放送法 第156条(変更命令等)
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- 総務大臣は、第百四十七条第一項の規定により届け出た有料基幹放送契約約款に定める有料基幹放送の役務に関する料金その他の提供条件が国内受信者の利益を阻害していると認めるときは、当該有料基幹放送の役務を提供する有料放送事業者に対し、当該有料基幹放送契約約款を変更すべきことを命ずることができる。
- 2.総務大臣は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、有料放送事業者に対し、国内受信者の利益を確保するために必要な限度において、有料放送の役務の提供に係る業務の方法の改善その他の措置をとるべきことを命ずることができる。
- 一有料放送事業者が特定の者に対し不当な差別的取扱いを行つているとき。
- 二有料放送事業者が提供する有料放送の役務(有料基幹放送の役務を除く。次号において同じ。)に関する料金その他の提供条件が社会的経済的事情に照らして著しく不適当であるため、国内受信者の利益を阻害しているとき。
- 三有料放送事業者が提供する有料放送の役務に関する提供条件(料金を除く。)において、有料放送事業者及び国内受信者の責任に関する事項が適正かつ明確に定められていないとき。
- 3.総務大臣は、次の各号のいずれかに該当するときは、当該各号に定める者に対し、当該違反を是正するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
- 一有料放送事業者又は媒介等業務受託者が第百五十条又は第百五十一条の二の規定に違反したとき1当該有料放送事業者又は媒介等業務受託者2
- 二有料放送事業者又は有料放送管理事業者が第百五十一条の規定に違反したとき1当該有料放送事業者又は有料放送管理事業者2
- 三有料放送事業者が第百五十条の二第一項又は第百五十一条の三の規定に違反したとき1当該有料放送事業者2
- 4.総務大臣は、有料放送管理事業者が前条の規定に違反したときは、当該有料放送管理事業者に対し、国内受信者の利益を確保するために必要な限度において、業務の方法の改善その他の措置をとるべきことを命ずることができる。
この条文の基本情報
変更命令等とは何ですか?
定義変更命令等とは、放送法第156条に定められた規定で、「総務大臣は、第百四十七条第一項の規定により届け出た有料基幹放送契約約款に定める有料基幹放送の役務に関する料金その他の提供条件が国内受信者の利益を阻害していると認…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 放送法第156条(変更命令等)は、日本の放送法に含まれる条文です。
- 放送法第156条の条文原文は「総務大臣は、第百四十七条第一項の規定により届け出た有料基幹放送契約約款に定める有料基幹放送の役務に関する料金その他の提供条件が国内受信者の利益を阻害していると認…」で始まります。
- 放送法第156条は第七章 有料放送に置かれています。
- 放送法の公布日は昭和25年5月2日です。
- 放送法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 放送法第156条の前の条は放送法第155条です。
- 放送法第156条の次の条は放送法第157条です。
- 放送法第156条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第156条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000132 - 本サイト収録
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第156条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000132/156
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点放送法156条は、有料放送の料金や提供条件が受信者の利益を阻害する場合、総務大臣が事業者に約款変更や業務改善を命じられると定める。価格を決める権限ではない。
Q · WOWOW やスカパーの約款がおかしいと思ったら、国に直させることはできるの?
命令は約款・業務の改善までで、個別の返金や値下げは命じない
放送法156条により、総務大臣は有料放送の料金その他の提供条件が受信者の利益を阻害すると認めるとき、事業者に約款の変更や業務方法の改善を命じることができます。説明義務違反や不実告知があれば、販売代理店にも是正命令が及びます。ただし個別の解約金を返金させる仕組みではありません。お金を取り戻すには消費者契約法9条などで民事上争う必要があります。また NHK の受信契約は対象外です。
解説
WOWOW、スカパー!、ケーブルテレビの解約で引き止められ、料金表の注意書きの小ささに腹を立てた。そういう人は多いが、その不満を「行政の命令」に変えられる仕組みがあることはあまり知られていない。放送法156条は、有料放送の料金やルールが受信者の利益を損なうとき、総務大臣が事業者に約款の変更を命じたり、業務のやり方を改善させたりできると定めている。命令は役所が事業者に直接下す、従わなければならない決定である。押さえておきたいのは、本条が四つの層に分かれていることだ。BS・110度 CS などの有料基幹放送の約款そのもの(1項)、特定の人だけを不当に差別する扱いや、社会的経済的事情に照らして著しく不適当な料金(2項)、説明義務違反や不実告知などの販売ルール違反(3項)、顧客管理を受託する管理事業者の不備(4項)である。ただし、総務大臣が料金を決めてくれるわけではない。動かせるのは「利益阻害」と言えるだけの事実がそろった場合に限られる。だから、不満の段階で終わらせず、事実として記録に残した人だけがこの仕組みを使える。
法的な位置づけ
放送法156条は、有料放送分野における総務大臣の命令権限を定める規定である。有料基幹放送契約約款の変更命令(1項)、差別的取扱い・著しく不適当な料金・責任事項の不明確に対する業務改善命令(2項)、説明義務・不実告知禁止・苦情処理義務等の違反に対する是正命令(3項)、有料放送管理事業者に対する改善命令(4項)から成る。
手順
- 1.証拠をそろえる 勧誘時の録音、契約書面、約款、請求明細を保存し、受け取った日付と窓口とのやり取りの日時を時系列で記録する
- 2.初期契約解除の可否を確認 対象サービスであれば、契約書面の受領から8日以内に書面で解除通知を出す。対象サービスは省令で限定されるため事前に確認する
- 3.事業者の苦情窓口へ書面で申し入れ 電話だけで済ませず、書面またはメールで不満の内容と求める対応を明記して申し入れる。事業者には苦情処理の義務がある(放送法151条)
- 4.消費生活センターと総合通信局へ情報提供 窓口で解決しなければ、時系列資料を添えて消費生活センター(188)と総務省の総合通信局へ同時に情報提供する。同種の記録の集積が行政の命令検討の根拠になる
よくある質問 AI による整理
Q1有料放送の約款変更命令とは何ですか?
総務大臣が、届け出られた有料基幹放送契約約款の料金や提供条件が受信者の利益を阻害すると認めたとき、事業者に約款を書き直させる命令です(放送法156条1項)。
Q2有料基幹放送とはどんな放送ですか?
BS・110度 CS など基幹放送用の周波数を使う有料放送を指します。約款を総務大臣に届け出る義務があり(放送法147条)、本条1項の変更命令の対象になります。
Q3ケーブルテレビの勧誘トラブルはどこに相談する?
まず事業者の苦情窓口、解決しなければ消費生活センター(188)と総務省の総合通信局へ。録音や契約書面など時系列の資料を添えると行政の検討材料になります。
Q4有料放送の加入を断られたら違法?
合理的理由なく特定の人だけを拒否する扱いは、放送法156条2項1号の「不当な差別的取扱い」として業務改善命令の対象になりえます。設備上の理由が本当かの確認が鍵です。
Q5販売代理店の不実告知は誰の責任?
代理店(媒介等業務受託者)自身に是正命令が出されうるうえ、有料放送事業者本体にも説明・苦情処理の義務があります。代理店のせいで本体が免責されるわけではありません。
Q6有料放送の料金が高いのは違法?
高いだけでは違法になりません。一般の有料放送は「社会的経済的事情に照らして著しく不適当」で受信者の利益を阻害する場合に限り、改善命令の対象になります(2項2号)。
Q7有料放送管理事業者とは何ですか?
複数の有料放送事業者から顧客管理や契約手続を受託する事業者です。苦情処理義務違反や放送法155条違反があれば、総務大臣から直接是正・改善命令を受けます。
Q8総務大臣の命令に従わないとどうなる?
命令違反は放送法上の罰則や業務停止等の別の処分につながる可能性があります。具体的な罰則規定と適用範囲は、現行の放送法罰則章で確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1スカパーの解約金が納得いかないんだけど、総務省に言えば取り消してもらえるの?
総務省が個別の解約金を返金させることはない。放送法156条で総務大臣ができるのは、約款の変更や業務改善を事業者に命じることまでである。お金を取り戻すには、消費者契約法9条(平均的損害を超える違約金の無効)などを根拠に民事で争う必要がある。実務のポイント:行政への情報提供には、事業者が「同じ苦情がほかにも集まっている」と察して、個別に柔軟な対応をする方向に傾くという副次的な効果がある
Q2勧誘の人が言ってたことと契約書の中身が違う。これって違法なの?
重要事項についての不実告知や、説明すべき事項の説明漏れであれば、放送法151条の2や150条の違反になりうる。その場合、代理店にも事業者本体にも、3項に基づく是正命令が出されうる。実務のポイント:言った言わないの争いで最後に効いてくるのは録音である。勧誘電話の冒頭で「録音させてください」と伝えるだけで、トークの内容が急に慎重になる担当者は少なくない
Q3総務大臣の命令って、実際に出ることあるの?
命令まで進む例は多くない。実務では、まず総合通信局による照会や行政指導(法的な強制力のない要請)で是正を促すことがほとんどである。命令は、事業者が応じない場合に使われる最終手段と考えたほうが実態に近い(放送法156条)。実務のポイント:行政指導の段階で事業者が自主改定に動くのは、命令の存在が抑止力として働いているからである。条文が使われていないのは、効いていないからではない
間違えやすい点 AI による整理
- 「料金が高すぎるから、総務大臣に言えば値下げさせられる」という問いは、前提から外れている。本条で総務大臣ができるのは、約款の変更や業務改善の命令である。価格を決める権限ではない。しかも2項2号が求めるのは「社会的経済的事情に照らして著しく不適当」という高い基準である。争う相手は金額ではなく、不当な解約条件や責任条項などの「提供条件」だと考えたほうが現実的である
- 強引な勧誘は代理店がやったことで本体は関係ない、というのは事業者側から見た理屈である。法律は違う見方をする。3項1号は、説明義務や不実告知禁止に違反した媒介等業務受託者(販売代理店など)に直接命令できるとしている。その一方で、事業者自身にも説明や苦情処理の義務が課されている。代理店を切り離しても、責任までは切り離せない
- NHK の受信料にも本条が使えると考える人は多い。しかし、NHK の受信契約は放送法64条の別の仕組みであり、第7章の有料放送規律の対象ではない。不満をぶつける条文を間違えると、窓口でも行政でも相手にされない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の内容 | 放送法156条:総務大臣による約款変更・業務改善・是正命令 | 放送法147条:有料基幹放送契約約款の届出義務 放送法150条:提供条件の説明義務 |
| 名宛人 | 有料放送事業者・媒介等業務受託者・有料放送管理事業者 | 有料基幹放送の役務を提供する有料放送事業者 有料放送事業者・媒介等業務受託者 |
| 機能 | 違反・利益阻害に対する事後の行政的是正手段 | 約款内容を行政が把握する事前の仕組み 契約締結前の行為規範(違反は本条3項1号の命令対象) |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾ではケーブルテレビの収視料金を地方主管機関が審議する仕組みがあり、日本より料金への行政関与が直接的である
米国はケーブル料金規制を連邦法で定めるが、有効な競争がある地域では規制が外れる構造で、競争状況が介入の可否を左右する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 電話で「今だけ実質無料」と勧誘され、ケーブルテレビに加入した。届いた書面を見ると、2年縛りと高額な撤去費用が書かれていた。勧誘の録音と書面を手元に残しておけば、不実告知や説明義務違反として3項の是正命令につながる材料になる
- 集合住宅であなたの部屋だけ「設備上の理由」で有料放送の加入を断られ、隣の部屋はすぐに加入できたとしたら、どうなるか。合理的な理由のない拒否であれば、2項1号の「不当な差別的取扱い」が問題になりうる
- あなたは有料放送事業者の販売代理店で、ノルマに追われて「いつでも無料で解約できる」と言い切ってしまった。命令はあなたの会社(媒介等業務受託者)に直接向かう可能性があり、委託元の放送事業者も監督責任を問われる
- 契約書面を受け取ってから8日目の夜を迎えた。初期契約解除の対象となるサービスであれば、今日中に書面で解除通知を出すかどうかが、あとから違約金の交渉をするかどうかを分ける(対象サービスは省令で限定されるため要確認)
- あなたは中堅ケーブル局の法務担当で、総合通信局から約款の責任条項について照会の電話を受けた。2項3号の「責任に関する事項が適正かつ明確に定められていない」を指摘される前触れである。命令が出る前に自主改定するかどうか、決断に残された時間は短い
取るべき行動
被害を受けた側:1. 勧誘の録音、契約書面、約款、請求明細をすべて保存し、受け取った日付を記録する2. 初期契約解除の対象サービスであれば、書面受領から8日以内に書面で解除を通知する(放送法150条の3、対象は要確認) 3. 事業者の苦情窓口に書面で申し入れる(151条の苦情処理義務) 4. 解決しなければ、消費生活センター(188)と総務省の総合通信局へ、時系列の資料をつけて情報提供する5. 不実告知があった場合は、消費者契約法4条による取消しも並行して検討する
訴えられた側:1. 照会や行政指導を受けたら、約款の責任条項・解約条件・説明資料を社内で総点検する2. 販売代理店の勧誘トークと研修記録を確認し、違反があれば是正の記録を残す3. 命令は不利益処分にあたるため、原則として弁明の機会が与えられる(行政手続法13条)。そこで事実誤認を具体的に争う4. 命令後に不服がある場合は、処分通知の教示欄に従って審査請求または取消訴訟を検討する。放送法には電波監理審議会への付議などの特則があるため、手続を必ず確認する
時効(請求できる期限):受信者側:初期契約解除は契約書面の受領日から8日以内(対象サービスに限る。最新の改正状況をご確認ください)。消費者契約法4条による取消しは、誤認に気付いた時から1年かつ契約締結から5年以内(同法7条)。事業者側:命令に不服があれば、原則として処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月以内(行政事件訴訟法14条)。放送法上の特則の有無は教示欄で確認する
学説
実務的理解:本条は介入の強度を段階化している。届出約款を持つ有料基幹放送には利益阻害基準、その他の有料放送の料金には「著しく不適当」という高い基準を課し、行政の介入対象を価格そのものではなく提供条件・販売行為・管理業務に限定する構造と理解される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成22年(2010年) 改正:放送法制の大改正により、有料放送に関する規律が同法の有料放送の章に整理された(条番号・文言の詳細は改正法で要確認)
- 2.平成27年(2015年) 改正:電気通信・放送分野の消費者保護ルール強化の一環として、初期契約解除や不実告知禁止等が整備され、本条の命令対象となる義務規定が拡充された(施行日は要確認)
- 放送法 第147条有料基幹放送契約約款の届出、1項の前提
- 放送法 第150条提供条件の説明義務、3項1号の対象
- 放送法 第151条苦情等の処理義務、3項2号の対象
- 放送法 第151条の2不実告知等の禁止、3項1号の対象
- 放送法 第155条有料放送管理業務の規律、4項の対象(現行効力を要確認)
- 電気通信事業法 第29条通信分野の業務改善命令、並行構造
- 消費者契約法 第9条過大な解約違約金の民事的無効
- 行政手続法 第13条不利益処分前の弁明の機会
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