第九十条第一項に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する社会保険審査官の決定を経た後でなければ、提起することができない。
要点厚生年金保険法91条の3は、同法90条1項の処分の取消訴訟は社会保険審査官の決定を経た後でなければ提起できないと定める。前置を欠いた訴えは審理されず却下される。
Q · 年金の不支給通知に納得できないとき、すぐに裁判を起こせますか?
できません。先に社会保険審査官への審査請求が必要です
厚生年金保険法91条の3により、同法90条1項の処分(被保険者の資格・標準報酬・保険給付に関する処分)の取消訴訟は、社会保険審査官の決定を経た後でなければ提起できません。前置を欠いた訴えは中身を審理されないまま却下されます。ただし審査請求から2か月を経過しても決定がないときは棄却とみなして先へ進むことができ(同法90条2項)、審査請求から3か月を経過すれば決定を待たずに提訴する道もあります(行政事件訴訟法8条2項1号)。
障害厚生年金の不支給通知が届いた。納得できないから裁判所へ、と考えるのは自然だ。だがその訴状は中身を一度も見てもらえないまま却下される。厚生年金保険法91条の3は、被保険者の資格・標準報酬・保険給付に関する処分(同法90条1項)を裁判で取り消すには、まず社会保険審査官への審査請求を経て、その決定を受けた後でなければ訴えを起こせないと定めている。行政訴訟の原則は自由選択(行政事件訴訟法8条1項本文)だが、年金はその例外側に置かれている。ここで押さえるべきは二点。第一に、決定が出ないまま待たされ続けても手はある。審査請求から2か月以内に決定がなければ、棄却されたとみなして次へ進める(厚生年金保険法90条2項)。第二に、この扉が課されているのは90条1項の処分についてであり、通知の種類ごとに入口も期限も別々に走る。争う気があるかどうかより、どの順番で通るかが先に問われる。
厚生年金保険法91条の3は、審査請求前置主義を定める規定である。同法90条1項に規定する被保険者の資格、標準報酬または保険給付に関する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する社会保険審査官の決定を経た後でなければ提起することができない。行政事件訴訟法8条1項本文が定める自由選択主義に対する個別法上の例外に位置づけられる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
行政処分を裁判で争う前に、必ず行政の不服申立手続を経なければならない仕組みです。厚生年金保険法91条の3が年金処分についてこれを定めています。
社会保険審査官への審査請求です。地方厚生局に置かれた審査官宛てに審査請求書を提出します。ここを飛ばして提訴しても却下されます。
処分があったことを知った日の翌日から3か月以内です(社会保険審査官及び社会保険審査会法4条1項)。この期間を過ぎると取消訴訟の道も事実上閉じます。
審査請求から2か月を経過しても決定がないときは、棄却されたものとみなして次の手続へ進めます(厚生年金保険法90条2項)。待ち続ける義務はありません。
必要ありません。平成26年(2014年)改正で二重前置は解消され、社会保険審査官の決定を経れば取消訴訟を提起できます。再審査請求は任意の選択肢です。
訴訟要件を欠くとして、請求の中身を審理されないまま却下されます。診断書や証拠をどれだけ積み上げても、判断の入口に立てません。
決定があったことを知った日から6か月、決定の日から1年です(行政事件訴訟法14条1項・2項・3項)。決定書の受領日を必ず記録してください。
対象です。保険給付に関する処分は同法90条1項に含まれるため、取消訴訟の前に社会保険審査官への審査請求を経る必要があります。
書式自体は簡素で本人でも出せる。ただし91条の3が要求するのは「経ること」だけだが、実際に効いてくるのはそこで作られる記録の中身であり、決定書の事実認定が訴訟の出発点になる。業界裏話ヒント:社会保険労務士は審査請求の代理はできるが、取消訴訟の代理はできない(弁護士の領域)。訴訟まで見据えるなら、審査請求の段階から両者を組ませ、資料を最初から法廷仕様で作るのが唯一の近道だ
91条の3が明文で前置を課しているのは90条1項の処分、つまり被保険者の資格・標準報酬・保険給付に関する処分である。保険料その他の徴収金に関する処分は社会保険審査会への審査請求の対象とされており(厚生年金保険法90条4項)、扱う機関も手続も別系統になる。業界裏話ヒント:同じ調査から資格の遡及認定と保険料の賦課が同時に届くことがあり、片方の手続に集中している間にもう片方の期限が静かに切れる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 厚年法91条の3:取消訴訟の前に審査請求を経ることを義務づける(前置) | — |
| 対象となる処分 | 90条1項の処分(被保険者の資格・標準報酬・保険給付) | — |
| 手続が止まったときの出口 | 決定を経ることが要件。決定なしでは原則として提訴できない | — |
| 実務上の落とし穴 | 前置を欠く訴えは中身を審理されず却下される | — |
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