民事調停法 第33条の2(交通調停事件・管轄)
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自動車の運行によって人の生命又は身体が害された場合における損害賠償の紛争に関する調停事件は、第三条に規定する裁判所のほか、損害賠償を請求する者の住所又は居所の所在地を管轄する簡易裁判所の管轄とする。
この条文の基本情報
交通調停事件・管轄とは何ですか?
定義交通調停事件・管轄とは、民事調停法第33条の2に定められた規定で、「自動車の運行によって人の生命又は身体が害された場合における損害賠償の紛争に関する調停事件は、第三条に規定する裁判所のほか、損害賠償を請求する者の住所又は居所の所…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事調停法第33条の2(交通調停事件・管轄)は、日本の民事調停法に含まれる条文です。
- 民事調停法第33条の2の条文原文は「自動車の運行によって人の生命又は身体が害された場合における損害賠償の紛争に関する調停事件は、第三条に規定する裁判所のほか、損害賠償を請求する者の住所又は居所の所…」で始まります。
- 民事調停法第33条の2は第五節 交通調停に置かれています。
- 民事調停法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 民事調停法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事調停法第33条の2の前の条は民事調停法第33条です。
- 民事調停法第33条の2の次の条は民事調停法第33条の3です。
- 民事調停法第33条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第33条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000222 - 本サイト収録
民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第33条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC1000000222/33_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事調停法33条の2は、自動車事故で人身被害を受けた損害賠償請求者が、自分の住所又は居所を管轄する簡易裁判所にも調停を申し立てられると定める。物損のみの紛争は対象外。
Q · 交通事故でけがをしたけど、相手が遠くに住んでいる。調停は相手の地元まで行かないとダメ?
人身事故なら自宅近くの簡裁にも申し立てできる
民事調停法33条の2により、自動車の運行で人の生命・身体が害された損害賠償紛争の調停は、相手方の住所地等を管轄する裁判所(同法3条)に加え、請求する被害者や遺族の住所又は居所を管轄する簡易裁判所にも申し立てられます。ただし対象は人身被害がある紛争に限られ、車の修理代など物損だけの争いには使えません。診断書などで人身被害を示せるかが管轄の分かれ目になります。
解説
交通事故の示談がこじれた。加害者は北海道に住み、被害者のあなたは沖縄にいる。この場合、話し合いの場はどこになるのか。民事調停の原則(民事調停法3条)は「相手方の住所地を管轄する簡易裁判所」で、本来は被害者のほうが加害者の地元まで出向くことになる。33条の2は、この原則に例外を設けている。自動車事故で人がけがをした、または亡くなった場合の損害賠償の調停に限り、請求する側(被害者や遺族)は、自分の住所又は居所を管轄する簡易裁判所にも申し立てられる。後遺症を抱えたまま遠方の裁判所へ通う必要はない。ただし対象は「生命又は身体」が害された紛争だけで、車の修理代だけで争う物損事故には使えない。そのため、診断書があるかどうかが、損害額だけでなく、どこで調停を開けるかにも効いてくる。
法的な位置づけ
民事調停法第33条の2は交通調停の管轄に関する特則であり、自動車の運行による生命又は身体の侵害を原因とする損害賠償紛争の調停事件について、同法3条所定の裁判所に加え、損害賠償を請求する者の住所又は居所の所在地を管轄する簡易裁判所を管轄裁判所とする旨を定める。物損のみの紛争には適用されない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.人身被害を示す資料をそろえる 本条は生命・身体が害された紛争に限られるため、診断書、通院記録、交通事故証明書(人身事故扱い)、休業損害の資料を集め、人身被害であることを書面で示せるようにする
- 2.自分の住所地を管轄する簡易裁判所を確認する 裁判所ウェブサイトの管轄区域表で、自分の住所又は居所を管轄する簡易裁判所を調べ、交通調停の定型申立書式を入手する
- 3.申立書を作成して提出する 請求の趣旨(賠償額)と紛争の要点を記載し、請求額に応じた収入印紙と郵便切手を添えて簡易裁判所の窓口へ提出または郵送する
- 4.弁護士費用特約の利用可否を確認する 自分や家族の自動車保険に弁護士費用特約が付いているか、調停にも使える約款かを保険会社に確認し、使えるなら地元の弁護士に依頼する
- 5.期日に出頭し、不成立後の期限を管理する 調停期日に出頭して主張と資料を示す。不成立となった場合は通知から2週間以内の提訴、調停に代わる決定に不服がある場合は2週間以内の異議を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1交通調停とは何ですか?
交通事故の損害賠償をめぐる争いを、簡易裁判所で調停委員を交えて話し合う民事調停です。人身事故では被害者の住所地の簡裁でも申し立てられます(民事調停法33条の2)。
Q2交通調停の申立て先はどこですか?
相手方の住所地等を管轄する簡易裁判所(民事調停法3条)のほか、人身事故なら請求者自身の住所又は居所を管轄する簡易裁判所も選べます。
Q3交通調停の申立て手数料はいくらですか?
請求額に応じた収入印紙と、呼出し用の郵便切手が必要です。手数料は同じ請求額の訴訟のおおむね半額程度で、具体額は申立て先の簡易裁判所で確認できます。
Q4遺族も自分の住所地で交通調停できますか?
できます。本条の「損害賠償を請求する者」には、死亡事故で賠償を請求する遺族(相続人)も含まれ、その住所又は居所の簡易裁判所に申し立てられます。
Q5交通調停は弁護士なしでもできますか?
できます。簡易裁判所の窓口に定型の申立書式があり、本人申立ても可能です。ただし過失割合や後遺障害が争点なら、弁護士費用特約の利用を検討する価値があります。
Q6交通調停に加害者が来なかったらどうなりますか?
正当な理由のない不出頭は5万円以下の過料の対象です(民事調停法34条)。出頭がなく合意できない場合、不成立または調停に代わる決定で手続が終わります。
Q7交通調停は何回くらいで終わりますか?
事案によりますが、期日は月1回程度のペースで数回開かれるのが一般的です。争点が少なければ短期間で成立することもあります(運用は庁により異なります)。
Q8交通調停の申立てで時効は止まりますか?
調停の申立てにより時効の完成が猶予されます(民法147条1項3号)。不成立の通知から2週間以内に提訴すれば、申立て時に提訴したものとみなされます(民事調停法19条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1物損だけの事故でも、自分の近くの簡裁で調停できますか?
できない。本条の対象は生命・身体が害された紛争に限られ、物損のみなら原則どおり相手方の住所地など(民事調停法3条)になる。実務のポイント:物損のみの場合は、訴訟のほうがかえって地元で起こしやすいことがある。金銭の支払義務は債権者の住所で履行するのが原則で(民法484条)、義務履行地の管轄(民事訴訟法5条1号)を使えるからである
Q2調停って結局話し合いですよね。保険会社が折れなかったら無駄になりませんか?
無駄にはならない。合意できなくても、裁判所が相当と認めれば調停に代わる決定(民事調停法17条)を出し、2週間以内に異議がなければ確定して強制執行もできる。実務のポイント:保険会社にとっては、裁判所が関与して出た数字を無視しにくいという事情がある。交通事故に詳しい調停委員が入れば、話し合いの基準が保険会社の内部基準から裁判例の水準へ近づく傾向がある(運用は庁や事案によって異なる)
間違えやすい点 AI による整理
- 「事故現場の近くの裁判所で話し合うもの」と考えがちだが、その前提がずれている。調停の原則的な管轄は事故現場ではなく、相手方の住所などで決まる(民事調停法3条)。事故地を使えるのは訴訟の不法行為地管轄(民事訴訟法5条9号)の話であり、調停の原則には入っていない。だからこそ、人身事故に限って請求者の住所地を加えた本条に意味がある
- 「調停はただの話し合いで、まとまっても紙切れ」という評価は、効力の重さを見落としている。調停が成立して調書に記載されると、裁判上の和解と同一の効力を持ち(民事調停法16条)、相手が払わなければ強制執行できる。不成立の場合でも、裁判所が調停に代わる決定(17条)を出し、2週間以内に異議が出なければ確定する。手数料が安い割に、決着をつける力は強い
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 管轄の基準 | 民事調停法33条の2:請求者の住所又は居所の簡易裁判所を追加 | 民事調停法3条:相手方の住所・居所・営業所等の簡易裁判所、または合意した裁判所 民事調停法4条:管轄違いの移送と、事情に応じた自庁処理 |
| 対象となる紛争 | 自動車の運行による生命・身体侵害の損害賠償紛争に限定 | 民事に関する紛争一般 管轄違いがある、または移送が相当な事件 |
| 誰に有利か | 遠方に住む人身事故の被害者・遺族 | 申立てを受ける相手方(自分の地元で対応できる) 裁判所の判断で当事者双方の事情を調整 |
| 物損のみの事故 | 適用なし | 原則どおり適用 管轄違いなら移送の対象 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では道路交通事故の紛争は起訴前の強制調解の対象とされ、郷鎮市の調解委員会も広く使われる。被害者住所地を特に管轄に加える日本型の特則とは発想が異なる
韓国の民事調停も相手方の住所地等を基本とする管轄体系。交通事故に限って被害者住所地を加える日本と同じ構造かどうかは要確認
ドイツは調停ではなく訴訟の場面で、不法行為地・事故地の裁判籍を認めて被害者のアクセスを確保する
フランスは不法行為事件で、加害行為地または損害を被った地の裁判所を原告が選べる。被害者側の選択権という発想は本条に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 旅行先の長野で追突されてむち打ちになり、半年通院した東京在住のあなた。相手は長野在住で、保険会社は治療費の打ち切りと同時に低い示談額を出してきた。長野の簡易裁判所まで毎回通うのか? 実際には、東京の自宅を管轄する簡易裁判所に交通調停を申し立てられる。
- 出張先の福岡で歩行者をはねたあなたのもとに、福岡の簡易裁判所から呼出状が届いた。自宅は大阪である。申立人が被害者なら、どこで調停をするかは、まず相手が選べる仕組みになっている。
- 事故からもうすぐ5年。人身損害の時効が迫っているのに、保険会社との交渉は止まったままだ。地元の簡易裁判所に調停を申し立てれば、その時点で時効の完成が猶予される。残り数週間でも、まだ打てる手はある。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 診断書・通院記録・休業損害の資料をそろえ、人身被害であることを書面で示せるようにする2. 自宅(または居所)を管轄する簡易裁判所を裁判所ウェブサイトで確認し、交通調停の定型申立書を入手する3. 請求額に応じた手数料の収入印紙と郵便切手を用意して申し立てる4. 弁護士費用特約が使えるか、自分の保険会社に確認する5. 不成立になったら、通知を受けてから2週間以内の提訴を検討する
訴えられた側:1. 呼出状は無視しない。正当な理由なく出頭しないと5万円以下の過料の対象になる(民事調停法34条) 2. すぐに自分の任意保険会社へ連絡し、代理人の手配を依頼する3. 遠方で出頭が難しい場合は、代理人による出頭や期日の調整を書記官に相談する4. 過失割合・治療の必要性・相当性について資料を準備する5. 調停に代わる決定(17条)に納得できなければ、2週間以内に異議を出す
時効(請求できる期限):本条そのものに期限はない。ただし前提となる損害賠償請求権は、人の生命・身体の侵害であれば、損害と加害者を知った時から5年、事故の時から20年で消滅する(民法724条、724条の2)。調停を申し立てると時効の完成が猶予され、不成立で終わった場合も終了から6か月は猶予が続く。調停に代わる決定への異議は、告知を受けた日から2週間(民事調停法18条)。不成立の通知を受けた日から2週間以内に訴えを起こせば、調停の申立て時に提訴したものとみなされる(同19条)
改正沿革 AI による整理
- 昭和49年(1974年)改正(要確認) 交通調停の節が設けられ、本条が新設されたとされる。改正年と経緯は人の手による検証が必要
- 民事調停法 第3条相手方住所地を原則とする管轄
- 民事調停法 第4条管轄違い等による移送と自庁処理
- 民事調停法 第16条調停成立は裁判上の和解と同一効力
- 民事調停法 第17条調停に代わる決定
- 民事調停法 第19条不成立後2週間内提訴の遡及効
- 自動車損害賠償保障法 第3条運行供用者責任、同じ運行概念
- 民事訴訟法 第5条訴訟での不法行為地・義務履行地管轄
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