要点道路交通法 108 条の 12 は、指定講習機関の役員・職員に特定講習の業務上知り得た秘密の保持義務を課し、業務従事者を罰則の適用上は公務員とみなす規定である。
Q · 免許更新の講習を受けた教習所の職員に、お礼としてお金を渡したらまずいの?
まずいです。罰則の適用上は公務員扱いで贈収賄になります
道路交通法 108 条の 12 第 2 項により、特定講習の業務に従事する指定講習機関の役員・職員は、刑法その他の罰則の適用については法令により公務に従事する職員とみなされます。したがって便宜を求めて金銭を渡せば渡した側に刑法 198 条の贈賄罪、受け取った側に刑法 197 条の収賄罪が成立しえます。また同条第 1 項は、これらの者および元役職員に、特定講習の業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない義務を課しており、違反は罰則の対象となります。
運転免許の更新前に、指定された教習所やドライブスクールで「特定講習」を受けたことはないだろうか。そこの職員は、あなたの氏名、住所、免許情報という個人データに業務上触れる。道路交通法108条の12は、その職員たちに二つの重い枷をはめる。第一に、業務上知った秘密を漏らせば処罰される守秘義務。第二に、そして意外なのはこちらだが、彼らは民間人でありながら「刑法上は公務員とみなされる」。つまり、あなたが講習の便宜を頼んで職員に金を渡せば、あなたは贈賄罪、相手は収賄罪。民間の教習所職員を相手に贈収賄が成立するという、直感に反する仕組みが、この一条に静かに埋め込まれている。
道路交通法 108 条の 12 は、指定講習機関の役員・職員および元役職員に対し、特定講習の業務に関して知り得た秘密の保持義務を課すとともに、特定講習の業務に従事する役員・職員を、刑法その他の罰則の適用については法令により公務に従事する職員とみなす規定である。行政事務の民間委託に伴い、受託側職員に公務員と同等の守秘義務および贈収賄規制を及ぼす仕組みを構成する。
公務員ではない民間人が、特定の法律の規定によって罰則の適用場面だけ公務員として扱われる仕組みです。道路交通法 108 条の 12 第 2 項は、特定講習の業務に従事する指定講習機関の役員・職員をこれに当たるものとしています。
退職後も続きます。108 条の 12 第 1 項は「これらの職にあつた者」も名宛人としており、在職中に業務上知った秘密を退職後に漏らした場合も義務違反となります。期間の上限は条文上定められていません。
運転免許の更新などに関連して、公安委員会に代わり指定講習機関が実施する法定の講習を指します。受講者の氏名・住所・免許情報といった個人データを取り扱うため、担当職員に守秘義務が課されています。
指定講習機関を監督する都道府県公安委員会・警察が窓口になります。漏洩の日時、漏れた情報、経路を時系列で記録し、守秘義務違反として刑事告訴を検討するとともに、機関側にも報告して内部調査を求めます。
道路交通法の罰則規定により刑罰が科されます。具体的な法定刑は改正によって変動するため、e-Gov 法令検索で最新の罰則条文を確認してください。社内処分にとどまらず前科がつく次元の話です。
重なりますが同一ではありません。指定自動車教習所は技能検定等を行う施設で、そのうち特定講習の実施を担う立場にあるものが指定講習機関として 108 条の 12 の名宛人になります。法人でない施設は設置者が対象です。
建築確認を行う指定確認検査機関の検査員、公証人、各種指定試験機関の役職員など、行政事務の委託を受ける民間の職種に広く置かれています。共通するのは公権力に近い判断や個人情報に触れる点です。
特定講習の業務に関して知った、一般に知られていない事項全般です。受講者の氏名・住所・免許番号・違反歴などが典型で、漏らした相手が一人でも、内容が些細に見えても義務違反になり得ます。
あります。道路交通法108条の12第1項が、指定講習機関の役員・職員に、特定講習の業務で知った秘密を漏らしてはならないと直接定めています。社内規則ではなく法律上の義務で、違反には罰則が伴います。業界裏話ヒント:この守秘義務は退職後も続きます。『もう辞めたから関係ない』は通用せず、在職中に知った秘密を退職後に漏らしても違反。民間の一職員が、公務員並みの生涯にわたる口止めを法律で背負っているのです。
なりえます。108条の12第2項で特定講習に従事する職員は刑法上『公務員とみなす』とされ、刑法197条の収賄罪、渡した側は198条の贈賄罪の対象になります。相手が民間人でも成立します。業界裏話ヒント:『民間だから大丈夫』が最も危険な誤解です。みなし公務員規定は教習所だけでなく、建築確認の指定確認検査機関や公証人など、様々な民間窓口に潜んでいます。お礼のつもりの現金が犯罪になる線が、思わぬ場所に引かれています。
できます。守秘義務違反は道路交通法の罰則で刑事告訴の対象になり、加えて漏洩で受けた精神的苦痛や実害は民法709条の不法行為として損害賠償を請求できます。刑事と民事は別軌道です。業界裏話ヒント:刑事で不起訴になっても民事は独立して戦えます。さらに職員個人だけでなく、指定講習機関という組織にも使用者責任(民法715条)を問える場合があり、資力のある組織側に請求する方が回収は現実的です。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の内容 | 108 条の 12:特定講習業務の守秘義務+罰則適用上の公務員みなし | — |
| 名宛人 | 指定講習機関の役員・職員および元役職員(法人でない場合は設置者) | — |
| 違反した場合の効果 | 罰則の対象。第 2 項適用場面では刑法 197 条の収賄罪も成立しうる | — |
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