要点厚生年金保険法 24 条は、報酬月額を通常の算定方法で出すことが困難なとき、または算定額が著しく不当なときに、実施機関が算定する額を報酬月額とする特例を定める。
Q · 4 月から 6 月がたまたま特殊だった年でも、その平均で 1 年分の保険料が固定されるんですか?
特例があります。ただし申立てを出さないと動きません
厚生年金保険法 24 条は、定時決定(21 条)などの通常の計算で報酬月額を算定することが困難なとき、またはその額が著しく不当なときに、実施機関が算定する額を報酬月額とする特例(保険者算定)を定めます。代表例が年間平均による算定で、業務の性質上、報酬の季節的変動が例年生じ、通常の定時決定額と年間平均額に 2 等級以上の差があることが要件です。自動では発動せず、事業主の申立書と本人の同意書が必要で、7 月 10 日の算定基礎届の提出前に動く必要があります。
毎年 7 月、勤務先の総務は算定基礎届という書類を年金事務所に出す。そこに書かれた 4 月・5 月・6 月の給与の平均が、その年の 9 月から翌年 8 月まで、あなたの厚生年金保険料と健康保険料をまとめて決める(21 条)。問題は、その 3 か月がたまたま繁忙期だった場合だ。24 条は、この機械的な計算が著しく不当なとき、または計算そのものが困難なとき、実施機関(日本年金機構や各共済組合など、あなたの年金記録と保険料を握っている運営主体)が別の額を決めてよいと定める。実務ではこれを保険者算定と呼び、代表的な救済が年間平均による算定である。ただし自動では動かない。事業主が申立書を出し、あなたが同意書に署名して初めて審査が始まる。知らなければ、高い等級のまま 12 か月走り続ける。さらに 2 項は、二つ以上の会社から報酬を受けているなら全社の報酬を合算すると宣言している。副業先の給与や兼務役員の報酬が、一枚の等級表の上で足し算されている。
厚生年金保険法 24 条は報酬月額の算定の特例(実務上いう保険者算定)を定める規定であり、定時決定・資格取得時決定・随時改定・休業終了時改定の各算定方法によることが困難な場合、またはその算定額が著しく不当な場合に、実施機関が算定する額を報酬月額とすることを認める。2 項は複数事業所から報酬を受ける被保険者の合算処理を規定する。
厚生年金保険法 24 条に基づき、通常の算定方法が使えないか結果が著しく不当なときに、実施機関が別の額を報酬月額として決める仕組みです。年間平均による算定が代表例です。
毎年 7 月 1 日から 7 月 10 日までが提出期間です。年間平均による保険者算定を求める場合も、この提出と同時に申立書と同意書を出す必要があります。
通常の平均計算が使えないため、24 条の「算定することが困難」に当たり、従前の標準報酬月額を用いるなど実施機関の算定によることになります。
処分があったことを知った日の翌日から 3 か月以内に社会保険審査官へ審査請求できます。その決定にも不服なら社会保険審査会へ再審査請求します。
被用者年金一元化後、報酬月額を算定する主体を指す語で、日本年金機構のほか各共済組合等が含まれます。加入している制度によって窓口が変わります。
二以上の事業所で被保険者資格がある場合に、届出により保険者・年金事務所を管轄する主たる事業所として選ぶものです。保険料は各社の報酬額で按分されます。
原則として支払われた月の報酬に含まれますが、過年度分に対応する遡及差額は 24 条の保険者算定で除いて計算できる取扱いがあります。
手続の主体は事業主で、申立書は事業主、同意書は被保険者本人が提出します。本人単独では開始できないため、総務・人事への申し出が起点になります。
理屈の上では下がる。定時決定(21 条)は原則としてその 3 か月の平均しか見ないからだ。業界裏話ヒント:標準報酬月額が月 6 万円低い状態が 1 年続くと、本人負担の保険料は年約 6.6 万円浮く一方、老齢厚生年金の報酬比例部分は年約 3,900 円、終身で減る(乗率 5.481/1000 で計算)。受給期間が 17 年を超えた時点で損益が逆転する。長生きするほど損になる節約だと知ったうえで選ぶかどうかである
単発の繁忙は対象外である。24 条の保険者算定として年間平均が認められるのは、業務の性質上、報酬の季節的変動が例年発生すると見込まれ、かつ通常の定時決定額と年間平均額に 2 等級以上の差が生じる場合に限られる。業界裏話ヒント:この要件は事業所単位ではなく被保険者ごとに判断される。同じ会社の同じ部署でも、申立てが通る人と通らない人が分かれる
24 条 2 項は各事業所で算定した額の合算額を報酬月額とすると定めている。届出をしなければ片方の低い等級だけで保険料が計算され、将来の年金記録もその低い数字で積み上がる。業界裏話ヒント:発覚時の遡及は最大 2 年(厚生年金保険法 92 条)。一方、合算しても標準報酬月額の上限は 65 万円(第 32 級)なので、高額報酬者は届け出ても保険料の合計が跳ね上がらないことが多い
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 発動の場面 | 24 条:通常の算定が困難、または算定額が著しく不当なとき | — |
| 算定の基礎 | 24 条:実施機関が算定(年間平均、従前額の使用など) | — |
| 手続の起点 | 24 条:事業主の申立書+被保険者の同意書 | — |
| 多重就業の扱い | 24 条 2 項:各事業所の算定額を合算して報酬月額とする | — |
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