厚生年金保険法 第105条
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- 左の各号に掲げる場合には、十万円以下の過料に処する。
- 一第九十八条第一項の規定に違反して、事業主が届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
- 二第九十八条第二項の規定に違反して、被保険者が届出をせず、若しくは虚偽の届出をし、又は申出をせず、若しくは虚偽の申出をしたとき。
- 三第九十八条第四項の規定に違反して、戸籍法の規定による死亡の届出義務者が、届出をしないとき。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第105条は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第105条の条文原文は「左の各号に掲げる場合には、十万円以下の過料に処する。」で始まります。
- 厚生年金保険法第105条は第八章に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第105条の前の条は厚生年金保険法第104条の3です。
- 厚生年金保険法第105条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第105条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第105条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/105
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法105条は、98条の届出義務に違反した事業主・被保険者・死亡の届出義務者に十万円以下の過料を科す。過料は刑罰ではなく秩序罰で、前科にはならない。
Q · 社会保険の届出を忘れて過料を取られたら、前科がついてしまうんですか?
前科にはなりません。刑罰ではなく行政上の秩序罰です
厚生年金保険法105条の過料は、行政上の秩序罰であって刑罰ではありません。したがって前科にはならず、履歴書の賞罰欄に書く必要もなく、警察や検察による捜査も行われません。手続は刑事訴訟ではなく非訟事件手続法にもとづき、裁判所が決定を出します。ただし納付しなければ検察官の命令で強制執行されます。また実務上の負担は過料そのものより、届出漏れによって遡って追徴される最大二年分の保険料(同法92条)のほうがはるかに大きくなります。
解説
十万円以下の過料。厚生年金保険法105条が用意している制裁は、たったこれだけだ。だが多くの人事担当者も遺族も、二つの点を取り違えている。第一に、過料は罰金ではない。刑罰ではないので前科はつかず、警察も検察も捜査には来ない。裁判所が非訟事件手続法にもとづいて決定を出すだけである。第二に、名指しされているのは事業主だけではない。被保険者本人(98条2項)、そして受給権者が死亡したときの戸籍法上の死亡の届出義務者(98条4項)が並んでいる。戸籍法87条1項の届出義務者には、同居の親族だけでなく、その他の同居者、さらに家主・地主・家屋の管理人まで入る。年金を受け取っていた入居者が部屋で亡くなり身寄りがいなければ、大家であるあなたが届出義務者になりうる。もっとも98条4項にはただし書があり、日本年金機構がマイナンバーで死亡の事実を確認できる場合、その届出は不要になる。
法的な位置づけ
厚生年金保険法105条は、届出義務違反に対する過料を定める規定である。同法98条1項の事業主の届出、2項の被保険者の届出および申出、4項の戸籍法上の死亡の届出義務者による届出のいずれかを怠り、または虚偽の届出をした場合に、十万円以下の過料が科される。過料は刑罰ではなく行政上の秩序罰であり、非訟事件手続法にもとづく裁判所の決定によって科される。
よくある質問 AI による整理
Q1過料とは何ですか?
行政上の秩序罰で、届出義務などの手続違反に対して科される金銭的制裁です。刑罰ではないため前科にはならず、裁判所が非訟事件手続法にもとづき決定で科します。
Q2厚生年金の資格取得届はいつまでに出すのですか?
事実の発生から五日以内が原則です(厚生年金保険法施行規則)。この期限を過ぎても届出自体は受理されますが、遡及分の保険料がまとめて発生します。
Q3標準報酬月額を低く届け出るのは違法ですか?
105条1号は「届出をせず」だけでなく「虚偽の届出をしたとき」も過料の対象としています。手当を外して低く届け出る運用は、文言上は虚偽の届出に当たります。
Q4入居者が亡くなったら大家に年金の届出義務がありますか?
戸籍法87条1項の届出義務者には家主・地主・家屋の管理人も含まれ、その者は厚生年金保険法98条4項の届出義務者にもなり得ます。105条3号の対象です。
Q5過料を払わないとどうなりますか?
裁判所の決定が確定した後は、検察官の命令によって強制執行されます(非訟事件手続法121条)。放置しても消えるものではありません。
Q6過料は誰が科すのですか?
年金事務所や日本年金機構ではなく、裁判所が科します。相手が行政庁ではないため、不服申立ても行政不服審査ではなく即時抗告になります。
Q7届出漏れの保険料は何年分さかのぼりますか?
保険料徴収権の時効は二年です(厚生年金保険法92条)。最大二年分が労使合計でまとめて請求され、退職済み従業員の本人負担分は回収が困難になります。
Q8厚生年金保険法105条の過料は事業主だけが対象ですか?
違います。98条1項の事業主、2項の被保険者本人、4項の戸籍法上の死亡の届出義務者の三者が並んで名宛人になっています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1過料って前科になりますか?履歴書に書かないといけませんか?
なりません。過料は行政上の秩序罰で刑罰ではないため、前科にはならず賞罰欄への記載も不要です。手続も刑事訴訟ではなく、非訟事件手続法にもとづき裁判所が決定を出します。ただし納付しなければ検察官の命令で強制執行されます(同法121条)。実務のポイント:不服があるときの手段は行政不服審査ではなく即時抗告です。相手が行政庁ではなく裁判所だと最初に理解しているかどうかで、出す書面が丸ごと変わります
Q2年金受給者の死亡届、結局のところ出す必要はあるんですか?
マイナンバーが日本年金機構に収録されていれば、98条4項ただし書により死亡の届出は原則不要です。収録がなければ、死亡の日から十日以内という届出義務が残ります。実務のポイント:届出が不要になっても、未支給年金の請求(厚生年金保険法37条)は自動では処理されません。遺族が請求しなければ、受け取れたはずの一、二か月分がそのまま消えます。届出不要という言葉を、手続が全部終わったと読み替えると損をします
Q3社会保険の届出漏れ、正直に申し出たら過料を取られますか?
過料を科すのは裁判所であり、年金事務所が直接処分するものではありません。実務上は職権による資格の確認と遡及届出、保険料の納付で処理される運用が通例です。実務のポイント:怖いのは過料より遡及です。保険料徴収権の時効は二年(厚生年金保険法92条)で、二年分がまとめて来ます。すでに退職した従業員の本人負担分は回収がほぼ不可能で、会社が丸ごとかぶることになります
間違えやすい点 AI による整理
- 過料と罰金を同じものだと思っている人が多いが、過料は行政上の秩序罰であって刑罰ではない。前科にならず、履歴書の賞罰欄に書く必要もない。ただし裁判所の決定であることに変わりはなく、納めなければ検察官の命令で強制執行される(非訟事件手続法121条)
- 「上限十万円なら大した話ではない」と知っている人ほど、実は危うい。届出漏れの本当のコストは過料ではなく、遡って最大二年分の保険料の追徴である(保険料徴収権の時効は二年、厚生年金保険法92条)。延滞金が乗り、退職済み従業員の本人負担分は回収不能になる。十万円の話が、数百万円の話に化ける構造がここにある
- 「うちは届出を忘れていないから関係ない」という問いの立て方そのものがずれている。105条1号が並べているのは「届出をせず」だけではなく「虚偽の届出をしたとき」である。手当を外して標準報酬月額を低く届け出る運用は、社内では経費節約と呼ばれていても、条文の文言上は虚偽の届出に当たる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 105条:届出義務違反に対する過料(制裁) | 98条:届出義務そのものを定める本体規定 92条:保険料徴収権の二年時効(遡及範囲の画定) |
| 名宛人 | 事業主・被保険者・戸籍法上の死亡の届出義務者 | 1項=事業主、2項=被保険者、4項=死亡の届出義務者 保険料の納付義務者(主として事業主) |
| 効果 | 十万円以下の過料(行政上の秩序罰、前科なし) | 届出義務の発生。違反自体に金銭的効果はない 二年を超える期間の保険料は徴収できなくなる |
| 実務上の重さ | 上限十万円。金額としては最も軽い | 届出の欠落が年金記録の欠落に直結する 最大二年分の追徴+延滞金。実質的な負担はここが最大 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も投保単位(事業主)の未申報・虚偽申報に対して罰鍰を科す構造をとる。日本の過料と同様、行政上の制裁であり刑罰とは区別される
韓国も사업장가입자に関する신고의무違反に対して과태료を科す。刑罰と秩序罰を分ける構造は日本と近い(具体的な条番号は要確認)
ドイツは社会保険の届出義務違反を Ordnungswidrigkeit(秩序違反)として Bußgeld を科す。日本の過料に最も近い制度設計
米国は社会保障関係の情報申告を IRS への情報申告書(W-2等)で処理し、不提出・虚偽記載に加算税を科す。裁判所の決定ではなく税務当局の処分である点が日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 同居していた父が亡くなり、父は年金を受け取っていた。市役所に死亡届を出せば年金も自動で止まる、と思っていたが本当にそうか。マイナンバーが機構に収録されていれば98条4項ただし書で届出は不要になる。収録されていなければ、死亡の日から十日以内という届出義務が残ったままだ。止まらなかった年金を受け取り続ければ、次に来るのは返還の話になる
- 繁忙期に、新入社員一人分の届出だけが抜けた。半年後の調査で発覚し、あなたは事業主として98条1項違反の側に立っている。過料の話より先に来るのは、半年分の保険料を会社と本人でどう負担するかという交渉だ。本人がすでに退職していれば、本人負担分の回収先はもうどこにもない
- 入居者が部屋で亡くなり、親族と連絡がつかない。大家であるあなたが戸籍法上の届出義務者だ。年金の届出まで射程に入ることを、管理会社は教えてくれない
- 友人から「会社が社会保険に入れてくれない」と相談された。105条の過料が向くのは会社だが、友人が失うのは将来の年金額そのものだ。届出義務は事業主にあり、本人が代わりに出すことはできない。使えるのは厚生年金保険法31条の確認の請求で、被保険者であった者はいつでもこれを請求できる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 給与明細とねんきん定期便を突き合わせ、標準報酬月額と加入期間が実態と合っているか確認する2. 欠落があれば厚生年金保険法31条の確認の請求を年金事務所へ出す。被保険者であった者はいつでも請求できる3. 雇用契約書、タイムカード、給与振込記録など届出漏れを裏づける資料を先に確保する4. 過料は国が科すもので、あなたの記録が自動で戻るわけではない。記録の回復と過料は別ルートだと割り切って動く
訴えられた側:1. まず過料と罰金を切り分ける。105条は秩序罰であり、逮捕や弁護人選任の話ではない2. 未届出の範囲を二年分まで自主的に洗い出し、遡及届出と保険料の納付方法を年金事務所に相談する3. 標準報酬月額に虚偽が疑われる場合は、賃金台帳と算定基礎届の整合を社内で先に点検する4. 過料の裁判の告知が届いたら一週間以内に異議申立てまたは即時抗告を検討する。放置は確定を意味する
時効(請求できる期限):過料は刑罰ではないため公訴時効の適用はない。押さえるべき期限は三つ。受給権者死亡の届出は死亡の日から十日以内(98条4項、マイナンバーで死亡が確認できる場合はただし書により不要)。事業主の資格取得・喪失の届出は事実発生から五日以内(厚生年金保険法施行規則)。過料の略式裁判は告知を受けた日から一週間以内に異議を申し立てなければ確定する(非訟事件手続法123条)。あわせて保険料の徴収権の時効は二年(同法92条)であり、遡及の射程はここで決まる(最新の改正状況をご確認ください)
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