放送法 第117条(提供義務等)
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- 基幹放送局提供事業者は、次の各号に掲げる者から、それぞれ当該各号に定める事項に従つた基幹放送局設備の提供に関する契約(以下「放送局設備供給契約」という。)の申込みを受けたときは、正当な理由がなければ、これを拒んではならない。
- 一認定基幹放送事業者1当該認定基幹放送事業者に係る認定記録に記録されている事項のうち第九十四条第二項第三号から第六号までに掲げる事項(衛星基幹放送に係る場合にあつては、当該衛星基幹放送の業務に係る人工衛星の軌道又は位置を含む。次項第三号において「認定記録記録事項」という。)2
- 二特定地上基幹放送事業者(第百五条の二第二項の確認を受けた者に限る。次項第四号において同じ。)1当該特定地上基幹放送事業者の特定地上基幹放送局に係る免許記録に記録されている周波数並びに同条第三項第二号及び第三号に掲げる事項(次項第四号において「免許記録記録事項」という。)2
- 2.基幹放送局提供事業者は、次に掲げる放送局設備供給契約の申込みを承諾してはならない。
- 一基幹放送事業者以外の者からの放送局設備供給契約の申込み
- 二第百五条の二第二項の確認を受けていない特定地上基幹放送事業者からの放送局設備供給契約の申込み
- 三認定基幹放送事業者からの認定記録記録事項に従わない放送局設備供給契約の申込み
- 四特定地上基幹放送事業者からの免許記録記録事項に従わない放送局設備供給契約の申込み
この条文の基本情報
提供義務等とは何ですか?
定義提供義務等とは、放送法第117条に定められた規定で、「基幹放送局提供事業者は、次の各号に掲げる者から、それぞれ当該各号に定める事項に従つた基幹放送局設備の提供に関する契約(以下「放送局設備供給契約」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 放送法第117条(提供義務等)は、日本の放送法に含まれる条文です。
- 放送法第117条の条文原文は「基幹放送局提供事業者は、次の各号に掲げる者から、それぞれ当該各号に定める事項に従つた基幹放送局設備の提供に関する契約(以下「放送局設備供給契約」という。」で始まります。
- 放送法第117条は第三節 基幹放送局提供事業者に置かれています。
- 放送法の公布日は昭和25年5月2日です。
- 放送法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 放送法第117条の前の条は放送法第116条の6です。
- 放送法第117条の次の条は放送法第118条です。
- 放送法第117条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第117条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000132 - 本サイト収録
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第117条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000132/117
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点放送法117条は、基幹放送局提供事業者が認定基幹放送事業者等からの設備提供の申込みを正当な理由なく拒むことを禁じ、記録事項に従わない申込み等の承諾も禁止する規定である。
Q · 衛星や送信所を持つ会社は、放送局からの設備の申込みを自由に断れるの?
原則断れない。正当な理由がある場合だけ拒否できる
放送法117条1項により、基幹放送局提供事業者は、認定基幹放送事業者や第105条の2第2項の確認を受けた特定地上基幹放送事業者から、記録事項に従った放送局設備供給契約の申込みを受けたとき、正当な理由がなければ拒めません。一方、同条2項は、基幹放送事業者以外の者からの申込みや、記録事項に従わない申込みを承諾することを禁じています。設備会社は締め出す門番にも、ルール外の者を通す裏口にもなれない仕組みです。
解説
テレビのチャンネルは「番組を作る会社」と「電波を出す設備を持つ会社」に分かれていることがある。2010年の放送法改正で、設備(ハード)と番組(ソフト)を分けて担う仕組みができた。設備側の会社を基幹放送局提供事業者(人工衛星や送信所を持ち、放送局の設備を貸す会社)という。本条は、この設備側の会社が持てる力を二つの方向から縛っている。一つは「断るな」という義務である。総務大臣の認定を受けた番組側の会社が、認定記録の内容どおりに設備を貸してほしいと申し込んだら、正当な理由がない限り拒めない。もう一つは「受けるな」という禁止である。放送事業者でない者からの申込み、確認を受けていない会社からの申込み、記録の内容と食い違う申込みは、承諾してはならない。つまり設備側の会社は、気に入らない番組会社を締め出す門番にも、ルール外の者を通す裏口にもなれない。新しく放送に参入する側にとって、この条文は交渉の出発点になる。「貸すかどうか」は相手の気分で決まる話ではない。法律上の義務であり、断るなら相手が理由を説明しなければならない
法的な位置づけ
放送法117条は、基幹放送局提供事業者に対し、認定基幹放送事業者および第105条の2第2項の確認を受けた特定地上基幹放送事業者から、記録事項に従った放送局設備供給契約の申込みを受けたときは正当な理由なく拒否してはならない義務を課すとともに、基幹放送事業者以外の者からの申込み等の承諾を禁止する規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1基幹放送局提供事業者とは何ですか?
人工衛星や送信所などの基幹放送局設備を持ち、それを番組側の放送事業者に提供する事業者です。ハード・ソフト分離の仕組みのうち「ハード」を担います。
Q2放送局設備供給契約とは?
基幹放送局提供事業者が、認定基幹放送事業者などに基幹放送局設備を提供する契約です。放送法117条1項がこの呼び名を定義しています。
Q3放送のハード・ソフト分離とは?
電波を出す設備(ハード)を持つ事業者と、番組(ソフト)を流す事業者を分けて担える制度です。平成22年(2010年)の放送法改正で整備されました。
Q4特定地上基幹放送事業者とは?
自ら免許を受けた地上の放送局を使って地上基幹放送を行う事業者です。本条1項2号の申込主体になるのは、第105条の2第2項の確認を受けた者に限られます。
Q5放送法117条の「正当な理由」にあたる例は?
条文に列挙はなく、個別に判断されます。設備容量が物理的に足りない場合などが典型と考えられますが、自社グループを優先したいだけでは足りないと解する余地が大きいです。
Q6放送法117条に違反したらどうなる?
本条自体は義務と禁止を定める規定です。違反した場合の監督処分や罰則は放送法の別の条文によるため、現行条文を確認する必要があります。
Q7認定記録記録事項とは何ですか?
認定基幹放送事業者の認定記録のうち、第94条第2項第3号から第6号に掲げる事項です。衛星基幹放送の場合は人工衛星の軌道または位置も含みます。
Q8地方局が中継局を他社設備に切り替えるときの注意点は?
第105条の2第2項の確認を受けていない特定地上基幹放送事業者からの申込みは、設備会社が承諾を禁じられています(本条2項2号)。確認手続を先に済ませる必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1衛星の枠が本当に満杯なら、断られても仕方ないんですか?
仕方ない場合もある。物理的に空きがなく貸せないことは、本条1項の「正当な理由」にあたりうる。ただし「満杯」かどうかを判断する材料は設備会社の側にしかない。実務のポイント:空き状況の説明を書面で求めると、口頭では「満杯」だった枠が、時期や条件を変えると使えるとわかることがある。説明を求める一手が、事実を確かめる手段になる
Q2放送の免許がなくても、お金を払えば設備だけ借りられませんか?
借りられない。本条2項1号は、基幹放送事業者以外の者からの申込みを設備会社が承諾することを禁じている。先に第93条の認定などを受けて放送事業者になる必要がある。実務のポイント:映像を届けるだけなら、認定が要らないネット配信や一般放送という別の道もある。最初に「基幹放送でなければならないのか」を検討すると、時間とコストを大きく減らせる
Q3設備会社が自社グループの番組会社を優先していたら、問題になりますか?
申込みを受けたのに正当な理由なく断ったのなら、本条1項違反の疑いが出る。何が「正当な理由」にあたるかは条文に列挙がなく、個別に判断される(実務上、解釈の幅がある)。実務のポイント:放送法とは別に、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の観点(取引拒絶)から公正取引委員会に相談する道もある。窓口を二つ持つと相手への圧力が変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「設備を持つ会社が誰に貸すかは、民間同士の自由な契約だ」と思われがちである。だが本条1項は契約締結を義務にしている。断れるのは「正当な理由」があるときだけで、その理由を説明する責任は実務上、断る側が負うことになる
- 「拒否禁止」の義務は知っていても、その裏にある「承諾禁止」を見落とす人が多い。設備会社にとって本当に怖いのは2項のほうである。良かれと思って記録と違う条件で貸せば、それ自体が違反になる。顧客の要望に柔軟に応えるほど危なくなる業界は、そう多くない
- 「この設備会社はうちに貸してくれるか」という問いの立て方が、そもそもずれている。法律から見れば先に問うべきなのは、自社の認定記録や免許記録に何が書かれているかである。申込みの中身が記録とずれていれば、相手が貸したくても貸せない。交渉の前に、自分の書類を整えるのが先である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 放送法117条:基幹放送局提供事業者(設備側)の契約締結義務と承諾禁止 | 放送法93条:番組側事業者に対する総務大臣の認定 放送法105条の2:特定地上基幹放送事業者の確認制度 |
| 規律する段階 | 放送局設備供給契約を結ぶ段階 | 基幹放送の業務に参入する段階 確認を取得する段階 |
| 本条との関係 | 認定・確認を前提に設備アクセスを保障し、無資格者の迂回を防ぐ | 認定を受けた者が本条1項1号の申込主体になる 確認を受けた者が本条1項2号の申込主体になる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は衛星放送事業を許可制で規律し、通信設備の接続は電信管理法で別に規律する。日本のように設備側事業者に放送事業者向けの締結義務を一条で課す構造かどうかは個別に要確認
フランスは放送の自由と規制を一つの法律で定め、規制機関が周波数と事業者を監督する。設備アクセスの規律方法は日本と異なる
米国は FCC が免許と通信設備の規律を担う。番組と設備を分ける日本型の認定制度とは制度設計が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたは BS で新チャンネルを始めるため総務大臣の認定を取った。ところが衛星設備の会社から「今は枠がない」の一言で返事を濁された。本当に空きがないのか、自社系列を優先したいだけなのか。本条の「正当な理由」があるかどうかを、相手に説明させる局面である
- もし放送事業者でもない動画配信ベンチャーが「衛星の電波だけ貸してくれれば、あとは自分たちでやる」と持ちかけてきたら、どうなる? 設備会社がその場で引き受けるのは、本条2項1号ではっきり禁じられている
- あなたは設備会社の営業担当である。大口の顧客から、認定記録とは違う周波数や時間帯で使いたいと頼まれた。サービスのつもりで応じれば、本条2項違反になる
- 地方局の経営企画部。自前の中継局の更新費が重く、設備会社の中継局に乗り換える案が役員会に出ている。第105条の2第2項の確認を受ける前に契約を結ぶと、設備会社の側が承諾を禁じられているので契約はまとまらない。来期の予算締めまで残り3か月、確認手続の段取りを先に組まなければ間に合わない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自社の認定記録(免許記録)の記載内容を確認し、申込み条件を一字一句そろえる2. 設備会社に書面で正式に申し込み、承諾しない場合は正当な理由を文書で示すよう求める3. 拒否理由があいまいなら、やり取りの記録をそろえて総務省の放送担当部局に相談する4. 開局が遅れて損害が出た場合は、民法709条による損害賠償の可能性を弁護士と検討する(実務上の先例は少なく、見通しは個別判断になる)
訴えられた側:1. 申込者が認定または確認を受けた放送事業者か、まず書類で確かめる2. 申込みの内容が認定記録・免許記録の記録事項と合っているかを照合し、ずれていれば承諾してはならない3. 断るときは、設備容量の物理的な限界など、客観的な理由を文書にして残す4. 自社グループ優先と見られる運用は避け、受付の順番と判断基準を社内で決めておく
時効(請求できる期限):本条そのものに特定の時効はない。ただし不当な拒否で損害が出た場合、損害賠償請求は損害および加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年(民法724条)。総務大臣の処分に不服がある場合、審査請求は原則として処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成22年(2010年)放送法改正(要検証) ハード・ソフト分離制度の整備に伴い、基幹放送局提供事業者の設備提供義務として設けられたとみられる。正確な制定経緯は人的検証が必要
- 令和期の改正(要検証) 第105条の2第2項の確認を受けた特定地上基幹放送事業者を対象に加える改正が行われたとみられる。改正年と施行日は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成22年(2010年) 新設:放送法の大改正でハード・ソフト分離制度が整備され、基幹放送局提供事業者の設備提供に関する規律が設けられた。本条の正確な制定時の文言と以後の改正経緯は e-Gov の改正履歴で要確認
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