民事調停法 第12条の7(事実の調査及び証拠調べ等)
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- 調停委員会は、職権で事実の調査をし、かつ、申立てにより又は職権で、必要と認める証拠調べをすることができる。
- 2.調停委員会は、調停主任に事実の調査又は証拠調べをさせることができる。
この条文の基本情報
事実の調査及び証拠調べ等とは何ですか?
定義事実の調査及び証拠調べ等とは、民事調停法第12条の7に定められた規定で、「調停委員会は、職権で事実の調査をし、かつ、申立てにより又は職権で、必要と認める証拠調べをすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事調停法第12条の7(事実の調査及び証拠調べ等)は、日本の民事調停法に含まれる条文です。
- 民事調停法第12条の7の条文原文は「調停委員会は、職権で事実の調査をし、かつ、申立てにより又は職権で、必要と認める証拠調べをすることができる。」で始まります。
- 民事調停法第12条の7は第一節 通則に置かれています。
- 民事調停法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 民事調停法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事調停法第12条の7の前の条は民事調停法第12条の6です。
- 民事調停法第12条の7の次の条は民事調停法第13条です。
- 民事調停法第12条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第12条の7 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000222 - 本サイト収録
民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第12条の7(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC1000000222/12_7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事調停法12条の7は、調停委員会が職権で事実の調査をし、申立てまたは職権で必要と認める証拠調べができると定める。調査は調停主任に任せることもできる。
Q · 調停委員会は、当事者が頼まなくても事実を調べてくれるの?
調べられる。職権で事実調査ができる
民事調停法12条の7第1項により、調停委員会は当事者の申立てがなくても、職権で事実の調査をすることができます。さらに、申立てまたは職権により、必要と認める証拠調べ(証人尋問、書証、鑑定など)も行えます。ただし、証拠調べを行うかどうかは委員会の裁量です。また2項により、調査や証拠調べを調停主任に任せることもできます。
解説
調停は話し合いの場にすぎないから、言った者勝ち。そう考えて資料を持たずに臨む人は多い。だが民事調停法12条の7によれば、調停委員会は話をただ聞く立場ではない。当事者に頼まれなくても、自分の判断で事実を調べられる(職権調査)。銀行や役所への照会、現地の確認、関係者からの聴取がこれに当たる。さらに、当事者の申立てがあれば、あるいは委員会自身が必要と判断すれば、裁判と同じ形式の証拠調べ(証人尋問、書証、鑑定など)も行える。調査は調停主任(調停委員会を率いる裁判官または民事調停官)一人に任せることもできる(2項)。つまり調停室で口にした数字や主張は、裏を取られる可能性がある。逆に、相手の主張が怪しいと思ったら、あなたの側から「この点を調べてほしい」と働きかけることができる。調停は、準備した資料と調べる道具を持ち込んだ側に有利に傾く場である
法的な位置づけ
民事調停法12条の7は、調停委員会の事実調査権限と証拠調べ権限を定める規定である。調停委員会は職権で事実の調査を行うことができ、当事者の申立てまたは職権により、必要と認める証拠調べを実施することができる。また、事実の調査や証拠調べを調停主任に行わせることができ、合意案の基礎となる事実関係を迅速に把握するための手続上の権限として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.相手側にしかない資料を特定する 争点ごとに、自分では入手できず相手方や第三者が持っている資料(通帳、帳簿、取引記録、賃料相場資料など)を書き出し、どこに照会すれば分かるかを整理する
- 2.調査嘱託・証拠調べの上申書を作成する 照会先、照会事項、その調査で明らかになる事実、合意案にどう影響するかを明記した上申書を作成する。必要性が伝わらない申出は採用されにくい
- 3.期日の前に提出する 委員会が調停案の方向性を固める前に上申書を提出する。第1回期日の前、遅くとも次回期日より十分前の提出を目安にする
- 4.集まった資料を確認し反論を準備する 委員会が職権で集めた資料や相手が提出した資料を確認し、不利な点については次回期日までに反論資料を用意する
- 5.不成立に備えて訴訟用に資料を整理する 調停が不成立になった場合は、通知を受けてから2週間以内に訴えを起こせば調停申立て時に提訴したものとみなされる(民事調停法19条)。それに備え、収集した資料を訴訟でも使える形に整理する
よくある質問 AI による整理
Q1民事調停の事実の調査とは?
調停委員会が当事者の申立てを待たずに、自らの判断で事実関係を調べる手続です。民事調停法12条の7第1項が根拠で、照会や関係者からの聴取などの方法があります。
Q2民事調停で証拠調べはできる?
できます。当事者の申立てまたは委員会の職権により、必要と認める証拠調べが行われます。ただし実施するかどうかは調停委員会が判断します。
Q3調停で証拠は必要?
法律上の提出義務はありませんが、委員会は資料に基づいて調停案を考えます。裏付け資料がない主張は、合意案を作る段階で重視されにくくなります。
Q4調停で調査嘱託を申し出る方法は?
照会先と照会事項、その調査で何を明らかにしたいかを書いた上申書を調停委員会に提出します。必要性を具体的に示すことが採用されるための鍵です。
Q5調停主任とは誰のこと?
調停委員会を率いる裁判官または民事調停官です。民事調停法12条の7第2項により、委員会は事実の調査や証拠調べを調停主任一人に任せられます。
Q6調停で証人尋問は行われる?
法律上は可能ですが、必要と認められた場合に限られます。実務では、陳述書や書面による照会など、より軽い方法が選ばれることが多いです。
Q7調停で出した資料は裁判で使える?
調停不成立後の訴訟で、当事者が自ら証拠として提出できる場合があります。扱いは事案によって分かれるため、調停中に何を提出するかは慎重に選ぶべきです。
Q8調停委員会の調査を拒否できる?
資料提出を促されても、出せない場合は理由を説明できます。ただし説明もなく拒めば、調停案を検討する段階で不利に評価されるおそれがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1調停って、相手の財産とか勝手に調べてもらえるんですか?
民事調停法12条の7第1項により、調停委員会は職権で事実を調べられ、金融機関や官公署への照会もその一手段になりうる。ただし何を調べるかは委員会の判断次第で、自動的に行われるわけではない。実務のポイント:実務では、当事者が照会先と照会事項を具体的に書いた上申書を出したときに動きやすい。「調べてください」だけでは動かない
Q2証人を呼んでほしいと頼んだのに断られました。おかしくないですか?
おかしくはない。本条が認めているのは「必要と認める」証拠調べだけで、採否は調停委員会の裁量に委ねられている。調停は判決を出す場ではないため、合意案作りに不要と見られれば採用されない。実務のポイント:証人尋問より、陳述書や書面照会のほうが通りやすい。形式の重い手段を求めるより、軽い手段で同じ事実を出す方が実務では早い
間違えやすい点 AI による整理
- 「調停は話し合いだから、証拠はいらない」と考えられがちだが、委員会は職権で事実を調べ、必要なら証人尋問や鑑定まで行える。証拠がない側の主張は、合意案を作る段階でそのまま割り引かれる
- 証拠調べを申し立てれば必ず実施してもらえると思うのは早計である。条文は「必要と認める」証拠調べに限っている。採否は委員会の裁量であり、なぜ必要なのか、何が明らかになるのかを書面で示さなければ、申立ては流されやすい
- 当事者から見れば調停は「相手との交渉」だが、委員会から見れば合意案を作るための事実認定の作業でもある。その落差に気づかず感情に訴え続ける当事者ほど、委員会が集めた資料に基づく調停案に押し切られる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の目的 | 民事調停法12条の7:合意案の基礎となる事実を調べる | 民事調停法12条:調停前の措置で現状を保全する 民事調停法17条:調停に代わる決定で解決案を示す |
| 発動のきっかけ | 職権(証拠調べは申立てまたは職権) | 申立てにより、または職権で調停委員会が命じる 裁判所が相当と認めるとき職権で決定 |
| 当事者への影響 | 主張の裏付けが取られ、調停案の方向性が資料に左右される | 財産処分の禁止など、一定の行為が制限される 異議がなければ裁判上の和解と同じ効力が生じる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾でも裁判所による調解が民事訴訟法に組み込まれ、一定の事件類型では起訴前の調解が求められる。調解委員の関与のあり方は日本と比較する価値がある
韓国も単独の民事調停法を持ち、調停手続における事実調査の仕組みを置く点で日本と構造が近い
ドイツの非訟手続では裁判所が職権で事実を探知するのが原則。民事調停法が非訟事件手続法を準用する日本の構造と比較できる
米国の裁判所付設型 ADR では、メディエーターは通常、事実認定や証拠調べの権限を持たない。調査権限を持つ日本の調停委員会とは性格が大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 家賃の値上げを求める大家との賃料増額調停。大家は近隣相場が上がったと主張するが、根拠資料は出していない。あなたが調停委員会に「近隣の賃料水準を確認してほしい」と求めれば、不動産鑑定士の調停委員の意見や鑑定という形で、客観的な数字が場に出てくる可能性がある
- 取引先に未払い代金の調停を申し立てられた。あなたは「納品物に欠陥があった」と口頭で反論するつもりでいる。だが委員会は職権で取引記録や写真の提出を促すことができる。証拠のない反論は、調停の場でも軽く扱われる
- あと2週間で第2回期日。相手は「預金はほとんど残っていない」と言い張っている。裏付けを取るなら、次の期日より前に、金融機関への調査嘱託を書面で上申しておく必要がある
- もし相手が調停で語った説明と、委員会が職権で集めた資料が食い違ったら、どうなる? 調停案の方向性はその資料に引っ張られる。話の上手さより、記録の重さが効く
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の主張を裏付ける資料(契約書、領収書、写真、やり取りの記録)を期日前に整理して提出する2. 相手側にしかない資料は、何をどこに照会すれば分かるかを特定し、調査嘱託や証拠調べを書面で上申する3. 上申書には「何を明らかにするためか」「合意案にどう効くか」を明記する。必要性を示さなければ採用されにくい4. 委員会が集めた資料は記録の閲覧などで確認し、不利な点には次回期日までに反論材料を用意する
訴えられた側:1. 自分の説明は裏を取られる前提で、事実と食い違わない範囲に絞る2. 委員会から資料提出を促されたら、出せないものは理由を説明する。黙って出さないと、不利に評価されやすい3. 相手の証拠調べの申立てが争点と関係ないと思えば、必要性がないと意見を述べる4. 調停で出した資料は、不成立後の訴訟で使われることも想定して選ぶ
時効(請求できる期限):本条自体に期限はない。ただし調停が不成立になった場合、その通知を受けてから2週間以内に訴えを起こせば、調停申立て時に訴えを起こしたものとみなされる(民事調停法19条)。調停中に集まった資料は、この2週間で訴訟準備に使えるよう整理しておく。時効の完成猶予との関係は最新の改正状況をご確認ください
学説
実務上の理解:調停は合意による解決を目的とするため、事実の調査は訴訟ほど厳格な方式によらず柔軟に行われる。一方、正式な証拠調べは委員会が必要と認める場合に限られ、手続が重くなりすぎない設計になっている。
- 民事調停法 第12条調停前の措置、調停中の現状維持手段
- 民事調停法 第17条調停に代わる決定、調査結果を基礎に裁判所が判断
- 民事調停法 第19条不成立後2週間内の提訴で申立時提訴とみなす
- 民事調停法 第22条非訟事件手続法の準用規定
- 民事調停法 第34条不出頭に対する過料
- 非訟事件手続法 第49条非訟手続での職権調査・証拠調べの一般則(現行効力を要確認)
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