国民年金法 第129条(基金の給付の基準)
クイックジャンプ
- 基金が支給する年金は、少なくとも、当該基金の加入員であつた者が老齢基礎年金の受給権を取得したときには、その者に支給されるものでなければならない。
- 2.老齢基礎年金の受給権者に対し基金が支給する年金は、当該老齢基礎年金の受給権の消滅事由以外の事由によつて、その受給権を消滅させるものであつてはならない。
- 3.基金が支給する一時金は、少なくとも、当該基金の加入員又は加入員であつた者が死亡した場合において、その遺族が死亡一時金を受けたときには、その遺族に支給されるものでなければならない。
この条文の基本情報
基金の給付の基準とは何ですか?
定義基金の給付の基準とは、国民年金法第129条に定められた規定で、「基金が支給する年金は、少なくとも、当該基金の加入員であつた者が老齢基礎年金の受給権を取得したときには、その者に支給されるものでなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民年金法第129条(基金の給付の基準)は、日本の国民年金法に含まれる条文です。
- 国民年金法第129条の条文原文は「基金が支給する年金は、少なくとも、当該基金の加入員であつた者が老齢基礎年金の受給権を取得したときには、その者に支給されるものでなければならない。」で始まります。
- 国民年金法第129条は第五款に置かれています。
- 国民年金法の公布日は昭和34年4月16日です。
- 国民年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国民年金法第129条の前の条は国民年金法第128条の2です。
- 国民年金法第129条の次の条は国民年金法第130条です。
- 国民年金法第129条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第129条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141 - 本サイト収録
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第129条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000141/129
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民年金法129条は、国民年金基金が支給する年金の最低基準を定める。加入員であった者が老齢基礎年金の受給権を取得したときは支給が必要で、生じた受給権は老齢基礎年金の消滅事由以外では消せない。
Q · 国民年金基金を途中でやめたら、払った掛金は全部無駄になるんですか?
途中でやめても、65歳から年金は支給されます
掛金は返還されませんが、権利が消えるわけではありません。国民年金法129条1項は、基金の加入員であった者が老齢基礎年金の受給権を取得したときには、その者に年金を支給しなければならないと定めています。さらに2項は、いったん生じた受給権を老齢基礎年金の受給権の消滅事由以外の事由で消滅させることを禁じており、基金の財政悪化を理由とする支給打切り条項は規約に書けません。3項は、遺族が国の死亡一時金を受けた場合に基金からも一時金を支給すべきことを定めています。
解説
フリーランスや自営業で国民年金基金に入り、数年で掛金の払込みをやめた人は少なくない。そこで多くの人が同じ誤解をする。掛金は戻らないのだから、あの数年は捨てたのだと。129条1項はその逆を書いている。加入員であった者が老齢基礎年金の受給権を取得したときには、基金は必ずその者に年金を支給しなければならない。基金の規約がどう書かれていようと、この最低ラインは下回れない。2項はさらに踏み込む。いったん発生した受給権は、老齢基礎年金の受給権の消滅事由、つまり本人の死亡以外の理由では消滅させられない。財政が苦しいから支給を打ち切る、という規約は書けないということだ。3項は死亡の場面で、国の死亡一時金を受けた遺族には基金からも一時金が渡ることを保障する。あなたが手にしているのは、パンフレットの数字ではなく、規約より上位にある床板である。
法的な位置づけ
国民年金法129条は、国民年金基金が支給する年金および一時金について、基金の規約が下回ることのできない最低基準を定める規定である。加入員であった者が老齢基礎年金の受給権を取得したときの年金支給、受給権を消滅させうる事由の限定、遺族が死亡一時金を受けた場合の一時金支給という三つの最低ラインを法律上固定している。
手順
- 1.加入員証と規約で自分の給付の型を確定させる 加入員証、年金証書、基金の規約をそろえ、給付の型(終身年金か確定年金か)、口数、加入時期、予定利率を確認する。合併や解散を経ている場合は古い加入員証に当時の条件が残っているため捨てない
- 2.支給拒否・減額の根拠条項を書面で出させる 支給を断られた、または減額されたときは、その根拠となる規約条項を条番号まで特定して書面で明示するよう基金へ照会する。口頭の説明だけで引き下がらず、回答書面を残す
- 3.その条項が129条各項の最低基準を下回らないか照合する 加入員資格を失った者への給付を切り落とす条項は1項に、財政上の理由による支給停止・失権事由は2項に抵触する余地が大きい。遺族一時金は3項が最低ラインを定める。条文と規約を並べて逐条で照合する
- 4.死亡時は2年の起算点から逆算して先に請求を通す 遺族の立場では、国の死亡一時金の請求権は死亡日の翌日から2年で時効消滅する(国民年金法102条1項)。129条3項の最低保障はこの受給を前提とするため、葬儀・相続の手続と並行して先に年金側の請求に着手する
- 5.争いになる前に年金分野の専門家へ相談する 基金の給付をめぐる争いは手続の整理が実務上分かれている領域である。国民年金基金連合会、年金分野に強い弁護士または社会保険労務士へ、回答書面と規約を持参して早い段階で相談する
よくある質問 AI による整理
Q1国民年金基金とは何ですか?
第1号被保険者が老齢基礎年金に上乗せする年金を自分で用意する公的な制度です。掛金は口数単位で決め、給付の最低基準は国民年金法129条が定めています。
Q2国民年金基金の加入資格は?
国民年金の第1号被保険者であることが前提です。保険料の免除を受けている期間は加入員になれず、会社員になって第2号被保険者になれば資格を喪失します。
Q3国民年金基金の年金はいつからもらえますか?
129条1項は老齢基礎年金の受給権取得時を最低基準としており、原則65歳からです。給付の型と口数により支給開始や支給期間が異なるため加入員証で確認します。
Q4国民年金基金の減口とは何ですか?
2口目以降の口数を減らして掛金負担を下げる手続です。1口目の終身年金は外せませんが、全部やめる前に負担だけ調整する選択肢として残されています。
Q5国民年金基金の掛金は所得控除できますか?
社会保険料控除の対象となり、その年に納付した全額を所得から控除できます。控除証明書は確定申告時に必要となるため保管が必要です。
Q6国民年金基金の受給権は取り消されることがありますか?
129条2項が、老齢基礎年金の受給権の消滅事由以外の事由で受給権を消滅させることを禁じています。基金の財政を理由とする失権条項は規約に書けません。
Q7国民年金基金の遺族一時金は誰がもらえますか?
129条3項は、加入員または加入員であった者の死亡により遺族が国の死亡一時金を受けたときの一時金支給を最低基準としています。範囲は各基金の規約で拡張されている例が多くあります。
Q8付加年金と国民年金基金は併用できますか?
併用できません。国民年金基金の加入員は付加保険料を納付できず、1口目の終身年金に付加年金相当分が含まれる設計になっています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国民年金基金って、途中でやめたら払った分は返ってこないんですよね?
掛金は返りません。自己都合の任意脱退という制度自体がなく、資格喪失事由に該当したときに加入員でなくなるだけです。ただし納めた分に対応する年金の受給権は残り、老齢基礎年金の受給権を取得したときに支給されます(129条1項)。実務のポイント:加入は口数単位で、1口目の終身年金は外せませんが2口目以降は減口できます。「やめる」の手前に「減らす」という選択肢があることは、案内で強調されません
Q2自分の入っている基金がつぶれたら、年金はどうなるんですか?
解散した場合、残余財産は国民年金基金連合会へ移換され、支給は連合会から継続されます。129条2項は基金が自分の判断で受給権を消すことを禁じていますが、積立不足がある場合の給付水準の調整まで完全に防ぐものではありません。実務のポイント:2019年4月に地域型基金と多くの職能型基金が合併して全国国民年金基金が発足しています。合併や解散の局面では、加入時期ごとに条件が引き継がれるため、古い加入員証こそ捨ててはいけません
Q3iDeCo と国民年金基金、両方やってもいいんですか?
併用できますが、掛金は合算で月6万8000円が上限です(確定拠出年金法の政令で定める拠出限度額)。基金は終身で額が確定、iDeCo は運用結果次第という構造の違いがあります。実務のポイント:基金の予定利率は加入した時点のものが、その口数について一生固定されます。増口するタイミングがそのまま利率の固定タイミングになるという設計は、窓口から積極的に説明されません(最新の改正状況をご確認ください)
Q4父が基金に入ったまま亡くなりました。遺族には何か出ますか?
129条3項は、加入員または加入員であった者が死亡し、遺族が国の死亡一時金(国民年金法52条の2)を受けたときには、基金からも一時金を支給しなければならないという最低基準を定めています。実際の支給範囲は各基金の規約でこれより広く定められていることが多いです。実務のポイント:遺族基礎年金を受けられる遺族がいる場合、国の死亡一時金は支給されません。どちらの制度に乗るかで、基金側の一時金の扱いも変わってきます
間違えやすい点 AI による整理
- 途中でやめたら掛け捨てだと思っている人が多いが、掛金が戻らないことと、権利が消えることは別の話である。納めた分に対応する年金の受給権は残り、65歳から支給される(129条1項)。返金がない=ゼロになった、という等式が最初から成り立っていない
- 国民年金基金が終身年金を基本とすることは知られている。だが、その終身性が「基金の判断では止められない」という法的な担保を持っていることまで知る人は少ない。129条2項がなければ、財政悪化を理由とする支給停止条項を規約に書く余地が理屈の上では残ってしまう。制度を選ぶときに見るべきは利回りだけではない
- 「国民年金と国民年金基金、どちらに入るべきか」という問いの立て方そのものが誤っている。基金は老齢基礎年金の上乗せであり、第1号被保険者として国民年金の保険料を納めていることが加入の前提条件である。保険料の免除を受けている間は加入員になれない。二者択一ではなく、土台と二階の関係にある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 129条:基金の給付が下回ってはならない最低基準 | 128条:基金が行う業務の範囲(年金・一時金の支給義務) 127条:加入員資格の取得と喪失の要件 |
| 名宛人 | 規約を作る基金(設計の上限を画する) | 業務を執行する基金(できる業務の範囲) 加入しようとする者・加入員(資格の有無) |
| 規約で変更できるか | 上回る設計は可、下回る設計は不可 | 業務範囲は法定であり規約で拡張できない 資格要件は法定であり規約で緩和できない |
| 揉めたときの使い方 | 支給拒否・失権条項を無効と主張する根拠 | 基金が行う支給の根拠づけ いつ加入員でなくなったかの争点整理 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は自営業者等の老齢年金を國民年金法で直接規律し、退休金請求権については譲渡・差押え等を禁じて権利を保護する。日本のように上乗せ基金の給付最低基準を独立の条文で置く構造ではない
韓国は国民年金の給付種別を法律で列挙し、受給権の保護規定を置く。自営業者の上乗せは公的基金ではなく個人年金・退職年金制度が担う点で設計が異なる
ドイツは企業年金の期待権について不喪失性(Unverfallbarkeit)を法定し、途中退職者の権利を保護する。制度を離れても権利が残るという発想は129条1項と同型である
米国は最低ベスティング基準を連邦法で定め、一定期間の参加で権利が確定して失われないものとする。プラン側の裁量を法律の最低基準で縛る構造は129条と共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 28歳で開業し、月1万円の掛金を3年払った。33歳で会社員に転職して加入員資格を失う。掛金は1円も戻らないが、65歳になれば終身で年金が出る、それを129条1項が保障している
- もし、加入している基金が解散したらどうなる? 残余財産は国民年金基金連合会へ移換され、支給は連合会から継続される。129条2項は基金の一存で受給権を消すことを禁じているが、積立不足に伴う給付水準の調整まで完全に封じる設計ではない。解散や合併の報せを受け取ったら、まず自分の給付の型と口数、加入時期を確認するのが先である
- 父が亡くなり、遺族として動ける時間は死亡日の翌日から2年しかない。国の死亡一時金を受ける権利は2年で時効消滅する(国民年金法102条1項)。129条3項の最低保障は、遺族が死亡一時金を受けたことを前提に組み立てられている。葬儀と相続の手続で忙殺されている間に、この2年が静かに過ぎていく
- あなたが基金の理事会で規約改正を検討する側に立ち、財政悪化を理由に一定年齢で年金の支給を打ち切る案が出たとする。129条2項がその案を入口で潰す。基金の自治で書ける規約と、どれだけ議決しても書けない規約の境界線が、ここに引かれている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 加入員証、年金証書、基金の規約を手元にそろえ、給付の型(終身か確定か)、口数、加入時期を確認する2. 支給を断られた、または減額されたときは、その根拠となる規約条項を書面で明示するよう基金へ照会する3. その条項が129条各項の最低基準を下回っていないかを照合する。特に支給停止・失権の条項は2項に抵触する余地が大きい4. 基金の給付をめぐる争いの手続については実務上も整理が分かれているため、国民年金基金連合会や年金分野に強い弁護士、社会保険労務士に早い段階で相談する
訴えられた側:1. 規約の設計側に立つ場合、加入員資格を失った者への給付を規約で切り落とす条項は129条1項に反し、無効となる前提で組み立てる2. 財政上の理由による支給停止・失権事由の追加は2項が正面から禁じるため、給付水準の見直しは制度改正と移換の枠組みで検討する3. 遺族一時金は3項が最低ラインを定めるにとどまるので、規約でこれを上回る設計をしている場合は、その範囲を加入員へ明示的に周知しておく
時効(請求できる期限):国民年金法102条1項は、年金給付を受ける権利を支給すべき事由が生じた日から5年、死亡一時金を受ける権利を2年で時効消滅させる。129条3項の前提となる国の死亡一時金は、死亡日の翌日から2年が起算点。基金独自の給付の請求期限は規約で定まるため、加入員証とあわせて必ず規約の該当条項を確認すること(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:129条は「少なくとも」という文言が示すとおり片面的な最低基準規定であり、規約でこれを上回る給付設計をすることは妨げられない。逆に下回る規約条項はその限度で効力を認められないと解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成元年(1989年)改正、平成3年(1991年)施行 国民年金基金制度の創設に伴い新設された条文であり、基金が定める規約が下回ってはならない給付の最低基準を法律上固定した。その後の改正の有無および内容は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成元年(1989年)改正・平成3年(1991年)施行 新設:国民年金基金制度の創設に伴い新設された条文であり、基金の規約が下回ってはならない給付の最低基準を法律上固定した。その後の改正の有無および内容は人的検証が必要
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める