夫、父母又は祖父母に対する遺族厚生年金は、受給権者が六十歳に達するまでの期間、その支給を停止する。
要点厚生年金保険法 65 条の 2 は、夫・父母・祖父母への遺族厚生年金を受給権者が 60 歳に達するまで支給停止と定める。夫が遺族基礎年金の受給権を有する間は停止されない。
Q · 妻を亡くした夫は、遺族厚生年金をすぐ受け取れますか?
55 歳以上でも、原則 60 歳まで支給は止まります
厚生年金保険法 65 条の 2 により、夫・父母・祖父母に対する遺族厚生年金は、受給権者が 60 歳に達するまで支給が停止されます。夫はそもそも死亡当時 55 歳以上でなければ受給権が立たないため(同法 59 条)、55 歳から 60 歳までの最大 5 年間が無給付期間になります。ただし夫が国民年金法の遺族基礎年金の受給権を有するときは、ただし書により停止されません。止まるのは支給であって受給権ではないため、裁定請求は死亡後すみやかに行い、5 年の時効(同法 92 条)で古い分が消えないようにする必要があります。
妻に先立たれた夫と、夫に先立たれた妻。同じ遺族厚生年金でも、最初の振込日が最大で五年違う。厚生年金保険法は夫・父母・祖父母について、死亡当時五十五歳以上でなければ遺族の資格すら認めず(五十九条)、その上で本条が、権利が発生していても六十歳になるまで支給を止める。実務で若年停止と呼ばれる仕組みである。あなたが五十六歳で妻を亡くしたなら、受給権者ではあるが四年間は一円も振り込まれない。ただし抜け道が一本ある。あなたが子を育てていて国民年金法の遺族基礎年金を受けられるときは、この停止が外れる。父子家庭にも遺族基礎年金が支給されるようになったことと連動した、ただし書の一行だ。ここを知らずに「どうせ出ない」と請求そのものをあきらめる人と、支給ゼロのうちに権利だけ確定させておく人とでは、後で数百万円の差がつく。
厚生年金保険法 65 条の 2 は、遺族厚生年金のいわゆる若年停止を定める規定である。夫、父母又は祖父母が受給権者である場合、その者が 60 歳に達するまでの期間は支給が停止される。受給権自体は消滅せず支給のみが止まる点に特徴があり、夫については国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有する間、この停止は適用されない。
厚生年金保険法 65 条の 2 により、夫・父母・祖父母への遺族厚生年金が受給権者 60 歳到達まで支給停止となる仕組みの実務上の呼び名です。受給権は残り、支給だけが止まります。
受け取れますが二段の条件があります。夫は被保険者等の死亡当時 55 歳以上であることが必要で(59 条)、受給権が立っても 60 歳まで支給停止です(65 条の 2)。
必要です。停止されるのは支給であり、受給権自体は発生しています。裁定請求を遅らせると、支給開始後に 5 年より前の分が時効で消滅します(92 条)。
受給権が認められても 60 歳に達するまでは支給停止です。夫と異なり、遺族基礎年金の受給権によるただし書の停止解除は父母・祖父母には適用されません。
年金給付を受ける権利は、支給すべき事由が生じた日から 5 年で時効消滅します(92 条)。停止期間中でも、死亡後すみやかに裁定請求を出しておくのが安全です。
遺族基礎年金は国民年金から子のある配偶者又は子へ、遺族厚生年金は厚生年金から一定範囲の遺族へ支給されます。65 条の 2 のただし書は前者の受給権を停止解除の鍵にしています。
最高裁平成 29 年 3 月 21 日判決は、地方公務員災害補償法の遺族補償年金における夫の年齢要件を合憲と判断しました。制度上の男女差は当面残る前提で資金計画を立てる必要があります。
60 歳到達により当然に解除され、支給は 60 歳に達した月の翌月分からとなります。停止されていた期間分が後から遡って支払われることはありません。
あなた自身の遺族厚生年金は立ちません。夫が受給権者になるには死亡当時五十五歳以上であることが要り(五十九条)、五十四歳ならそもそも本条の停止以前の話になります。ただし十八歳到達年度末までの子がいれば、子が遺族厚生年金の受給権者になり、父子家庭にも遺族基礎年金が支給されます。業界裏話ヒント:窓口では「あなたは対象外です」で説明が終わることがある。家計として受け取れるかどうかは子の分を自分から質問しないと出てこない。
ありません。中高齢寡婦加算(六十二条)は妻に限られた加算で、夫には適用されず、本条の停止期間中の厚生年金からの給付は原則ゼロです。業界裏話ヒント:この男女差は裁判でも争われており、最高裁平成二十九年三月二十一日判決は地方公務員災害補償法の遺族補償年金における夫の年齢要件を合憲としている。制度差はしばらく残る前提で、空白期間の資金計画を立てる方が現実的だ。
本条ただし書は、夫が国民年金法の遺族基礎年金の受給権を有するときに限って停止を外すものです。子が十八歳到達年度末を越えて遺族基礎年金の受給権が消えれば、その翌月からあなたが六十歳になるまで停止に戻ります。業界裏話ヒント:この再停止は通知一枚で来る。子の高校卒業と同じ年度に住宅ローンや学費の山が重なる家庭が多く、支給が切れる月を先にカレンダーへ書き込んでおくかどうかで、その年の資金繰りが変わる。
本条の停止が解けるのは六十歳到達の翌月分からで、六十五歳までは遺族厚生年金を受けられます。ただし六十五歳以降は自分の老齢厚生年金が優先して支給され、遺族厚生年金はその差額部分に縮みます。業界裏話ヒント:六十歳から六十五歳までの五年間が実質的な受給の山で、六十五歳で手取りは増えない設計になっている。この段差を知らずに退職時期や繰下げを決めると、想定と数十万円単位でずれる。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 65 条の 2:受給権はあるが 60 歳まで支給を止める(若年停止) | — |
| 効果が及ぶ対象 | 夫・父母・祖父母(妻には適用なし) | — |
| 権利への影響 | 受給権は存続し、支給のみ停止(遡及支給なし) | — |
| 例外・解除の道 | 夫が遺族基礎年金の受給権を有する間はただし書で停止しない | — |
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