医療法 第6条の5
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- 何人も、医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関して、文書その他いかなる方法によるを問わず、広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示(以下この節において単に「広告」という。)をする場合には、虚偽の広告をしてはならない。
- 2.前項に規定する場合には、医療を受ける者による医療に関する適切な選択を阻害することがないよう、広告の内容及び方法が、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
- 一他の病院又は診療所と比較して優良である旨の広告をしないこと。
- 二誇大な広告をしないこと。
- 三公の秩序又は善良の風俗に反する内容の広告をしないこと。
- 四その他医療に関する適切な選択に関し必要な基準として厚生労働省令で定める基準
- 3.第一項に規定する場合において、次に掲げる事項以外の広告がされても医療を受ける者による医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合として厚生労働省令で定める場合を除いては、次に掲げる事項以外の広告をしてはならない。
- 一医師又は歯科医師である旨
- 二診療科名
- 三当該病院又は診療所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項並びに当該病院又は診療所の管理者の氏名
- 四診療日若しくは診療時間又は予約による診療の実施の有無
- 五法令の規定に基づき一定の医療を担うものとして指定を受けた病院若しくは診療所又は医師若しくは歯科医師である場合には、その旨
- 六第五条の二第一項の認定を受けた医師である場合には、その旨
- 七地域医療連携推進法人(第七十条の五第一項に規定する地域医療連携推進法人をいう。第三十条の四第十二項において同じ。)の参加病院等(第七十条の二第二項第二号に規定する参加病院等をいう。)である場合には、その旨
- 八入院設備の有無、第七条第二項に規定する病床の種別ごとの数、医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の従業者の員数その他の当該病院又は診療所における施設、設備又は従業者に関する事項
- 九当該病院又は診療所において診療に従事する医療従事者の氏名、年齢、性別、役職、略歴その他の当該医療従事者に関する事項であつて医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるもの
- 十患者又はその家族からの医療に関する相談に応ずるための措置、医療の安全を確保するための措置、個人情報の適正な取扱いを確保するための措置その他の当該病院又は診療所の管理又は運営に関する事項
- 十一紹介をすることができる他の病院若しくは診療所又はその他の保健医療サービス若しくは福祉サービスを提供する者の名称、これらの者と当該病院又は診療所との間における施設、設備又は器具の共同利用の状況その他の当該病院又は診療所と保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との連携に関する事項
- 十二診療録その他の診療に関する諸記録に係る情報の提供、第六条の四第三項に規定する書面の交付その他の当該病院又は診療所における医療に関する情報の提供に関する事項
- 十三当該病院又は診療所において提供される医療の内容に関する事項(検査、手術その他の治療の方法については、医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるものに限る。)
- 十四当該病院又は診療所における患者の平均的な入院日数、平均的な外来患者又は入院患者の数その他の医療の提供の結果に関する事項であつて医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるもの
- 十五その勤務する医師又は歯科医師がオンライン診療受診施設を利用してオンライン診療を行う病院又は診療所にあつては、当該オンライン診療を行う旨及び当該オンライン診療の内容に関する事項
- 十六その他前各号に掲げる事項に準ずるものとして厚生労働大臣が定める事項
- 4.厚生労働大臣は、第二項第四号若しくは前項の厚生労働省令の制定若しくは改廃の立案又は同項第九号、第十三号、第十四号若しくは第十六号に掲げる事項の案の作成をしようとするときは、医療に関する専門的科学的知見に基づいて立案又は作成をするため、診療に関する学識経験者の団体の意見を聴かなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第6条の5は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第6条の5の条文原文は「何人も、医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関して、文書その他いかなる方法によるを問わず、広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示(以…」で始まります。
- 医療法第6条の5は第二節 医業、歯科医業又は助産師の業務等の広告に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第6条の5の前の条は医療法第6条の4の4です。
- 医療法第6条の5の次の条は医療法第6条の6です。
- 医療法第6条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第6条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第6条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/6_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法6条の8は、病院・診療所の広告で虚偽・比較優良・誇大・公序良俗違反の表示を禁じ、法令で認められた事項以外の広告を原則として禁止する規定である。
Q · クリニックの広告に「地域No.1」や患者の体験談を載せるのは違法?
違法になりうる。比較優良広告や体験談は禁止対象
医療法6条の8第2項は、他の病院・診療所と比べて優良であるとする比較広告と誇大広告を禁止しています。「地域No.1」はこれにあたりえます。患者の体験談は、同項4号を受けた医療法施行規則1条の9が禁止する広告の典型例です。第3項により、法定の広告可能事項以外は原則として広告できません。公式サイトやSNSも平成30年(2018年)6月から規制対象です。
解説
病院や診療所の広告は、「書いてはいけないこと」を並べるだけの規制ではない。書いてよい項目をあらかじめ決めておき、それ以外は原則として書かせない。これをポジティブリスト方式という。医師である旨、診療科名、所在地、診療時間、設備、スタッフの人数など、許される項目は法律と厚生労働大臣の告示が指定している。第1項は虚偽広告を全面的に禁止する。第2項は、他院より優れていると言う比較広告、大げさな誇大広告、公序良俗に反する広告を禁止する。「地域No.1」「絶対に失敗しない」「痛みゼロ」といった表現は、この二つの項に引っかかる。平成30年(2018年)6月からは、クリニックの公式サイトやSNSも規制の対象になった。美容医療のトラブルで泣き寝入りしてきた人は、「広告が違法だったかもしれない」という視点をまだ使っていない。保健所に相談する時点で、病院側と情報の条件は同じになる。
法的な位置づけ
医療法6条の8は、医業・歯科医業または病院・診療所に関する広告規制の中核規定である。何人に対しても虚偽広告を禁止し、比較優良広告・誇大広告・公序良俗違反広告等を禁ずるとともに、法定の広告可能事項以外の広告を、厚生労働省令で定める限定解除の場合を除き原則として禁止する。
手順
- 1.広告・サイトの画面を日付付きで保存する 問題の広告、公式サイト、SNS投稿をURLと閲覧日時が入った状態でスクリーンショットまたはPDF保存する。トラブル後に書き換えられる前に確保することが最優先
- 2.違反の疑いがある表現を特定する 虚偽、比較優良(No.1・他院より優れる)、誇大(絶対・100%・痛みゼロ)、体験談、説明のないビフォーアフター写真のどれにあたるかを、医療広告ガイドラインの禁止例と照らして整理する
- 3.保健所・ネットパトロールに相談・通報する 管轄の保健所または医療安全支援センターに、特定した表現と保存データを示して相談する。オンライン広告は医療広告ネットパトロールの窓口にも通報できる
- 4.返金・損害回復は民事の手段で進める 本条は行政規制のため、返金は消費者契約法4条の取消し、特定商取引法のクーリング・オフ、民法709条の損害賠償で求める。消費生活センターにも並行して相談する
よくある質問 AI による整理
Q1医療広告規制とは何ですか?
医療法6条の8を中心とする、病院・診療所の広告に対するルールです。虚偽や誇大な表現を禁じ、広告できる項目もあらかじめ限定しています。
Q2医療広告ガイドライン 違反するとどうなる?
まず保健所から報告徴収や行政指導が入るのが通常です。従わなければ中止・是正命令に進み、虚偽広告には刑事罰も定められています。
Q3クリニックのホームページは医療広告にあたる?
あたります。平成30年(2018年)6月以降、患者を誘引する目的の表示はウェブサイトも規制対象です。ただし限定解除の要件を満たせば詳しい情報を載せられます。
Q4美容クリニックの広告 違法 どこに通報する?
管轄の保健所や医療安全支援センターに相談できます。厚生労働省の委託事業「医療広告ネットパトロール」の通報窓口も利用できます。
Q5医療広告で「最新」「最先端」は使える?
根拠なく使えば誇大広告と判断されやすい表現です。医療広告ガイドラインは、客観的に検証できない最上級表現を不適切な例として挙げています。
Q6医療広告で治療費の金額は書ける?
書けます。自由診療の費用は広告可能事項に含まれますが、標準的な費用を示し、追加費用の有無も明確にしないと誤認を招くおそれがあります。
Q7医療広告 限定解除とは?
問い合わせ先の明示や、自由診療の費用・リスクの説明などの要件を満たした場合に、広告可能事項以外の情報も掲載できる仕組みです。
Q8医療広告規制は誰が対象?
条文は「何人も」と定めており、医療機関だけでなく広告代理店、制作会社、依頼を受けたインフルエンサーなども対象になりえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ビフォーアフター写真って、そもそも載せちゃダメなんですか?
全面禁止ではない。医療広告ガイドラインでは、治療の内容、費用、主なリスクや副作用などの詳しい説明を写真と一緒に載せれば掲載できる。写真だけを載せるのが違反だ。実務のポイント:Instagramで写真だけを投稿し、「詳細はDMで」と書くパターンは、ネットパトロールで何度も指摘されてきた。投稿ごとに説明を付けるのが最低ラインになる
Q2患者さんにGoogleの口コミで星5をお願いするのはアウトですか?
お願いの仕方による。医療機関が主体的に関わった体験談は、医療法施行規則1条の9が禁止する体験談広告にあたりうる。割引などのお礼を付ければ、ほぼ言い逃れはできない。実務のポイント:謝礼付きの口コミは、景品表示法のステルスマーケティング告示にも同時に触れるおそれがある。医療法と景品表示法、二つの規制を同時に受けるリスクがある
Q3サイトに書いてあった内容と実際の治療が違ったら、お金は返ってきますか?
本条は行政が取り締まるための規定なので、違反を理由に直接返金を求めることはできない。ただ、消費者契約法4条(不実告知による取消し)や民法709条(不法行為)で返金を求める場面では、広告の違法性が強い証拠になる。実務のポイント:保健所が指導したという事実は、交渉の場で重く扱われる。先に行政へ相談しておくのが近道になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「うそを書かなければ大丈夫」とクリニック側は考えがちだが、この条文が怖いのは第3項のほうだ。本当のことでも、許された項目に入っていなければ原則として広告できない。「芸能人○○さんも来院」は事実でも、書いてよい項目に含まれていない
- 患者側は「広告どおりでなかったのだから、この条文で返金を求められる」と考えがちだが、それは問いの立て方が違う。本条は行政が取り締まるための規定で、お金を取り戻す根拠はそこから直接は生まれない。返金を求めるなら、消費者契約法の取消しや民法の損害賠償に切り替える必要がある。本条違反は、その交渉で使う強い証拠になる
- 「公式サイトは広告ではない」は平成30年(2018年)改正までの常識だった。患者が自分で検索して見るサイトも、今は規制の対象になる。サイトは限定解除の条件を満たせば詳しい情報を載せられるが、虚偽広告の禁止、比較・誇大広告の禁止、体験談の禁止は、それでも外れない。多くの院長が、この二つの層を一つにまとめて理解している
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制の対象 | 医療法6条の8:医業・歯科医業、病院・診療所に関する広告 | 景品表示法5条:事業者の商品・役務一般の表示 薬機法66条:医薬品・医療機器等の広告 |
| 規制方式 | 禁止事項に加え、広告可能事項を限定するポジティブリスト方式 | 優良誤認・有利誤認など不当表示を禁止するネガティブ方式 虚偽・誇大な記事の広告を禁止するネガティブ方式 |
| 監督機関 | 厚生労働省・都道府県等(保健所) | 消費者庁・都道府県 厚生労働省・都道府県 |
| 重なり | 自由診療の広告は景表法も同時に適用されうる | ステマ告示は医療機関のPR投稿にもかかる 施術で使う医薬品・機器の効能表示が該当しうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は医療機関以外の者による医療広告を禁止し、広告内容も法定事項に限定する。日本と同じく許可事項限定型の規制を採る
韓国は治療経験談や比較広告など禁止類型を列挙し、医療広告の事前審議制度も設けている
ドイツは治療法等の誤認惹起広告を禁止し、一般向け広告での体験談や比較写真の利用を制限する
米国は医療専用の許可事項リストを持たず、欺瞞的広告の一般規制と州の医師会規律で対応する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 二重整形のInstagram広告を見て予約した。投稿には「ダウンタイムほぼゼロ」「患者満足度98%」と書いてあったのに、実際は二週間腫れが引かず、仕事を休んだ。この誇大表現は、医療広告ガイドラインが禁止例として挙げている典型だ
- もしクリニックが「口コミを投稿してくれたら次回10%オフ」と院内にポスターを貼っていたら、どうなる? 患者の体験談を広告に使うことは厚生労働省令で禁止されている。医療機関が関わって集めた口コミは、それ自体が違法な広告になりうる
- 開業医のあなたが、Web制作会社に作らせたサイトに「当院は他院より症例数が多い」と一行だけ入れていた。制作会社のテンプレートどおりだったとしても、広告主は医療機関だ。保健所の指導を受けるのはあなたである
- 脱毛クリニックの5年コースを契約したが、サイトに書いてあった「追加料金一切なし」がうそだった。契約書面を受け取ってからクーリング・オフの期限まであと3日。広告のスクリーンショットと契約書、今夜中に両方そろえる必要がある
- 友人が歯科医院のホームページに「痛くない治療」とあったのを信じて来院し、激痛だったと怒っている。一言で違法とは限らない。ただ、「絶対に」や「100%」が付いていれば話は変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 広告、サイト、SNS投稿をURLと日付が入った状態で保存する2. 管轄の保健所または医療安全支援センターに、どの表現が虚偽・誇大・体験談にあたるかを示して相談する3. 厚生労働省の委託事業「医療広告ネットパトロール」に通報する4. 返金を求めるなら、消費者契約法4条の不実告知による取消し、または特定商取引法のクーリング・オフを検討し、消費生活センターにも相談する
訴えられた側:1. 保健所の指導は、まず行政指導として来ることが多い。期限内に修正して報告すれば、それ以上の命令に進む前に収まりやすい2. 医療広告ガイドラインとQ&Aに照らして、比較・誇大・体験談・ビフォーアフター写真を総点検する3. 制作会社や広告代理店の原稿も、責任は医療機関が負う。契約で修正義務と責任分担を決めておく4. 虚偽広告は刑事罰の対象になるため、指導を放置しない
時効(請求できる期限):虚偽広告の罪(医療法の罰則、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金)の公訴時効は、行為が終わった時から3年(刑事訴訟法250条2項6号)。消費者契約法4条による取消権は、追認できる時から1年、契約から5年。民法709条の損害賠償は、損害と加害者を知った時から3年、行為の時から20年(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:医療は情報の非対称性が大きく、受診後の取り返しがつかないため、一般商品より強い広告規制が正当化される。ただし営利的表現の自由との関係から、患者の選択に資する情報提供は確保されるべきとされる
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)改正 広告できる事項を個別に列挙していた方式から、「医療に関する適切な選択に資する」事項を包括的に定める方式へ改め、広告できる範囲を広げた
- 平成29年(2017年)改正、平成30年(2018年)6月施行 広告の定義を「医療を受ける者を誘引するための手段としての表示」とし、ウェブサイトも規制の対象にした。虚偽広告の禁止と比較・誇大広告の禁止を法律に明記し、限定解除の仕組みを導入した
- 近年の改正(時期・条番号の変動は要確認) オンライン診療受診施設を使ったオンライン診療を広告できる事項に加えた。入力された条番号(6条の8)と旧来の6条の5との対応も、人の手での確認が必要
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 改正:広告可能事項を個別列挙する方式から、医療に関する適切な選択に資する事項を包括的に定める方式に改め、広告できる範囲を拡大した
- 2.平成29年(2017年) 改正:広告を誘引手段としての表示と定義してウェブサイトも規制対象とし、虚偽広告・比較優良広告・誇大広告の禁止を法律に明記、限定解除の仕組みを導入した(平成30年6月施行)
- 医療法 第1条医療を受ける者の選択の支援という目的
- 医療法 第5条の2広告可能事項となる認定医師制度
- 医療法 第70条の5地域医療連携推進法人の定義
- 医療法 第87条虚偽広告の罰則(現行効力を要確認)
- 不当景品類及び不当表示防止法 第5条優良誤認表示の禁止、措置命令
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第66条医薬品・医療機器の誇大広告禁止
- 消費者契約法 第4条不実告知による契約取消し
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