厚生年金保険法 第24条の2(船員たる被保険者の標準報酬月額)
クイックジャンプ
船員たる被保険者の標準報酬月額の決定及び改定については、第二十一条から前条までの規定にかかわらず、船員保険法第十七条から第二十条まで及び第二十三条の規定の例による。
この条文の基本情報
船員たる被保険者の標準報酬月額とは何ですか?
定義船員たる被保険者の標準報酬月額とは、厚生年金保険法第24条の2に定められた規定で、「船員たる被保険者の標準報酬月額の決定及び改定については、第二十一条から前条までの規定にかかわらず、船員保険法第十七条から第二十条まで及び第二十三条の規定の例によ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第24条の2(船員たる被保険者の標準報酬月額)は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第24条の2の条文原文は「船員たる被保険者の標準報酬月額の決定及び改定については、第二十一条から前条までの規定にかかわらず、船員保険法第十七条から第二十条まで及び第二十三条の規定の例によ…」で始まります。
- 厚生年金保険法第24条の2は第三節に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第24条の2の前の条は厚生年金保険法第24条です。
- 厚生年金保険法第24条の2の次の条は厚生年金保険法第24条の3です。
- 厚生年金保険法第24条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第24条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第24条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/24_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法24条の2は、船員たる被保険者の標準報酬月額の決定及び改定について、第21条から第24条までを適用せず、船員保険法第17条から第20条まで及び第23条の例によると定める。
Q · 船員の年金も、4月から6月の給料の平均で標準報酬が決まるんですか?
いいえ、船員は船員保険法の方式で決まります
厚生年金保険法24条の2により、船員たる被保険者の標準報酬月額は、第21条から第24条までの定時決定や随時改定の規定によらず、船員保険法第17条から第20条まで及び第23条の規定の例によって決定・改定されます。つまり4月から6月の平均で決めるという陸上勤務者の手順は、船員にはそのまま適用されません。一方で標準報酬月額の等級区分を定める第20条は除外されていないため、等級表は厚生年金保険法のものが用いられます。届出をするのは被保険者本人ではなく船舶所有者側です。
解説
厚生年金の解説書を開けば、必ず「4月・5月・6月の報酬の平均で標準報酬月額が決まる」と書いてある。船員として働くあなたには、その一行が丸ごと効かない。24条の2は「第21条から前条までの規定にかかわらず」と宣言し、定時決定も随時改定も算定の特例も、まとめて舞台から降ろす。代わりに船員保険法17条から20条まで及び23条の例による。ここで見落とされるのが、外されていない条文だ。標準報酬月額の等級区分を定める20条は生き残っている。つまり船員のあなたには、決め方は船員保険法、等級表は厚生年金保険法という二階建ての構造が適用される。そして届出をするのはあなたではなく船舶所有者だ。自分の年金の土台になる数字が、自分の手の届かない場所で、しかも普通の解説書とは違う手順で決められている。話はそこから始まる。
法的な位置づけ
厚生年金保険法24条の2は、船員たる被保険者の標準報酬月額の決定及び改定についての特則である。第21条から第24条までの規定を適用除外し、船員保険法第17条から第20条まで及び第23条の規定の例によることとする。標準報酬月額の等級区分を定める第20条は除外されていない。
よくある質問 AI による整理
Q1船員たる被保険者とは?
船舶所有者に使用され、船員として乗り組む厚生年金保険の被保険者を指します。同じ厚生年金の被保険者でも、標準報酬月額の決定・改定の手順が24条の2により陸上勤務者と分かれます。
Q2船員の厚生年金の届出は誰がするの?
被保険者本人や船長ではなく、船舶所有者側が届出義務者です。実務は船舶管理会社や配乗会社が代行していることが多く、照会の際は誰が届け出たかを最初に特定するのが早道です。
Q3算定基礎届に船員分も4〜6月平均で書いていい?
そのままは書けません。24条の2が第21条の定時決定を適用除外しているため、船員分の根拠条文は船員保険法側になります。陸上勤務者と同じ処理をすると返戻や訂正の原因になります。
Q4下船して報酬が下がったら保険料はいつ変わる?
一般の随時改定(第23条)は船員に適用されません。改定の起点や判定は船員保険法第23条の例によるため、年金事務所に照会するときも持ち出す条文が変わります。
Q5第3種被保険者とは?
船員や坑内員としての厚生年金の被保険者区分です。標準報酬月額の決め方とは別の条文ですが、期間の評価で優遇される時期があり、年金額の計算に併せて効いてきます。
Q6漁船の乗組員も対象になる?
船員として船舶所有者に使用され、船員たる被保険者に該当すれば対象です。該当するかどうかで決定方法も期間の扱いも変わるため、まず被保険者区分の確認が出発点になります。
Q7厚生年金保険法24条の2が除外している条文はどれ?
第21条から前条、すなわち第24条までの標準報酬月額の決定・改定に関する規定です。等級区分を定める第20条は除外されておらず、厚生年金保険法の等級表がそのまま使われます。
Q8船員の標準報酬月額はどこで確認できる?
標準報酬月額の決定通知書、給与明細の控除額、ねんきん定期便・ねんきんネットの記録で確認できます。食い違いを見つけたら書面で年金事務所に照会し、日付を残すことが重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1船員も厚生年金なのに、どうして標準報酬だけ別の法律なんですか?
乗船と下船で報酬が階段状に動く船員に、4〜6月の平均で決める定時決定(21条)や3か月連続の変動を見る随時改定(23条)をそのまま当てると、実態と大きくずれるためである。そこで24条の2が21条から24条までを外し、船員保険法の方式を借りている。実務のポイント:条文は「準用」ではなく「例による」と書いている。法制執務上、「例による」は個別条文の読み替えにとどまらず、その制度の仕組み全体を包括的に借りる趣旨とされる。参照範囲がどこまで広がるかは、この四文字で変わる
Q2等級表も船員保険のものを使うんですか?
使わない。24条の2が外しているのは21条から24条まで、つまり決定と改定の手続部分である。標準報酬月額の等級区分を定める20条は外れていないため、厚生年金保険法の等級表がそのまま適用される。実務のポイント:船員保険側の等級区分と厚生年金の等級区分は同一ではないため、同じ報酬でも二つの制度で等級や上限が一致しない場面が出る。「片方の数字を見れば両方分かる」と思って照合を省く人ほど、後で説明できない差額に突き当たる(最新の等級区分は改定されるため要確認)
Q3標準報酬月額が間違っていた気がします。今からでも直せますか?
直せる余地はあるが、時間との勝負になる。保険料を徴収する権利は2年で時効消滅し(厚生年金保険法92条1項)、遡って納め直せる範囲がそこで切れる。まず年金事務所へ記録の照会を書面で出すこと。実務のポイント:船員の場合、届出の主体は本人でも船長でもなく船舶所有者側であり、実務は船舶管理会社や配乗会社が担っていることが多い。誰が届出をしたのかを最初に特定しないまま照会を始めると、回答のたらい回しだけで時効に食い込む
間違えやすい点 AI による整理
- 「船員も厚生年金の被保険者なのだから、標準報酬の決まり方も陸上と同じ」と思われている。だが24条の2は21条から24条までを明文で外している。同じ制度に入っていることと、同じ手順で計算されることは別の話だ
- 決め方が違うことは知っていても、その一つの数字が支える範囲の広さを知らない人が多い。標準報酬月額は老齢厚生年金の報酬比例部分だけでなく、障害厚生年金・遺族厚生年金の計算にも、保険料の額にも同時に効く。一箇所の誤りが、給付と負担の両側から何十年も影響し続ける
- 「船員は厚生年金なのか船員保険なのか、どっちなんですか」という問いの立て方自体がずれている。24条の2は適用法を丸ごと切り替えているのではなく、決定と改定の「方法」だけを船員保険法から借りている。等級表を定める20条は外されていない。二者択一で考える限り、必ず答えを外す
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用対象 | 24条の2:船員たる被保険者 | 21条:一般の被保険者(定時決定) 23条:一般の被保険者(随時改定) |
| 決定・改定の根拠 | 船員保険法17条から20条まで及び23条の例による | 毎年4月から6月の報酬の平均で決定 固定的賃金の変動と3か月の平均で改定 |
| 等級区分 | 厚生年金保険法20条が除外されず、そのまま適用 | 厚生年金保険法20条の等級表を適用 厚生年金保険法20条の等級表を適用 |
| 実務上の注意点 | 算定基礎届に4〜6月平均を当てはめると誤りになる | 算定基礎届の基本フロー 月額変更届の基本フロー |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は船員も労工保険の枠組みに取り込み、月投保薪資を分級表で決定する。日本のように年金法本体に船員専用の参照規定を置く構造は採っていない
韓国は国民年金の기준소득월액制度を基礎としつつ、선원については労働条件面で선원법の特則が働く。年金算定の枠組み自体は一般制度に近い
ドイツは海運従事者を含む特定業種を専門の保険者(Knappschaft-Bahn-See)が担当する。制度運営主体を分けることで実態適合を図る点が、日本の参照規定方式と対照的
米国は船員に独立した公的年金制度を設けず、一般の Social Security に統合している。実態適合の調整は制度内部ではなく労使契約や別途の補償制度に委ねられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 半年の乗船が終わって下船し、航海関係の手当が消えて手取りが3割落ちた。保険料はいつから下がる? 一般の随時改定なら3か月平均で4か月目からだが、その23条は船員には適用されない。動くのは船員保険法側のルールで、照会するときに持ち出すべき条文も変わる
- 内航海運の小さな会社で総務を一人で回しているあなたが、市販の実務書どおりに4〜6月分を書いて算定基礎届を出した。陸上勤務者はそれで正しい。船員分だけ根拠条文が違い、返戻と訂正、場合によっては保険料の追徴が数年後に戻ってくる
- 退職後に届いたねんきん定期便を開く。報酬比例部分が想定より低い。原因は20年前、乗船中の標準報酬月額がどう決まったかにある
- 漁船に乗る弟から「年金の紙が来たけど意味が分からない」と写真が送られてくる。あなたが最初に見るべきは金額ではなく、その期間が船員たる被保険者として処理されているかどうか。ここがずれていると、決定方法も期間の評価も全部ずれる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 標準報酬月額の決定通知と給与明細を並べ、どの期間の報酬で決まったかを特定する2. 一般の4〜6月平均ではなく船員保険法の方式で処理されているかを年金事務所に照会する(根拠は厚生年金保険法24条の2) 3. 食い違いがあれば、雇入契約書、乗下船の記録、手当の内訳が分かる明細を揃える4. 保険料徴収権の2年の時効(同法92条1項)が動くため、必ず書面で申し出て日付を残す
訴えられた側:1. 陸上勤務者と船員で届出の根拠条文が違うことを実務フローに明記し、船員分に4〜6月平均をそのまま当てない2. 乗下船で報酬が階段状に動く船員は改定の起点判断が争点になりやすいので、雇入契約と手当の内訳を記録として残す3. 誤りが判明したら遡及訂正の範囲と追徴額を先に試算し、船員本人へ先に説明する4. 船舶管理会社や配乗会社へ届出事務を委託していても、届出義務者としての立場は船舶所有者側に残る点を契約で確認する
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期限はない。ただし保険料その他の徴収金を徴収する権利は2年、保険給付を受ける権利は支給すべき事由が生じた日から5年で時効消滅する(厚生年金保険法92条1項・2項)。標準報酬月額の誤りは、遡って直せる範囲が2年で切れると想定して動くこと(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(法制執務上の理解):「例による」は「準用」と異なり、個別条文の読み替えにとどまらず、参照先の制度の仕組みを包括的に借りる趣旨と解されている。本条もこの理解に立ち、標準報酬月額の決定・改定の手続全体を船員保険法から借りている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和29年(1954年) 改正:厚生年金保険法の全部改正(法律第115号)。当時、船員は船員保険法に基づく独立した年金制度の適用下にあった
- 2.昭和61年(1986年) 新設:船員保険の職務外年金部門が厚生年金保険に統合され、船員は厚生年金保険の被保険者となった。これに伴い、標準報酬月額の決定及び改定について船員保険法の規定の例による旨の特則が置かれた
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める