法定刑は最新の改正状況をご確認ください
改正沿革 AI による整理
- 令和5年(2023年)改正(要検証) 医療法人の経営情報データベース(MCDB)の創設に伴い、医療法人情報の第三者提供制度とあわせて本条が設けられたとみられる。新設の時期と施行日は人による確認が必要
- 医療法 第69条の4医療法人情報の研究者等への提供根拠
- 医療法 第69条の2医療法人の経営情報の収集・分析(現行効力を要確認)
- 医療法 第52条事業報告書等の都道府県知事への届出
- 統計法 第41条統計調査情報の取扱者に課す同型の守秘義務
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