災害対策基本法 第51条(情報の収集及び伝達等)
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- 指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関及び指定地方公共機関、公共的団体並びに防災上重要な施設の管理者(以下「災害応急対策責任者」という。)は、法令又は防災計画の定めるところにより、災害に関する情報の収集及び伝達に努めなければならない。
- 2.災害応急対策責任者は、前項の災害に関する情報の収集及び伝達に当たつては、地理空間情報(地理空間情報活用推進基本法(平成十九年法律第六十三号)第二条第一項に規定する地理空間情報をいう。)及び情報通信技術その他の先端的な技術の活用に努めなければならない。
- 3.災害応急対策責任者は、災害に関する情報を共有し、相互に連携して災害応急対策の実施に努めなければならない。
この条文の基本情報
情報の収集及び伝達等とは何ですか?
定義情報の収集及び伝達等とは、災害対策基本法第51条に定められた規定で、「指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関及び指定地方公共機関、公共的団体並びに防災上重要な施設の管理者(以下「災…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第51条(情報の収集及び伝達等)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第51条の条文原文は「指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関及び指定地方公共機関、公共的団体並びに防災上重要な施設の管理者(以下「災…」で始まります。
- 災害対策基本法第51条は第一節に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第51条の前の条は災害対策基本法第50条です。
- 災害対策基本法第51条の次の条は災害対策基本法第51条の2です。
- 災害対策基本法第51条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第51条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第51条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/51
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法51条は、国・自治体・指定公共機関などの災害応急対策責任者に、災害情報の収集・伝達と相互の共有・連携を求める規定。罰則のない努力義務である。
Q · 避難情報が届かなかったら、災害対策基本法51条で責任を問えるの?
本条だけでは難しく、計画上の手順違反が争点になる
災害対策基本法51条は、災害応急対策責任者に災害情報の収集・伝達と共有・連携を求めていますが、文末はすべて「努めなければならない」という努力義務です。そのため本条違反だけで損害賠償が認められるとは考えにくく、国家賠償法1条の過失判断では、当時の予見可能性と、地域防災計画や防災業務計画に定められた具体的な伝達手順に沿っていたかが争点になります。
解説
防災行政無線が雨音でかき消された。エリアメールが来なかった。そのとき責任を問える相手は誰なのか。災害対策基本法51条は、国の機関、自治体、通信・電力・鉄道などの指定公共機関、防災上重要な施設の管理者をまとめて「災害応急対策責任者」と呼ぶ。そのうえで三つのことを求めている。災害情報を集めて伝えること、地理空間情報(位置と結び付いたデータ、例:浸水想定図や河川カメラの地点情報)や先端技術を使うこと、そして互いに情報を共有して連携することだ。ただし文末はすべて「努めなければならない」となっている。罰則のない努力義務(守らなくてもすぐに処罰や制裁はないが、法が期待する行動の基準)である。ここが分かれ目になる。情報が届かなかったとき、本条だけを根拠に損害賠償を勝ち取るのは難しい。一方で、自治体や企業が自分で作った地域防災計画や防災業務計画に具体的な手順が書いてあれば、その手順を守らなかったことが責任を問う足場になりうる。あなたが読むべきなのは条文そのものより、その下にぶら下がる計画書の中身である。
法的な位置づけ
災害対策基本法51条は、指定行政機関の長、地方公共団体の長、指定公共機関、指定地方公共機関、公共的団体および防災上重要な施設の管理者を「災害応急対策責任者」と定義し、法令または防災計画に基づく災害情報の収集・伝達、地理空間情報および情報通信技術等の活用、ならびに相互の情報共有と連携による災害応急対策の実施を努力義務として課す規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1災害応急対策責任者とは誰のことですか?
災害対策基本法51条1項が定める呼び名で、指定行政機関・地方公共団体の長、指定公共機関、指定地方公共機関、公共的団体、防災上重要な施設の管理者を指します。
Q2災害対策基本法51条に罰則はありますか?
ありません。1項から3項まですべて「努めなければならない」という努力義務で、違反しても直ちに刑罰や行政処分が科されるわけではありません。
Q3地理空間情報とは何ですか?
地理空間情報活用推進基本法2条1項が定める、位置と結び付いた情報のことです。浸水想定図、河川カメラの地点情報、道路の通行実績などが含まれます。
Q4指定公共機関の一覧はどこで見られますか?
指定公共機関は内閣総理大臣が指定し、内閣府(防災担当)が一覧を公表しています。指定地方公共機関は各都道府県が公表しています。
Q5防災無線が聞こえなかったら違法ですか?
聞こえなかったこと自体が直ちに違法とはなりません。地域防災計画に定めた伝達手段や手順が実際に実施されたかどうかが、責任判断の主な材料になります。
Q6災害対策基本法51条と53条の違いは?
51条は災害情報の収集・伝達全般の努力義務、53条は市町村長や都道府県知事などが被害状況を上位機関へ報告する具体的な手続を定めています。
Q7民間企業も災害情報を伝える義務がありますか?
指定公共機関・指定地方公共機関に指定された通信・電力・鉄道・放送・大手小売などや、防災上重要な施設の管理者は、本条の努力義務の対象になります。
Q8地域防災計画は誰でも見られますか?
多くの市町村や都道府県が公式サイトで公表しています。掲載がない場合は役所の防災担当課で閲覧するか、情報公開請求で入手できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1避難指示が遅れて家が浸水しました。市を訴えられますか?
訴えること自体はできる。ただ、51条は「努めなければならない」という努力義務なので、本条違反だけで賠償が認められるとは考えにくい。国家賠償法1条の過失判断では、当時の予見可能性と、地域防災計画などで具体化された手順に沿っていたかが争点になる。実務のポイント:勝負を分けるのは条文ではなく記録である。災害対策本部の時系列記録や防災無線の送信ログを、早めに情報公開請求で押さえた側が交渉の主導権を握る
Q2うちの会社が指定公共機関かどうか、どうやって分かるんですか?
指定公共機関は内閣総理大臣が指定し(2条5号)、内閣府が一覧を公表している。指定地方公共機関は都道府県知事が指定する(同条6号)。指定されると防災業務計画を作る義務(39条)を負い、本条の情報収集・伝達の担い手にもなる。実務のポイント:指定は事前調整のうえで行われるのが通例なので、社内でも一部の部署しか知らないことがある。BCP 担当と広報が別々に動くと、災害時に行政への報告と顧客向けの発信が食い違う
Q3大雨のとき、テレビの情報と市のメールの内容が違ったら、どっちを信じればいいの?
避難指示を出す権限は原則として市町村長にある(60条)。テレビや携帯会社は、本条の情報伝達の担い手としてその内容を伝える立場だ。食い違いの多くは更新のタイミングのずれから生じる。実務のポイント:放送局や携帯各社への避難情報の配信は、多くの自治体で L アラート(災害情報共有システム)を経由している。迷ったら、発令元である自治体の公式サイトや防災アプリで最新情報を直接確かめるのが一番早い
間違えやすい点 AI による整理
- 「努力義務だから意味がない」と軽く見られがちだが、それは影響の大きさを見誤っている。努力義務は、地域防災計画や防災業務計画で具体化された瞬間に組織内では実際の業務手順になる。外部から見ても、過失を判断する物差しとして使われうる。条文は柔らかくても、その下の計画は硬い
- 「役所は避難情報を出したのか」という問いの立て方そのものがずれている。本条が求めるのは収集、伝達、共有の三つである。発表はしたが住民に届かない。隣の自治体と内容が食い違う。現場の情報が本部に上がってこない。こうした状態もすべて本条が想定する失敗に含まれる
- 住民から見れば、避難情報は役所が出すものである。法律から見れば、通信会社、放送局、電力会社、一部の大手小売も同じ「災害応急対策責任者」の列に並んでいる。役所だけを責めても、情報が途切れた本当の原因には届かないことがある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務の対象者 | 51条:災害応急対策責任者(国・自治体・指定公共機関・重要施設の管理者など) | 53条:市町村長・都道府県知事・指定行政機関の長など 54条:災害のおそれがある異常な現象を発見したすべての者 |
| 求められる行為 | 災害情報の収集・伝達、先端技術の活用、相互共有と連携 | 被害状況等を上位機関へ報告 市町村長・警察官等への遅滞ない通報 |
| 義務の強さ | 努力義務(「努めなければならない」) | 報告義務(具体的な報告手続) 通報義務(住民にも及ぶ) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も災害応変措置の一つとして災情の蒐集・通報を各級政府に求める。中央災害応変センターを軸とする集中型の運用が特徴
韓国は行政安全部を中心に災害状況の報告と情報共有を制度化しており、日本より中央集約型の色彩が強い
ドイツは平時の災害防護が州の権限で、連邦は民間防護を担う二層構造。警報は連邦の MoWaS システムで統合されている
米国は FEMA を中心とした連邦支援の枠組みで、警報配信は IPAWS により統合されている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし自治会長として、裏山の斜面に新しい亀裂と湧き水を見つけたら、誰に連絡すべきか? 51条の対象は行政や企業だが、すぐ後ろの54条は、災害のおそれがある異常な現象を見つけたすべての人に、市町村長や警察官などへすぐ通報するよう義務付けている
- 台風の夜、市の避難指示がスマホに届いたのは、川があふれて40分経ってからだった。自宅は床上浸水した。市の対応を問うとき、入口は51条だが、本丸は市の地域防災計画に書かれた伝達手順と、当夜の実際の記録との食い違いである
- あなたは大手スーパーの店舗運営部長である。地震の直後、本社から「指定公共機関として、店舗の被害と営業状況を行政と共有せよ」と指示が来た。自社が国の防災網の一員だと、そのとき初めて知った
- 停電で信号が消え、携帯も圏外になった。電力会社と通信会社が復旧状況を共有していなければ、基地局の電源復旧はさらに遅れる
- 豪雨のピークまであと3時間。町役場の防災担当であるあなたの手元に、河川カメラの映像、気象台の情報、住民からの通報が一度に流れ込んでくる。どれを、誰に、どの経路で流すか。計画に手順が書いていなければ、すべての判断があなた一人の頭の中で行われることになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 避難情報を受け取った時刻、防災無線が聞こえたかどうか、自宅周辺の状況を写真とメモで記録する2. 市町村の地域防災計画と、公表されている通信・電力会社の防災業務計画を入手し、伝達手順と実際の対応を照らし合わせる3. 情報公開請求で災害対策本部の記録を確保する4. 損害が大きければ国家賠償法1条に基づく請求を弁護士と検討する。本条だけでは根拠が弱いので、計画や個別法上の具体的な義務違反を軸に組み立てる
訴えられた側:1. 自組織が災害応急対策責任者(指定公共機関、指定地方公共機関、防災上重要な施設の管理者)に当たるかをまず確認する2. 防災業務計画の情報伝達手順が実際に動くか訓練で確かめ、記録を残す3. 災害時の判断と送信時刻をログで時系列に保存する4. 責任を問われたら、当時の予見可能性と、計画どおりの手順を踏んだ事実を示す。努力義務なので、結果だけで違反と評価されにくい
時効(請求できる期限):本条自体に期限や時効はない。情報伝達の不備を理由に国家賠償を求める場合は、国家賠償法4条により民法が準用され、損害と加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年、民法724条の2)、不法行為の時から20年(民法724条)で請求できなくなる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和36年(1961年) 新設:伊勢湾台風を契機に災害対策基本法が制定され、災害応急対策の通則として災害情報の収集及び伝達に関する規定が設けられた
- 災害対策基本法 第2条指定公共機関等の定義
- 災害対策基本法 第39条指定公共機関の防災業務計画作成義務
- 災害対策基本法 第53条被害状況等の報告義務
- 災害対策基本法 第54条異常現象発見者の通報義務
- 災害対策基本法 第56条市町村長の警報伝達及び警告
- 地理空間情報活用推進基本法 第2条2項が引用する地理空間情報の定義
- 気象業務法 第15条気象警報の関係機関への通知
- 国家賠償法 第1条情報伝達不備に対する賠償の根拠
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