医療法 第91条
クイックジャンプ
- 社会医療法人の役員、社会医療法人債原簿管理人(第五十四条の七において準用する会社法第六百八十三条に規定する者をいう。)、社会医療法人債管理者、事務を承継する社会医療法人債管理者(第五十四条の七において準用する会社法第七百十一条第一項又は第七百十四条第一項若しくは第三項の規定により社会医療法人債管理者の事務を承継する社会医療法人債管理者をいう。)、社会医療法人債管理補助者、事務を承継する社会医療法人債管理補助者(第五十四条の七において準用する会社法第七百十四条の七において準用する同法第七百十一条第一項又は第七百十四条第一項若しくは第三項の規定により社会医療法人債管理補助者の事務を承継する社会医療法人債管理補助者をいう。)、代表社会医療法人債権者又は決議執行者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
- 一この法律において準用する会社法の規定による公告若しくは通知をすることを怠つたとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。
- 二この法律において準用する会社法の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類若しくは電磁的記録に記録された事項を厚生労働省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写又は書類の謄本若しくは抄本の交付、電磁的記録に記録された事項を電磁的方法により提供すること若しくはその事項を記載した書面の交付を拒んだとき。
- 三この法律において準用する会社法の規定による調査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。
- 四社会医療法人債権者集会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したとき。
- 五社会医療法人債原簿、議事録(第五十四条の七において準用する会社法第七百三十一条第一項の規定により作成する議事録をいう。次号において同じ。)、第五十四条の七において準用する同法第六百八十二条第一項若しくは第六百九十五条第一項の書面若しくは電磁的記録に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。
- 六第五十四条の七において準用する会社法第六百八十四条第一項又は第七百三十一条第二項の規定に違反して、社会医療法人債原簿又は議事録を備え置かなかつたとき。
- 七社会医療法人債の発行の日前に社会医療法人債券を発行したとき。
- 八第五十四条の七において準用する会社法第六百九十六条の規定に違反して、遅滞なく、社会医療法人債券を発行しなかつたとき。
- 九社会医療法人債券に記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたとき。
- 十第五十四条の五の規定に違反して社会医療法人債を発行し、又は第五十四条の七において準用する会社法第七百十一条第一項(第五十四条の七において準用する同法第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の規定に違反して事務を承継する社会医療法人債管理者若しくは社会医療法人債管理補助者を定めなかつたとき。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第91条は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第91条の条文原文は「社会医療法人の役員、社会医療法人債原簿管理人(第五十四条の七において準用する会社法第六百八十三条に規定する者をいう。」で始まります。
- 医療法第91条は第九章に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第91条の前の条は医療法第90条です。
- 医療法第91条の次の条は医療法第92条です。
- 医療法第91条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第91条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第91条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/91
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法91条は、社会医療法人債の公告・閲覧・原簿や議事録の備置等の義務違反について、役員や社債管理者等の個人に100万円以下の過料を科す。刑罰対象なら適用しない。
Q · 病院の社債(社会医療法人債)の帳簿を見せなかったら、誰が罰を受けるの?
法人ではなく役員など担当者個人に最大100万円の過料
医療法91条により、社会医療法人の役員、社会医療法人債原簿管理人、社会医療法人債管理者・管理補助者、代表社会医療法人債権者、決議執行者が、正当な理由なく閲覧・謄写を拒んだ場合などには100万円以下の過料に処されます。過料は裁判所が非訟事件手続で科す秩序罰で、前科にはなりません。ただし詐欺など刑罰が科される行為については、本条ただし書により過料ではなく刑事手続の対象となります。
解説
罰を受けるのは病院ではなく、名前の載った役員個人である。医療法91条は、社会医療法人(救急やへき地医療を担うとして都道府県知事の認定を受けた医療法人)が発行する「社会医療法人債」、つまり病院版の社債について、帳簿・議事録・公告・閲覧対応の手抜きに最大100万円の過料を定める。過料は刑罰ではなく、裁判所が科す行政上の金銭ペナルティ(前科はつかない)である。ただし、対象は法人ではなく、理事・監事、社債原簿管理人、社債管理者、管理補助者、代表社債権者、決議執行者といった「担当者本人」だ。仕組みの中身は会社法の社債ルールをほぼそのまま準用しているため、株式会社の社債実務で通用する常識が病院側でもそのまま通用する。あなたが社債を買った地元住民なら、閲覧を拒まれた時点で相手の担当者個人が過料の対象になりうると知っておくだけで、交渉の力関係が変わる。あなたが理事なら、議事録を備え置いていないという一点だけで、自分の財布から払う話になる
法的な位置づけ
医療法91条は、社会医療法人債に関する秩序罰を定める規定であり、社会医療法人の役員、社会医療法人債原簿管理人、社会医療法人債管理者・管理補助者、代表社会医療法人債権者、決議執行者が、同法54条の7で準用する会社法の社債規定上の公告、閲覧、記載、備置、債券発行等の義務に違反した場合に、100万円以下の過料を科す旨を規定する。
よくある質問 AI による整理
Q1社会医療法人債とは何ですか?
都道府県知事の認定を受けた社会医療法人が発行できる、病院版の社債です。医療法54条の2が発行根拠で、会社法の社債規定が準用されます。
Q2医療法91条の過料はいくらですか?
100万円以下です。公告懈怠、閲覧拒否、虚偽記載、議事録の不備置など、各号のどれか一つに該当すれば対象になります。
Q3医療法の過料は誰が科すのですか?
地方裁判所です。非訟事件手続法に基づく過料事件として扱われ、都道府県や厚生労働省が直接科すものではありません。
Q4普通の医療法人も社債を発行できますか?
社会医療法人債を発行できるのは社会医療法人に限られます。一般の医療法人は、この制度による社債を発行できません。
Q5社会医療法人債の議事録は何年保管が必要ですか?
準用される会社法731条により、社債権者集会の日から10年間、本店に相当する主たる事務所に備え置く必要があります。
Q6過料と罰金の違いは何ですか?
罰金は刑罰で前科がつきますが、過料は秩序罰であり刑罰ではありません。医療法91条ただし書により、刑罰が科される行為は過料の対象外です。
Q7社債管理者を置かずに社会医療法人債を発行したらどうなる?
医療法54条の5に違反する発行として、本条10号により100万円以下の過料の対象となります。
Q8社債権者集会でうその説明をしたら違法?
違法です。社債権者集会に対する虚偽の申述や事実の隠蔽は本条4号の過料事由です。詐欺などに該当すれば刑事責任も問題になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1過料って前科になるんですか? 理事を続けられなくなる?
過料は刑罰ではなく秩序罰であり、前科にはならない。本条ただし書も、刑罰が科されるべき行為は過料の対象外としている。実務のポイント:過料額より影響が大きいのは、過料の決定が認定審査や金融機関の与信判断で「ガバナンス不全」の材料として扱われることである。記録に残るのは金額ではなく、管理体制に問題があったという事実だ
Q2病院債を持ってるんですが、帳簿を見せてもらえないのは普通なんですか?
普通ではない。医療法54条の7が準用する会社法の規定により、社債権者には社債原簿や社債権者集会議事録を閲覧・謄写する権利があり、正当な理由のない拒否は本条2号の過料事由にあたる。実務のポイント:窓口で断られても、書面で条文を示して請求し直すと対応が変わることが多い。担当者は、拒否すれば自分個人が過料の対象になりうると知っているからだ
Q3名前だけの非常勤理事でも本当に責任を問われるんですか?
本条は「社会医療法人の役員」を名宛人としており、非常勤という理由だけで除外されるわけではない。ただし、どの役員が過料の対象になるかは、その義務を実際に担うべき立場にあったかで判断される。実務のポイント:就任時に、社債関係事務の担当理事を理事会決議で明確にしておくと、後で責任の所在を説明しやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 「過料なら行政が役所の窓口で科すもの」と思われがちだが、本条の過料を科すのは裁判所である。非訟事件手続法による過料事件として地方裁判所が扱い、事前の聴取なしに決定が出ることもある。役所との話し合いで済ませられる類のものではない
- 罰金ではないから大したことはない、という理解は深刻度を見誤っている。過料そのものは前科にならないが、社会医療法人債は地域住民や金融機関から集めた資金である。閲覧拒否や虚偽記載が表に出れば、過料額より債権者の信頼喪失と民事上の賠償請求のほうがはるかに重い
- 「医療法人の不祥事は医療法の世界の話」と考えると判断を誤る。91条の各号の中身は、医療法54条の7が準用する会社法の社債規定で決まっている。守るべき義務を知りたければ、医療法だけでなく会社法の社債章を読むしかない
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾では医療法人が社債を発行する制度は一般的ではなく、直接の対応規定は確認できない。社債の管理規律は公司法の公司債規定に置かれている
韓国では株式会社の社債関係を含む義務違反に過怠料を科す。医療法人は営利法人ではないため、社債発行制度の直接対応はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 地元の救急病院を運営する社会医療法人の社債を、退職金の一部で購入した。経営悪化のうわさを聞いて社債原簿と社債権者集会の議事録の閲覧を求めたが、事務局に「内部資料なので」と断られた。正当な理由のない拒否は本条2号の過料事由にあたる
- もし、頼まれて名前だけ理事になっている開業医のあなたが、社債権者集会の議事録を誰も保管していなかったと後から知ったらどうなる? 備置義務違反(6号)の過料は、役員個人に科される可能性がある。「実務は事務長に任せていた」は、それだけでは免責理由にならない
- 社債権者集会で、理事長が赤字額を小さく見せる説明をした。虚偽の申述や事実の隠蔽(4号)にあたりうる。さらに詐欺など刑罰が科される行為であれば、本条ただし書により過料ではなく刑事手続に移る
- 裁判所から過料の決定書が届いた。事前に言い分を聞かれない略式手続による決定だった。異議の申立ては告知を受けた日から1週間以内。週明けまで放っておくと、そのまま確定する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 社債権者としての閲覧・謄写請求は、対象書類(社債原簿、社債権者集会議事録など)を特定し書面で出す2. 拒否や放置があれば、日付入りで記録を残す3. 所管の都道府県や厚生労働省に事実を伝え、あわせて管轄地方裁判所への過料事件の端緒提供も検討する4. 虚偽の記載や説明で損害を受けた場合は、過料とは別に民法709条などによる損害賠償請求の余地を弁護士と検討する
訴えられた側:1. 過料の決定が届いたら告知日を確認する。略式手続の場合、異議申立ては1週間以内(非訟事件手続法122条)、通常の決定に対する即時抗告は2週間以内(同67条)(最新の改正状況をご確認ください) 2. 正当な理由があった拒否か、記載漏れが軽微かを資料で示す3. 同じ行為について刑罰が科される場合は本条ただし書により過料は科されないため、刑事手続の有無も確認する4. 再発防止として、原簿・議事録の備置と閲覧対応のフローを文書化する
時効(請求できる期限):過料の賦課には刑事の公訴時効のような明文の期限がなく、扱いは実務上解釈が分かれている。過料決定への不服申立ては、略式手続の異議が告知から1週間、即時抗告が告知から2週間。社債権者が損害賠償を請求する場合は、損害と加害者を知った時から3年、不法行為時から20年(民法724条)
学説
通説:過料は刑罰ではない秩序罰であり、行為者個人の義務違反を対象とする。本条の各号の内容は、医療法54条の7が準用する会社法の社債規定によって定まり、会社法976条と同様に解釈される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:第五次医療法改正で社会医療法人制度と社会医療法人債が創設され、これに伴い社債関係の過料規定が整備された
- 2.令和元年(2019年) 改正:会社法改正による社債管理補助者制度の新設に連動し、社会医療法人債管理補助者と、その事務を承継する者が過料の対象に加えられた
- 医療法 第42条の2社会医療法人の認定要件
- 医療法 第54条の2社会医療法人債の発行根拠
- 医療法 第54条の5社債管理者の設置義務、本条10号の前提
- 医療法 第54条の7会社法社債規定の準用、各号義務の源泉
- 会社法 第976条株式会社版の同型過料規定
- 非訟事件手続法 第119条過料事件の管轄と手続
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める