災害対策基本法 第78条の2(指定行政機関の長等による応急措置の代行)
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- 指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長は、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、法令又は防災計画の定めるところにより、市町村長が第六十四条第一項及び第二項並びに第六十五条第一項の規定により実施すべき応急措置の全部又は一部を当該市町村長に代わつて実施しなければならない。
- 一災害の発生により市町村及び当該市町村を包括する都道府県がその全部又は大部分の事務を行うことができなくなつたとき。
- 二災害の発生により施設又は設備に被害が生じ、かつ、市町村長又は都道府県知事による当該施設又は設備に係る応急措置の実施が困難である場合であつて、災害応急対策の円滑な実施のため、当該応急措置を実施する緊急の必要があると認めるとき。
- 2.指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長は、前項の規定により市町村長の事務の代行を開始し、又は終了したときは、その旨を公示しなければならない。
- 3.第一項の規定による指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長の代行に関し必要な事項は、政令で定める。
この条文の基本情報
指定行政機関の長等による応急措置の代行とは何ですか?
定義指定行政機関の長等による応急措置の代行とは、災害対策基本法第78条の2に定められた規定で、「指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長は、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、法令又は防災計画の定めるところにより、市町村長が第六十四条第一項及び…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第78条の2(指定行政機関の長等による応急措置の代行)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第78条の2の条文原文は「指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長は、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、法令又は防災計画の定めるところにより、市町村長が第六十四条第一項及び…」で始まります。
- 災害対策基本法第78条の2は第四節に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第78条の2の前の条は災害対策基本法第78条です。
- 災害対策基本法第78条の2の次の条は災害対策基本法第79条です。
- 災害対策基本法第78条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第78条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第78条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/78_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法78条の2は、市町村と県がともに機能を失った場合などに、国の機関の長が市町村長の応急措置を代わって実施する義務を定め、開始と終了の公示を求める。
Q · 大災害で役場も県庁も動けなくなったら、土地の使用や作業の指示は誰がするの?
国の機関の長が市町村長に代わって行います
災害対策基本法78条の2により、市町村と都道府県がともに事務の全部または大部分を行えなくなったとき、または施設・設備の被害で自治体による応急措置が困難かつ緊急の必要があるとき、指定行政機関の長または指定地方行政機関の長が、市町村長の応急措置(土地等の一時使用、障害物の除去、住民の従事命令)を代わって実施しなければなりません。代行の開始と終了は公示されます(同条2項)。
解説
町役場の庁舎が津波で流され、職員の多くが行方不明になる。県庁も被災して機能しない。東日本大震災では、こうした事態が現実に起きた。そのような場合でも、災害対応の権限は宙に浮かない。災害対策基本法78条の2は、市町村も都道府県も事務のほぼすべてを行えなくなったとき、国の機関の長(指定行政機関の長、または地方整備局長のような指定地方行政機関の長)が市町村長の応急措置を代わって行わなければならないと定める。代行の対象は三つある。他人の土地や建物を一時使用し、物資を使用・収用する権限(64条1項)、障害物を除去する権限(同条2項)、住民を応急作業に従事させる権限(65条1項)である。もう一つの発動条件は、道路や水道などの施設が壊れ、市町村や県では応急措置が難しく、緊急に対応する必要がある場合だ。こちらは役所全体が機能を失っていなくても使える。押さえておきたいのは、代行の開始と終了が公示される点である(2項)。土地を使われた、作業に駆り出されたというとき、補償を誰に求めるかを決める手がかりがこの公示になる
法的な位置づけ
災害対策基本法78条の2は、国の機関による市町村長の応急措置の代行を定める規定である。市町村および都道府県の行政機能がほぼ失われた場合、または施設・設備の被害により自治体による応急措置が困難で緊急の必要がある場合に、指定行政機関の長等が64条1項・2項および65条1項の措置を代行する義務を負い、開始と終了を公示する。
よくある質問 AI による整理
Q1災害対策基本法78条の2とは?
市町村と都道府県が機能を失った場合などに、国の機関の長が市町村長の応急措置を代わって実施する義務を定めた規定です。
Q2指定地方行政機関とは何ですか?
国の行政機関の地方支分部局のうち、災害対策基本法に基づいて指定されたものです。地方整備局などがこれに当たり、本条の代行主体になりえます。
Q3災害時に国が私有地を使うのは違法?
本条の要件を満たす代行であれば、64条1項に基づく適法な一時使用です。そのかわり82条の損失補償の仕組みがあります。
Q4応急措置の代行はいつまで続く?
終了の時期は条文に固定されておらず、国の機関の長が終了を公示した時点で終わります(本条2項)。以後、権限は市町村長に戻ります。
Q5災害で除去された家財は返してもらえる?
障害物の除去は64条2項の権限で行われます。除去後の保管・返還の扱いは同法の関連規定と政令によるため、措置した機関に書面で照会するのが確実です。
Q6国の従事命令は断れる?
65条1項の従事命令は法的な命令ですが、体調や家族の救護など正当な事情があれば、その場で伝えて記録を残すことが重要です。
Q7代行の公示はどこで見られる?
公示の媒体は機関ごとに異なりえます。官報、代行した国の機関のウェブサイト、避難所や現地の掲示を確認し、見つけたら保存しておきましょう。
Q8県の機能が残っていても国が代行できる?
できる場合があります。本条1項2号の施設被害型は、市町村長や知事による応急措置が困難で緊急の必要があれば、県が機能していても国が代行できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1役場がつぶれたら、県がやるんですか、国がやるんですか?
まず都道府県知事が市町村長の応急措置を代行する(73条)。市町村と県の両方がほぼ機能しないときに、国の機関の長が代行する(78条の2第1項1号)。実務のポイント:施設被害型の2号は、県が機能していても国が動けるルートであり、順序の原則の例外である。報道で「国が直接対応」と出たら、どちらの号に基づくかで後の補償協議の相手が変わる
Q2国に勝手に土地を使われたんですが、お金はもらえますか?
64条1項による土地の一時使用には、82条の損失補償の仕組みがある。代行の場合に支払主体がどこになるかは、条文と政令(本条3項)で確認する必要がある。実務のポイント:補償の協議は、使用されていた期間と面積の記録があるかどうかで大きく変わる。行政側の記録は混乱期に欠けていることが多い。自分で撮った日付入りの写真が、最も強い交渉材料になる
Q3代行が始まったかどうか、どうやって分かるんですか?
本条2項により、国の機関の長は代行の開始と終了を公示しなければならない。公示の媒体は機関ごとに異なりうるため、官報、機関のウェブサイト、現地の掲示を確認する。実務のポイント:被災直後の公示は誰にも読まれずに埋もれがちだ。復旧後に紛争が起きたとき、弁護士が最初に探すのはこの公示の日付である。見つけたら PDF やスクショで保存しておくと、後日の開示請求の手間が省ける
間違えやすい点 AI による整理
- 「国が出てきたのは、自治体の要請を受けて手伝っているだけ」と見られがちだ。しかし本条の代行は、要件を満たせば国の機関の長が「実施しなければならない」義務であり、市町村長の権限そのものを代わって行使する。単なる応援とは法的な性格が異なる
- 役場が倒れたら、すぐに国が出てくると思われがちだが、順序がある。市町村長ができないときは、まず都道府県知事による代行(73条)が用意されている。1号の国による代行は、市町村と都道府県の両方がほぼ機能しない、という段階で初めて発動する。ただし2号の施設被害型は、この順序とは別の経路で国が動ける
- 被災者から見れば、目の前の重機は「役所の誰か」でしかない。しかし法律上は、措置をしたのが市町村長か、知事か、国の機関の長かで、権限の根拠も、補償や不服申立ての宛先も変わりうる。この違いを気にせず年月が経つと、記録をたどるだけで何か月もかかる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 代行主体 | 78条の2:指定行政機関の長・指定地方行政機関の長(国) | 73条:都道府県知事 64条・65条:市町村長(本来の権限者) |
| 発動要件 | 市町村と都道府県がともに事務の全部・大部分を行えないとき、または施設被害で応急措置が困難かつ緊急の必要があるとき | 市町村が事務の全部・大部分を行えなくなったとき 災害が発生し、または発生しようとしている場合に応急措置を実施するため必要があるとき |
| 対象となる措置 | 64条1項・2項(土地等の一時使用・障害物除去)、65条1項(従事命令)の全部または一部 | 市町村長の応急措置の代行(範囲は73条の定めによる) 市町村長自身による一時使用・除去・従事命令 |
| 法的性格 | 要件充足時の国の義務(「実施しなければならない」)、開始・終了の公示義務 | 知事による代行(国による代行に先行する段階) 第一次的な権限行使(市町村長の固有権限) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も地方政府が対応できない場合に中央・上級政府が支援する仕組みを持つが、日本のように市町村長の権限を国が代行する義務として条文化した形とは構造が異なりうる
韓国も中央と地方の災害安全対策本部による重層的な対応を定める。代行の要件と範囲は個別条文で確認を要する
ドイツの災害対応は州の権限が原則で、連邦は州の要請または複数州にわたる災害の場合に支援する。自治と連邦介入の緊張関係は日本と共通する
米国では州知事の要請と大統領の災害宣言を経て連邦が支援に入る。要請を出発点とする点で、要件充足で義務が生じる日本の本条とは発動の構造が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 大地震で道路が寸断され、あなたの所有する空き地に、国の地方整備局が重機置き場と仮設資材を運び込んだ。役場は機能を失っている。この場合、許可を出したのは市町村長ではなく、市町村長に代わった国の機関の長である。損失補償を求めるなら、相手先と根拠条文の確認が出発点になる
- 倒壊した家屋の残骸を国の出先機関がどけて、道路を通れるようにした。中には先祖代々の仏壇もあった。応急措置の支障になる物件の除去は64条2項の権限であり、代行中は国の機関がこれを行う。除去された物件の保管や返還の扱いを、今のうちに確かめておく必要がある
- 地元の建設会社を経営するあなたは、国の機関から「応急作業に従事してほしい」と求められた。それは災害協定に基づく依頼なのか、65条1項に基づく従事命令の代行なのか。どちらであるかで、報酬になるか補償になるかが変わる
- あなたの集落で、役場の機能が戻ったと報じられた。それでは、国による代行はいつまで続いたのか? 終了の公示(2項)が出た日を境に、権限は市町村長へ戻る。その前後のどちらで起きた措置かによって、請求先の判断が分かれうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 土地の一時使用や物件の除去を受けたら、日時、場所、作業主体の表示を写真で残す2. 官報、国の機関のウェブサイト、避難所の掲示などで代行開始・終了の公示(本条2項)を探し、措置がその期間内かを確認する3. 損失補償は82条が根拠になる。代行時の補償主体が国になるか自治体になるかは条文と政令で確かめ、自治体と国の機関の両方に書面で照会する4. 弁護士会や法テラスの災害時無料相談を活用する
訴えられた側:1. 国の機関から作業への従事を求められたら、65条1項の従事命令の代行なのか、協定や契約に基づく依頼なのかを書面で確認する2. 従事中にけがをした場合は、84条の損害補償の対象になりうるため、診断書と従事の記録を保存する3. 協定に基づく作業なら、発注主体が代行期間中に変わったかを確認してから請求書を出す4. 拒否する正当な理由(体調、家族の救護など)があれば、その場で伝え、記録を残す
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。国に対する金銭債権は会計法30条、地方公共団体に対する金銭債権は地方自治法236条で5年とされる場面があり、損失補償にどれが適用されるかは実務上確認を要する(最新の改正状況をご確認ください)
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