自衛隊法 第91条の2(警護出動時の権限)
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- 警察官職務執行法第二条、第四条並びに第六条第一項、第三項及び第四項の規定は、警察官がその場にいない場合に限り、第八十一条の二第一項の規定により出動を命ぜられた部隊等の自衛官の職務の執行について準用する。この場合において、同法第四条第二項中「公安委員会」とあるのは、「防衛大臣の指定する者」と読み替えるものとする。
- 2.警察官職務執行法第五条及び第七条の規定は、第八十一条の二第一項の規定により出動を命ぜられた部隊等の自衛官の職務の執行について準用する。
- 3.前項において準用する警察官職務執行法第七条の規定により武器を使用する場合のほか、第八十一条の二第一項の規定により出動を命ぜられた部隊等の自衛官は、職務上警護する施設が大規模な破壊に至るおそれのある侵害を受ける明白な危険があり、武器を使用するほか、他にこれを排除する適当な手段がないと認める相当の理由があるときは、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる。
- 4.第一項及び第二項において準用する警察官職務執行法の規定による権限並びに前項の権限は、第八十一条の二第二項の規定により指定された施設又は施設及び区域の警護のためやむを得ない必要があるときは、その必要な限度において、当該施設又は施設及び区域の外部においても行使することができる。
- 5.第八十九条第二項の規定は、第二項において準用する警察官職務執行法第七条又は第三項の規定により自衛官が武器を使用する場合について準用する。
この条文の基本情報
警護出動時の権限とは何ですか?
定義警護出動時の権限とは、自衛隊法第91条の2に定められた規定で、「警察官職務執行法第二条、第四条並びに第六条第一項、第三項及び第四項の規定は、警察官がその場にいない場合に限り、第八十一条の二第一項の規定により出動を命ぜられた部…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 自衛隊法第91条の2(警護出動時の権限)は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
- 自衛隊法第91条の2の条文原文は「警察官職務執行法第二条、第四条並びに第六条第一項、第三項及び第四項の規定は、警察官がその場にいない場合に限り、第八十一条の二第一項の規定により出動を命ぜられた部…」で始まります。
- 自衛隊法第91条の2は第七章 自衛隊の権限に置かれています。
- 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
- 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 自衛隊法第91条の2の前の条は自衛隊法第91条です。
- 自衛隊法第91条の2の次の条は自衛隊法第91条の3です。
- 自衛隊法第91条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第91条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165 - 本サイト収録
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第91条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/91_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点自衛隊法91条の2は、警護出動中の自衛官に警察官職務執行法の職務質問等を準用する規定。質問・避難・立入りは警察官不在時に限られ、大規模破壊の危険には独自の武器使用も認める。
Q · 警護出動中の自衛官に職務質問されたら、答えないといけないの?
答える義務はなく、警察官がいれば質問権限もない
自衛隊法91条の2第1項は、警察官職務執行法2条(職務質問)を警護出動中の自衛官に準用しますが、「警察官がその場にいない場合に限り」とされています。準用される同法2条3項により、刑事訴訟法の手続によらずに身柄を拘束されたり答弁を強要されたりすることはありません。質問はあくまで任意です。一方、犯罪の制止(同法5条)と武器使用(同法7条)は、警察官がいても自衛官が使える点に注意が必要です。
解説
基地のフェンス沿いを歩いていて、迷彩服の自衛官に「ちょっといいですか」と呼び止められる。普段なら、自衛官に職務質問(不審な人を呼び止めて行き先や所持品を尋ねること)をする権限はない。ところが内閣総理大臣が「警護出動」(自衛隊法81条の2。テロのおそれがあるとき、自衛隊施設や在日米軍施設を守るために部隊を出す命令)を出すと、そこから話が変わる。本条は、警察官職務執行法の職務質問・避難措置・立入りを自衛官にも使わせるが、使えるのは「警察官がその場にいない場合に限り」である。一方、犯罪の制止(5条)と武器使用(7条)は、警察官がいても使える。さらに第3項は、施設が「大規模な破壊」に至る明白な危険があるとき、警察官には認められていない独自の武器使用まで認めている。知っておくべき線はこうだ。職務質問はあくまで任意であり、警察官が到着したら自衛官の質問権限は消える。そして、どの施設を守るかは事前に指定される(81条の2第2項)。自衛官の権限は、その指定の範囲と、警護のためにやむを得ない限度でしか広がらない
法的な位置づけ
自衛隊法第91条の2は、同法81条の2に基づき警護出動を命じられた部隊等の自衛官について、警察官職務執行法の職務質問・避難等の措置・立入り(警察官不在時に限る)、犯罪の制止および武器使用の規定を準用し、警護施設の大規模破壊のおそれに対する独自の武器使用権限と、指定施設外部での権限行使を定める規定である。
手順
- 1.警察官がその場にいるか確認する 自衛官に呼び止められたら、最初に「警察官はいますか」と確認する。警察官がいる場合、職務質問・避難措置・立入りの権限は自衛官には準用されない
- 2.権限の根拠を尋ねて記録する 所持品の提示や移動を求められたら、警護出動中か、どの施設の警護か、どの規定に基づくかを尋ね、時刻・場所・部隊名・応答内容をメモやスマートフォンで記録する
- 3.制止には無理に抵抗しない 犯罪の制止(警職法5条の準用)は警察官がいても自衛官が行使できる。物理的に突破しようとすると公務執行妨害罪を問われるおそれがあるため、その場では従い、後で適法性を争う
- 4.損害が出たら当日中に証拠を固め弁護士に相談 負傷や物損が生じた場合、現場写真、負傷の診断書、警察官の有無、指定施設との距離を当日中に記録し、国家賠償に詳しい弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1警護出動とは何ですか?
テロ等のおそれがあるとき、内閣総理大臣の命令で自衛隊施設や在日米軍の施設・区域を警護するために部隊を出動させる制度です(自衛隊法81条の2)。
Q2警護出動中の自衛官は立入りできる?
警察官がその場にいない場合に限り、警職法6条1項の立入りが準用されます。危険な事態が発生し、生命・身体・財産への危害が切迫していることが前提です。
Q3自衛官の武器使用はいつ認められる?
警職法7条の要件を満たす場合に加え、警護施設が大規模な破壊に至るおそれのある明白な危険があり、他に適当な手段がないときも認められます(91条の2第3項)。
Q4自衛官の武器使用に命令は必要ですか?
第5項が89条2項を準用するため、正当防衛・緊急避難に当たる場合を除き、部隊指揮官の命令によらなければ武器を使用できません。
Q5自衛官の避難命令に従う義務はある?
警職法4条の避難等の措置は天災や危険物の爆発など、生命・身体に危険が及ぶ事態が前提です。警察官がいない場合に限り自衛官にも準用されます。
Q6自衛官による犯罪の制止は違法?
違法ではありません。警職法5条の制止は第2項で準用され、警察官がその場にいても警護出動中の自衛官が行使できます。
Q7警護出動はいつから始まった制度?
2001年の米同時多発テロを受けた自衛隊法改正で、81条の2の警護出動とあわせて本条が設けられました。その後の改正内容は e-Gov で確認が必要です。
Q8自衛官の違法な権限行使で損害を受けたら?
国家賠償法1条に基づき国に賠償を請求します。個々の自衛官ではなく国が相手方です。時効は民法の不法行為の規定によります(国賠法4条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1自衛官に職務質問されたら、答えなきゃダメなんですか?
答える義務はない。本条で準用される警察官職務執行法2条3項により、刑事訴訟法の手続によらずに身柄を拘束されたり、答弁を強要されたりすることはない。しかも自衛官が質問できるのは、警護出動中で、警察官がその場にいない場合に限られる。実務のポイント:警職法の準用は条文の組み合わせが複雑で、現場の隊員でも前提条件を即答できないことがある。落ち着いて根拠を尋ねるだけで、対応が慎重になることが多い
Q2基地の外にいても、自衛官に止められることってあるんですか?
ありうる。第4項により、指定された施設の警護のためにやむを得ない必要があれば、施設の外でも権限を使える。ただし「必要な限度」に限られる。実務のポイント:どこまでが「外部」として許されるかに距離の数値基準はなく、指定施設との関連性で判断される。施設と無関係の場所での権限行使は、違法性を争う余地が大きい
間違えやすい点 AI による整理
- 自衛官は武装しているから、警察官より強い権限を持つと思われがちだ。実際は逆で、警護出動中でも職務質問・避難措置・立入りは、警察官がその場にいない場合の補完としてしか使えない。現場に警察官が来た瞬間、この三つの権限は警察に戻る
- 武器使用の要件が警察官と同じなのは知っていても、第3項の上乗せの重さまでは知らない人が多い。警察官職務執行法7条とは別に、施設が大規模に破壊されるおそれという要件だけで武器使用が認められる。しかも7条ただし書のような「人に危害を与えてよい場合」の明文の限定がなく、どこまで危害が許されるかは解釈に委ねられている
- 「自衛隊が出てきたら、いつでもどこでも止められる」という前提そのものが誤っている。警護出動は、総理大臣の命令と、あらかじめ指定された施設・期間があって初めて成立する。自衛官が権限を持つのは、指定された場所を守るためにやむを得ない場合に限られる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動の前提 | 91条の2:警護出動(81条の2)の命令 | 89条:治安出動(78条・81条)の命令 90条:治安出動時の武器使用の特則 |
| 職務質問・立入り | 警察官がその場にいない場合に限り準用 | 警職法を全体として準用(警察官不在の限定なし) 規定なし(武器使用の上乗せのみ) |
| 警職法7条を超える武器使用 | 警護施設が大規模破壊に至るおそれのある明白な危険(第3項) | なし(警職法7条の範囲) 警護対象への暴行・侵害、多衆による暴行、武装した者の抵抗など |
| 武器使用の統制 | 89条2項を準用し部隊指揮官の命令による(第5項) | 部隊指揮官の命令による(89条2項) 89条2項の枠組みの下で行使 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の武器使用要件の基本法。軍による施設警護時の権限を警察法制の準用で定める日本型の設計に直接対応する規定は要確認
国家重要施設の防護で軍・警察・自治体の統合体制を定める。軍に検問等の権限を認める点で比較対象になる
連邦軍兵士による軍事施設警護時の直接強制・武器使用を定める専用法。警察法の準用でなく独立法とした点が日本と異なる
軍の国内法執行を原則禁止する。軍事施設の保護は別規定で認められ、軍と警察の分離という問題意識は日本と共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 在日米軍基地の近くで取材中、警護出動中の自衛官に職務質問され、カメラの中身を見せろと言われた。そのとき警察官はその場にいたか。もしいたなら、自衛官の職務質問権限はそもそも発生していない。いなかったとしても、応じるかどうかはあなたが決められる
- もし基地のゲート前の抗議行動の最中に、部隊が「危険だから下がれ」と避難措置を命じてきたら、どうなる? 警察官職務執行法4条の避難等の措置は、天災や危険物の爆発など、人の生命・身体に危険が及ぶ事態が前提である。抗議そのものを理由にした退去命令とは、法的な根拠が別物だ
- あなたは自衛官で、警護出動の命令が下った。フェンスの外200メートルの駐車場で不審車両を見つけた。施設の外でも権限を使えるのは、指定施設の警護のために「やむを得ない必要」がある場合に限られる(第4項)。判断は数分でしなければならない
- 警護出動の期間中、施設の敷地に隣接する自宅の庭に、自衛官が「確認のため」と入ってきた。立入りの根拠になる警察官職務執行法6条1項は、危険な事態が発生して人の生命・身体・財産に危害が切迫している場合に限られる
- 武器使用で家族が負傷した。国家賠償の請求期限は、損害と加害者を知った時から原則3年、人の生命・身体の侵害なら5年である。武器使用の記録や命令系統の証拠は時間とともに散逸するので、動き出すなら今週中だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自衛官の立入り、制止、武器使用によって負傷や物損が生じたら、現場写真、時刻、部隊名、警察官がいたかどうかを当日中に記録する2. 警察官がいたのに自衛官が職務質問や立入りをした場合、準用の前提(警察官不在)を欠いていた可能性がある3. 損害賠償は国家賠償法1条に基づいて国に請求する。個々の自衛官ではなく国が相手になる4. 行政不服審査や国家賠償訴訟に詳しい弁護士に早めに相談する
訴えられた側:1. 職務質問には応じる義務がない。刑事訴訟法の手続によらない限り、身柄を拘束されたり、答弁を強要されたりすることはない(警察官職務執行法2条3項の準用) 2. 制止されたら無理に突破しない。制止そのものは警察官職務執行法5条に基づく適法な権限でありうる3. 所持品検査や連行を求められたら、その根拠を尋ね、応答を記録する4. 後で公務執行妨害罪(刑法95条)を問われたら、自衛官の権限行使の適法性(警護出動命令、指定区域、警察官の有無)を争点にする
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、国家賠償請求には民法の不法行為の時効が適用される(国家賠償法4条)。損害と加害者を知った時から3年、人の生命・身体の侵害なら5年、不法行為時から20年(民法724条、724条の2)
学説
通説的理解:本条は警察権の補完として自衛官に権限を与えるもので、職務質問等を警察官不在時に限定した点に、治安維持の主体を警察に置くという警察・自衛隊の役割分担が表れていると解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成13年(2001年) 米同時多発テロを受けた自衛隊法改正により、81条の2(警護出動)とあわせて本条が設けられたとされる。その後の改正の有無と内容は人の手で検証する必要がある
改正の年表
- 1.平成13年(2001年) 新設:米同時多発テロを受けた自衛隊法改正で、81条の2(警護出動)とあわせて設けられた。その後の改正の有無は e-Gov の改正履歴で要確認。
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