放送法 第46条(監査委員による役員の行為の差止め)
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監査委員は、役員が協会の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によつて協会に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該役員に対し、当該行為をやめることを請求することができる。
この条文の基本情報
監査委員による役員の行為の差止めとは何ですか?
定義監査委員による役員の行為の差止めとは、放送法第46条に定められた規定で、「監査委員は、役員が協会の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によつて協会に著しい…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 放送法第46条(監査委員による役員の行為の差止め)は、日本の放送法に含まれる条文です。
- 放送法第46条の条文原文は「監査委員は、役員が協会の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によつて協会に著しい…」で始まります。
- 放送法第46条は第四節 監査委員会に置かれています。
- 放送法の公布日は昭和25年5月2日です。
- 放送法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 放送法第46条の前の条は放送法第45条です。
- 放送法第46条の次の条は放送法第46条の2です。
- 放送法第46条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第46条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000132 - 本サイト収録
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第46条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000132/46
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点放送法46条は、NHK役員が目的外の行為や法令・定款違反をし又はそのおそれがあり、協会に著しい損害が生ずるおそれがあるとき、監査委員がその行為の中止を請求できると定める。
Q · NHK の役員の違法な行為を、放送法46条で止められるのは誰?
NHK の監査委員だけで、視聴者や職員は請求できない
放送法46条に基づいて差止めを請求できるのは、経営委員のうち監査委員に任命された者に限られます。請求できるのは、役員が協会の目的の範囲外の行為や法令・定款に違反する行為をし、又はそのおそれがある場合で、しかもその行為により協会に著しい損害が生ずるおそれがあるときです。受信契約者や職員には本条の請求権がないため、不正に気付いた場合は監査委員会へ資料を添えて情報を届けることが現実的な手段になります。
解説
受信料の使い道に、事前にブレーキをかけられる人は NHK の中に数人しかいない。経営委員のうち監査委員に任命された者である。放送法46条によれば、役員が協会の目的の範囲外の行為や法令・定款に違反する行為をしたとき、またはしそうなときで、そのせいで協会に「著しい損害」(ちょっとした無駄遣いでは足りない、組織にとって重大な損失)が出るおそれがあれば、監査委員はその役員に「その行為をやめろ」と請求できる。押さえるべき点は二つある。一つ目に、これは損害が出た後の責任追及ではない。行為の前や途中で止められる、事前のブレーキである。二つ目に、請求できるのは監査委員だけで、受信料を払う視聴者にも内部の職員にもこの権限はない。だから、不正に気付いた職員がまず誰に事実を届けるべきかは、この条文で決まる。設計は会社法の監査委員の差止権とほぼ同じなので、株式会社のガバナンスを知っている人ほど読み解きが速い。
法的な位置づけ
放送法第46条は、日本放送協会の監査委員に役員の違法行為等の差止請求権を与える規定である。要件は、役員による目的の範囲外の行為又は法令・定款違反の行為(そのおそれを含む)と、それによって協会に著しい損害が生ずるおそれの二つであり、会社法第407条に定める監査委員の差止請求と同じ構造をもつ事前是正の手段として機能する。
よくある質問 AI による整理
Q1NHK の監査委員とは何ですか?
経営委員の中から任命され、監査委員会を構成して役員の職務執行を監査する委員です。放送法46条により、役員の違法行為等の差止めを請求する権限ももちます。
Q2NHK の監査委員は誰が選ぶ?
監査委員は経営委員の中から経営委員会が任命します。執行部である会長や理事から独立した立場で監査を行う仕組みです。
Q3放送法46条の「著しい損害」とはどの程度?
軽微な無駄遣いでは足りず、協会にとって重大な損失が生ずるおそれが必要です。具体的な基準は条文になく、金額・影響範囲・回復可能性などから個別に判断されます。
Q4放送法46条の差止めは行為の前でもできる?
できます。条文は「行為をするおそれがある場合」も対象としており、契約締結や支出の実行前に中止を求める予防的な権限として設計されています。
Q5放送法46条に違反すると罰則はある?
本条は監査委員に請求権を与える規定で、本条自体に罰則はありません。請求を無視して行為を続けた場合は、事後の役員責任の判断で不利な事情になりえます。
Q6放送法46条は会社法と同じ仕組み?
会社法407条の監査委員による差止請求とほぼ同じ構造です。目的外・法令定款違反の行為と著しい損害のおそれという二つの要件も共通しています。
Q7NHK の不正を内部告発するにはどうする?
裏付け資料を確保し、監査委員会に情報が届く窓口へ書面で通報します。不利益な扱いを受けるおそれがあれば、公益通報者保護法による保護も検討します。
Q8NHK の監査委員会は何をする機関?
役員の職務執行を監査し、必要に応じて調査や報告を行う機関です。本条の差止請求は、その監査権限を実効化する手段として位置づけられます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1受信料払ってるんだから、自分が NHK の無駄遣いを止める裁判を起こせないの?
放送法46条で差止めを請求できるのは監査委員だけで、受信契約者が役員の行為を直接止める規定は本条にはない。実務のポイント:外部から差止め請求を起こしてもまず通らないので、実際に効果があるのは、具体的な資料を付けて監査委員会や経営委員会に情報を届けることである。抽象的な抗議より、証拠付きの一通のほうがはるかに動く
Q2監査委員が「やめろ」って言っても、会長が無視したらどうなるの?
本条の請求に従わない場合、監査委員は裁判所に仮処分を申し立てて、暫定的に行為を止めることを検討することになる。ただし、放送法に特有の手続面の扱いについては、実務上の蓄積が乏しい。実務のポイント:請求を無視した記録は、後で役員の責任を問う場面で重い材料になる。だから現実には、書面で請求された時点で止まることが多い
Q3監査委員って、番組の内容がおかしいと思ったら止められるの?
原則として想定されていない。放送法は経営委員が個別の番組の編集に干渉することを禁じており(放送法32条)、本条も主に違法な業務執行や財務上の行為を対象にしている。実務のポイント:番組内容への介入が疑われた過去の騒動は、この境界線をめぐる争いだった。「差止め」という言葉が番組統制の口実に使われていないかを見張るのも、市民の側の監視ポイントである
間違えやすい点 AI による整理
- NHK の不正は受信料を払っている自分たち視聴者が裁判で止められる、と考える人は多い。しかし46条の請求権を持つのは監査委員だけである。視聴者が役員の行為を直接差し止める仕組みは本条には用意されていない。視聴者にできるのは、監査委員会や経営委員会に情報や意見を届けることまでだ
- 監査委員の仕事は「決算書を後からチェックすること」だと思っているなら、権限を半分しか知らないことになる。本条は「行為をするおそれがある」段階での介入を認めている。つまり予防のための権限であって、損害が出る前に動かなかったことそのものが監査の失敗と評価されうる
- 「ガバナンスの強化」と聞くと、止める力は強ければ強いほどよいと感じるかもしれない。しかし法律から見ると、別の力関係が浮かび上がる。番組編集の自律は放送法が特に厚く守っている領域であり、経営委員には個別の番組の編集に干渉しない義務がある。差止めの権限が番組の中身に向けられれば、それは監督ではなく干渉になる。どこまで止めてよいかの線引きこそが本当の論点である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 放送法46条:監査委員による役員の違法行為等の差止請求 | 放送法20条:協会の業務範囲(逸脱かどうかの判断基準) 放送法32条:経営委員による個別の番組編集への関与の制限 |
| 誰に向けた規範か | 監査委員に権限を与え、役員に向けて行使される | 協会全体の業務の範囲を画する 経営委員の権限行使を制約する |
| 本条との関係 | 差止めの発動要件を定める | 「目的の範囲外の行為」かどうかを判断する物差しになる 差止権を番組内容に向けてはならないという外側の限界になる |
他国ではどう定めているか 3 か国
董事会や董事が法令・定款に違反する行為をするとき、監察人が直ちに行為の停止を通知すべきとする。公共電視基金会には公共電視法に基づく監事会がある。
理事の法令・定款違反行為により会社に回復できない損害が生ずるおそれがある場合、監査又は少数株主が行為の差止めを請求できる。株主にも請求権がある点は日本の放送法と異なる。
監査役会(Aufsichtsrat)が業務執行を監督する二層制。個別の差止請求権として明文化されてはおらず、構造は日本の委員会型と異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- NHK の関連団体へ不透明な資金が流れているのを経理担当の職員が見つけたら、どうなる? 職員本人に差止めの権限はない。監査委員会に裏付け資料をそろえて届けることが、46条を動かすいちばん現実的なルートになる
- あなたは理事で、定款に根拠が見当たらない収益事業の契約を急いでいる。そこへ監査委員から中止を求める書面が届いた。無視して契約すれば、後で協会への責任が問われたとき「事前に警告を受けていた」という事実が自分の不利に働く
- 番組の論調が気に入らない監査委員が、46条を盾に放送をやめさせようとした。本条の守備範囲を踏み越えている可能性が高い。
- 来週の理事会で、採算の見えない大型システム調達が承認される予定だ。契約締結まで残り5日しかない。監査委員が止めるなら、中止請求の書面を送るのと同時に、相手が従わない場合に備えて裁判所への仮処分(判決を待たずに暫定的に行為を止める手続)の準備も進めなければ間に合わない
取るべき行動
被害を受けた側:不正を見つけた職員や関係者の場合:1. 契約書、稟議書、メールなど、目的外の行為や法令・定款違反を裏付ける資料を確保する2. 損害の規模を見積もり、本条の要件である「著しい損害」に当たるかを整理する3. 実行される前に監査委員会へ書面で届ける。内部通報の窓口を使う場合も、監査委員会に情報が届くルートかどうかを確認する4. 不利益な扱いを受けるおそれがあれば、公益通報者保護法による保護も視野に入れておく
訴えられた側:中止請求を受けた役員の場合:1. その行為の根拠を、協会の目的(放送法15条)と業務の範囲(同20条)、定款の条文に照らして書面で整理する2. 「著しい損害のおそれ」がないことを、数値や代替案で示す3. 根拠が弱ければ、いったん止めて理事会や経営委員会で議論し直すほうが、後で責任を問われるリスクを大きく減らせる4. 請求が番組編集への干渉にあたると考えるなら、その線引きを明確に指摘する
時効(請求できる期限):本条に固有の時効はない。ただし差止めは行為が完了する前でなければ意味を失うため、実質的な期限は契約締結日や支出の実行日である。行為が完了した後の損害回復は事後の責任追及に移り、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)などが問題になる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
会社法類推的理解:本条は会社法407条の監査委員による差止請求と同型であり、要件の解釈(目的外・法令定款違反、著しい損害のおそれ)は会社法上の議論を参照して理解されることが多い。
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年)放送法改正(要検証) 経営委員会の監督機能強化の一環として監査委員会制度が導入されたとされる。差止め規定の当初の条番号と文言は人的検証が必要
- 平成22年(2010年)放送法改正(要検証) 放送関連法の大規模な再編に伴い条番号が移動した可能性がある。現行46条となった経緯は要確認
改正の年表
- 1.平成19年(2007年) 新設:放送法改正により NHK の経営委員会の監督機能が強化され、監事に代えて経営委員から任命される監査委員会制度が導入された。本条の差止規定もこの制度の一部として整備された。現行の条番号に至る経緯は要確認。
- 放送法 第15条協会の目的、目的外行為判断の基準
- 放送法 第20条協会の業務範囲、逸脱判断の基準
- 放送法 第32条経営委員の番組編集不干渉(現行効力を要確認)
- 放送法 第45条監査委員の経営委員会への報告義務(現行効力を要確認)
- 放送法 第64条受信契約、守られる財源の源泉
- 会社法 第407条株式会社監査委員の同型差止権(比較)
- 民事保全法 第23条仮の地位を定める仮処分による実効化
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