老齢厚生年金の受給権は、受給権者が死亡したときは、消滅する。
要点厚生年金保険法45条は、老齢厚生年金の受給権が受給権者の死亡により消滅すると定める。死亡月分までは支給され、未支給分は生計同一の遺族が5年以内に請求できる。
Q · 親が亡くなったら、その月の年金はどうなるんですか?
死亡した月の分まで満額支給され、未支給分は遺族が請求できます
厚生年金保険法45条により、老齢厚生年金の受給権は受給権者の死亡で消滅します。ただし年金は権利が消滅した月の分まで支給され(同法36条1項)、支払いは偶数月の後払いであるため、死亡時点で1〜3か月分の未支給年金が残るのが通常です。この未支給分は相続財産ではなく、生計を同じくしていた遺族が同法37条により自己の名で請求できる固有の権利です。請求権は5年で時効消滅し(同法92条)、誰も請求しなければ誰にも支払われません。
「老齢厚生年金の受給権は、受給権者が死亡したときは、消滅する」。二十数文字で終わるこの条文を、ほとんどの人は読み飛ばす。だが実務で効いてくるのは「消滅する」の一語ではなく、消滅する瞬間の切り取り方だ。年金は死亡した月の分まで支給され(厚生年金保険法36条1項)、支払いは偶数月の後払い。つまり受給者が亡くなった時点で、ほぼ必ず一か月から三か月分の「まだ振り込まれていない年金」が宙に浮く。それは相続財産ではなく、生計を同じくしていた遺族が自分の名前で請求できる固有の権利だ(同法37条)。誰も請求しなければ誰にも届かず、5年の時効で静かに消える。親を看取った家族の多くが、この請求書を出さないまま四十九日を過ぎていく。
厚生年金保険法45条は、老齢厚生年金の失権事由を定める規定であり、受給権者が死亡した時点で当該受給権が消滅する旨を規定する。給付の一身専属性を示す条文であり、受給権そのものは相続の対象とならない。死亡月までに発生した未支給分は同法37条の未支給の保険給付として、遺された家族の生活保障は同法58条の遺族厚生年金として、それぞれ別個の制度が引き継ぐ構造をとる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
年金受給者が亡くなったことを日本年金機構へ知らせる届出です。厚生年金保険法98条により死亡から10日以内が原則で、マイナンバーが収録されていれば省略できます。
請求権は5年で時効消滅します(厚生年金保険法92条)。年金は支払期月ごとに支分権が発生するため時効も月単位で進行し、古い月分から順に消えていきます。
配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、その他三親等内の親族の順です(厚生年金保険法37条)。生計を同じくしていたことが要件で、同順位者が複数なら一人の請求が全員のための請求とみなされます。
死亡月の翌月以降に振り込まれた分は返納対象です。気付いた時点で自分から年金事務所に申し出れば返納で収まることが多く、一括が難しければ分割相談も可能です。
相続財産ではないため相続税ではなく、受け取った遺族の一時所得として所得税の対象です。50万円の特別控除があるため通常は課税されませんが、他に一時所得がある年は注意が必要です。
日本年金機構にマイナンバーが収録されていれば受給権者死亡届は原則不要です。ただし収録漏れの場合は年金が振り込まれ続けるため、翌月の通帳で入金停止を必ず確認してください。
年金証書、死亡の記載がある戸籍または除籍謄本、請求者との身分関係が分かる戸籍、生計同一を示す書類、請求者名義の通帳です。別世帯なら生計同一関係に関する申立書も要ります。
同居のほか、別居でも生活費の仕送りや定期的な援助があれば認められます。住民票、送金記録、通院付添いの実態などが判断材料になり、別世帯の場合は申立書での立証が必要です。
返す必要はない。年金の支給は権利が消滅した月で終わる(厚生年金保険法36条1項)ので、1日に亡くなっても月末に亡くなっても、その月分は満額。後払いである以上、むしろ受け取っていない分が残る側だ。業界裏話ヒント:問題になるのは死亡の翌月以降の入金で、これは返納対象。通帳を開いて、入金が止まった月をメモしておくと後の交渉が早い
できる。未支給年金は相続財産ではなく、生計を同じくしていた遺族が自分の名で取得する固有の権利だ(厚生年金保険法37条、最判平成7.11.7)。協議の成立を待つ必要はなく、相続放棄した人でも受け取れる。業界裏話ヒント:同順位者が複数いても支払いは一人にまとめて行われる。誰が請求するかを先に家族で決めておかないと、振り込まれた後の分け方で二次紛争になる
増額はされない。繰下げによる増額は本人が繰下げ請求をして初めて発生するため、請求前に死亡すれば遺族が請求できるのは本来額の未支給分にとどまる(厚生年金保険法44条の3、37条)。業界裏話ヒント:待機中に大病が判明した時点で、本人が本来請求へ切り替える手がある。増額を捨てて確実性を取る判断であり、家族会議で話すべきなのはまさにここ(令和5年4月施行の特例的な繰下げみなし増額制度との関係は最新の取扱いをご確認ください)
老齢厚生年金は失権するが、要件を満たせば妻に遺族厚生年金が発生する(厚生年金保険法58条、60条)。額は原則として夫の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3で、妻自身の老齢厚生年金があれば併給調整が入り、単純な上乗せにはならない。業界裏話ヒント:世帯収入は夫の生前の半分近くまで落ちるのに、家賃や固定費は落ちない。遺族厚生年金は近年制度見直しが進んでいるため、最新の改正状況をご確認ください
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 死亡が引き起こす効果 | 45条:老齢厚生年金の受給権が消滅する | — |
| 権利の性質 | 一身専属的な受給権の終了、相続の対象外 | — |
| 請求する人と手続 | 請求不要、死亡届の提出により処理される(98条) | — |
| 時間の制約 | 死亡した月の分まで支給される(36条1項) | — |
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