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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月2日読了 7 分7 分7 分

医療法 第77条

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社会医療法人の役員が、自己若しくは第三者の利益を図り又は社会医療法人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該社会医療法人に財産上の損害を加えたときは、七年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 医療法第77条は、日本の医療法に含まれる条文です。
  2. 医療法第77条の条文原文は「社会医療法人の役員が、自己若しくは第三者の利益を図り又は社会医療法人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該社会医療法人に財産上の損害を加えたときは、…」で始まります。
  3. 医療法第77条は第九章に置かれています。
  4. 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
  5. 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
  6. 医療法第77条の前の条は医療法第76条です。
  7. 医療法第77条の次の条は医療法第78条です。
  8. 医療法第77条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第77条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205
  • 本サイト収録医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第77条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/77

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点医療法77条は、社会医療法人の役員が図利加害目的で任務に背き法人に財産上の損害を加えた場合、7年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金(併科可)に処すると定める。

Q · 社会医療法人の理事が親族の会社に高値で発注したら、どんな罪になるの?

医療法77条の特別背任で最大7年・罰金500万円

社会医療法人の役員(理事・監事)が、自己や第三者の利益を図る目的または法人に損害を加える目的で任務に背き、法人に財産上の損害を加えると、医療法77条により7年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金、又はその併科となります。刑法247条の背任罪(5年以下・50万円以下)より重く、罰金の上限は10倍です。親族企業への相場より高い委託料の支払も、図利目的と損害が認められれば対象になり得ます。

解説

刑法の背任罪(247条)は「5年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金」。ところが、同じ行為をしたのが社会医療法人の役員(理事・監事)なら、医療法77条が適用され「7年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金、又はその併科」になる。罰金の上限は10倍で、拘禁刑と罰金を両方科すこともできる。なぜここまで重いのか。社会医療法人は、救急医療やへき地医療を担う見返りとして、都道府県知事の認定を受け、医療保健業の法人税が非課税になるなどの税制優遇を受けている。つまり、その財産には公費に近い性格がある。理事長の親族が経営する会社に相場より高い委託料を払う。病院の土地を知人に安く売る。回収できないと分かっている相手に法人のお金を貸す。病院の中では「経営判断」で済まされがちなこうした行為も、自分や第三者の利益を図る目的があり、法人に財産上の損害が出れば、この条文の射程に入る。病院の外から見ている人も同じだ。職員でも取引業者でも患者側でも、「ここで使われているのは地域の救急医療を支えるお金だ」と分かっていれば、どこに疑問を向けるべきかが見えてくる。

法的な位置づけ

医療法第77条は、社会医療法人の役員による背任行為を処罰する特別背任罪の規定である。図利加害目的、任務違背行為、財産上の損害の三要件がそろった場合に、7年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金又はその併科を科す。税制優遇を受ける社会医療法人の財産の公益性を踏まえた、刑法247条の背任罪に対する加重特則である。

よくある質問 AI による整理

Q1医療法77条とは何ですか?

社会医療法人の役員(理事・監事)による背任行為を処罰する規定です。刑法の背任罪より重く、7年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金又はその併科が定められています。

Q2社会医療法人の理事の背任 刑罰はどのくらい?

7年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金で、両方を科すこともできます。一般の背任罪(5年以下・50万円以下)と比べ、拘禁刑は2年長く、罰金は10倍です。

Q3特別背任と普通の背任の違いは?

行為の中身(図利加害目的・任務違背・財産上の損害)は共通で、違いは主体と刑の重さです。社会医療法人の役員が行うと医療法77条が優先して適用され、刑が加重されます。

Q4MS 法人との取引は違法?

MS 法人との取引それ自体は違法ではありません。ただし相場から乖離した条件で親族企業に利益を流し、法人に損害を与えれば、社会医療法人の役員は本条の対象になり得ます。

Q5理事会で賛成しただけでも罪になる?

可能性があります。不当な取引と認識しながら賛成した理事は、任務違背の共同正犯と評価されるおそれがあります。議決を経たことは免責理由になりません。

Q6監事も医療法77条の対象になる?

なります。条文の「役員」には理事だけでなく監事も含まれます。監事が自ら任務に背く行為をした場合はもちろん、不正への加担の仕方によっては共犯の責任も問題になり得ます。

Q7医療法77条の時効はいつまで?

法定刑の長期が10年未満のため、公訴時効は5年です(刑事訴訟法250条2項)。起算点は犯罪行為が終わった時で、民事の損害賠償請求とは別に数えます。

Q8病院の不正を見つけたら どこに通報すればいい?

法人内の公益通報窓口や監事への報告のほか、所轄の都道府県への相談や捜査機関への告発が考えられます。公益通報者保護法の要件を満たせば、解雇などの不利益扱いから保護されます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1うちは普通の医療法人なんですけど、この条文は関係ありますか?

77条が直接対象にしているのは社会医療法人の役員です。ただし、普通の医療法人の理事でも、刑法247条の背任罪や253条の業務上横領罪、民事上の任務懈怠責任(医療法47条)は当然問われます。実務のポイント:社会医療法人の認定を目指して準備している法人は要注意です。認定を受けた日から刑の重さが変わるのに、社内規程と取引慣行は認定前のまま、という状態が一番危ない

Q2理事長に言われて伝票を処理しただけの事務長も捕まるんですか?

事務長が理事でも監事でもなければ、77条の「役員」には当たりません。ただし、不正を知りながら積極的に加わった場合、刑法65条により共犯として責任を問われる可能性があります。身分のない者の処断のあり方は、実務上、解釈が分かれています。実務のポイント:「知らなかった」か「知っていた」かは、社内メールや LINE の文面で判断されがちです。違和感を覚えた時点で、上司に確認した記録を残しておくことが自分を守る

Q3結局損をしなかった取引でも罪になりますか?

77条は「財産上の損害を加えたとき」を要件にしているので、損害がなければ本条の既遂にはなりません。ただし、判例は損害を経済的な見地から判断します。帳簿上は債権が残っていても、実際に回収の見込みがなければ損害と評価されうる。実務のポイント:「担保を取っているから損害はない」という弁解は、担保の実際の価値が低いと通りません。捜査側は担保物件を時価で評価し直してくる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「背任なんて、法人のお金を懐に入れるような露骨な横領の話だろう」と思われがちだが、そうではない。自分の財布に1円も入っていなくても、親族企業や知人に利益を流す目的で法人に損害を与えれば成立しうる。条文が「自己若しくは第三者の利益」と書いているのはそのためである
  • 問いの立て方が違う。多くの理事は「理事会で承認を取ったから大丈夫か」を気にするが、議決は任務違背を消す魔法ではない。むしろ賛成した理事全員が、任務違背の当事者として並ぶ入口になる。確認すべきなのは手続を踏んだかではなく、取引の条件そのものが法人にとって合理的かどうかである
  • 経営者の目には「結果的に損を出した投資」にすぎないものが、法律の目では別物に見えることがある。見るのは結果の損失ではなく、損害を出した時点で自分や第三者の利益を図る目的があったかどうかだ。判例上、主として法人の利益を図る目的だったなら図利加害目的は否定されうる。だから決め手になるのは、決裁時の資料と議事録に何が残っているかである
比較の観点この条文ほかの条文
責任の種類医療法77条:刑事責任(特別背任罪)医療法47条:民事責任(役員の任務懈怠による損害賠償)
刑法247条:刑事責任(一般の背任罪)
対象者社会医療法人の役員(理事・監事)医療法人の役員等(社会医療法人に限られない)
他人のためにその事務を処理する者一般
主観的要件図利加害目的が必要(故意犯)任務懈怠があれば足り、図利加害目的は不要
図利加害目的が必要(故意犯)
効果7年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金、又は併科法人に生じた損害の賠償
5年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
刑法第342条(背信罪)

台湾では医療法人の役員を対象とする特別の加重規定は置かれておらず、一般の背信罪で処理される。日本は法人類型ごとに特別背任罪を設ける点が特徴的である

韓国
형법 제356조(업무상배임)

韓国は業務上背任罪を刑法に置き、利得額が大きい場合は特定経済犯罪加重処罰法で加重する。身分ではなく金額で加重する設計である

ドイツ
StGB § 266(Untreue)

ドイツは背任罪を一本化しており、法人類型ごとの特別背任規定は置かない。重大な事案は量刑規定で加重される

アメリカ
18 U.S.C. § 666

米国は連邦資金を一定額以上受ける組織での横領等を連邦犯罪とする。公的資金の支えを重罰の根拠とする発想は、日本の社会医療法人の税制優遇と通じる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 理事長の妻が代表を務める MS 法人(医療機関の周辺業務を受託する別会社)に、院内の清掃と給食の業務が相場の1.5倍の単価で委託されている。経理課のあなたは毎月その請求書を処理している。単価の根拠を誰も説明できないなら、その差額は法人の損害として数えられる可能性がある
  • 理事長と一緒に、あなたが理事会で法人所有の駐車場用地を知人の不動産会社へ時価の半額で売る議案に賛成したらどうなるか。「理事長が決めたことだから」は免責の理由にならない。理事として任務に背いたかどうかは、あなた自身の判断が問われる
  • 監査で不審な貸付が見つかった。借主は理事の親族企業で、返済は2年前から止まっている。監事のあなたが次の理事会までに声を上げなければ、見逃した監事自身の責任も問題になる
  • 医療機器の納入業者として理事長に頼まれ、見積額を水増しして差額をキックバックした。業者は社会医療法人の「役員」ではない。それでも、身分のない者が役員の犯罪に加わった場合を定める刑法65条を通じて、共犯として立件されるリスクがある

取るべき行動

被害を受けた側:1. 法人側(新理事・監事・職員)として不審な取引に気づいたら、契約書、請求書、稟議書、理事会議事録の写しを確保する。原本を持ち出すのではなく写しで保全する。2. 市場価格との差額を相見積もりや不動産鑑定で数値化し、損害を具体化する。3. 監事への報告、公益通報窓口の利用、所轄の都道府県への相談を検討する。4. 刑事告発と並行して、役員の任務懈怠責任(医療法47条)に基づく民事の損害回復も視野に入れる

訴えられた側:1. 捜査の兆候があれば、すぐに刑事事件に強い弁護士へ相談し、供述前に方針を固める。2. 当時の意思決定資料(相見積もり、専門家意見、議事録)を集め、主として法人の利益を図る目的だったことを立証する材料にする。3. 損害とされる額の算定根拠(時価評価など)を精査し、争う余地を探る。4. 法人への損害弁償を早期に行うと、起訴・不起訴の判断や量刑の情状として考慮されうる

時効(請求できる期限):公訴時効は、法定刑の長期が10年未満の罪として5年(刑事訴訟法250条2項4号)。起算点は犯罪行為が終わった時。法人から役員への民事の損害賠償請求には一般消滅時効が適用される(民法166条:権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:医療法77条は刑法247条の背任罪に対する身分による加重類型であり、構成要件(図利加害目的・任務違背・財産上の損害)の解釈は刑法の背任罪および会社法960条の特別背任罪の議論を基本的に踏襲する。

共犯論(刑法65条の適用):役員の身分を持たない者が加功した場合の処断については、65条1項により特別背任罪の共犯としたうえで、2項により通常の背任罪の刑で処断するかどうかなど、見解が分かれている。

改正沿革 AI による整理

  • 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められたと考えられる。本条が設けられた時期と、それ以前の改正経過は人による検証が必要

改正の年表

  1. 1.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた(令和7年6月1日施行)。

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医療法の全文を見る所属する編章節を開く:第九章

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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