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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 8 分8 分8 分

道路交通法 第75条(自動車の使用者の義務等)

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  1. 自動車(重被牽引車を含む。以下この条、次条第一項及び第七十五条の二の二第二項において同じ。)の使用者(安全運転管理者等その他自動車の運行を直接管理する地位にある者を含む。次項において「使用者等」という。)は、その者の業務に関し、自動車の運転者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることを命じ、又は自動車の運転者がこれらの行為をすることを容認してはならない。
  2. 一第八十四条第一項の規定による公安委員会の運転免許を受けている者(第百七条の二の規定により国際運転免許証又は外国運転免許証で自動車を運転することができることとされている者を含む。以下この項において同じ。)でなければ運転することができないこととされている自動車を当該運転免許を受けている者以外の者(第九十条第五項、第百三条第一項若しくは第四項、第百三条の二第一項、第百四条の二の三第一項若しくは第三項又は同条第五項において準用する第百三条第四項の規定により当該運転免許の効力が停止されている者を含む。)が運転すること。
  3. 二第二十二条第一項の規定に違反して自動車を運転すること。
  4. 三第六十五条第一項の規定に違反して自動車を運転すること。
  5. 四第六十六条の規定に違反して自動車を運転すること。
  6. 五第八十五条第五項の規定に違反して大型自動車、中型自動車若しくは準中型自動車を運転し、同条第六項の規定に違反して中型自動車若しくは準中型自動車を運転し、同条第七項の規定に違反して準中型自動車若しくは普通自動車を運転し、同条第八項の規定に違反して普通自動車を運転し、同条第九項の規定に違反して大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車を運転し、又は同条第十項の規定に違反して普通自動二輪車を運転すること。
  7. 六第五十七条第一項の規定に違反して積載をして自動車を運転すること。
  8. 七自動車を離れて直ちに運転することができない状態にする行為(当該行為により自動車が第四十四条第一項、第四十五条第一項若しくは第二項、第四十七条第二項若しくは第三項、第四十八条、第四十九条の三第三項、第四十九条の四若しくは第七十五条の八第一項の規定に違反して駐車することとなる場合のもの又は自動車がこれらの規定に違反して駐車している場合におけるものに限る。)
  9. 2.自動車の使用者等が前項の規定に違反し、当該違反により自動車の運転者が同項各号のいずれかに掲げる行為をした場合において、自動車の使用者がその者の業務に関し自動車を使用することが著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となるおそれがあると認めるときは、当該違反に係る自動車の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、当該自動車の使用者に対し、六月を超えない範囲内で期間を定めて、当該違反に係る自動車を運転し、又は運転させてはならない旨を命ずることができる。
  10. 3.公安委員会は、前項の規定による命令をしようとする場合において、当該命令に係る自動車の使用者が道路運送法の規定による自動車運送事業者又は貨物利用運送事業法の規定による第二種貨物利用運送事業を経営する者であるときは、当該事業を監督する行政庁の意見を聴かなければならない。
  11. 4.公安委員会は、第二項の規定による命令をしようとするときは、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
  12. 5.公安委員会は、前項の聴聞を行うに当たつては、その期日の一週間前までに、行政手続法第十五条第一項の規定による通知をし、かつ、聴聞の期日及び場所を公示しなければならない。
  13. 6.前項の通知を行政手続法第十五条第三項に規定する方法によつて行う場合においては、同条第一項の規定により聴聞の期日までにおくべき相当な期間は、二週間を下回つてはならない。
  14. 7.第四項の聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
  15. 8.第四項の聴聞の主宰者は、必要があると認めるときは、道路交通に関する事項に関し専門的知識を有する参考人又は当該事案の関係人の出頭を求め、これらの者からその意見又は事情を聴くことができる。
  16. 9.公安委員会は、第二項の規定による命令をしたときは、当該命令を受けた自動車の使用者に対し、運転し、又は運転させてはならないこととなる自動車の番号標の番号その他の内閣府令で定める事項を記載した文書を交付し、かつ、当該自動車の前面の見やすい箇所に内閣府令で定める様式の標章をはり付けるものとする。
  17. 10.前項の規定により標章をはり付けられた自動車について、当該自動車の使用者から当該自動車を買い受けた者その他当該自動車の使用について権原を有する第三者は、内閣府令で定めるところにより、公安委員会に対し、当該標章を取り除くべきことを申請することができる。この場合において、公安委員会は、当該標章を取り除かなければならない。
  18. 11.何人も、第九項の規定によりはり付けられた標章を破損し、又は汚損してはならず、また、当該自動車に係る運転の禁止の期間を経過した後でなければ、これを取り除いてはならない。

この条文の基本情報

自動車の使用者の義務等とは何ですか?

定義自動車の使用者の義務等とは、道路交通法第75条に定められた規定で、「自動車(重被牽引車を含む。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 道路交通法第75条(自動車の使用者の義務等)は、日本の道路交通法に含まれる条文です。
  2. 道路交通法第75条の条文原文は「自動車(重被牽引車を含む。」で始まります。
  3. 道路交通法第75条は第三節 使用者の義務に置かれています。
  4. 道路交通法の公布日は昭和35年6月25日です。
  5. 道路交通法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 道路交通法第75条の前の条は道路交通法第74条の3です。
  7. 道路交通法第75条の次の条は道路交通法第75条の2です。
  8. 道路交通法第75条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第75条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105
  • 本サイト収録道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第75条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000105/75
裁判例 1件に引用されています

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わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点道路交通法75条は、自動車の使用者等が運転者に無免許運転や酒気帯び運転等を命じ、または容認することを禁じる規定。違反すれば公安委員会が最長6月の車両使用制限を命じられる。

Q · 社員が社用車で飲酒運転や無免許運転をしたら、会社も罰せられるんですか?

命じていなくても、黙認していれば会社も違反者になります

道路交通法75条1項は、自動車の使用者と安全運転管理者等に対し、業務に関して運転者へ無免許運転・酒気帯び運転・過労運転・過積載等を命じることに加え、これらを容認することも禁じています。容認とは黙認、つまり知りながら止めなかった状態を含みます。違反により運転者が実際にこれらの行為をし、その使用が著しく交通の危険を生じさせるおそれがあると認められるときは、公安委員会が6月を超えない範囲で当該自動車の運転禁止を命じ、車両前面に標章をはり付けます(2項・9項)。これは刑事罰とは別系統の行政処分です。

解説

社員が社用車で無免許運転をした。飲酒したまま営業車を走らせた。積載オーバーのトラックを出した。このとき警察の視線は運転者だけに向かうのではない。道路交通法75条は、自動車の使用者、つまり会社そのものと、安全運転管理者や運行を直接管理する立場の人間に対し、これらの行為を「命じてはならない」だけでなく「容認してはならない」と定めている。容認、つまり黙認である。積極的に指示していなくても、知りながら止めなかったなら、あなたは違反者になる。しかも制裁は罰金だけではない。公安委員会は最長6か月、その車を「運転させてはならない」と命じることができる。命令が出れば、その車のフロントガラスに標章が貼られる。取引先の駐車場でも、路上でも、誰からも見える位置に。使用制限命令は事業の売上を直撃し、標章は会社の信用を直撃する。運転者個人の問題として処理してきた事故が、実は経営者のリスクだったと気付くのはたいてい聴聞の通知が届いた後だ。

法的な位置づけ

道路交通法75条は、自動車の使用者および安全運転管理者等その他運行を直接管理する地位にある者を名宛人とし、業務に関して運転者に無免許運転、酒気帯び運転、過労運転、無資格運転、過積載、放置駐車となる行為を命じ、または容認することを禁じる規定である。違反があった場合、公安委員会は6月を超えない範囲で当該自動車の運転禁止を命ずることができる。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.自社の「使用者等」に誰が該当するか確定する 1項括弧書きに従い、法人としての使用者だけでなく、安全運転管理者、配車担当者、現場責任者など運行を直接管理する地位にある者を洗い出し、名簿化する。名前が載る人には後述の権限を必ず付与する
  2. 2.三つの記録(点呼・免許有効期限・酒気帯び確認)を整備する 点呼記録、運転者の免許証の写しと有効期限管理簿、アルコールチェック記録の三点を毎日運用に落とし込み、酒気帯び確認記録は1年間保存する。この三つの空白が並ぶと「容認していない」ことを説明する材料がなくなる
  3. 3.危険な運行を止める最終権限を書面化する 安全運転管理者や配車担当者に、人手不足や納期を理由にした運行を止められる最終権限があることを職務権限規程や就任時の確認書に明記する。名ばかり管理者の状態を解消しておく
  4. 4.聴聞通知が届いたら一週間で防御資料を束ねる 5項により期日は通知から一週間後に来る。点呼記録、アルコールチェック記録、教育実施記録、違反発覚後に打った是正措置を時系列で整理し、行政事件に対応できる弁護士へ直ちに相談する
  5. 5.聴聞では8項を使って人を立てて説明する 8項により主宰者は専門的知識を有する参考人や事案の関係人から意見を聴くことができる。運行管理の実務者や外部の安全コンサルタントの出頭を主宰者に働きかけ、体制を口頭で具体的に説明させる

よくある質問 AI による整理

Q1道路交通法75条とは何ですか?

自動車の使用者や安全運転管理者等が、運転者に無免許運転・酒気帯び運転・過労運転・過積載等を命じたり容認したりすることを禁じる規定です。違反すると車両の使用制限命令の対象になります。

Q2使用制限命令は何か月で解除されますか?

2項により6月を超えない範囲で期間が定められます。期間は政令の基準に従って決まり、違反の悪質性や再発防止体制の整備状況が判断材料になります。期間経過前に標章を外すことはできません。

Q3安全運転管理者は何台から選任が必要ですか?

乗車定員11人以上の自動車1台以上、またはその他の自動車5台以上を使用する事業所で選任義務が生じます(自動二輪は0.5台換算)。選任した人は75条の「使用者等」に含まれます。

Q4アルコールチェックの記録は何年保存が必要ですか?

安全運転管理者による酒気帯び確認の記録は1年間の保存が義務づけられています。この記録の不存在は、後に75条の「容認」を否定するときの防御材料を失うことを意味します。

Q5過積載でトラックを出したら会社も罰せられますか?

はい。57条1項違反の積載で運転させれば75条1項6号に該当します。運転者の違反とは別に、使用者と運行を直接管理する立場の者が固有の違反者として扱われます。

Q6聴聞の通知はいつ届きますか?

5項により、聴聞期日の一週間前までに通知され、期日と場所が公示されます。公示送達等の方法による場合は6項によりおくべき期間が二週間を下回れません。準備時間は極めて短いのが実務です。

Q7「使用者等」には誰が含まれますか?

自動車の使用者に加え、1項括弧書きにより安全運転管理者等その他自動車の運行を直接管理する地位にある者が含まれます。配車担当者や現場責任者も、実態として該当しうる立場です。

Q8駐車違反も75条の対象になりますか?

1項7号により、自動車を離れて直ちに運転できない状態にする行為が、44条・45条・47条・48条等に違反する駐車となる場合に限り対象になります。単なる短時間停車は含まれません。

この条文についての質問 AI による整理

Q1社員が勝手に飲酒運転したのに、なぜ会社まで処分されるんですか?

本当に「勝手に」であれば75条1項の命令・容認には当たりません。争点は会社が知りうる立場で放置したかどうかです。酒気帯びを容認した使用者等には運転者に準じた重い刑事責任があり、さらに2項で最長6か月の使用制限命令が出ます。実務のポイント:捜査機関はまず点呼記録とアルコールチェック記録の有無を見ます。記録が存在しないこと自体が容認を推認させる材料になるため、「記録がない=無関係の証明」ではなく「記録がない=防御材料がない」と考えたほうがいい

Q2使用制限命令の標章って、本当に車に貼られるんですか?取引先に見られたら終わりなんですが

貼られます。9項により公安委員会は自動車の前面の見やすい箇所に標章をはり付けます。書面の交付とセットで、対象車両のナンバーが特定されます。11項により、禁止期間の経過前に自分で取り除くこと、破損・汚損することは禁止されています。実務のポイント:この標章は罰金と違って外から見える制裁で、実務上はこちらのダメージのほうが大きいと言う事業者が多い。だからこそ聴聞段階で期間を短縮する努力に価値がある

Q3使用制限がかかった車を売ってしまえば、買った人は普通に乗れますか?

標章がついたままでは扱いに困りますが、10項に救済があります。使用者から当該自動車を買い受けた者その他その自動車の使用について権原を有する第三者は、内閣府令の定めにより公安委員会へ標章の除去を申請でき、申請があれば公安委員会は取り除かなければなりません。実務のポイント:買主が自分で剥がすと11項違反になりうる。中古車取引で標章付き車両に遭遇したら、剥がす前に申請という順番を守ること

Q4安全運転管理者に選ばれたんですが、断ったほうがいいですか?

75条1項の括弧書きで、安全運転管理者等その他自動車の運行を直接管理する地位にある者は「使用者等」に含まれます。つまり違反を容認すれば個人として責任を問われる立場です。断るかどうかより、権限が伴っているかが重要です。実務のポイント:名ばかり管理者、つまり配車を止める権限も予算も与えられていないのに名前だけ登録されている状態が最も危険。就任時に、危険な運行を止める最終権限が自分にあることを書面で確認しておくと、後の責任論で立ち位置が変わる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「運転したのは本人だから、会社は監督責任を問われる程度」と考える経営者は多い。だが75条の構造はそこではない。使用者等の「命令・容認」は運転者の違反とは独立した固有の違反であり、しかも2項の使用制限命令は刑事罰とは別系統の行政処分(役所が事業者に直接下す具体的決定)である。刑事で不起訴になっても、行政処分は別軌道で走り続ける
  • 安全運転管理者を選任した時点で安心する事業者がいるが、危険はむしろ逆方向に増えている。安全運転管理者は75条1項括弧書きで明示的に「使用者等」に含まれる。名前を書いて届け出た瞬間、その人は責任を負う側に移動している。形だけの選任は、社内の誰か一人を法的リスクの矢面に立たせる行為に等しい
  • 「うちは容認なんてしていない、指示もしていない」と考える前に、問いの立て方を変えたほうがいい。争点は「指示したか」ではなく「知りうる立場にありながら放置した事実をどう説明するか」である。点呼記録なし、免許証の期限確認なし、アルコールチェック記録なし。この三つの空白が並んだ時点で、容認を否定する材料をあなたは持っていない
  • 使用制限命令は「その会社の全車両が止まる」と誤解されがちだが、条文上は「当該違反に係る自動車」である。ただし現実の打撃を軽く見てはいけない。台数の少ない事業者にとって主力車両1台の6か月停止は事業停止と同義であり、さらに3項により運送事業者の場合は監督官庁の意見も聴かれる。処分が道路交通の枠を越えて事業許可の世界に波及する導線がここにある
比較の観点この条文ほかの条文
名宛人と義務の性質道交法75条:使用者等に、違反行為を命じること・容認することを禁じる作為禁止道交法74条:使用者に、運転者の安全運転確保のための一般的な措置義務
道交法74条の3:一定台数以上の使用者に、安全運転管理者の選任・届出義務
対象となる行為無免許・整備不良・酒気帯び・過労・免許条件外運転・過積載・放置駐車となる行為(1項各号)運転者の過労、飲酒、無資格運転等を防ぐ体制整備全般
選任義務・届出義務・法定講習の受講
違反時の効果刑事罰に加え、公安委員会による6月以内の使用制限命令+標章のはり付け(2項・9項)公安委員会による是正指示等が中心で、車両の使用制限に直結しない
選任・届出義務違反そのものへの制裁
実務上の防御材料点呼記録・アルコールチェック記録・教育記録・是正措置の時系列体制文書と教育実施実績
選任届の控えと講習受講記録

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
道路交通管理處罰條例第35條・第43條

台湾も汽車所有人が駕駛人の酒駕等を明知しながら禁止しなかった場合に牌照吊扣という車両側の制裁を科す。車両の使用そのものを止める発想は日本の使用制限命令と同型

韓国
대한민국 도로교통법 제56조(고용주등의 의무)

韓国は雇用主等が無免許・酒気帯び運転をさせてはならない義務を明文化する。使用者側を名宛人にする構造は日本と同じだが、車両単位の使用制限命令に相当する制度設計は異なる

ドイツ
StVG § 21 Abs. 1 Nr. 2、StVZO § 31 Abs. 2

ドイツは Halter(保有者)が無資格者の運転を命じ、または許容すること自体を可罰的とする。日本の「命じ、又は容認してはならない」と極めて近い立法技術

アメリカ
49 C.F.R. § 383.37、§ 392.5(FMCSA 規則)

米国は連邦運輸規則でモーターキャリアが無資格運転者や飲酒状態の運転者を運転させることを禁じ、事業者側に out-of-service 命令等の行政的制裁を科す。州法ではなく連邦規則で事業者責任を組み立てる点が異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 運送会社の配車担当者として、ドライバーが免停中であることを薄々知りながら、人手が足りず「今日だけ」と配車した。事故が起きなくても、この配車指示自体が75条1項1号違反である。ドライバーの無免許運転とは別に、あなたと会社が処罰の対象になる
  • 営業所の飲み会の後、部下が「大丈夫です」と言って社用車に乗り込むのを見送った。止めなかったという事実が「容認」になる。酒気帯び運転を容認した使用者等には、運転者本人に準ずる重い刑事責任が科されうる(道路交通法117条の2の2等)。見て見ぬふりのコストは、あなたが想像しているより一桁高い
  • もし公安委員会から「聴聞を行う」という通知が届いたら、その時点で何が起きているか分かるだろうか。使用制限命令の手続はすでに動き始めており、期日は一週間後。この一週間で、再発防止体制の整備状況を証拠として組み立てられるかどうかで、命令期間が3か月になるか6か月になるかが変わる
  • 中古車として買った車に、見慣れない標章が貼ってある。前の使用者が使用制限命令を受けた車だった。あなたは第三者として公安委員会に標章の除去を申請できる(10項)。剥がしたくなる気持ちを抑えて、まず申請すること。無断で剥がせば11項違反である
  • 建設会社の現場責任者。過積載のダンプを出すのが慣行になっている現場で、あなたは書類上「運行を直接管理する地位にある者」に該当する。57条1項違反の積載で運転させれば75条1項6号。慣行だから、上が決めたことだから、は法的な抗弁にならない

取るべき行動

被害を受けた側:使用者側の従業員として無免許運転や過積載を命じられた立場なら、まず命令の事実を記録に残すこと。LINE、メール、業務指示書のスクリーンショットを日付付きで保存する。命令に従って運転すれば運転者本人も処罰され、点数も自分に付く。拒否したことを理由に不利益な扱いを受けたなら、労働局や労働基準監督署への相談と並行して、当該指示の記録を弁護士に提示する。会社が75条違反を問われる場面で、その記録があなた自身の立場を守る

訴えられた側:1. 聴聞通知を受け取ったら期日と場所を確認し、直ちに行政事件に対応できる弁護士へ相談2. 点呼記録、免許証の写しと有効期限管理簿、アルコールチェック記録、安全教育の実施記録を全期間分そろえる3. 違反発覚後に実施した是正措置(管理者の再教育、検知器の増設、配車ルール変更)を時系列の書面にまとめる4. 聴聞では8項を活用し、運行管理の実務者を関係人として出頭させ体制を具体的に説明する5. 運送事業者の場合、3項により監督官庁の意見が入るため、事業許可への波及も同時に見据えて対応する

時効(請求できる期限):聴聞は期日の一週間前までに通知される(5項)。公示送達等の方法による場合は二週間を下回れない(6項)。使用制限命令の期間は6月を超えない範囲(2項)。標章は禁止期間の経過後でなければ取り除けない(11項)。刑事責任側の公訴時効は法定刑により異なるため、個別に確認が必要(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:75条1項の命令・容認は運転者の違反とは独立した使用者等の固有の違反であり、2項の使用制限命令は将来の交通危険の防止を目的とする行政処分である。刑事責任の帰趨とは別軌道で判断されると理解されている

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和35年(1960年) 新設:道路交通法の制定に伴い、運転者中心であった規律を自動車の使用者側にも拡張し、命令・容認の禁止と使用制限命令の枠組みを置いた
  2. 2.平成5年(1993年)以降 改正:行政手続法(平成五年法律第八十八号)の制定に伴い、使用制限命令の事前手続として聴聞の実施、通知期間、公開審理、参考人聴取の規定が現行の形に整理された
  3. 3.平成29年(2017年) 改正:準中型自動車の区分新設に伴い、1項5号が引用する85条各項の免許条件違反の類型が現行の文言に整備された

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道路交通法の全文を見る所属する編章節を開く:第三節 使用者の義務

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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