国税徴収法 第99条の2(暴力団員等に該当しないこと等の陳述)
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- 公売財産(不動産に限る。以下この条、第百六条の二(調査の嘱託)及び第百八条第五項(公売実施の適正化のための措置)において「公売不動産」という。)の入札等をしようとする者(その者が法人である場合には、その代表者)は、税務署長に対し、次のいずれにも該当しない旨を財務省令で定めるところにより陳述しなければ、入札等をすることができない。
- 一公売不動産の入札等をしようとする者(その者が法人である場合には、その役員)が暴力団員(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号(定義)に規定する暴力団員をいう。以下この号において同じ。)又は暴力団員でなくなつた日から五年を経過しない者(次号、第百六条の二及び第百八条第五項において「暴力団員等」という。)であること。
- 二自己の計算において当該公売不動産の入札等をさせようとする者(その者が法人である場合には、その役員)が暴力団員等であること。
この条文の基本情報
暴力団員等に該当しないこと等の陳述とは何ですか?
定義暴力団員等に該当しないこと等の陳述とは、国税徴収法第99条の2に定められた規定で、「公売財産(不動産に限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国税徴収法第99条の2(暴力団員等に該当しないこと等の陳述)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
- 国税徴収法第99条の2の条文原文は「公売財産(不動産に限る。」で始まります。
- 国税徴収法第99条の2は第二款に置かれています。
- 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
- 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 国税徴収法第99条の2の前の条は国税徴収法第99条です。
- 国税徴収法第99条の2の次の条は国税徴収法第100条です。
- 国税徴収法第99条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第99条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147 - 本サイト収録
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第99条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/99_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国税徴収法99条の2は、公売不動産の入札等をする者に、自己と役員、および資金を出す実質的な買主が暴力団員等でない旨の陳述を義務づける。陳述をしなければ入札等はできない。
Q · 公売で不動産を買うとき、暴力団じゃないという書類を出さないといけないの?
陳述書を出さないと入札そのものができません
国税徴収法99条の2により、公売不動産の入札等をしようとする者は、自己(法人の場合は役員)と、自己の計算で入札等をさせようとする者が暴力団員等でない旨を、財務省令の定めにより税務署長へ陳述しなければ入札等ができません。2019年1月1日施行の制度で、陳述をせず又は虚偽の陳述をした場合には刑事罰があり、落札して代金を納付した後でも、106条の2の調査の嘱託を経て108条5項により売却決定が取り消されることがあります。
解説
税務署が差し押さえた不動産は、市場より安く出る。だから公売には投資家が集まる。ところが2019年1月1日以降、入札の前に必ず一枚の紙を出させられるようになった。「自分は暴力団員ではない、暴力団員でなくなった日から5年も経っている」と税務署長に陳述する書面である。法人なら代表者だけでなく役員全員が対象になる。しかも本条が縛るのは名義人だけではない。2号は「自己の計算において当該公売不動産の入札等をさせようとする者」、つまり資金を出して損益を引き受ける実質的な買主にも同じ条件を課す。名義を貸しただけ、金を出しただけのつもりでも、この条文の射程に入る。陳述をしなければ入札書は受け付けられず、虚偽を書けば刑事罰の対象になる。公売は、金があれば誰でも参加できる市場ではなくなった。
法的な位置づけ
国税徴収法99条の2は、公売不動産の入札等における暴力団員等の排除を定める規定である。入札等をしようとする者は、自己(法人の場合は役員)および自己の計算において入札等をさせようとする者が、暴力団員又は暴力団員でなくなつた日から五年を経過しない者に該当しない旨を、財務省令で定めるところにより税務署長へ陳述しなければならない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.公売公告で対象財産が不動産か確認する 本条の陳述義務は公売財産のうち不動産に限られる。公告で財産の種類、入札方式、入札期間、必要書類を確認し、陳述書の提出方法と締切を最初に押さえる
- 2.法人は役員全員の情報を先に集める 法人が参加する場合、陳述の対象は代表者だけでなく役員である。非常勤役員や社外取締役も含めて氏名・住居・生年月日を登記事項証明書と役員名簿から突き合わせる。公告から締切まで実務上1週間から10日しかないため、公告前に整えておく
- 3.資金の出し手と損益の帰属を確定し記録に残す 第三者の資金で入札する予定があるなら、2号の「自己の計算において入札等をさせようとする者」に当たらないかを検討する。出資契約書、送金元口座、利益配分の設計と、相手方の属性確認の結果を書面で保存する
- 4.陳述書を作成し入札等の前に税務署長へ提出する 財務省令で定める様式により陳述書を作成し、入札等をしようとする時点までに提出する。入札後の追完はできない。提出前に役員欄の記載漏れと生年月日の誤記を二重チェックする
- 5.落札後、調査の嘱託が終わるまで転売や大型発注を待つ 税務署長は106条の2により警察へ調査を嘱託でき、該当が認められれば108条5項で売却決定が取り消される。代金納付後も直ちに確定するわけではないため、転売契約や大規模リフォームの発注は照会が片付いてから行う
よくある質問 AI による整理
Q1公売不動産の陳述書とは何ですか?
国税徴収法99条の2に基づき、入札等の前に自己と役員、資金を出す実質的な買主が暴力団員等でない旨を税務署長へ陳述する書面です。2019年1月1日から必要になりました。
Q2公売の陳述書の様式はどこで手に入りますか?
記載事項と様式は財務省令に委任されています。実務上は各公売の公告や国税局・税務署の案内で示される様式を使うため、参加予定の公売の公告を必ず確認してください。
Q3陳述書を提出しないとどうなりますか?
条文が「陳述しなければ、入札等をすることができない」と明記しています。価格で負けるのではなく、そもそも入札に参加できません。書類不備は即失格と考えてください。
Q4「暴力団員でなくなった日から5年」はいつから数えますか?
離脱した日が起算点です。現在の身分ではなく離脱からの経過年数で資格が決まるため、離脱日をいつと認定するかが実務上の争点になり得ます。
Q5インターネット公売でも陳述は必要ですか?
本条の対象は公売財産のうち不動産です。インターネットを使う公売でも不動産である限り陳述が必要で、参加申込の段階で手続が案内されます。個別の公告で確認してください。
Q6代理人が入札する場合、陳述は誰が行いますか?
条文の名宛人は「入札等をしようとする者(法人の場合はその代表者)」です。代理人が手続を代行しても、陳述の主体は買受けようとする本人であり、代理人の属性に置き換わりません。
Q7売却決定が取り消された場合、納付した代金はどうなりますか?
108条5項は取消しの根拠を定めますが、代金の取扱いは条文上明示されていません。実際に取消しの通知を受けたら、所轄税務署の徴収担当へ具体的な処理を確認してください。
Q8公売の陳述義務はいつから始まりましたか?
平成29年(2017年)改正で新設され、平成31年(2019年)1月1日に施行されました。裁判所の競売の同旨規定(民事執行法65条の2)より約1年3か月先行しています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1陳述書って、代表者の分だけ出せばいいんですよね?
違う。本条は法人の場合を「その役員」と定めており、代表者に限られない。非常勤役員や社外取締役も対象に入る。記載事項と様式は財務省令に委任されている。実務のポイント:氏名だけでなく住居や生年月日まで書かせるのは、106条の2で税務署長が警察へ調査を嘱託するときの照合キーにするためだ。書式の項目の細かさは、その先の照会を前提にしている。
Q2「自己の計算」って要するに何ですか。お金を借りて買うのもダメなんですか?
自己の計算とは、その取引の損益が最終的に誰に帰属するかを指す。金融機関や知人から借入れをして、自分の損益として買うのであれば、貸主は2号の対象にならない。逆に、他人の資金で、値上がり益も賃料もその他人に帰属する形なら、実質的な買主として2号に当たる。実務のポイント:この線引きは契約書の表題ではなく資金と利益の流れで見られる。共同購入の話が出たら、契約書の文言より先に送金経路と利益配分の設計を決めておく方が安全だ。
Q3落札して代金も払った後で問題が見つかったら、どうなるんですか?
税務署長は106条の2により警察へ調査を嘱託でき、買受人が暴力団員等に該当すると認められる場合には108条5項に基づき売却決定を取り消すことができる。代金納付が終わっていても安全圏ではない。実務のポイント:警察への照会は落札後に走ることが多く、売却決定からしばらくは取引が確定しない。転売の契約や大規模なリフォームの発注は、この照会が片付くまで待つのが実務上の防御線になる。
Q4正直に書かなくてもバレなければ問題ないのでは?
国税徴収法は陳述をせず又は虚偽の陳述をした者に罰則を置いており、法定刑は六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金である(令和4年改正で懲役と禁錮が拘禁刑に統合、2025年6月1日施行)。行政手続の書面だが背後にあるのは刑事責任だ。実務のポイント:同じ構造の陳述義務は裁判所の競売にもあり(民事執行法65条の2)、そちらの虚偽陳述は同法213条で処罰される。競売と公売の両方に手を出す投資家は、二つの制度で同じ地雷を踏むことになる。
間違えやすい点 AI による整理
- 反社チェックは名義人の話だと考えられている。だが本条2号は「自己の計算において入札等をさせようとする者」、つまり資金を負担し経済的利益を得る側にも同じ要件を課す。表に出る名義人がどれだけクリーンでも、裏の出資者が該当すれば陳述は虚偽になる。守るべき対象は自分の属性ではなく、取引の資金構造である。
- 陳述書を出さなければ入札できないだけだ、という理解は正しい。しかしその深刻度は理解されていない。陳述をせず、又は虚偽の陳述をした者には刑事罰が定められており(六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金。令和4年改正により懲役は拘禁刑に統合、2025年6月1日施行)、さらに代金を納付した後でも売却決定が取り消されうる。行政手続の一枚の書類に、刑事責任と取引の巻き戻しがぶら下がっている。
- 「暴力団を抜けたのだから、もう関係ない」という前提で読むと本条を読み違える。条文が線を引いているのは現在の身分ではなく、暴力団員でなくなつた日から五年を経過しない者までを含む時間の幅である。離脱の事実ではなく離脱からの経過年数が入札資格を決める。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| タイミング | 99条の2:入札等の前(事前の自己申告) | 106条の2:入札後・売却決定前後の確認 108条5項:該当判明後の事後処理 |
| 行為主体 | 入札等をしようとする者(法人は代表者が陳述、対象は役員) | 税務署長(警察へ調査を嘱託) 税務署長(売却決定の取消し等) |
| 違反・該当の効果 | 陳述がなければ入札等ができない。虚偽陳述は刑事罰 | 照会結果が後続処分の判断材料になる 代金納付後でも売却決定が取り消され得る |
| 実務上の注意点 | 役員全員分の情報収集と資金構造の確定を公告前に済ませる | 照会中は取引が確定しないと考える 転売・改修の発注は照会終了後に回す |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では拍賣・公賣の入札段階で反社会的勢力該当性を陳述させる制度はなく、組織犯罪への対応は刑事法と没収を中心とする。入口規制ではなく事後規制型
韓国の公売手続にも入札前の暴力団員該当性の陳述制度は置かれていない。日本の暴力団対策法に相当する包括的な団体指定制度がないことが背景にある
ドイツは強制競売手続に反社会的勢力排除の陳述義務を置かず、マネーロンダリング防止法上の本人確認と実質的支配者の把握で資金の出し手を捕捉する設計をとる
米国は入札前の属性申告ではなく、金融機関の報告義務と RICO による没収で組織犯罪の不動産取得を抑止する。入口ではなく資金経路と事後没収に重心がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 公売公告を見つけたが、入札期間の残りは5日。物件の下見も資金の手当ても終わっているのに、法人の役員全員分の氏名・住居・生年月日を集める作業が終わらない。陳述をしなければ入札等ができないと本条は書いており、書類の不備は「価格で負けた」ではなく「土俵に上がれなかった」という結末になる。次の公売までは数か月待ちだ。
- もし、知人から「名義はあなたで頼む、金はこちらが全部出す」と持ちかけられたらどうなる? 2号がまさにその形を狙い撃ちにしている。資金を出し損益を引き受ける者が暴力団員等であれば、名義人であるあなたの陳述はその時点で虚偽になる。相手の素性を知らなかったという主張が通るかどうかは、陳述前にどこまで確認したかの記録に懸かってくる。
- 不動産会社として公売に参加する。陳述の対象は代表取締役だけではなく役員である。年に一度しか顔を合わせない非常勤役員や、出資関係で送り込まれた社外取締役の属性が、そのまま会社の入札資格を左右する。普段は登記事項にすぎない役員名簿が、ここでは通行証として機能する。
- 落札し、代金も納付した。その後、税務署長から警察へ調査が嘱託される。2号該当が認められれば、売却決定は取り消されうる。
- 友人が「公売なら相場より安く買えるらしい」と相談してきた。あなたが最初に確認すべきは物件でも価格でもなく、誰の資金で、誰の名義で買うのかという一点である。そこが崩れていると、落札した後に全部ひっくり返る。
取るべき行動
被害を受けた側:名義を利用され、あるいは出資者の素性を知らないまま入札して売却決定を取り消された場合、陳述の時点で自分が何を知り何を確認していたかを示す資料を時系列で固める。出資者とのやり取り、確認結果、送金元口座の記録。虚偽陳述の罪は故意犯であり、この記録が防御線になる。並行して、名義を利用した相手への損害賠償(民法709条)と、納付済み代金の取扱いを税務署の徴収担当へ確認する。
訴えられた側:調査の嘱託(106条の2)が入った、あるいは陳述内容に疑義があると指摘された場合、陳述書を作成した時点で保有していた情報を再現できる資料を確保する。役員名簿、出資契約書、資金移動の記録の三点が軸になる。2号の「自己の計算」は資金の負担と経済的利益の帰属で判断されるため、通常の借入れで自らの損益として買った案件であれば該当しない余地がある。刑事手続に発展しうるので、供述に応じる前に弁護士へ相談する。
時効(請求できる期限):陳述は入札等をしようとする時点で行う必要があり、入札後の追完はできない。公売公告から入札期日までは実務上おおむね1週間から10日程度。虚偽陳述の罪の公訴時効は、法定刑が拘禁刑6月であれば刑事訴訟法250条2項により3年(最新の改正状況をご確認ください)。売却決定の取消しには特定の期間制限が条文上明示されていないため、警察への照会結果が返るまでは取引が確定しないと考えておく。
学説
通説:本条2号の「自己の計算」は、契約書の名義や表題ではなく、資金の負担と経済的利益の帰属によって判断されると解されている。したがって通常の借入れにより自らの損益で買い受ける場合、貸主は2号の対象にならないと整理される
改正沿革 AI による整理
- 平成29年(2017年)改正、平成31年(2019年)1月1日施行 新設。公売不動産の入札等をしようとする者に対し、自己(法人の場合は役員)および自己の計算で入札させようとする者が暴力団員等でない旨の陳述を義務づけ、あわせて調査の嘱託(106条の2)と売却決定の取消し(108条5項)を整備した。裁判所の競売における同旨の規定(民事執行法65条の2)に約1年3か月先行している
改正の年表
- 1.平成29年(2017年) 新設:公売不動産の入札等をしようとする者に暴力団員等でない旨の陳述を義務づける規定として新設。あわせて調査の嘱託(106条の2)と売却決定の取消し(108条5項)が整備された。施行は平成31年(2019年)1月1日
- 2.令和4年(2022年) 改正:刑法改正により懲役と禁錮が拘禁刑に統合され(2025年6月1日施行)、虚偽陳述等に対する罰則の法定刑の表記が拘禁刑に改められた
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