厚生年金保険法 第65条
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第六十二条第一項の規定によりその額が加算された遺族厚生年金は、その受給権者である妻が当該被保険者又は被保険者であつた者の死亡について国民年金法による遺族基礎年金の支給を受けることができるときは、その間、同項の規定により加算する額に相当する部分の支給を停止する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第65条は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第65条の条文原文は「第六十二条第一項の規定によりその額が加算された遺族厚生年金は、その受給権者である妻が当該被保険者又は被保険者であつた者の死亡について国民年金法による遺族基礎年金…」で始まります。
- 厚生年金保険法第65条は第四節に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第65条の前の条は厚生年金保険法第64条の2です。
- 厚生年金保険法第65条の次の条は厚生年金保険法第65条の2です。
- 厚生年金保険法第65条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
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- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第65条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第65条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/65
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法65条は、妻が遺族基礎年金の支給を受けることができる間、遺族厚生年金の中高齢寡婦加算部分の支給を停止すると定める規定である。
Q · 遺族基礎年金をもらっている間、中高齢寡婦加算は止まるんですか?
止まります。請求前でも受給権があれば停止されます
厚生年金保険法65条により、妻が同一の死亡について遺族基礎年金の支給を受けることができる間は、遺族厚生年金に加算された中高齢寡婦加算(同法62条1項)に相当する部分の支給が停止されます。条文は「支給を受けているとき」ではなく「支給を受けることができるとき」と規定しているため、請求書を提出していなくても受給権が発生していれば停止事由に当たると解されています。末子が18歳到達年度末を過ぎて遺族基礎年金が失権すれば、加算は自動的に復活します。
解説
夫を亡くした妻の遺族厚生年金には、中高齢寡婦加算という上乗せがある(厚生年金保険法62条1項)。年額およそ62万円(令和7年度、最新の改正状況をご確認ください)。本条は、その上乗せを一時的に凍結する装置である。凍結の条件は「妻が遺族基礎年金の支給を受けることができるとき」。ここで多くの人が読み違える。条文は「受けているとき」ではなく「受けることができるとき」と書いてある。あなたが遺族基礎年金の請求書をまだ出していなくても、受給権さえ発生していれば加算側は止まる。請求を後回しにした妻は、基礎年金ももらえず、上乗せも止められ、二重に取り逃がす。そして末子が18歳到達年度末を過ぎて遺族基礎年金が消えた瞬間、凍結は解け、加算が復活する。あなたの世帯収入は、子の高校卒業という一つの日付を境に、上下二段で動く。
法的な位置づけ
厚生年金保険法65条は、遺族厚生年金に付される中高齢寡婦加算(同法62条1項)の支給停止を定める規定である。受給権者である妻が、当該被保険者等の死亡について国民年金法による遺族基礎年金の支給を受けることができる期間中は、加算額に相当する部分の支給が停止される。加算の受給権自体は消滅せず、停止事由が消滅した時点で加算は復活する。
よくある質問 AI による整理
Q1中高齢寡婦加算はいつ止まりますか?
妻が同一の死亡について遺族基礎年金の支給を受けることができる期間中は、厚生年金保険法65条により加算部分の支給が停止されます。停止は自動的に行われ、申請は不要です。
Q2中高齢寡婦加算 復活 いつ?
末子が18歳到達年度末(3月31日)を過ぎるなどして遺族基礎年金が失権した時点で停止事由が消滅し、加算が復活します。妻が65歳に達するまでが原則の支給期間です。
Q3遺族基礎年金と中高齢寡婦加算は両方もらえますか?
同時には受け取れません。厚生年金保険法65条が加算部分を停止するため、子の養育期間中は遺族基礎年金(子の加算込み)、失権後は中高齢寡婦加算という二段構成になります。
Q4「支給を受けることができるとき」とはどういう意味ですか?
現に受給しているかではなく、受給権が発生している状態を指すと解されています。請求書を出していなくても要件を満たしていれば加算は停止されます。
Q5遺族基礎年金を遡って請求したらどうなりますか?
遡及期間について遺族基礎年金が支給される一方、同期間の中高齢寡婦加算は停止事由に該当していたとして過払い返納の対象になります。純増額を試算してから請求時期を決めてください。
Q6中高齢寡婦加算 支給停止 なぜ?
遺族基礎年金と中高齢寡婦加算はいずれも遺族の生活保障を目的とするため、重複支給を避ける趣旨です。給付を廃止せず、基礎年金が働く期間だけ眠らせる時間差調整の仕組みです。
Q7支給停止の通知に納得できない場合はどうすればいいですか?
社会保険審査官への審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内、社会保険審査会への再審査請求は決定書謄本送付の翌日から2か月以内です。まず停止事由と対象期間を照合してください。
Q8夫が亡くなった場合、男性にも同じ加算はありますか?
中高齢寡婦加算は「妻」に限定された給付で、夫には対応する加算がありません。令和7年(2025年)成立の年金制度改正で男女差の是正が決定しており、施行時期は最新情報の確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1子どもが高校を卒業したら、年金って増えるんですか、減るんですか?
減る世帯がほとんどである。遺族基礎年金(本体+子の加算)が失権し、代わりに中高齢寡婦加算が本条の停止から解ける。子1人なら年45万円前後の減収になる。実務のポイント:切替は原則として職権処理だが、住民票や学籍の情報が届くまで数か月ずれて過払いや未払いが生じる例がある。3月と4月の支給額は必ず自分で検算する
Q2遺族基礎年金の請求をまだ出していません。その間は上乗せの加算がもらえますよね?
もらえない。条文は「支給を受けることができるとき」と書いており、実務上は受給権があれば請求前でも停止事由に当たると解されている。請求の遅れは基礎年金の入金遅れに加え、加算まで空白にする。実務のポイント:後から5年分をさかのぼって請求すると、同期間の加算が過払いとして返納対象になる。純増額は思ったより小さい
Q3夫が亡くなったとき私は39歳で、子どももいません。この加算は一生もらえないんですか?
原則としてもらえない。中高齢寡婦加算は夫の死亡当時40歳以上65歳未満の妻、または40歳到達時に遺族基礎年金の対象となる子がいた妻に限られる(厚生年金保険法62条1項)。実務のポイント:この加算は「妻」限定で、夫には制度が用意されていない。令和7年(2025年)成立の年金制度改正で遺族厚生年金の男女差是正と中高齢寡婦加算の段階的見直しが決まっており、施行時期と経過措置は最新の改正状況をご確認いただきたい
間違えやすい点 AI による整理
- 「加算が止められた=損をしている」と怒る人が多いが、問いの立て方が誤っている。止まっている期間は、より大きな遺族基礎年金(子の加算込み)が出ている。本当に問うべきは「止まっている間の損」ではなく「凍結が解けたあと、世帯の年金がいくら減るのか」である
- 「子が18歳になると遺族基礎年金が終わる」ことは、たいていの遺族が知っている。知られていないのはその深刻度だ。復活する中高齢寡婦加算は失われる基礎年金より小さく、子1人世帯で年45万円前後、子2人世帯なら年70万円近く落ちる。しかも65歳でもう一度、老齢基礎年金への切替という第二の段差が来る
- 「請求していないのだから止まりようがない」と考えるのは危険である。条文の文言は「支給を受けることができるとき」。実務上、受給権が発生していれば請求前でも停止事由に当たると解されている。請求の遅れは、基礎年金の入金が遅れるだけでなく、その間の上乗せまで消す
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 厚年法65条:加算部分の支給停止(スイッチを切る) | 厚年法62条1項:中高齢寡婦加算の本体(給付を作る) 厚年法63条:再婚等による失権(権利そのものを消す) |
| 効果の可逆性 | 可逆。停止事由が消滅すれば加算は自動的に復活する | 加算の受給権を発生させる規定で、要件は死亡時または40歳到達時に固定 不可逆。失権すると再婚解消後も遺族厚生年金は戻らない |
| トリガーとなる事実 | 妻が遺族基礎年金の支給を受けることができる状態にあること | 夫の死亡当時40歳以上65歳未満、または40歳到達時に対象となる子がいたこと 再婚(事実上の婚姻関係を含む)、養子縁組、死亡等 |
| 受給者側の手続 | 原則として職権処理。ただし支給額の検算は自衛手段として必要 | 遺族厚生年金の請求に伴い自動的に判定される 届出義務あり。届出漏れは過払い返納につながる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾には妻の年齢に着目した「中高齢寡婦加算」に相当する上乗せは存在せず、遺属年金は配偶者の年齢・障害・子の養育の有無で受給資格を切り分ける。複数給付の競合は択一請領による調整で、日本のような期間限定の支給停止+自動復活という時間差設計は採用していない。
韓国も重複給付の調整規定を持つが、遺族年金は単一の給付として設計され、日本のような基礎年金と厚生年金の二階建てに伴う加算停止という構造を持たない。調整は給付間の択一または減額割合による。
ドイツは子の養育の有無で große Witwenrente と kleine Witwenrente を区分し、給付の大小そのもので調整する。日本のように別給付を停止・復活させるのではなく、単一給付の類型を切り替える方式である点が対照的。
米国では末子が一定年齢に達すると mother's/father's benefit が終了し、widow's benefit の受給開始年齢(原則60歳)まで給付が完全に途切れる「widow's gap」が生じる。日本の65条は加算を復活させることでこの空白を部分的に埋めている点で保障の連続性が高い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 末子が来年3月に高校を卒業する。4月から年金はいくらになる? 遺族基礎年金(子1人加算込みで年約107万円)が消え、代わりに中高齢寡婦加算(年約62万円)が動き出す。差し引きで年45万円ほど減る。残り時間は8か月、家計の組み替えを始めるならこの秋が最後の余裕である
- 夫が急死したとき、妻は38歳、子はいなかった。中高齢寡婦加算は生涯届かない。40歳の壁は、あと2年先だった
- 友人から「加算が止まった、年金事務所の手違いでは」と電話で相談された。あなたは本条を思い出し、遺族基礎年金の受給権があるかを先に聞く。手違いではなく、法律が設計どおりに働いた結果だと三分で説明できる
- 遺族基礎年金を5年分さかのぼって請求したところ、数か月後に「中高齢寡婦加算の過払分を返納せよ」という通知が届いた。もらえる額が増えたはずが、片方は返す。制度上は正しい処理であり、返納額を織り込んだうえで請求時期を決める必要があった
取るべき行動
被害を受けた側:1. 夫の死亡後、遺族厚生年金と遺族基礎年金を同時に請求する。基礎年金の請求を先送りしても加算は止まるため、待つ利益はない2. 末子の生年月日から18歳到達年度末(3月31日)を割り出し、その日を家計カレンダーに記入3. 妻の40歳到達日に遺族基礎年金の受給権があったかを確認、これが加算の有無を分ける(厚生年金保険法62条1項) 4. 切替の3か月から6か月前に年金事務所で見込額を試算し、減収幅を確定させる
訴えられた側:過払分の返納通知や加算の支給停止処分を受けた側の手順。1. 通知書の停止事由と対象期間を確認、遺族基礎年金の受給権発生日と一致しているかを照合2. 一致しないなら、決定に対して社会保険審査官へ審査請求3. 一致していても返納は分割納付の相談ができる、一括で払える額かどうかで先に窓口へ4. 遡及請求と返納が同時に走る場合は、純増額の計算書を作らせてから納付方法を決める
時効(請求できる期限):年金給付を受ける権利は支払期月の翌月初日から5年で時効消滅する(厚生年金保険法92条1項、国民年金法102条1項)。処分に不服がある場合、社会保険審査官への審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内、社会保険審査会への再審査請求は決定書の謄本が送付された日の翌日から2か月以内
学説
通説:本条の「支給を受けることができるとき」は、現実の受給ではなく受給権の発生を基準とすると解されている。請求手続の遅速という受給者側の事情で停止の有無が変動すると、請求を遅らせるほど加算を余分に受けられるという不均衡が生じるため、併給調整の趣旨から受給権基準で判断される。
改正沿革 AI による整理
- 昭和60年(1985年)年金制度改正 基礎年金制度の導入に伴い、遺族厚生年金と遺族基礎年金の二階建て構造が成立し、両者の重複を調整する規律が整備された。中高齢寡婦加算と遺族基礎年金の関係も、この改正の枠組みの中に位置づけられている。個別条番号の改正経緯は人的検証を要する
- 令和7年(2025年)年金制度改正 遺族厚生年金における男女差の是正と、中高齢寡婦加算の段階的な見直しが決定された。加算そのものの射程が将来的に縮むため、本条の停止規律が及ぶ範囲も変動する見込みである。施行時期および経過措置の詳細は最新の改正状況を要確認
改正の年表
- 1.昭和60年(1985年) 改正:基礎年金制度の導入により遺族厚生年金と遺族基礎年金の二階建て構造が成立し、両者の重複を調整する規律が整備された。中高齢寡婦加算と遺族基礎年金の関係もこの枠組みの中に位置づけられている。個別条番号の改正経緯は人的検証を要する。
- 2.令和7年(2025年) 改正:遺族厚生年金における男女差の是正と中高齢寡婦加算の段階的見直しが決定された。加算そのものの射程が将来的に縮小するため、本条の停止規律が及ぶ範囲も変動する見込み。施行時期および経過措置の詳細は最新の改正状況を要確認。
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