災害対策基本法 第53条(被害状況等の報告)
クイックジャンプ
- 市町村は、当該市町村の区域内に災害が発生したときは、政令で定めるところにより、速やかに、当該災害の状況及びこれに対して執られた措置の概要を都道府県(都道府県に報告ができない場合にあつては、内閣総理大臣)に報告しなければならない。
- 2.都道府県は、当該都道府県の区域内に災害が発生したときは、政令で定めるところにより、速やかに、当該災害の状況及びこれに対して執られた措置の概要を内閣総理大臣に報告しなければならない。
- 3.指定公共機関の代表者は、その業務に係る災害が発生したときは、政令で定めるところにより、すみやかに、当該災害の状況及びこれに対してとられた措置の概要を内閣総理大臣に報告しなければならない。
- 4.指定行政機関の長は、その所掌事務に係る災害が発生したときは、政令で定めるところにより、すみやかに、当該災害の状況及びこれに対してとられた措置の概要を内閣総理大臣に報告しなければならない。
- 5.第一項から前項までの規定による報告に係る災害が非常災害又は特定災害であると認められるときは、市町村、都道府県、指定公共機関の代表者又は指定行政機関の長は、当該災害の規模の把握のため必要な情報の収集に特に意を用いなければならない。
- 6.市町村の区域内に災害が発生した場合において、当該災害の発生により当該市町村が第一項の規定による報告を行うことができなくなつたときは、都道府県は、当該災害に関する情報の収集に特に意を用いなければならない。
- 7.都道府県の区域内に災害が発生した場合において、当該災害の発生により当該都道府県が第二項の規定による報告を行うことができなくなつたときは、指定行政機関の長は、その所掌事務に係る災害に関する情報の収集に特に意を用いなければならない。
- 8.内閣総理大臣は、第一項から第四項までの規定による報告を受けたときは、当該報告に係る事項を中央防災会議に通報するものとする。
この条文の基本情報
被害状況等の報告とは何ですか?
定義被害状況等の報告とは、災害対策基本法第53条に定められた規定で、「市町村は、当該市町村の区域内に災害が発生したときは、政令で定めるところにより、速やかに、当該災害の状況及びこれに対して執られた措置の概要を都道府県(都道府県に報…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第53条(被害状況等の報告)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第53条の条文原文は「市町村は、当該市町村の区域内に災害が発生したときは、政令で定めるところにより、速やかに、当該災害の状況及びこれに対して執られた措置の概要を都道府県(都道府県に報…」で始まります。
- 災害対策基本法第53条は第一節に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第53条の前の条は災害対策基本法第52条です。
- 災害対策基本法第53条の次の条は災害対策基本法第54条です。
- 災害対策基本法第53条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第53条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第53条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/53
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法53条は、災害発生時に市町村・都道府県・指定公共機関・指定行政機関が被害状況と措置の概要を速やかに上位機関へ報告する義務を定める。
Q · 災害の被害状況は、誰がどうやって国に報告しているの?
市町村→都道府県→国の順で速やかに報告する義務がある
災害対策基本法53条により、市町村は都道府県へ、都道府県は内閣総理大臣へ、災害の状況と執った措置の概要を速やかに報告しなければなりません。電力・鉄道などの指定公共機関や各省庁も内閣総理大臣へ報告します。市町村が被災して報告できない場合は都道府県が、都道府県が報告できない場合は指定行政機関の長が、自ら情報収集に特に意を用いる仕組みです。報告を受けた内閣総理大臣は中央防災会議に通報します。
解説
ニュースで「住宅全壊○棟、死者○名」という数字を見るとき、その数字がどこから来ているかを考える人はほとんどいない。出どころは本条である。市町村は災害が起きたら速やかに都道府県へ、都道府県は内閣総理大臣へ、被害状況と執った措置を報告する義務を負う。電力会社や鉄道会社などの指定公共機関、各省庁も同じ義務を負う。報告が上がらなければ、国は被害の大きさを知らないまま判断することになる。肝心なのは、この数字が単なる統計で終わらないという点だ。災害救助法の適用、被災者生活再建支援法の適用、激甚災害の指定など、あなたの町にお金と人が届くかどうかの判断は、こうして積み上がった被害の数字を土台に動く。第6項と第7項は、役場そのものが流されて報告できなくなった場合に、上の機関が自分から情報を取りに行くよう定めている。東日本大震災で役場庁舎ごと機能を失った町が出たことを思い出せば、この規定の重さが分かる。被災直後、あなたの家の被害が「数」に入るかどうかは、遠い霞が関の話ではない。
法的な位置づけ
災害対策基本法53条は、災害発生時の被害状況等の報告義務を定める規定である。市町村、都道府県、指定公共機関の代表者および指定行政機関の長に対し、災害の状況と執られた措置の概要を、政令の定めに従い速やかに上位機関または内閣総理大臣へ報告させ、報告者が機能を失った場合には上位機関に情報収集の特別な配慮を求める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.覚知直後に第一報を上げる 災害を覚知したら、被害の全容がそろうのを待たず、把握できている範囲の災害状況と初動措置を都道府県(報告できない場合は国)へ第一報として報告する
- 2.非常災害なら規模把握の情報収集を強化 非常災害または特定災害と認められる場合、ヘリ映像、職員派遣、住民・自主防災組織からの通報などを組み合わせ、被害規模の把握に必要な情報を重点的に集める(第5項)
- 3.続報で数字を更新する 人的被害・住家被害・インフラ被害などの数字が判明するたびに続報を上げ、確定報まで段階的に更新する。誰がいつ何を報告したかを記録しておく
- 4.報告不能な市町村の情報を上位機関が取りに行く 市町村が庁舎被災などで報告できない場合、都道府県は職員派遣や関係機関への照会で自ら情報を収集する(第6項)。都道府県が機能不全の場合は指定行政機関の長が動く(第7項)
よくある質問 AI による整理
Q1災害対策基本法53条とは何ですか?
災害が起きたとき、市町村・都道府県・指定公共機関・各省庁に、被害の状況と執った措置を速やかに報告させる規定です。最終的な報告先は内閣総理大臣です。
Q2市町村の被害報告は誰に出しますか?
原則は都道府県です。都道府県に報告できない場合は、内閣総理大臣に直接報告します(第1項かっこ書き)。
Q3被害報告はいつまでに出す必要がありますか?
条文は「速やかに」とだけ定めています。実務では消防庁の即報要領により、第一報は覚知後おおむね30分以内が目安とされます(最新版を要確認)。
Q4指定公共機関にも被害報告の義務はありますか?
あります。電力・ガス・通信・鉄道などの指定公共機関の代表者は、その業務に係る災害の状況と措置を内閣総理大臣に報告する義務を負います(第3項)。
Q5役場が被災して報告できない場合はどうなりますか?
第6項により都道府県が、都道府県が報告できない場合は第7項により指定行政機関の長が、自ら情報収集に特に意を用いなければなりません。
Q6災害の被害報告をしなかったら罰則はありますか?
本条に罰則規定はありません。ただし報告の遅れは災害救助法の適用判断などに影響し、事後検証で対応が問われることがあります。
Q7非常災害と特定災害で報告の扱いは変わりますか?
第5項により、非常災害または特定災害と認められるときは、報告者は災害の規模把握に必要な情報の収集に特に意を用いなければなりません。
Q8被害報告の結果はどこに伝えられますか?
報告を受けた内閣総理大臣は、報告事項を中央防災会議に通報します(第8項)。国の防災対策の判断材料として共有される仕組みです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ニュースの被害の数って、最初と後でなんであんなに変わるんですか?
本条の報告は「速やかに」が優先で、第一報は把握できた範囲だけを上げ、その後続報で更新していく仕組みだからである。特に第5項は、非常災害では規模の把握に特に意を用いるよう求めている。実務のポイント:初期の数字が小さいのは被害が小さいからではなく、まだ誰も現地に入れていないからであることが多い。報道で数字が少ない地区ほど、実は深刻な場合がある
Q2役所の被害集計に自分の家が入ってたら、罹災証明はいらないんですか?
必要である。本条の報告は自治体が国に上げる全体の数字であり、個人の権利を証明するものではない。支援金や税の減免、保険の手続には第90条の2の罹災証明書が求められるのが一般的だ。実務のポイント:判定に不満があれば再調査を申し出られる。内壁や床下など見えにくい被害は一次調査で拾われにくいので、写真を添えて具体的に指摘すると結果が変わることがある
間違えやすい点 AI による整理
- 被害報告は役所が後片付けのためにまとめる事務作業だと思われがちだが、順番は逆である。災害救助法の適用や被災者生活再建支援法の適用は、一定数以上の住宅被害などの基準で判断される。報告の数字は、支援の扉が開くかどうかを決める側にある(具体的な適用基準は各法の政令を確認のこと)
- 役所の被害集計と、あなたの罹災証明書は別物である。本条の報告は自治体全体の被害を国に伝える行政間の手続で、あなた個人の被害を証明するのは第90条の2の罹災証明書だ。集計に家が含まれていても、自分で罹災証明書を申請しなければ支援金の申請書類はそろわない
- 報告が遅れた自治体職員は処分されるのか、と問う人がいるが、問いの立て方がずれている。本条に罰則はない。条文が問題にしているのは個人の責任追及ではなく、回路が切れたときに誰が代わりに情報を拾うかという仕組みの冗長性である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 53条:災害の状況と執った措置の概要の報告 | 51条:災害に関する情報の収集・伝達 90条の2:個々の住家被害を証明する罹災証明書 |
| 義務を負う主体 | 市町村・都道府県・指定公共機関の代表者・指定行政機関の長 | 指定行政機関の長・地方公共団体の長等 市町村長(被災者の申請により交付) |
| 情報の流れ | 下位機関から内閣総理大臣へ、最終的に中央防災会議へ | 防災関係機関の間で相互に収集・伝達 市町村から被災者個人へ |
| 個人への影響 | 間接的:支援法適用や激甚指定の判断材料 | 間接的:警報・避難情報などの伝達 直接的:支援金・減免等の申請書類になる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も各級政府の災害応変中心を通じて災情を集約する仕組みを持つ。条文単位の対応関係は要確認
韓国も災害状況を上級機関へ報告する義務を法定しており、日本と同様の階層型報告構造を取る
米国は州知事が被害評価に基づき大統領に大規模災害宣言を要請する仕組みで、報告と支援発動が直結する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし豪雨で集落ごと孤立し、役場とも電話がつながらなくなったら、被害は誰が数えるのか? 第6項により、市町村が報告できなくなったときは都道府県が自分から情報を集めに動く義務を負う。自主防災組織が衛星電話や SNS で県に直接状況を伝えることには、法的にも受け皿がある
- あなたは市役所防災課の若手職員。震度6弱の揺れから20分、課長から「第一報はまだか」と怒鳴られる。被害の全容は分からないが、消防庁の即報要領は分からない部分を空欄にしてでも早く上げる運用を求めている。完璧な数字を待つことが、この場面では最大の失敗になる
- 停電戸数の速報がテレビに出た。電力会社は指定公共機関として、自社業務に関わる災害の状況を国へ報告する義務を負っている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 片付けを始める前に、家の内外、浸水した高さ、壊れた家財を日付入りで撮影する2. 自分の地区の被害が把握されていないと感じたら、町内会や自主防災組織を通じて役場の災害対策本部に地区単位でまとめて伝える。役場が機能していない場合は都道府県に伝える(第6項の受け皿) 3. 罹災証明書(第90条の2)を別途申請する。被害の判定に納得できなければ再調査を求める4. 災害救助法や被災者生活再建支援法が適用されたかを自治体の告知で確認し、使える支援を一覧にする
訴えられた側:自治体職員や指定公共機関の担当者として報告する立場にある場合:1. 数字がそろうのを待たず、分かっている範囲で第一報を上げ、続報で更新する2. 通信が途絶えたら、県や国に直接伝える経路(第1項かっこ書き)を使う3. 本条に罰則はないが、報告の遅れは救助法適用などの判断の遅れにつながり、事後の検証で厳しく問われる。誰がいつ何を報告したかを記録しておく
時効(請求できる期限):本条は「速やかに」とだけ定め、具体的な日数はない。実務上は消防庁の「火災・災害等即報要領」により、第一報は覚知後原則30分以内で可能な限り早く上げる運用とされる(最新の改正状況をご確認ください)。被災者生活再建支援金の申請期間は、基礎支援金が災害発生日から13か月、加算支援金が37か月が原則である(延長される場合あり。最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 令和3年(2021年)改正 特定災害対策本部の制度が設けられたことに伴い、第5項に特定災害が加えられたとみられる。その他の項の改正時期と内容は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和36年(1961年) 新設:災害対策基本法の制定。伊勢湾台風の教訓を受け、災害状況の報告体制を法定化
- 2.令和3年(2021年) 改正:特定災害対策本部制度の創設に伴い、第5項に特定災害が加えられたとみられる(改正内容の詳細は要人的検証)
- 災害対策基本法 第51条災害情報の収集・伝達の一般的義務
- 災害対策基本法 第11条第8項の通報先、中央防災会議の設置
- 災害対策基本法 第24条非常災害対策本部の設置
- 災害対策基本法 第23条の3特定災害対策本部の設置
- 災害対策基本法 第90条の2個人の被害を証明する罹災証明書
- 災害救助法 第2条被害規模に応じた救助の実施対象
- 被災者生活再建支援法 第3条住宅被害世帯への支援金支給
- 激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律 第2条被害額を基礎とする激甚災害の指定
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める