地方税法 第718条(水利地益税等の特別徴収の手続)
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- 水利地益税等を特別徴収(第七百六条第二項及び第三項、第七百十八条の七第一項及び第二項並びに第七百十八条の八第一項の規定による特別徴収を除く。)によつて徴収しようとする場合においては、当該水利地益税等の徴収の便宜を有する者を当該地方団体の条例によつて特別徴収義務者として指定し、これに徴収させなければならない。
- 2.前項の特別徴収義務者は、当該水利地益税等の納期限までにその徴収すべき水利地益税等に係る課税標準額、税額その他同条例で定める事項を記載した納入申告書を地方団体の長に提出し、及びその納入金を当該地方団体に納入する義務を負う。
- 3.前項の規定によつて納入した納入金のうち水利地益税等の納税者が特別徴収義務者に支払わなかつた税金に相当する部分については、特別徴収義務者は、当該納税者に対して求償権を有する。
- 4.特別徴収義務者が前項の求償権に基いて訴を提起した場合においては、徴税吏員は、職務上の秘密に関する場合を除く外、証拠の提供その他必要な援助を与えなければならない。
この条文の基本情報
水利地益税等の特別徴収の手続とは何ですか?
定義水利地益税等の特別徴収の手続とは、地方税法第718条に定められた規定で、「水利地益税等を特別徴収(第七百六条第二項及び第三項、第七百十八条の七第一項及び第二項並びに第七百十八条の八第一項の規定による特別徴収を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第718条(水利地益税等の特別徴収の手続)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第718条の条文原文は「水利地益税等を特別徴収(第七百六条第二項及び第三項、第七百十八条の七第一項及び第二項並びに第七百十八条の八第一項の規定による特別徴収を除く。」で始まります。
- 地方税法第718条は第七節に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第718条の前の条は地方税法第717条です。
- 地方税法第718条の次の条は地方税法第718条の2です。
- 地方税法第718条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第718条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第718条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/718
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法718条は、水利地益税等を特別徴収する場合、地方団体が条例で特別徴収義務者を指定し、義務者が徴収すべき税額を納期限までに納入する義務を負うと定める。
Q · 役所に頼まれて税金を集める係になったら、払わない人の分はどうなるの?
原則は肩代わり。立替分は納税者に求償できる
地方税法718条2項により、特別徴収義務者は「徴収すべき」水利地益税等を納期限までに申告・納入する義務を負います。このため、納税者が支払わなかった分も義務者が立て替える構図になります。その代わり3項で、立て替えた分について納税者への求償権が認められ、4項により求償訴訟では徴税吏員が職務上の秘密を除いて証拠の提供などの援助をしなければなりません。国民健康保険税の年金天引きは本条の対象外です。
解説
税金は納税者が払い、役所が集める。その常識が通らない場所が、地方税法の片隅にある。水利地益税・共同施設税・宅地開発税・国民健康保険税(本節でいう「水利地益税等」)を特別徴収で集める場合、地方団体は条例で「徴収の便宜を有する者」を特別徴収義務者(役所に代わって税を集め、まとめて納める係)に指定しなければならない。指定された者は、納期限までに納入申告書を出し、納入金を納める。核心は2項の言葉にある。条文が求めているのは「集めた額」ではなく「徴収すべき」額の納入である。納税者が払わなくても、義務者がその分を立て替える構図になる。その穴埋めのために3項は求償権(立て替えた分を本人に請求する権利)を与え、4項は、義務者が訴えを起こせば徴税吏員が証拠の提供などで援助すると定める。なお、国民健康保険税の年金天引きはこの条の対象外である。指定を打診されたら、引き受ける前に「未回収分は誰が負うのか」を確かめること。それだけで結末が変わる。
法的な位置づけ
地方税法718条は、水利地益税・共同施設税・宅地開発税・国民健康保険税(水利地益税等)の特別徴収に関する規定であり、地方団体が条例で徴収の便宜を有する者を特別徴収義務者に指定し、当該義務者に納入申告書の提出と徴収すべき税額の納入義務を課すとともに、未払い分についての求償権と、求償訴訟における徴税吏員の援助義務を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.指定前の協議で条件を確認する 条例案の段階で、地方団体と徴収方法、未回収分の扱い、納入申告書の様式、納期限を確認し、書面に残す。成立後は枠組みがほとんど動かないため、この段階が最も交渉余地が大きい
- 2.納税者ごとの徴収状況を管理する 納税者ごとに税額・徴収日・未収額を一覧化し、領収の記録を保存する。未収者には納期限前に督促し、立替えの規模を早めに把握する
- 3.納期限までに申告・納入する 課税標準額・税額など条例で定める事項を記載した納入申告書を地方団体の長に提出し、未収分を含む徴収すべき税額を納入する。期限を過ぎると義務者自身に延滞金や督促が向きうる
- 4.未払いの納税者に求償する 立て替えた額と根拠(地方税法718条3項)を書面で示して納税者に請求する。応じない場合は支払督促や訴訟(訴額140万円以下なら簡易裁判所)を検討する
- 5.訴え提起と同時に徴税吏員へ援助を求める 求償訴訟を提起したら、課税標準額・税額・納期限などの資料を特定し、書面で徴税吏員に証拠の提供を依頼する。職務上の秘密に当たる情報は提供されない点に注意する
よくある質問 AI による整理
Q1特別徴収義務者とは何ですか?
納税者に代わって地方税を徴収し、地方団体に納入する義務を負う者です。水利地益税等では、地方税法718条に基づき条例で指定されます。
Q2水利地益税とはどんな税金?
水利・治水などの事業で特に利益を受ける土地や家屋に、受益の限度で課される目的税です。地方団体は条例で導入できますが、実際に導入している団体は少ないとされます。
Q3特別徴収義務者の納入期限はいつまで?
対象となる水利地益税等の納期限までです。具体的な納期限は各地方団体の条例で定められ、遅れると延滞金が生じることがあります。
Q4納入申告書には何を書く?
地方税法718条2項により、徴収すべき税額に係る課税標準額、税額、そのほか条例で定める事項を記載し、地方団体の長に提出します。
Q5特別徴収義務者の指定は断れる?
指定は条例に基づくため、成立後に個人の判断で拒むことは困難です。異議があるなら、条例案の協議段階で条件を詰めることが現実的です。
Q6立て替えた税金の求償は時効がある?
本条に特別の期間の定めはなく、民法166条の一般消滅時効(原則として知った時から5年、行使できる時から10年)が問題になると考えられます。
Q7特別徴収義務者が納入しないと違法?
納入義務違反となり、督促や滞納処分の対象になりえます。延滞金も発生しうるため、未徴収分があっても期限内の納入が優先されます。
Q8国民健康保険税の年金天引きは718条の対象?
対象外です。718条1項は、706条2項・3項、718条の7、718条の8による特別徴収を明文で除外しており、年金からの徴収は別ルートで動きます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1徴収を頼まれたけど、払わない人の分まで自腹になるんですか?
なりえます。本条2項は「徴収すべき」税額の納入を義務づけ、3項は納税者が払わなかった分について義務者に求償権を認めています。立替えは、条文がはじめから想定している構図です。実務のポイント:指定を受ける前の協議段階であれば、徴収方法や未回収時の運用について自治体と詰める余地があります。条例が通った後では手遅れになりがちです
Q2立て替えた分を取り返す裁判で、役所は本当に協力してくれるの?
4項により、徴税吏員は職務上の秘密に関する場合を除き、証拠の提供その他必要な援助を与える義務を負います。ただし、ほかの納税者の情報など秘密に当たる部分は出せません(同法22条の守秘義務との調整)。実務のポイント:資料は「課税標準額・税額・納期限」のように具体的に特定し、書面で依頼すること。漠然とした依頼は、秘密を理由に断られやすくなります
間違えやすい点 AI による整理
- 特別徴収義務者は「集まった分を役所に渡すだけの窓口」と思われがちだが、2項の納入義務は「徴収すべき」税額に及ぶ。未回収分は立替えになり、3項の求償権はその立替えを前提にした救済である
- 義務者の目には「役所の手伝い」と映るが、法律の上では、地方団体に対して自分自身が納入義務を負う当事者である。納めなければ、督促や滞納処分の矛先は義務者本人に向きうる。手伝いのつもりと当事者としての責任、この落差が後から効いてくる(最新の改正状況をご確認ください)
- 「国保税の年金天引きも、この条のルールで動いているのか」という問いは、出発点がずれている。年金からの特別徴収は706条2項・3項などの別ルートで行われ、本条1項はそれを明文で除外している
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 徴収の方法 | 地方税法718条:条例で指定した特別徴収義務者が徴収・納入 | 地方税法706条2項・3項、718条の7等:公的年金からの特別徴収(本条の対象外) 普通徴収:納税通知書により納税者が直接納付 |
| 納入義務を負う者 | 特別徴収義務者(徴収すべき額全体について) | 年金からの徴収を行う年金保険者等 納税者本人 |
| 未回収時の負担 | 義務者が立替え、納税者に求償権(3項)、訴訟で徴税吏員が援助(4項) | 年金給付から差し引く仕組みのため、立替えの構図は生じにくい 地方団体が納税者に督促・滞納処分 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では娯楽場所などが代徴人として税を代わりに徴収し、所得税では扣繳義務人が源泉徴収を担う。第三者に徴収を担わせる発想は共通する
韓国の地方税にも特別徴収義務者の概念があり、地方所得税などで第三者が徴収・納入を担う
ドイツでは個別税法が、第三者が納税者の計算で税を納付すべきかを定める。賃金税の雇用者責任が代表例
米国では源泉徴収すべき税について雇用者が責任を負う。本条の「徴収すべき額」の納入義務と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 地元の組合の事務局として水利地益税の特別徴収義務者に指定され、組合員の一人が払わないまま納期限を迎えたら、どうなる? 地方団体への納入義務は事務局側に残る。先に納め、その組合員には3項の求償権で請求する。これが条文の筋道である
- 納期限まであと10日。徴収できていない納税者が3人いて、不足分は手元の資金で埋めるしかない。納入申告書の提出と納入を先に済ませ、求償はその後で行う。順番を逆にすると、義務者自身が督促を受けることになる
- あなたは納税者の側にいる。特別徴収義務者から「立て替えた税金を払ってほしい」と書面が届いた。無視しても、支払う義務は消えない。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 納入申告書の控え、納入の領収証書、徴収できなかった納税者ごとの税額一覧を保存する2. 未払いの納税者に、立替額と根拠(本条3項)を書面で示して請求する3. 応じない場合は訴訟を検討する(訴額140万円以下なら簡易裁判所)。提起と同時に、4項に基づく資料提供を徴税吏員へ書面で依頼する4. 少額の相手が多数いる場合は、支払督促も選択肢になる
訴えられた側:1. 求償された納税者は、課税の根拠となる条例と税額の算定、自分がすでに支払っていないかを確認する2. 支払済みなら、領収の証拠を示して拒む3. 課税そのものに不服があるときは、不服申立ての可否と期限を自治体にすぐ確認する4. 特別徴収義務者として納期限に間に合わない見込みのときは、期限前に自治体へ相談し、延滞金の発生を最小限に抑える
時効(請求できる期限):求償権に特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。起算点は、立替納入によって求償権を行使できるようになった時点と考えられる。義務者の納入期限は条例で定める納期限で、遅れると延滞金が生じうる(最新の改正状況をご確認ください)
- 地方税法 第1条特別徴収・特別徴収義務者の定義
- 地方税法 第3条地方税の賦課徴収は条例による
- 地方税法 第706条水利地益税等の徴収方法の総則
- 地方税法 第22条秘密漏えい罪、4項の秘密除外と連動
- 民法 第703条不当利得の一般則に対する求償の特則
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