受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月2日読了 8 分8 分8 分

国民年金法 第72条

クイックジャンプ
  1. 年金給付は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、その額の全部又は一部につき、その支給を停止することができる。
  2. 一受給権者が、正当な理由がなくて、第百七条第一項の規定による命令に従わず、又は同項の規定による当該職員の質問に応じなかつたとき。
  3. 二障害基礎年金の受給権者又は第百七条第二項に規定する子が、正当な理由がなくて、同項の規定による命令に従わず、又は同項の規定による当該職員の診断を拒んだとき。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 国民年金法第72条は、日本の国民年金法に含まれる条文です。
  2. 国民年金法第72条の条文原文は「年金給付は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、その額の全部又は一部につき、その支給を停止することができる。」で始まります。
  3. 国民年金法第72条は第六節に置かれています。
  4. 国民年金法の公布日は昭和34年4月16日です。
  5. 国民年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
  6. 国民年金法第72条の前の条は国民年金法第71条です。
  7. 国民年金法第72条の次の条は国民年金法第73条です。
  8. 国民年金法第72条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第72条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141
  • 本サイト収録国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第72条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000141/72

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点国民年金法72条は、受給権者が正当な理由なく報告命令や職員の質問に応じないとき、又は障害基礎年金の受給権者等が診断を拒んだときに、年金給付の全部又は一部の支給を停止できると定める裁量規定である。

Q · 不正受給をしていなくても、年金って止められることがあるんですか?

あります。照会や診断に応じないだけで止められます

国民年金法72条により、受給権者が正当な理由なく報告命令に従わず若しくは職員の質問に応じないとき、又は障害基礎年金の受給権者等が正当な理由なく診断を拒んだときは、給付額の全部又は一部の支給を停止することができます。不正受給の有無は要件ではありません。ただし「停止することができる」という裁量規定であり、入院、施設入所、通知の不達、判断能力の低下など応答が事実上不可能だった事情があれば、そもそも停止事由が成立しません。処分に不服がある場合は社会保険審査官へ審査請求ができます(同法101条)。

解説

年金が止まる原因といえば、所得が増えた、不正があった、そのあたりが思い浮かぶだろう。だが72条が定める停止事由は、もっと地味である。日本年金機構から届いた照会に答えなかった、職員の質問に応じなかった、障害基礎年金なのに指定された診断を拒んだ。それだけで、年金の全部または一部の支給を止めることができる。ここで押さえるべき語が二つある。一つは「正当な理由がなくて」。入院していた、判断能力が落ちて郵便を開けられなかった、転居先に通知が届いていなかった、こうした事情があれば停止事由そのものが成立しない。もう一つは「停止することができる」。義務ではなく裁量である。止めるかどうか、全部か一部かは行政の判断であり、判断である以上は争える。支給停止は罰金ではなく行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)であり、社会保険審査官への審査請求という反撃ルートが最初から制度に埋め込まれている。

法的な位置づけ

国民年金法72条は、年金給付の支給停止事由を定める規定である。受給権者が正当な理由なく同法107条1項の報告命令に従わず又は職員の質問に応じない場合、及び障害基礎年金の受給権者等が正当な理由なく同条2項の命令に従わず又は診断を拒んだ場合に、給付額の全部又は一部の支給を停止することができる。効果は裁量的であり、受給権そのものを失わせる失権規定ではない。

よくある質問 AI による整理

Q1国民年金法72条とは何ですか?

年金給付の支給停止事由を定める規定です。正当な理由なく報告命令・職員の質問に応じない場合、又は障害基礎年金で診断を拒んだ場合に、給付の全部又は一部を停止できると定めています。

Q2障害状態確認届を出さないと年金は止まりますか?

止まる可能性があります。提出を求める命令に正当な理由なく応じない状態が続けば72条の停止事由に当たりえます。届いていない、入院中だったなどの事情があれば、その旨を疎明して提出してください。

Q3年金の支給停止で「正当な理由」はどこまで認められますか?

入院、災害、施設入所、判断能力の低下、転居による通知の不達など、応答が事実上不可能だった事情が典型です。主観的な多忙や失念だけでは足りず、客観的に裏付ける資料が重要になります。

Q4年金の支給停止はどこから通知されますか?

実務上は日本年金機構から書面で届きます。通知書の末尾にある教示欄に、処分庁、審査請求先、審査請求できる期間が記載されているため、まずそこを確認してください。

Q5年金は全部止まるのですか、一部だけですか?

72条は「全部又は一部」と定めており、どちらにするかは行政の裁量です。したがって全部停止を告げられても、必要性と均衡を理由に一部停止への軽減を求める余地があります。

Q6年金の審査請求はどこに出しますか?

社会保険審査官に対して行います。処分があったことを知った日の翌日から3か月以内が期限で、その決定に不服があれば社会保険審査会へ再審査請求という順序になります。

Q7認知症の親の年金が止まったらどうすればいいですか?

答えられなかった事情を裏付ける診断書を提出し、求められていた報告・診断に応じます。あわせて成年後見制度や日常生活自立支援事業で、次回以降の受領・応答体制を作り直すことが実質的な再発防止になります。

Q8支給停止と不正受給の返還請求は違いますか?

違います。72条の支給停止は確認に応じないことを理由とする将来的な給付の停止で、不正受給を前提としません。過去に受け取った分の返還請求は別の根拠に基づく別個の処分です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1年金が止まったって通知が来たんですが、役所に電話すれば元に戻りますか?

求められた報告や診断に応じれば停止事由は解消され、支給が再開されるのが通常です。ただし再開は将来に向けてのもので、停止期間分が自動的に戻るとは限りません。遡らせたいなら処分自体を争う必要があります(国民年金法101条)。実務のポイント:電話した日付と担当者名を必ず控える。いつから協力していたかの記録は、正当な理由の判断でも処分の相当性の判断でも効いてくる

Q2入院してて手紙を見られなかった場合も「正当な理由がない」ことになりますか?

入院、災害、施設入所、判断能力の低下、通知の不達など、応答が事実上不可能だった事情は「正当な理由」に当たりえます。72条は正当な理由がない場合に限って停止を認めており、理由があれば停止事由自体が成立しません。実務のポイント:入院証明や診断書は、処分が出てから慌てて集めるより、期限を過ぎたと気付いた時点で添えて出す方が通る。事後の弁解と事前の疎明では記録上の重みが違う

Q3納得いかないんですが、いきなり裁判を起こせますか?

起こせません。年金の処分に対する取消訴訟は、社会保険審査官への審査請求の決定を経た後でなければ提起できない仕組みです(国民年金法101条、101条の2)。審査請求、社会保険審査会への再審査請求、その先に訴訟という順序になります。実務のポイント:審査請求の期限は3か月。相談先を探して迷っている時間が、そのまま入口を閉じる

間違えやすい点 AI による整理

  • 支給停止という言葉自体は知られているが、その射程が軽く見られている。72条による停止は将来分の話にとどまらず、処分が取り消されない限り、停止期間中の分が後から自動的に戻る保証はない。照会を一年放置すれば、一年分の生活費がそのまま消える可能性を含んでいる。
  • 「どうすれば停止を免れるか」と考える人が多いが、問いの立て方が反転している。72条は行政に「停止することができる」という裁量を与えているだけで、要件を満たせば自動的に停止が発動する仕組みではない。問うべきは免れる方法ではなく、行政が停止という手段を選ばずに済む状況をどう作るかである。
  • あなたから見れば「書類を一枚出しそびれただけ」だが、行政から見れば「支給要件をもう確認できない状態」である。この落差が停止の実質的な理由になる。行政は怠慢を罰しているのではなく、確認できないから払い続けられないという論理で動いている。ここを取り違えると、謝罪ばかりして肝心の資料を出さないという最悪の対応になる。
比較の観点この条文ほかの条文
停止の引き金となる行為72条:報告命令・職員の質問への不応答、診断の拒否73条:法定の届出義務違反
70条:療養に関する指示に従わない等
前提となる根拠規定107条(報告命令・質問・診断命令)が前提届出義務を定める規定が前提
療養指示に関する規定が前提
効果額の全部又は一部の支給停止(裁量)支給停止(裁量)
給付の全部又は一部の制限(裁量)
解消の道筋命じられた報告・診断に応じれば停止事由が消滅、争うなら101条の審査請求届出を行えば停止事由が消滅、争うなら101条の審査請求
指示に従うことで制限事由が消滅、争うなら101条の審査請求

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
國民年金法(民國96年制定)

台湾も保險人による調査・審査への協力を前提とし、応じない場合に給付を暫停する仕組みを持つ。日本と同じく受給権自体は失わせない設計(条番号は要検証)

韓国
국민연금법 제86조(급여의 지급 정지)

正当な事由なく申告や診断要求に応じない場合に支給を停止できる点で、日本の72条とほぼ同型。国民年金制度自体が日本の制度設計を強く参照している

ドイツ
SGB I § 66(Folgen fehlender Mitwirkung)

§§ 60-65の協力義務に違反した場合、給付の全部又は一部を不支給・停止できる。事前の書面による教示(Hinweis)と期限設定が要件とされ、手続的統制が日本より条文上明確

アメリカ
20 C.F.R. § 404.1518(Failure to appear at a consultative examination)

障害給付の受給者・申請者が正当な理由なく指定された医学的検査に出頭しない場合、既存の資料のみで判断され、結果として給付が認められない・停止されうる。「good reason」の判断枠組みは日本の「正当な理由」と機能的に近い

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 照会の返送期限まであと5日、しかし通知は転居先に届かず、実家の郵便受けで眠っている。この状態で期限を過ぎたら、それは「正当な理由がなくて応じなかった」になるのか? 実務では、通知が現実に到達したかどうかが争点になる。証明すべきは、無視していないという主観ではなく、届いていなかったという客観的事実である。
  • 障害基礎年金を受けている。指定された医師の診断が怖くて、二度、日程を流した。三度目の通知に「診断を拒んだ場合は支給を停止することがある」と印字されている。
  • 認知症が進んだ父の年金が止まった。原因は、訪問した職員の質問に父が答えられなかったことだった。家族としてのあなたの一手は、答えられなかった事情を裏付ける診断書の提出と、成年後見または日常生活自立支援事業による受領体制の立て直しである。停止の解除と、次に同じことを繰り返さない仕組みは別の作業になる。
  • 役所側の席に座ってみる。担当者にとって72条は、回答を引き出すための最後のカードであり、本当に給付を止めたいわけではない。だからこそ、こちらから連絡を入れた瞬間に処分の必要性は薄れる。停止が目的ではなく手段だという構造が見えると、電話一本の重みが変わる。

取るべき行動

被害を受けた側:1. 通知書の最終ページにある教示欄を最初に読み、処分庁、審査請求先、期限を押さえる2. 停止事由が72条1号(報告命令・職員の質問)か2号(診断の拒否)かを特定し、求められていた行為を今すぐ実行する3. 応答できなかった事情(入院、施設入所、転居による不達、判断能力の低下)を裏付ける書類を集める4. 停止された期間分を取り戻したいなら、応じるだけでは足りない。社会保険審査官への審査請求を3か月以内に出す

訴えられた側:1. 弁解より先に、命じられた報告書または診断書を実際に提出する。停止事由が消えれば処分を維持する必要性そのものが薄れる2. 遅れた理由は一枚の書面にまとめ、感情ではなく日付と事実だけを並べる3. 家族の年金を管理している立場なら、成年後見制度や日常生活自立支援事業を検討し、次回以降の受領体制を作り直す4. 全部停止を告げられても、一部停止への軽減を求める余地はある。裁量処分だからである

時効(請求できる期限):支給停止処分に不服がある場合、社会保険審査官への審査請求は処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内(社会保険審査官及び社会保険審査会法4条)。再審査請求は決定書の謄本の送付を受けた日の翌日から2か月以内。取消訴訟は審査請求前置(国民年金法101条の2)。年金を受ける権利自体は、支給すべき事由が生じた日から5年で時効消滅する(同法102条)(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説的理解:72条の支給停止は、受給要件の変動を本人の協力なしには確認できないという社会保険の構造から、確認機能を担保するために設けられた制度と理解される。制裁ではなく可逆的な措置であり、命じられた報告・診断に応じれば停止を維持する必要性は失われると解される。

改正沿革 AI による整理

  • 平成19年(2007年)日本年金機構関連法整備 社会保険庁の廃止に伴い、権限主体の表記が「社会保険庁長官」から「厚生労働大臣」へ改められた。停止事由の実体的内容は維持されている(改正年次と適用範囲は人的検証が必要)

改正の年表

  1. 1.昭和34年(1959年) 新設:国民年金法の制定(昭和34年法律第141号)に伴い、受給権者が報告命令・質問・診断に応じない場合の支給停止規定として設けられた
  2. 2.平成19年(2007年)前後 改正:社会保険庁の廃止と日本年金機構への移行に伴い、権限主体の表記が整理された。停止事由の実体的内容は維持されている(改正年次・適用範囲は人的検証が必要)

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

国民年金法の全文を見る所属する編章節を開く:第六節

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›