医療法 第85条の2
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第六十九条の六の規定に違反して、医療法人情報の利用に関して知り得た医療法人情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用したときは、その違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第85条の2は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第85条の2の条文原文は「第六十九条の六の規定に違反して、医療法人情報の利用に関して知り得た医療法人情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用したときは、その違反行為をした者…」で始まります。
- 医療法第85条の2は第九章に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第85条の2の前の条は医療法第85条です。
- 医療法第85条の2の次の条は医療法第85条の3です。
- 医療法第85条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第85条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第85条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/85_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法85条の2は、医療法人情報の利用で知り得た内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用した者を、1年以下の拘禁刑か50万円以下の罰金、又は併科に処すと定める。
Q · 国から提供された病院の経営データを漏らしたら、どんな罰があるの?
1年以下の拘禁刑か50万円以下の罰金、併科もある
医療法85条の2により、同法69条の6に違反して、医療法人情報の利用に関して知り得た内容をみだりに他人に知らせたり、不当な目的に利用したりした者は、1年以下の拘禁刑若しくは50万円以下の罰金に処され、両方を併科されることもあります。外部に漏らさなくても、承認された目的の外で自社の買収判断や営業に使えば処罰対象になりえます。処罰されるのは違反行為をした本人です。
解説
医療法人の決算書や給与水準、費用構造は、国がデータベースに集めて分析している。そのデータを研究や分析のために受け取れる人がいる。本条は、その人たちに対する刑事上の締めくくりの規定である。医療法第69条の6に違反し、利用の過程で知った医療法人情報を「みだりに他人に知らせ」たり「不当な目的に利用」したりすると、1年以下の拘禁刑か50万円以下の罰金、または両方が科される。注目すべき点は二つある。一つ目は、処罰の対象が情報を渡した役所の側ではなく、受け取って使う側だということ。二つ目は、漏らす行為だけでなく「不当な目的での利用」も処罰されることだ。誰にも見せていなくても、分析結果を自社の買収交渉や競合病院の引き抜き工作にこっそり使えば、条文の射程に入りうる。研究者、コンサルタント、シンクタンクの職員として受け取ったデータは、報告書の目的以外に一歩でも使えば刑事責任に近づく。ここを押さえている人は、データ利用申請の段階から使い道の線引きを自分で文書化しておく
法的な位置づけ
医療法85条の2は、医療法人情報の利用に関する義務を定めた同法69条の6に違反し、利用に関して知り得た医療法人情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用した行為者を処罰する罰則規定である。法定刑は1年以下の拘禁刑若しくは50万円以下の罰金、又はその併科とされる。
よくある質問 AI による整理
Q1医療法人情報とは何ですか?
医療法人の決算や費用構造、給与水準など、国が収集・分析する経営に関する情報です。本条は、その提供を受けた利用者の漏えいと目的外利用を処罰します。
Q2医療法85条の2の罰則はどのくらい重い?
1年以下の拘禁刑若しくは50万円以下の罰金で、両方の併科も可能です。有罪になれば前科がつき、懲戒や契約解除など社会的な不利益が続きます。
Q3医療法人情報を社内の別部署に伝えたら違法?
承認された利用目的や共有範囲の外であれば、社内であっても「みだりに他人に知らせ」たと評価されるおそれがあります。社内だから安全とはいえません。
Q4誰にも漏らさず自分で使うだけなら違法じゃない?
本条は漏示とは別に「不当な目的に利用」する行為も処罰します。誰にも見せなくても、買収判断や営業戦略など目的外に使えば対象になりえます。
Q5医療法85条の2の公訴時効はいつまで?
法定刑の上限が拘禁刑1年のため、公訴時効は行為が終わった時から3年です(刑事訴訟法250条2項)。最新の改正状況は確認が必要です。
Q6法人名を伏せれば医療法人情報を公表できる?
名前を伏せても、地域や病床数などの組み合わせで特定できれば漏示と評価されうるため、特定可能性まで含めて確認することが重要です。
Q7自院の経営情報が漏れた病院は何ができる?
発言や文書を日時付きで保存し、流出経路を絞り込んだうえで行政窓口へ提供先を相談します。刑事告発と民法709条の損害賠償請求を並行して検討できます。
Q8医療法人情報の漏えいは不正競争防止法違反にもなる?
情報が営業秘密の要件を満たし、図利加害目的などがあれば、不正競争防止法21条の営業秘密侵害罪が重ねて問題になる可能性があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1提供されたデータを論文に使うのもダメなんですか?
承認された研究目的の範囲で、法人が特定できない形で公表するなら、通常は問題にならない。本条(医療法85条の2)が処罰するのは、69条の6に違反して「みだりに」知らせることや「不当な目的」で利用することである。実務のポイント:問題になりやすいのは論文そのものより、学会の懇親会や共同研究者との雑談で個別の法人名と数値が口にされる場面だ。記録に残らない場面ほど、漏れたことを後から否定しにくい
Q2会社の指示で使ったのに、自分個人が罰せられるんですか?
本条は「その違反行為をした者」を処罰すると定めているため、指示を受けた場合でも、実際に漏らしたり不当に使ったりした本人が対象になりうる。指示した上司が共犯として問われる可能性もある。実務のポイント:上司から口頭で無理な指示を受けたら、「利用規約上の確認をしたい」とメールで返すだけで、指示があったこと自体が記録に残る。これが後で自分の身を守る
間違えやすい点 AI による整理
- 「罰金50万円なら、仕事上のリスクとしては小さい」と見積もる人がいるが、甘い。本条は拘禁刑と罰金の併科が可能であり、有罪になれば前科がつく。研究者なら所属機関の懲戒、コンサルなら顧客からの契約解除と損害賠償請求が続く。刑事罰そのものより、その後の連鎖の方がはるかに重い
- 「外部に漏らさなければ問題ない」と思い込むのは、条文の半分しか読んでいない状態である。本条は「他人に知らせ」る行為と並べて「不当な目的に利用」する行為も処罰している。誰にも見せず、自分の頭の中だけで買収判断や営業戦略に使っても、目的が不当なら処罰対象になりうる
- 医療法人側から見ると「国に出したデータだから、国がきちんと管理しているはず」となる。しかし法律上、データは研究者などの第三者へ提供されうるし、本条はまさにその第三者を縛るための規定である。自院の経営情報が今どこにあるのか、医療法人自身は把握しにくい。この見え方のずれに気付かない医療法人は、漏えいが起きたときに初動が遅れる
他国ではどう定めているか 1 か国
台湾では、法令や契約で守秘義務を負う者が業務上知り得た工商秘密を無故に漏らす行為を処罰する一般規定があり、同種事項を規律する。医療法人の経営データに特化した罰則ではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 医療経営コンサルの会社で、国から提供された医療法人の経営データを使う研究プロジェクトに参加した。そのデータから見えた「赤字の病院リスト」を、M&A 仲介部門の同僚に口頭で伝えてしまった。社内のことだから大丈夫だと思っていても、「みだりに他人に知らせ」たと評価されるおそれがある
- 大学の研究室で分析した地域の病院の人件費データを、ゼミ生が SNS に「〇〇病院、看護師の給料安すぎ」と書き込んだら、どうなる? 書き込んだのが院生なら本人の責任が問われうるし、データを管理していた教員も利用者として責任を問われる立場にある
- 競合するクリニックの経営者が、知人の研究者経由で自院の財務データの中身を知っていたらしい。自分は被害を受けた医療法人側である。刑事告発を考えるなら、どの段階で誰の手を経て情報が流れたかを、今のうちから時系列でメモしておく必要がある
- 研究期間が終わる前日になって、上司から「データのコピーを次の案件用に残しておけ」と指示された。明日には削除報告を出さないといけない。提供を受けた目的の外で使うための保存は、「不当な目的に利用」の入口になりうる
- 学会発表のスライドに、個別の法人が特定できる形で財務数値を載せてしまった。法人名は伏せたつもりだった。地域と病床数を組み合わせれば、同業者には一目で分かる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自院の非公開の財務数値を第三者が知っていると気付いたら、その発言や文書を日時付きで保存する(メール、LINE、議事録) 2. 流出した数値が自院の報告内容と一致するかを会計担当者と照合し、流出経路の候補を絞る3. 厚生労働省または都道府県の担当窓口へ提供先の確認を相談する4. 刑事告発と民事の損害賠償請求(民法709条)を並行して検討し、医療法務に詳しい弁護士へ相談する
訴えられた側:1. データの削除や改変は絶対にしない。証拠隠滅と受け取られ、立場が一気に悪くなる2. 利用申請書、承認通知、利用規約を手元に集め、実際の利用が承認範囲内だったかを整理する3. 「他人に知らせた」とされる相手と内容、「不当な目的」とされる具体的な行為を特定する4. 所属機関の法務部門に報告し、刑事事件に強い弁護士に早めに相談する。捜査機関への説明は弁護士と相談してから行う
時効(請求できる期限):法定刑の上限が拘禁刑1年のため、公訴時効は行為が終わった時から3年(刑事訴訟法250条2項)。民事の損害賠償は、損害と加害者を知った時から3年、行為時から20年(民法724条)。いずれも最新の改正状況をご確認ください
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)刑法等改正に伴う整理(令和7年(2025年)6月1日施行) 法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められたとみられる。本条の制定時期と改正経緯は人による確認が必要
- 医療法 第69条の6本条が処罰する義務の本体規定
- 医療法 第69条の5医療法人情報の提供の根拠(現行効力を要確認)
- 医療法 第69条の2経営情報の収集・分析の枠組み(現行効力を要確認)
- 不正競争防止法 第21条営業秘密侵害罪との重畳適用の可能性
- 民法 第709条漏えいによる損害の民事賠償の根拠
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