民事調停法 第12条の2(調停手続の指揮)
クイックジャンプ
調停委員会における調停手続は、調停主任が指揮する。
この条文の基本情報
調停手続の指揮とは何ですか?
定義調停手続の指揮とは、民事調停法第12条の2に定められた規定で、「調停委員会における調停手続は、調停主任が指揮する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事調停法第12条の2(調停手続の指揮)は、日本の民事調停法に含まれる条文です。
- 民事調停法第12条の2の条文原文は「調停委員会における調停手続は、調停主任が指揮する。」で始まります。
- 民事調停法第12条の2は第一節 通則に置かれています。
- 民事調停法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 民事調停法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事調停法第12条の2の前の条は民事調停法第12条です。
- 民事調停法第12条の2の次の条は民事調停法第12条の3です。
- 民事調停法第12条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第12条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000222 - 本サイト収録
民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第12条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC1000000222/12_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事調停法12条の2は、調停委員会の調停手続を調停主任が指揮すると定める。調停主任は裁判官または民事調停官であり、調停委員はその指揮のもとで期日を進める。
Q · 民事調停で、手続を仕切っているのは調停委員なの?
違います。指揮権は調停主任(裁判官等)にあります
民事調停法12条の2により、調停委員会における調停手続は調停主任が指揮します。調停主任は裁判官(7条)または非常勤の民事調停官(23条の3)が務めます。実務では民事調停委員が期日の大半を進めますが、それは調停主任の指揮のもとでの分担です。進め方が一方に偏っていると感じた場合は、書記官を通じて書面で主張を提出し、調停主任の関与を求めることが現実的な対応となります。
解説
調停室のテーブルに並んで座るのは、たいてい民事調停委員二人である。話を聞き、条件を詰め、ときには「そろそろ歩み寄りませんか」と押してくるのも彼らだ。多くの申立人は、この二人が手続を仕切っていると思い込んだまま期日を重ねる。法律の答えは違う。調停委員会の手続を指揮するのは調停主任であり、調停主任は裁判官(または弁護士から任命される非常勤の民事調停官)である。期日の進め方、誰から話を聞くか、調停を打ち切るか、調停に代わる決定(17条)に回すか。こうした節目で最終的な舵を握っているのは、ほとんど顔を見せない法律家のほうだ。調停委員の進め方が一方に偏っていると感じたとき、黙って耐える必要はない。舵を握る人に直接届く経路が、法律上きちんと用意されている。
法的な位置づけ
民事調停法12条の2は、調停委員会における調停手続の指揮権の所在を定める規定である。調停委員会は調停主任一人と民事調停委員二人以上で構成され(同法7条)、その手続の進行・整理は調停主任が指揮する。調停主任は裁判官または民事調停官が務め、民事調停委員はその指揮のもとで当事者の聴取や説得に当たる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.期日ごとの記録をつける 期日ごとに日付、調停委員の発言内容、こちらの主張への反応をメモに残す。偏りを主張する場合の客観的な材料になる
- 2.主張を書面にまとめて提出する 次回期日の前に、主張と根拠資料(近隣相場、領収書、診断書など)を書面にまとめ、書記官を通じて提出する。記録として残ることで調停主任の目に確実に届く
- 3.調停主任の関与を求める 期日の場で、委員を非難する形ではなく「調停主任裁判官のご意見も伺いたい」と冷静に申し出る。不成立や調停に代わる決定が決まる前に伝えることが重要
- 4.終了後の期限を管理する 調停に代わる決定には告知から2週間以内に異議(18条)、不成立の場合は通知から2週間以内に訴え提起で申立時に提訴したものとみなされる(19条)。期限をカレンダーに登録する
よくある質問 AI による整理
Q1調停主任とは誰ですか?
調停委員会の手続を指揮する法律家です。裁判官の中から指定されるほか、弁護士から任命される非常勤の民事調停官が務めることもあります。
Q2民事調停委員と調停主任の違いは?
調停主任は手続の指揮権を持つ裁判官等、民事調停委員は専門知識や社会経験を生かして当事者の話を聞き、合意形成を助ける非常勤の委員です。
Q3民事調停に裁判官は出席しますか?
毎回の期日に立ち会うとは限りません。実務上は調停委員が期日を進め、調停主任は評議や調停成立などの節目で関与する運用が一般的です。
Q4調停委員が偏っているときはどうすればいい?
偏りを感じた発言をメモし、主張と資料を書面で書記官に提出したうえで、調停主任の見解を聞きたいと冷静に申し出るのが穏当な方法です。
Q5調停の打ち切りは誰が決めますか?
合意の見込みがないとして調停を終了させるのは調停委員会です(14条)。その手続を指揮するのは調停主任で、委員個人の一存で決まるものではありません。
Q6民事調停で成立した内容に強制力はある?
あります。調停調書の記載は裁判上の和解と同一の効力を持ち(16条)、金銭の支払いなどは強制執行の根拠になります。署名前の確認が重要です。
Q7調停に代わる決定に不服があるときは?
決定の告知を受けた日から2週間以内に異議を申し立てれば、決定は効力を失います(18条)。期限を過ぎると確定するため注意が必要です。
Q8民事調停官とは何ですか?
弁護士から任命される非常勤の職で、裁判官と同様に調停主任として調停手続を担当します(23条の2以下)。主に簡易裁判所で活動しています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1調停の日に裁判官って一回も来なかったんですけど、ちゃんと見てるんですか?
民事調停法12条の2により、手続の指揮権は調停主任(裁判官など)にあります。実務上は調停委員が期日を進め、主任は評議や成立の場面で関与する分業が一般的です。実務のポイント:期日の合間に委員が席を外すのは、別室で調停主任と評議していることが多い。当事者から評議を求めることもでき、それを求めた事実自体が記録に残る
Q2調停委員がどう見ても相手の味方なんです。担当を替えてもらえますか?
調停委員の除斥・忌避については制度がありますが、実際に認められる場面は限られます。より現実的なのは、指揮権を持つ調停主任(12条の2)に、書面や書記官を通じて問題を伝えることです。実務のポイント:「委員を替えてほしい」と言うより「裁判官の見解を聞きたい」と頼むほうが通りやすく、委員の側も進め方を修正しやすい。言い方ひとつで結果が変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「調停は調停委員が進めるもので、裁判官は形式的に名前があるだけ」と思われがちだが、法律上の指揮権は調停主任にある。実務上、期日の大半を調停委員が担うのは事実だが、それは指揮のもとでの役割分担であり、調停委員が独自の権限で動いているわけではない
- 調停委員の進め方に不満があるとき、「この人を外してほしい」と求めるかどうかで悩む人が多い。そもそもその問いの立て方がずれている。いま必要なのは委員の交代より、指揮権者である調停主任に状況を知らせ、評議や立会いを求めることだ。そのほうが手続を荒立てずに済み、効果も早い
- 調停は話し合いだから、裁判のような公正さの担保はないと油断している人がいる。当事者から見れば「雑談の延長」でも、法律から見れば裁判所の手続であり、成立すれば調書の記載は裁判上の和解と同じ効力を持つ(16条)。軽い気持ちで頷いた一言が、そのまま強制執行できる内容になりうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の対象 | 12条の2:調停手続の指揮権(調停主任) | 7条:調停委員会の構成(調停主任+民事調停委員) 14条:調停不成立による事件終了 |
| 判断の主体 | 調停主任が手続を指揮 | 裁判所が調停主任を指定、委員を指定 調停委員会が不成立として終了させる |
| 当事者への影響 | 偏りを感じたら指揮権者に伝える経路がある | 誰が委員会のメンバーかを把握できる 不成立後は2週間以内の提訴で申立時提訴とみなされる(19条) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾の法院調解は簡易庭の法官が行い、法官が調解委員を選任して先行調解させることができる。法官が手続を主導する点で日本の調停主任制度と共通する
ドイツでは受訴裁判所が事件を和解担当の Güterichter に回付できる。専門家委員を交えた委員会方式ではなく、裁判官単独で行う点が日本と異なる
フランスの司法メディエーションは裁判官が第三者のメディエーターを指名し、裁判官が手続の監督を続ける構造である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 賃料増額の調停で、調停委員が毎回「家主さんの言い分にも一理ある」と言って、こちらの提出した近隣相場の資料にまったく触れない。三回目の期日を終えて、話が一方向にしか進んでいないと気付いた
- もし、調停委員から「この条件をのまないなら不成立で終わりますよ」と言われたら、それは誰の判断なのか? 打ち切り(14条)を決めるのは調停委員会であり、その手続を指揮するのは調停主任である。委員個人の一存で決まるわけではない
- あなたは貸金返還の相手方として呼び出された側だ。次回期日まであと10日。調停委員が申立人寄りに見えるが、それをそのまま口にすれば印象が悪くなるだけだと分かっている。書記官を通じて調停主任に評議を求める、という穏当な一手がまだ残っている
- 交通事故の物損で、調停委員二人の意見が割れて期日が空転した。調停主任が評議に入った次の期日、話が一気に具体的な金額にまとまった
取るべき行動
被害を受けた側:1. 調停委員の発言で偏りを感じた箇所を、期日ごとに日付と発言内容でメモする2. 次回期日前に、主張と根拠資料を書面にまとめて書記官へ提出する3. 期日の場で「調停主任裁判官の評議をお願いしたい」と冷静に申し出る。委員への非難の形にしない4. 不成立になっても、2週間以内に訴えを起こせば調停申立時に訴えたものとみなされる(19条)。焦って不利な条件をのまない
訴えられた側:1. 相手方として呼ばれても、調停は話し合いの場であり、応じない条件をのむ義務はない2. 委員の説得が一方的だと感じたら、反論資料を書面で出し、調停主任に記録として残させる3. 17条決定(調停に代わる決定)が出た場合、2週間以内に異議を申し立てれば効力を失う(18条)。期限管理が最大の防御になる4. 成立調書は裁判上の和解と同じ効力を持つため、署名前に条項を一字ずつ確認する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限はない。ただし関連期限が重要:調停に代わる決定(17条)への異議は告知を受けた日から2週間以内(18条)。調停不成立の通知を受けた日から2週間以内に訴えを提起すれば、調停申立時に訴えを提起したものとみなされる(19条)。元の請求権については、一般消滅時効(民法166条、債権は知った時から5年または権利行使可能時から10年)が適用される
- 民事調停法 第7条調停主任・調停委員の構成を定める組織規定
- 民事調停法 第14条調停不成立による事件終了の判断
- 民事調停法 第16条成立調書は裁判上の和解と同一効力
- 民事調停法 第17条調停に代わる決定への移行
- 民事調停法 第23条の2民事調停官の任命、調停主任の担い手(現行効力を要確認)
- 家事事件手続法 第248条家事調停委員会の組織、家事事件の特則(現行効力を要確認)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める