国民年金法 第78条(秘密保持義務)
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運用職員は、その職務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
この条文の基本情報
秘密保持義務とは何ですか?
定義秘密保持義務とは、国民年金法第78条に定められた規定で、「運用職員は、その職務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民年金法第78条(秘密保持義務)は、日本の国民年金法に含まれる条文です。
- 国民年金法第78条の条文原文は「運用職員は、その職務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。」で始まります。
- 国民年金法第78条は第五章に置かれています。
- 国民年金法の公布日は昭和34年4月16日です。
- 国民年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国民年金法第78条の前の条は国民年金法第77条です。
- 国民年金法第78条の次の条は国民年金法第79条です。
- 国民年金法第78条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第78条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141 - 本サイト収録
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第78条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000141/78
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民年金法78条は、運用職員が職務に関して知り得た秘密を漏らすこと、及び自己のために利用すること(盗用)の双方を禁じる規定である。
Q · 年金の運用に関わる職員は、誰にも話さなければ知った情報を自分で使ってもいいの?
使えません。盗用も漏示と並ぶ独立の禁止行為です
国民年金法78条は、運用職員が職務に関して知り得た秘密を「漏らし、又は盗用してはならない」と定めます。第三者に伝えなくても、自分の投資判断に利用する行為(盗用)だけで本条違反となります。年金積立金の運用情報は市場に対して大きな影響力を持つため、情報の外部流出だけでなく自己利用も遮断する必要があるという発想です。事案によっては金融商品取引法上の規制にも同時に触れる可能性があります。
解説
国民年金の積立金は、あなたが毎月納めた保険料の集合体である。その運用に携わる職員が、たとえば「来週、GPIF がどの銘柄を大量に買う」という情報を知っていたとしたら。この条文はその一点を狙い撃ちにしている。運用職員が職務上知り得た秘密を漏らすこと、そして自分で使うこと(盗用)の両方を禁じる。ここで見落とされやすいのは「盗用」の側だ。誰にも漏らさず、自分の証券口座で先回りして買うだけなら誰も傷つかない、と思うかもしれない。法はそう見ない。市場に対する年金運用の中立性そのものが守るべき利益であり、自己利用は漏洩と並ぶ違反である。あなたが年金積立金の運用に関わる立場にいるなら、この一行があなたの私的な投資判断の自由を、職務期間中ずっと縛っている。
法的な位置づけ
国民年金法78条は、年金積立金の運用に関する事務に従事する職員(運用職員)に対する秘密保持義務を定める規定である。禁止対象は、職務に関して知り得た秘密の第三者への漏示と、自己の利益のための利用(盗用)の二類型であり、いずれも独立して違反を構成する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分が「運用職員」に該当するか職務実態で確認 所属部署名ではなく、積立金の運用に関する事務に従事し非公表情報に接する立場かどうかで判断する。運用会議の議事録作成、発注データの取扱い、システム保守で運用情報に触れる場合も含まれ得るため、上司またはコンプライアンス部門に該当性を確認する
- 2.私的な証券取引の届出ルールを書面で照会 配属時点で、私的な証券取引の届出義務・事前承認・保有制限の有無を書面(メール可)で照会し記録を残す。組織側に明文ルールがない場合、その照会記録自体が後日の防御資料になる
- 3.非公表情報と公表情報の線引きリストを作る 自分が日常的に接する情報について、既に公表されているもの(公表済み運用実績、公表方針)と非公表のもの(検討中の配分変更、未公表の売買動向)を一覧化する。線引きが曖昧な項目は広報・情報開示部門に確認して確定させる
- 4.取材・講演・転職面接の前に事前確認を通す 外部発言の機会がある場合、話す内容を事前に所属組織の広報部門へ書面で通す。転職面接での実績説明も同様に、具体的な銘柄・配分・時期に踏み込まない範囲を事前に定めておく
- 5.疑義が生じたら記録して窓口へ申告 自分または他者の行為に疑義が生じた場合、情報の入手可能者の範囲と時系列を記録し、コンプライアンス窓口または公益通報窓口へ事実のみを記載して申告する。当事者に直接問い質す行為は避ける
よくある質問 AI による整理
Q1国民年金法78条とは何ですか?
年金積立金の運用に関わる職員に秘密保持義務を課す規定です。職務上知った秘密の漏示と盗用の双方を禁じており、単なる倫理規定ではなく法律上の行為規範です。
Q2盗用と漏洩の違いは何ですか?
漏洩は第三者に秘密を伝える行為、盗用は自分のために利用する行為です。78条は両方を並列で禁じるため、誰にも話さず自分だけで使っても違反になります。
Q3運用職員の秘密保持義務は退職後も続きますか?
在職中に知り得た秘密については、退職後も守秘の要請が及ぶと解されています。国家公務員法100条も退職後の継続を明記しており、同じ発想に立ちます。
Q4年金の運用情報を家族に話すのは違法ですか?
相手が家族でも第三者である以上、職務に関して知り得た秘密であれば漏示に該当しえます。相手が実際に取引したかどうかは要件ではありません。
Q5運用職員は株式投資をしてもいいですか?
投資自体は一律禁止ではありませんが、職務上知った非公表情報を用いた取引は盗用に当たります。所属組織の私的取引届出ルールの確認が不可欠です。
Q6誰が「運用職員」に該当しますか?
肩書きではなく、積立金の運用に関する事務に従事し秘密に接しうる地位かで判断されます。議事録作成や発注データを扱う立場も含まれ得ます。
Q7秘密保持義務に違反するとどうなりますか?
国民年金法の罰則規定による刑事責任のほか、懲戒処分、事案により金融商品取引法上のインサイダー取引規制にも触れる可能性があります。
Q8既に公表されている運用実績を説明するのは違反ですか?
既に公表済みの情報は「秘密」に当たらないため本条の対象外です。問題は非公表情報との切り分けで、迷う場合は広報部門への事前確認が有効です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1「運用職員」って具体的に誰のことですか?自分が該当するか分かりません
国民年金法上、積立金の運用に関する事務に従事する職員を指す。所属組織の名称ではなく、実際に運用に関わる職務についているかで判断される。実務のポイント:組織内で「自分は事務方だから対象外」と思っている人ほど危ない。運用会議の議事録を作成する立場、システムで発注データを扱う立場も、職務に関して秘密を知り得る地位にある。肩書きではなく情報アクセスの実態で線が引かれる
Q2退職したら、もう話してもいいんですよね?
在職中に知り得た秘密については、退職後も守秘の要請は消えないと解されている。国家公務員法100条も「職を退いた後といえども同様とする」と明記しており、年金運用の秘密も同じ発想に立つ。実務のポイント:退職者が最も足をすくわれるのは、転職先の面接や業界誌のインタビューである。「もう辞めたから時効」という感覚が最大の落とし穴で、実際に問題化する事案の多くはこの場面から出ている
間違えやすい点 AI による整理
- 秘密保持義務は「他人に話さなければセーフ」と理解されがちだが、78条は「漏らし」と「盗用」を並列で禁じている。誰にも言わずに自分だけで使う行為が、独立した違反類型として明記されている。守秘義務条項の中でこの二本立てを持つものは実は多くない
- 「公務員だから守秘義務がある、当たり前の話」と流されやすいが、深刻度が違う。国家公務員法の守秘義務違反は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金だが、年金運用に関する秘密は市場全体に波及する性質を持ち、金融商品取引法上のインサイダー取引規制にも同時に触れうる。一つの行為が複数の法律で同時に処罰される構造にある
- あなたから見れば「雑談で漏らした一言」でも、法から見れば「職務に関して知り得た秘密の漏示」である。この落差が危険なのは、違反した本人に違反の自覚が生じにくい点にある。悪意ある内部者より、無自覚な世間話の方が実際の事故原因として多い
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 国民年金法78条:運用職員の秘密の漏示・盗用 | 国民年金法76条:積立金の運用に関する基本規定 国家公務員法100条:公務員一般の守秘義務 |
| 禁止類型 | 漏示と盗用の二本立て(自己利用も独立の違反) | 運用の目的・方法に関する枠組みの設定 秘密を漏らす行為が中心 |
| 適用される人 | 積立金の運用に関する事務に従事する職員 | 運用主体(制度としての運用体制) 国家公務員一般(退職者を含む) |
| 重畳適用の可能性 | 金融商品取引法の未公表重要事実規制と同時に問題化しうる | 運用委託の枠組みを通じて受託機関側の義務に接続 各特別法の守秘義務と併存 |
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 年金積立金の運用に関わる部署に配属された初日、あなたは自分の証券口座をどう扱うべきか誰からも説明を受けなかった。研修資料にも書いていない。だが78条はその日から既にあなたに適用されている
- 同期の飲み会で「そっちの部署、株価に効く情報とか入るんでしょ」と聞かれた。あなたは笑って流したが、具体的な銘柄名を一つ口にしていたら、それだけで漏洩に該当しうる。相手が実際に取引したかどうかは要件ではない
- もし退職して民間の資産運用会社に転職したとして、前職で知った運用方針を新しい職場で語ったらどうなる? 秘密保持義務は在職中に限定されていない。退職後の発言も、在職中に知り得た秘密であれば射程に入る
- 取材記者から「年金の運用損失、本当はもっと大きいのでは」と電話が来た。回答期限は明日の朝刊締切まで。善意で「そこまでではない」と否定するだけでも、非公表の運用実績を推測させる情報提供になりうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 運用に関する非公表情報が外部に流出した疑いを持った場合、まず情報の入手可能者の範囲と時系列を記録する2. 所属組織のコンプライアンス窓口または公益通報の窓口へ、事実のみを記載して申告する(公益通報者保護法による保護対象になりうる) 3. 市場での不公正取引が疑われるなら証券取引等監視委員会の情報提供窓口も並行して検討4. 自分で加害者に直接問い質す行為は証拠隠滅を招くため避ける
訴えられた側:1. まず「職務に関して知り得た」情報か、既に公表済みの情報かを切り分ける。公表情報の再説明は本条の対象外である2. 伝達した相手・日時・内容を可能な限り正確に記録し、記憶に頼らない3. 弁護士への相談前に組織内の聴取に応じる場合、供述の内容が後の刑事手続で使われうることを前提に臨む4. 金融商品取引法上のインサイダー取引が同時に問題となりうる事案では、刑事事件に強い弁護士を早期に選任する
時効(請求できる期限):本条違反には特定の期間制限はないが、罰則が科される場合は刑事訴訟法250条の公訴時効が適用される(法定刑に応じた期間、最新の改正状況をご確認ください)。秘密保持義務そのものは在職中に限定されず、退職後も職務上知り得た秘密については継続して及ぶと解されている
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