放送法 第176条(適用除外等)
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- この法律の規定は、受信障害対策中継放送(電波法第五条第五項に規定する受信障害対策中継放送をいう。以下この条において同じ。)、車両、船舶又は航空機内において有線電気通信設備を用いて行われる放送その他その役務の提供範囲、提供条件等に照らして受信者の利益及び放送の健全な発達を阻害するおそれがないものとして総務省令で定める放送については、適用しない。
- 2.前項の規定にかかわらず、第九十一条の規定は、受信障害対策中継放送についても適用する。
- 3.第一項の規定にかかわらず、受信障害対策中継放送は、これを受信障害対策中継放送を行う者が受信した基幹放送事業者の放送とみなして、第九条第一項、第十一条、第十二条、第百四十七条第一項及び第百五十七条の規定を適用する。
- 4.第一項の規定にかかわらず、第六十四条の規定は、同項の規定の適用を受ける放送であつて、協会の放送を受信し、その内容に変更を加えないで同時にその再放送をするものについても適用する。
- 5.第四条から第十条まで、第十二条から第十四条まで及び第百六条から第百十条までの規定は、他の基幹放送事業者の基幹放送を受信し、その内容に変更を加えないで同時にそれらの再放送をする放送(第一項の規定の適用を受ける放送を除く。)については、適用しない。
この条文の基本情報
適用除外等とは何ですか?
定義適用除外等とは、放送法第176条に定められた規定で、「この法律の規定は、受信障害対策中継放送(電波法第五条第五項に規定する受信障害対策中継放送をいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 放送法第176条(適用除外等)は、日本の放送法に含まれる条文です。
- 放送法第176条の条文原文は「この法律の規定は、受信障害対策中継放送(電波法第五条第五項に規定する受信障害対策中継放送をいう。」で始まります。
- 放送法第176条は第十章 雑則に置かれています。
- 放送法の公布日は昭和25年5月2日です。
- 放送法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 放送法第176条の前の条は放送法第175条です。
- 放送法第176条の次の条は放送法第177条です。
- 放送法第176条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第176条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000132 - 本サイト収録
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第176条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000132/176
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点放送法176条は、受信障害対策中継放送や車両・船舶・航空機内の有線放送などに同法を適用しないと定める。ただし NHK の同時再送信には受信契約の規定が残る。
Q · ケーブルテレビで流れた他局のニュースが誤報だったら、責任は誰にあるの?
番組内容の責任は、再送信した会社でなく元の放送局にある
放送法176条5項により、他の基幹放送事業者の放送を内容を変えずに同時再送信する放送には、番組編集準則や訂正放送(4〜10条)が適用されません。訂正放送の請求先は元の放送局で、期限は放送日から3か月以内です(9条1項)。なお最高裁は、訂正放送の規定は被害者に裁判で強制できる私法上の請求権を与えるものではないとしているため、損害の回復には民法709条の検討が別途必要です。
解説
新幹線の車内モニター、長距離フェリーの船室テレビ、機内で有線設備を使って一斉に流される映像。どれも見た目は「放送」だが、放送法はそのほとんどに適用されない。176条1項がそう線を引いているからだ。番組編集準則(政治的公平などを求めるルール)も、番組審議機関の設置義務も、そこには届かない。ただし、適用されないのは原則にすぎない。その中で NHK の放送を内容を変えずに同時に流していれば、NHK 受信料の64条はなお生きる(4項)。さらに見落とされやすいのが5項だ。ケーブルテレビなどが他局の地上波を内容を変えずに同時再送信している場合、番組の中身についての義務(4条から10条など)はケーブル会社ではなく、元の放送局に残る。誤報に抗議する相手を間違えると、3か月という訂正放送の請求期間(9条1項)は空回りしたまま過ぎていく。責任がどこにあるのかを知っている人だけが、正しい窓口を一度で叩ける。
法的な位置づけ
放送法176条は同法の適用除外を定める規定である。受信障害対策中継放送、車両・船舶・航空機内の有線放送、総務省令で定める放送には原則として同法を適用しないが、91条、訂正放送・再放送同意等の規定、NHK 受信契約(64条)は例外的に適用を残す。また、他局の基幹放送を変更なく同時再送信する放送については、番組内容に関する規律の適用を除外する。
よくある質問 AI による整理
Q1放送法176条とは何ですか?
放送法の適用除外を定めた条文です。中継放送や車内・機内の有線放送などを原則として対象外とし、受信料や訂正放送など一部の規定だけを例外的に残します。
Q2受信障害対策中継放送とは?
高層ビルや山陰で地上波が届きにくい地域に向けて、受信した放送をそのまま中継する放送です。電波法5条5項で定義され、元の局の放送とみなされます。
Q3新幹線の車内テレビに放送法は適用される?
車両内で有線設備を使って行う放送には、放送法は原則として適用されません(176条1項)。番組編集準則や番組審議機関の設置義務も及びません。
Q4訂正放送の請求はいつまでにできる?
放送のあった日から3か月以内です(放送法9条1項)。放送局は調査して真実でないと判明したら、判明した日から2日以内に訂正等の放送を行います。
Q5訂正放送は裁判で強制できる?
最高裁は、訂正放送の規定は放送局の公法上の義務であり、被害者に裁判で訂正を求める私法上の権利を与えるものではないと判断しています。
Q6ケーブルテレビの再送信に番組審議機関は必要?
他局の放送を変更せず同時再送信するだけの部分には、番組審議機関(6条)を含む4〜10条は適用されません(176条5項)。自主制作番組は別です。
Q7ホテルや施設の館内放送は放送法の対象?
1項が明示するのは車両・船舶・航空機内の有線放送です。それ以外の施設は総務省令で定める放送に当たるかで決まるため、施行規則の確認が必要です。
Q8他局の番組を再送信するには同意が必要?
必要です。176条5項が適用除外とするのは4〜10条と12〜14条などで、再放送の同意を定める11条は外れません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ケーブルテレビで流れたデマ報道、ケーブル会社に訂正させられないんですか?
他局の放送を変更なしに同時再送信しているだけなら、ケーブル会社には訂正放送などの義務が適用されません(176条5項)。請求先は元の放送局で、放送日から3か月以内です(9条1項)。実務のポイント:ケーブル会社の窓口が「当社では対応できない」と答えるのは、逃げているのではなく法的に正しい回答であることが多い。そこで時間を使わず、すぐに元の局の視聴者窓口に書面を出す
Q2船や電車の中でテレビを流すだけでも、NHK と契約しないといけないんですか?
車内・船内の有線放送には放送法のほとんどが適用されませんが、NHK の放送を内容を変えずに同時再送信するものには受信契約の64条が適用されます(176条4項)。具体的な契約単位や金額は NHK の受信規約によります(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:民放だけを流す設計、または録画コンテンツだけで編成する設計にすれば、この論点は導入時点でなくなる
間違えやすい点 AI による整理
- 「画面に映っている以上、映している会社が内容に責任を負う」と考えがちだが、他局の放送を変更なしに同時再送信するケーブル会社などには、番組編集準則も訂正放送義務も適用されない(176条5項)。責任を問う相手は、内容を編集した元の放送局である
- 「放送法の対象外なら NHK とも無関係だ」という問いの立て方自体が誤っている。1項で適用除外となる放送でも、NHK の放送を変更なしに同時再送信するものには64条の受信契約規定が適用される(4項)。法律が丸ごと外れることと、特定の義務が外れることは別物だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 176条:放送法の適用範囲を外す・一部を残す線引き規定 | 9条:真実でない放送に対する訂正放送等の義務 64条:受信設備設置者の NHK 受信契約義務 |
| 受信障害対策中継放送への適用 | 原則適用除外(1項)。ただし91条(2項)、9条1項・11条等(3項)は適用 | 適用あり(元の局の放送とみなす、176条3項) NHK を変更なく同時再送信するものには適用(176条4項) |
| 他局放送の変更なし同時再送信への適用 | 4〜10条・12〜14条・106〜110条を不適用(5項) | 不適用。訂正請求の相手は元の放送局 5項の除外対象に含まれず、別途検討 |
| 利用者が注意すべき点 | 責任の所在がどの層にあるかを特定する | 放送日から3か月以内に請求 設備導入時に NHK 同時再送信の有無を設計で決める |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は有線テレビを独立の法律で規律し、地上波の再送信義務(must-carry)も定める。番組内容の更正義務は廣播電視法側に置かれる
韓国は放送法の中に中継有線放送・再送信の規定を置く。誤報の訂正は言論仲裁法による訂正報道請求が主な手段となる
ドイツは州間の放送協定で規律し、ケーブル等による変更なしの同時再送信(Weiterverbreitung)は原放送の規律を前提に許容する構造をとる
米国はケーブル事業者が地上波を再送信する際の retransmission consent を求め、番組内容の責任は基本的に元の放送局側に置かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ケーブルテレビで見た地元局のニュースで、自分の店が食中毒を出したかのように報じられた。もしケーブル会社に訂正を求めたら、どうなる? 同時再送信には9条が適用されないので、ケーブル会社には訂正放送の義務がない。請求の相手は元の放送局であり、放送日から3か月の期間は待ってくれない
- あなたは観光フェリー会社の企画担当で、船内の有線設備で地上波の NHK を客室に流そうとしている。放送法の大半は適用されない設備だが、NHK の放送を変更なしに同時再送信する以上、64条の受信契約の問題は残る。導入前に契約関係を確認しておかないと、後から受信料の請求が届く
- 放送局の誤報で取引先を失った。放送からすでに2か月半が経っている。残りは約2週間。訂正放送の請求先が元の放送局であることを確かめ、今週中に書面で出す
取るべき行動
被害を受けた側:1. 誤報を見た番組が自主制作か同時再送信かを確認する(番組表、局ロゴ、ケーブル会社への問い合わせ) 2. 再送信であれば、編集責任は元の放送局にある。放送日から3か月以内に元の局へ訂正放送を請求する(9条1項) 3. 録画やスクリーンショットで放送日時と内容を確保する4. 損害賠償を求める場合は、訂正放送とは別に民法709条の検討が必要
訴えられた側:1. 自社の映像サービスが1項の適用除外(受信障害対策中継放送、車両・船舶・航空機内の有線放送、総務省令で定める放送)に当たるかを確認する2. NHK を変更なしに同時再送信している場合、64条の受信契約の問題が残る点に注意(4項) 3. 他局の放送を変更なしに同時再送信しているだけなら、番組内容への苦情は元の放送局の責任範囲であると根拠条文(5項)を示して回答する。ただし11条の再放送同意は別途必要
時効(請求できる期限):訂正放送等の請求は放送のあった日から3か月以内(放送法9条1項)。損害賠償請求は、損害および加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年(民法724条)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成22年(2010年) 改正:放送関連法の大改正。有線テレビジョン放送法などを放送法に統合し、「基幹放送」概念を導入。適用除外と同時再送信の扱いを現行の枠組みに整理した
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