厚生年金保険法 第24条(報酬月額の算定の特例)
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- 被保険者の報酬月額が、第二十一条第一項、第二十二条第一項、第二十三条の二第一項若しくは前条第一項の規定によつて算定することが困難であるとき、又は第二十一条第一項、第二十二条第一項、第二十三条第一項、第二十三条の二第一項若しくは前条第一項の規定によつて算定した額が著しく不当であるときは、これらの規定にかかわらず、実施機関が算定する額を当該被保険者の報酬月額とする。
- 2.同時に二以上の事業所で報酬を受ける被保険者について報酬月額を算定する場合においては、各事業所について、第二十一条第一項、第二十二条第一項、第二十三条第一項、第二十三条の二第一項若しくは前条第一項又は前項の規定によつて算定した額の合算額をその者の報酬月額とする。
この条文の基本情報
報酬月額の算定の特例とは何ですか?
定義報酬月額の算定の特例とは、厚生年金保険法第24条に定められた規定で、「被保険者の報酬月額が、第二十一条第一項、第二十二条第一項、第二十三条の二第一項若しくは前条第一項の規定によつて算定することが困難であるとき、又は第二十一条第一項…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第24条(報酬月額の算定の特例)は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第24条の条文原文は「被保険者の報酬月額が、第二十一条第一項、第二十二条第一項、第二十三条の二第一項若しくは前条第一項の規定によつて算定することが困難であるとき、又は第二十一条第一項…」で始まります。
- 厚生年金保険法第24条は第三節に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第24条の前の条は厚生年金保険法第23条の3です。
- 厚生年金保険法第24条の次の条は厚生年金保険法第24条の2です。
- 厚生年金保険法第24条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第24条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第24条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/24
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法24条は、報酬月額を通常の算定方法で出すことが困難なとき、または算定額が著しく不当なときに、実施機関が算定する額を報酬月額とする特例を定める。
Q · 4月から6月がたまたま特殊だった年でも、その平均で1年分の保険料が固定されるんですか?
特例があります。ただし申立てを出さないと動きません
厚生年金保険法24条は、定時決定(21条)などの通常の計算で報酬月額を算定することが困難なとき、またはその額が著しく不当なときに、実施機関が算定する額を報酬月額とする特例(保険者算定)を定めます。代表例が年間平均による算定で、業務の性質上、報酬の季節的変動が例年生じ、通常の定時決定額と年間平均額に2等級以上の差があることが要件です。自動では発動せず、事業主の申立書と本人の同意書が必要で、7月10日の算定基礎届の提出前に動く必要があります。
解説
毎年7月、勤務先の総務は算定基礎届という書類を年金事務所に出す。そこに書かれた4月・5月・6月の給与の平均が、その年の9月から翌年8月まで、あなたの厚生年金保険料と健康保険料をまとめて決める(21条)。問題は、その3か月がたまたま繁忙期だった場合だ。24条は、この機械的な計算が著しく不当なとき、または計算そのものが困難なとき、実施機関(日本年金機構や各共済組合など、あなたの年金記録と保険料を握っている運営主体)が別の額を決めてよいと定める。実務ではこれを保険者算定と呼び、代表的な救済が年間平均による算定である。ただし自動では動かない。事業主が申立書を出し、あなたが同意書に署名して初めて審査が始まる。知らなければ、高い等級のまま12か月走り続ける。さらに2項は、二つ以上の会社から報酬を受けているなら全社の報酬を合算すると宣言している。副業先の給与や兼務役員の報酬が、一枚の等級表の上で足し算されている。
法的な位置づけ
厚生年金保険法24条は報酬月額の算定の特例(実務上いう保険者算定)を定める規定であり、定時決定・資格取得時決定・随時改定・休業終了時改定の各算定方法によることが困難な場合、またはその算定額が著しく不当な場合に、実施機関が算定する額を報酬月額とすることを認める。2項は複数事業所から報酬を受ける被保険者の合算処理を規定する。
よくある質問 AI による整理
Q1保険者算定とは何ですか?
厚生年金保険法24条に基づき、通常の算定方法が使えないか結果が著しく不当なときに、実施機関が別の額を報酬月額として決める仕組みです。年間平均による算定が代表例です。
Q2算定基礎届はいつまでに出すのですか?
毎年7月1日から7月10日までが提出期間です。年間平均による保険者算定を求める場合も、この提出と同時に申立書と同意書を出す必要があります。
Q3支払基礎日数が17日に届かない月ばかりの場合はどうなりますか?
通常の平均計算が使えないため、24条の「算定することが困難」に当たり、従前の標準報酬月額を用いるなど実施機関の算定によることになります。
Q4標準報酬月額の決定に不服がある場合はどうすればいいですか?
処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に社会保険審査官へ審査請求できます。その決定にも不服なら社会保険審査会へ再審査請求します。
Q5実施機関とは誰のことですか?
被用者年金一元化後、報酬月額を算定する主体を指す語で、日本年金機構のほか各共済組合等が含まれます。加入している制度によって窓口が変わります。
Q6選択事業所とは何ですか?
二以上の事業所で被保険者資格がある場合に、届出により保険者・年金事務所を管轄する主たる事業所として選ぶものです。保険料は各社の報酬額で按分されます。
Q7遡及して支払われた昇給差額も報酬月額に入りますか?
原則として支払われた月の報酬に含まれますが、過年度分に対応する遡及差額は24条の保険者算定で除いて計算できる取扱いがあります。
Q8保険者算定は本人からも申請できますか?
手続の主体は事業主で、申立書は事業主、同意書は被保険者本人が提出します。本人単独では開始できないため、総務・人事への申し出が起点になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q14月から6月だけ残業を減らせば、保険料って本当に下がるんですか?
理屈の上では下がる。定時決定(21条)は原則としてその3か月の平均しか見ないからだ。実務のポイント:標準報酬月額が月6万円低い状態が1年続くと、本人負担の保険料は年約6.6万円浮く一方、老齢厚生年金の報酬比例部分は年約3,900円、終身で減る(乗率5.481/1000で計算)。受給期間が17年を超えた時点で損益が逆転する。長生きするほど損になる節約だと知ったうえで選ぶかどうかである
Q2今年はたまたま繁忙期が重なっただけなんですが、年間平均で申請できますか?
単発の繁忙は対象外である。24条の保険者算定として年間平均が認められるのは、業務の性質上、報酬の季節的変動が例年発生すると見込まれ、かつ通常の定時決定額と年間平均額に2等級以上の差が生じる場合に限られる。実務のポイント:この要件は事業所単位ではなく被保険者ごとに判断される。同じ会社の同じ部署でも、申立てが通る人と通らない人が分かれる
Q32社から給料をもらっています。届出をしないとどうなりますか?
24条2項は各事業所で算定した額の合算額を報酬月額とすると定めている。届出をしなければ片方の低い等級だけで保険料が計算され、将来の年金記録もその低い数字で積み上がる。実務のポイント:発覚時の遡及は最大2年(厚生年金保険法92条)。一方、合算しても標準報酬月額の上限は65万円(第32級)なので、高額報酬者は届け出ても保険料の合計が跳ね上がらないことが多い
間違えやすい点 AI による整理
- 4月から6月の残業で保険料が上がることを知っている人は多い。知られていないのは、その数字が保険料だけで終わらないことだ。標準報酬月額は将来の老齢厚生年金の報酬比例部分にも、健康保険の傷病手当金・出産手当金にも同じ数字が使われる。等級を下げれば毎月の手取りは増えるが、病気で休んだときの補償も終身の年金も同時に痩せる
- 「副業を始めたら厚生年金保険料は上がりますか」という問いの立て方が、そもそもずれている。24条2項の合算が起きるのは、副業先でも被保険者資格を取得した場合だけだ。所定労働時間や賃金が加入要件に届かない働き方なら合算は生じない。問うべきは副業の金額ではなく、副業先で資格を取得するかどうかである(社会保険の適用拡大について最新の改正状況をご確認ください)
- 「今年はたまたま忙しかったので年間平均で救ってもらおう」は通らない。年間平均による保険者算定の要件は、業務の性質上その報酬変動が例年発生すると見込まれることだ。あなたから見れば今年限りの異常事態でも、制度から見れば例年の季節変動として説明できなければ扉は開かない。単発の繁忙期は救済の対象外である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動の場面 | 24条:通常の算定が困難、または算定額が著しく不当なとき | 21条:毎年7月の定時決定(4〜6月の報酬) 23条:固定的賃金の変動後3か月による随時改定 |
| 算定の基礎 | 24条:実施機関が算定(年間平均、従前額の使用など) | 21条:4月・5月・6月の報酬の平均 23条:変動月以後3か月の報酬の平均 |
| 手続の起点 | 24条:事業主の申立書+被保険者の同意書 | 21条:算定基礎届(7月1日〜10日) 23条:月額変更届(2等級以上の差が要件) |
| 多重就業の扱い | 24条2項:各事業所の算定額を合算して報酬月額とする | 21条:単独では合算の根拠にならない 23条:単独では合算の根拠にならない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も投保単位が月投保薪資を申報する建付けで、申報が不実な場合に保険人が査核資料により逕行調整できる。日本の保険者算定と同じく「申報主義+保険者による是正権」の二層構造だが、台湾側は不実申報の是正が中心で、季節変動を救済する年間平均型の取扱いは日本ほど体系化されていない
韓国も前年の所得を基礎に基準所得月額を決定し、所得変動があった場合の変更手続を設けている。上下限額が毎年告示で改定される点が日本の等級表と異なる
ドイツは等級表方式ではなく実際の賃金額を保険料算定基礎とし、Beitragsbemessungsgrenze(保険料算定上限)で頭打ちにする。3か月平均という時点固定がないため、日本の24条に相当する是正規定の必要性そのものが小さい
米国は各給与支払時の wages に直接課税する方式で、年間の課税上限(wage base)のみが枠となる。標準報酬月額のような等級固定がないため、日本型の保険者算定に対応する制度は存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 4月に大型案件が入り、6月まで月40時間の残業が続いた。7月10日の算定基礎届の提出期限まであと5日。ここで年間平均の申立てを総務に頼まなければ、9月から翌年8月まで高い等級のまま固定される。あなたが一言言うかどうかで、毎月の手取りが数千円動く
- もし4月・5月・6月のすべてで支払基礎日数が17日に届かなかったら、平均は何を基準に出るのか。通常の計算式は使えず、従前の標準報酬月額を用いた保険者算定になる。休職、入院、シフト減が重なった年に必ず起きる話だ
- あなたは本業のかたわら、知人の会社の役員も引き受け、両方から報酬を受け取っている。二以上事業所勤務の届出を出していないなら、それは届出漏れだ。調査で発覚すれば最大2年遡って保険料を請求され、退職済みの従業員の本人負担分は会社が被ることになる
- 昨年末に確定した賃上げの差額が、4月の給与に上乗せされて振り込まれた。実際の年収は変わらないのに、この一回の上乗せだけで等級が2つ上がることがある。3月以前の期間に対応する遡及差額は保険者算定で除いて計算できる、という取扱いを知っている総務は多くない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 4月から6月の給与明細を並べ、支払基礎日数、残業代、遡及差額、休職期間の有無を確認する2. 前年7月から当年6月までの年間平均と比べ、通常の定時決定額との間に2等級以上の差が出るなら年間平均による保険者算定の候補3. 7月10日の算定基礎届の提出前に総務へ申し出る。申立書は事業主、同意書は本人が出す二人三脚の手続である4. 既に決定通知が届いた後なら、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に社会保険審査官へ審査請求できる
訴えられた側:1. 算定基礎届の作成時に、休職、一時帰休、賃金の遡及支払い、季節変動の該当者を先に洗い出す2. 年間平均を使うなら、事業主の申立書、被保険者の同意書、例年の状況を示す資料を同時に提出する3. 二以上事業所勤務者は事実発生から10日以内に届出、選択事業所を決めて保険料を各社の報酬額で按分する4. 未届が判明したら自主的に遡及届出。放置して調査で発覚すると最大2年分の一括徴収となり、退職者の本人負担分は回収不能になる
時効(請求できる期限):算定基礎届は毎年7月1日から7月10日まで(年間平均の申立ても同時提出)。二以上事業所勤務の届出は事実発生から10日以内。標準報酬月額の決定に不服がある場合は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に社会保険審査官へ審査請求(社会保険審査官及び社会保険審査会法4条)、その決定に不服なら決定書謄本の送付日の翌日から2か月以内に社会保険審査会へ再審査請求。保険料の徴収権および還付請求権の時効は2年(厚生年金保険法92条、最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成27年(2015年)10月1日、被用者年金一元化 報酬月額を算定する主体の表記が「厚生労働大臣」から「実施機関」へ改められ、共済組合等も算定主体に含まれる構造になった(改正内容の詳細は要人的検証)
- 平成17年(2005年)以降の休業終了時改定の新設に伴う整備 育児休業等終了時改定および産前産後休業終了時改定が設けられたことに伴い、本条1項が引用する算定規定の範囲が拡張されている(施行年月日と条文番号の対応は要人的検証)
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