要点厚生年金保険法66条は、配偶者が遺族厚生年金の受給権を有する期間、子に対する遺族厚生年金の支給を停止すると定める。止まるのは支給だけで、子の受給権は失われない。
Q · 夫が亡くなって妻と子の両方に遺族厚生年金の権利があるのに、なぜ子の分が振り込まれないんですか?
配偶者が受給権を持つ間、子の分は止まります。権利自体は残ります。
厚生年金保険法66条1項により、子に対する遺族厚生年金は、配偶者が遺族厚生年金の受給権を有する期間、その支給を停止されます。停止されるのは支給であって受給権ではないため、配偶者が再婚などで失権すれば(同法63条)、止まっていた子の分が動き出します。逆に、配偶者が遺族基礎年金の受給権を持たず子だけが持つ場合は、2項により配偶者側の支給が止まります。総額が増減するのではなく、支給の宛先が切り替わる規定です。
遺族厚生年金は、配偶者と子が同時に受給権を持つ。ところが口座に振り込まれるのは片方だけである。66条1項は、配偶者が受給権を持っている間、子の分の支給を止めると定める。ここで決定的なのは、止まるのは「支給」であって「受給権」ではないという点だ。子の権利は消えていない、引き出しの中で眠っているだけである。だから配偶者が再婚などで失権すれば、眠っていた子の遺族厚生年金が動き出す。2項は逆向きに働く。配偶者に遺族基礎年金の受給権がなく、子にだけそれがあるとき、今度は配偶者側が止まる。つまりこの一条は、金額を決める条文ではなく、同じ一本の年金の宛先を書き換える条文である。総額は増えない。誰の口座に入るかだけが動く。
厚生年金保険法第66条は、遺族厚生年金の受給権が配偶者と子に併存する場合の支給調整を定める規定である。1項は配偶者が受給権を有する期間、子に対する遺族厚生年金の支給を停止し、2項は配偶者が遺族基礎年金の受給権を有せず子が有するとき、配偶者に対する遺族厚生年金の支給を停止する。いずれも受給権を消滅させる失権ではなく、支給の一時的な停止である。
AI 輔助整理,以條文原文為準
受給権を残したまま支払いだけを止める扱いです。厚生年金保険法66条は、配偶者と子の双方に受給権がある場合に一方の支給を止め、給付が二重に出ることを防いでいます。
停止事由が消えた時点です。配偶者が再婚などで失権した場合(同法63条)、配偶者側の支給が65条・66条2項・67条で停止された場合に、66条1項ただし書が働き子への支給が動き出します。
支給停止の処分には決定通知書が出ます。根拠条文が66条2項なのか他の停止規定なのかを通知書で必ず特定してください。理由が分からないまま放置すると、争う期間が過ぎてしまいます。
中高齢寡婦加算は遺族厚生年金に加算される給付のため、本体の支給が66条2項で停止されれば加算部分も支給されません。振込額の内訳を通知書で確認することが必要です。
元配偶者に受給権はありませんが、死亡当時に生計を維持されていた子には受給権が生じうる。配偶者がいない以上66条1項で止める相手方がなく、支給は子へ向かいます。養育費の送金記録が証拠になります。
年金を受ける権利は、支給すべき事由が生じた日から5年で時効消滅します(同法92条1項)。支給停止の解除を争う前に、請求書だけは先に提出しておくのが安全です。
継父母は直系姻族にあたるため、母の再婚相手との養子縁組それ自体で子が当然に失権するわけではありません。直系血族・直系姻族以外の者の養子となった場合は失権事由になります。
必要です。停止中も子は受給権者であり続けるため、住所や生計関係の変更は届け出る義務が残ります。怠ると解除できたはずの月が流れ、遡及できる範囲も5年の時効で削られます。
逆です。配偶者は再婚により受給権を失うため(厚生年金保険法63条)、66条1項の停止事由が消え、子の遺族厚生年金が支給される方向へ動きます。子が再婚相手と養子縁組をしても、継父母は直系姻族にあたるためそれ自体で失権するわけではない。業界裏話ヒント:再婚と養子縁組は同時に進めがちだが、遺族基礎年金の側は国民年金法の別ルールで動く。二階建ての一階と二階を分けて確認しないと、想定と違う金額になる
もらえないのは「今」だけで、権利そのものは残っています。66条は支給を止める規定であり、権利を消す失権(同法63条)とは別物。停止事由が消えれば支給は再開します。業界裏話ヒント:停止中でも子は受給権者なので、住所や生計関係が変わったときの届出義務は続く。届出を怠ると再開できたはずの月が流れ、遡って受け取れる範囲も5年の時効(同法92条)で削られていく
所在が一年以上明らかでないときは、67条により子の側からの申請で配偶者の遺族厚生年金の支給を停止できます。停止されれば66条1項ただし書が働き、子の遺族厚生年金が動き出す。業界裏話ヒント:これは申請しない限り誰も動かしません。年金事務所は家庭の内情を知らないので、警察への行方不明者届の受理番号など、所在不明を裏づける資料を自分で揃えて持ち込む必要がある
遺族厚生年金は死亡した人の報酬比例部分の4分の3という一本の給付で、配偶者と子に二重には出ません。66条はどちらに支給するかを切り替える規定です。業界裏話ヒント:試算した金額が合わないと感じたら、まず遺族基礎年金(国民年金法)と遺族厚生年金のどちらの話をしているかを切り分ける。この切り分けをしないまま足し算した金額は、ほぼ確実にずれる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 権利がどうなるか | 厚年法66条:受給権は残り、支給だけが止まる | — |
| 発動の引き金 | 配偶者と子の受給権併存、または配偶者に遺族基礎年金の受給権がなく子にあること | — |
| 元に戻るか | 停止事由が消えれば支給再開 | — |
| 誰が動く必要があるか | 職権で調整されるが、家族関係の変動は届出が前提 | — |
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