民事調停法 第30条(移送等への準用)
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第二十八条の規定は、裁判所が、第四条第一項ただし書若しくは第三項の規定により事件を移送し若しくは自ら処理しようとし、又は第十七条の決定をしようとする場合に準用する。
この条文の基本情報
移送等への準用とは何ですか?
定義移送等への準用とは、民事調停法第30条に定められた規定で、「第二十八条の規定は、裁判所が、第四条第一項ただし書若しくは第三項の規定により事件を移送し若しくは自ら処理しようとし、又は第十七条の決定をしようとする場合に準用す…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事調停法第30条(移送等への準用)は、日本の民事調停法に含まれる条文です。
- 民事調停法第30条の条文原文は「第二十八条の規定は、裁判所が、第四条第一項ただし書若しくは第三項の規定により事件を移送し若しくは自ら処理しようとし、又は第十七条の決定をしようとする場合に準用す…」で始まります。
- 民事調停法第30条は第二節 農事調停に置かれています。
- 民事調停法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 民事調停法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事調停法第30条の前の条は民事調停法第29条です。
- 民事調停法第30条の次の条は民事調停法第31条です。
- 民事調停法第30条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第30条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000222 - 本サイト収録
民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第30条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC1000000222/30
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事調停法30条は、農事調停で裁判所が移送・自庁処理・17条決定をしようとするとき、小作官又は小作主事の意見を聴くことを定める(28条準用)。
Q · 農地の調停で、裁判所が決定を出す前に行政の意見は聴かれるの?
聴かれる。移送・自庁処理・17条決定の前に農政担当者の意見を聴く
民事調停法30条は、農事調停で調停委員会が調停をする際の小作官又は小作主事の意見聴取(28条)を、裁判所が事件を移送するとき、管轄外の事件を自ら処理するとき(4条1項ただし書・3項)、調停に代わる決定(17条)をするときにも準用しています。意見は聴かれますが、一般に裁判所の判断を拘束するものではないと解されており、最終判断は裁判所が行います。
解説
農地の明け渡しをめぐる調停で、裁判所が「調停に代わる決定」(話し合いがまとまらないとき、裁判所が職権で示す解決案)を出そうとしている。その直前には、当事者以外の第三者の意見が必ず入る。小作官(国の農政担当職員)または小作主事(都道府県の農政担当職員)である。第28条は、農事調停で調停委員会が調停をしようとするとき、この二者の意見を聴くよう義務づけている。本条は同じルールを三つの場面に広げる。事件を別の裁判所へ回す移送、管轄外の事件をあえて自分で処理する自庁処理、そして第17条決定である。農地紛争は当事者二人の話し合いだけでは終わらず、手続の分かれ目ごとに「農業政策」という三本目の物差しが当てられる。この仕組みを知っていれば、相手より一手先を読んで主張を組み立てられる。
法的な位置づけ
民事調停法第30条は、農事調停における小作官又は小作主事の意見聴取義務(同法28条)を、裁判所による事件の移送、自庁処理及び調停に代わる決定(同法17条)の各場面に準用する規定である。調停委員会による調停の段階に限らず、手続の重要な分岐点においても農業政策上の公益的観点を反映させる機能を持つ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.申立てが農事調停として扱われているか確認する 申立書や裁判所からの通知を見て、事件が農事調停(農地・農業用資産の貸借などの紛争)として扱われているかを確認する。農事調停であれば、28条・30条による小作官等の意見聴取が手続に組み込まれる
- 2.耕作の実情と地域事情を書面にまとめる 耕作の継続状況、賃料のやり取りの記録、後継者の有無、地域の農地利用の状況、代わりの農地の有無などを書面化して調停委員会に提出する。農政担当者の意見と同じ土俵で検討される材料を早めに残す
- 3.移送が議論されたら地元審理の必要性を出す 移送や自庁処理が検討され始めた段階で、地元で審理すべき具体的理由(現地確認の必要、出廷負担など)を書面で提出する。判断前には小作官等の意見も聴かれるため、判断が出る前に主張しておく
- 4.17条決定の告知日を記録し2週間以内に対応を決める 調停に代わる決定の告知を受けたら、告知日をカレンダーに記録する。内容に納得できなければ告知日から2週間以内に異議を申し立てる。期間内に異議がなければ裁判上の和解と同一の効力が生じる
よくある質問 AI による整理
Q1農事調停とは何ですか?
農地や農業経営に付随する土地・建物などの農業用資産の貸借その他の利用関係をめぐる紛争を扱う民事調停の一類型です。民事調停法25条以下に特則があります。
Q2小作官と小作主事の違いは?
小作官は国の農政担当職員、小作主事は都道府県の農政担当職員を指します。いずれも農事調停で意見を述べる立場として民事調停法に定められています。
Q3民事調停の移送とは?
調停事件を別の裁判所へ回す手続です。民事調停法4条に基づき、管轄の有無や事件処理の適否に応じて裁判所が判断します。農事調停では移送前に小作官等の意見を聴きます。
Q4調停の自庁処理とは何ですか?
本来は管轄外の事件でも、事件処理のため特に必要があると認めるとき、申立てを受けた裁判所が自ら処理することです(民事調停法4条1項ただし書)。
Q5調停に代わる決定(17条決定)とは?
調停が成立しない見込みのとき、裁判所が相当と認めれば職権で事件解決のための決定をする制度です。異議がなければ裁判上の和解と同一の効力を持ちます。
Q6農事調停はどこの裁判所に申し立てる?
原則として紛争の対象となる土地の所在地を管轄する地方裁判所で、当事者の合意があればその所在地の簡易裁判所も選べるとされています(民事調停法26条)。
Q7小作官の意見に裁判所は従わなければならない?
従う義務はないと一般に解されています。本条が求めるのは意見を「聴くこと」であり、移送や17条決定の最終判断は裁判所が行います。
Q8農地の賃貸借を調停で解約すると農地法の許可は必要?
農事調停による合意解約では、農地法18条の許可が不要とされています。その代わり、調停手続の中で小作官等の意見を聴く仕組みが置かれています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1小作官とか小作主事って、今もいるんですか?
民事調停法の条文には現在もこの名称が残っており、農事調停ではこれらの職員の意見を聴く仕組みが維持されている(28条・本条)。実際にどの部署の職員が担当するかは地域の運用による。実務のポイント:農事調停の件数はもともと少なく、担当者の意見が実際の判断にどこまで影響するかは事件ごとに差がある。担当部署を書記官に早めに確認しておくと、準備の方向性を決めやすい
Q2調停に代わる決定って、拒否できるんですか?
できる。告知を受けた日から2週間以内に異議を申し立てれば、決定は効力を失う(民事調停法18条)。ただし何もしなければ、裁判上の和解と同じ効力が確定する。実務のポイント:17条決定は、それまでの調停で出た材料と意見をもとに作られる。決定が出てから反論しても内容は変わらないので、出る前の段階で自分に有利な事情を記録に残しておくことが実質的な勝負になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「調停は当事者同士の話し合いだから、行政は関係ない」と考えるのは前提から誤っている。農事調停は小作調停の流れをくむ制度で、農地の利用を国の農業政策の一部とみる考え方が手続に組み込まれている。私人の紛争であっても、公益の観点から意見が差し込まれる仕組みになっている
- 第28条を知っている人でも、意見を聴かれるのは「調停をするとき」だけだと思いがちである。本条によって、どこの裁判所で審理するかを決める移送の段階や、17条決定の段階にも意見聴取が及ぶ。入口から出口まで農政の目が入ると理解しておく必要がある
- 当事者から見れば移送はただの事務手続だが、法律から見ればその判断にも農政担当者の意見が要る重要な分岐点である。地元で手続を進めたい側は、移送の判断段階で具体的な事情を出しておかないと、後から取り戻すのは難しい
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 民調30条:裁判所による移送・自庁処理・17条決定 | 民調28条:調停委員会が調停をしようとするとき 民調17条:調停に代わる決定そのもの |
| 主体 | 裁判所 | 調停委員会 裁判所(職権) |
| 小作官等の意見聴取 | 28条を準用して必要 | 意見聴取義務の本体規定 一般の民事調停では不要、農事調停では30条により必要 |
| 当事者が取れる対応 | 判断前に事情を書面で提出 | 調停期日で主張・資料提出 告知から2週間以内の異議(18条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では耕地の小作紛争はまず郷鎮市区公所及び直轄市・県市政府の耕地租佃委員会で調解・調処を経る。行政機関が手続の入口に組み込まれる点で、日本の農政担当者の意見聴取と発想が近い
中国は農村土地請負紛争について専門の調停・仲裁ルートを設け、行政系の機関が紛争解決に関与する
ドイツは農業事件を農業裁判所が扱い、農業経験のある名誉職裁判官が判断に加わる。意見聴取ではなく裁判体への参加という形で専門性を取り込む
フランスは農地賃貸借紛争を貸主・借主の代表が陪席する同数構成裁判所(Tribunal paritaire des baux ruraux)が扱う
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 亡き父が40年前から近所の農家に貸していた田んぼを返してほしい。農事調停を申し立てたが、相手は耕作を続けたいと譲らない。裁判所が第17条決定に踏み切るとき、その前に小作官などの意見が聴かれる。こちらの事情を、調停委員だけでなく農政担当者にも伝わる形で書面にしておく必要がある
- 調停が不成立に向かいそうな局面で、裁判所はどんな決定を出すのか。その中身を左右するのは、条文や当事者の主張だけではない。地域の農地利用の実情を知る行政側の意見も判断材料になる
- あなたは借りている側の農家で、地主が遠方の裁判所に申し立ててきた。移送を求めるなら、裁判所が判断する前に小作官などの意見も聴かれる。地元で手続を進めたい理由を、具体的な耕作の実情とともに早めに出しておく
- 17条決定の告知を受けた。異議を出せる期間は2週間しかない。中身に納得できないなら、今週中に異議を出すかどうかを決めなければならない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 申立てが農事調停として扱われているかを確認する(農地や農業用資産の貸借などに関する紛争が対象) 2. 耕作の実態、賃料のやり取りの記録、地域の農地事情を書面にまとめ、調停委員会に提出しておく3. 移送や17条決定の可能性を裁判所書記官に確認し、それぞれの判断前に意見を出す4. 17条決定が出たら告知日を記録し、受け入れるか異議を出すかを2週間以内に決める
訴えられた側:1. 相手の申立てが農事調停の対象になるかどうかをまず検討する2. 管轄に不満があれば移送を求め、地元で審理する必要性を具体的に書いて出す3. 農政の観点から有利な事情(後継者がいる、継続的に耕作している、地域の営農計画上の位置付けなど)を整理して提出する4. 17条決定に納得できなければ、告知から2週間以内に異議を出す。異議が出れば決定は効力を失い、訴訟などの次の手段に移ることになる(民事調停法18条)
時効(請求できる期限):17条決定に対する異議の申立ては、当事者が決定の告知を受けた日から2週間以内に行う(民事調停法18条1項)。期間内に異議がなければ、決定は裁判上の和解と同一の効力を持つ。移送や自庁処理の判断そのものには、本条による特別の期限はない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
一般的理解:本条及び28条による小作官等の意見は、裁判所が聴かなければならないものだが、その内容に裁判所が拘束されるものではないと一般に解されている。判断の主体はあくまで裁判所に残る
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:小作調停法など従前の個別調停法を統合して民事調停法が制定され、農事調停の特則の一つとして小作官等の意見聴取を移送・自庁処理・調停に代わる決定に準用する本条が置かれた
- 民事調停法 第28条小作官等の意見聴取義務、本条の準用元
- 民事調停法 第4条移送・自庁処理の一般規定
- 民事調停法 第17条調停に代わる決定の根拠
- 民事調停法 第18条17条決定への異議と効力
- 民事調停法 第25条農事調停の対象・管轄の特則(現行効力を要確認)
- 農地法 第18条農事調停による合意解約は許可不要(現行効力を要確認)
- 農地法 第3条農事調停による権利設定・移転の許可例外(現行効力を要確認)
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