行政事件訴訟法 第23条の2(釈明処分の特則)
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- 裁判所は、訴訟関係を明瞭にするため、必要があると認めるときは、次に掲げる処分をすることができる。
- 一被告である国若しくは公共団体に所属する行政庁又は被告である行政庁に対し、処分又は裁決の内容、処分又は裁決の根拠となる法令の条項、処分又は裁決の原因となる事実その他処分又は裁決の理由を明らかにする資料(次項に規定する審査請求に係る事件の記録を除く。)であつて当該行政庁が保有するものの全部又は一部の提出を求めること。
- 二前号に規定する行政庁以外の行政庁に対し、同号に規定する資料であつて当該行政庁が保有するものの全部又は一部の送付を嘱託すること。
- 2.裁判所は、処分についての審査請求に対する裁決を経た後に取消訴訟の提起があつたときは、次に掲げる処分をすることができる。
- 一被告である国若しくは公共団体に所属する行政庁又は被告である行政庁に対し、当該審査請求に係る事件の記録であつて当該行政庁が保有するものの全部又は一部の提出を求めること。
- 二前号に規定する行政庁以外の行政庁に対し、同号に規定する事件の記録であつて当該行政庁が保有するものの全部又は一部の送付を嘱託すること。
この条文の基本情報
釈明処分の特則とは何ですか?
定義釈明処分の特則とは、行政事件訴訟法第23条の2に定められた規定で、「裁判所は、訴訟関係を明瞭にするため、必要があると認めるときは、次に掲げる処分をすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 行政事件訴訟法第23条の2(釈明処分の特則)は、日本の行政事件訴訟法に含まれる条文です。
- 行政事件訴訟法第23条の2の条文原文は「裁判所は、訴訟関係を明瞭にするため、必要があると認めるときは、次に掲げる処分をすることができる。」で始まります。
- 行政事件訴訟法第23条の2は第一節 取消訴訟に置かれています。
- 行政事件訴訟法の公布日は昭和37年5月16日です。
- 行政事件訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 行政事件訴訟法第23条の2の前の条は行政事件訴訟法第23条です。
- 行政事件訴訟法第23条の2の次の条は行政事件訴訟法第24条です。
- 行政事件訴訟法第23条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第23条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000139 - 本サイト収録
行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第23条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/337AC0000000139/23_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点行政事件訴訟法23条の2は、裁判所が役所に処分の根拠資料の提出を求められる釈明処分の特則を定める。審査請求を経た事件ではその記録も対象だが、文書提出命令と違い強制力はない。
Q · 役所を訴えても、肝心の資料は全部役所が持っている。どうやって出させるの?
原告が促せば、裁判所が役所に資料提出を求められます
行政事件訴訟法23条の2により、裁判所は訴訟関係を明瞭にするため必要と認めるとき、被告行政庁に処分の内容・根拠法令・原因事実その他の理由を明らかにする保有資料の提出を求められます(釈明処分の特則)。審査請求を経た事件では、その記録一式も対象です(2項)。ただしこれは文書提出命令(民訴220条以下)のような強制力はなく、応じなくても直接の制裁はありません。発動は裁判所の職権ですが、現実には原告が準備書面で具体的に資料を特定して促すことが鍵になります。
解説
役所の処分を裁判で争うとき、最大の壁は情報の偏りである。処分の根拠資料も、判断の経緯も、原因となった事実も、すべて役所の金庫の中にあり、あなたの手元には通知書一枚しかない。この丸腰の状態を是正するのが行政事件訴訟法23条の2だ。裁判所は訴訟関係を明らかにするため必要と認めれば、被告側の行政庁に対し、処分の内容、根拠法令、原因事実、その他の理由を明らかにする資料の提出を求めることができる。さらに審査請求を経た事件では、その審査請求の記録一式も対象になる(2項)。一般の民事訴訟にも釈明処分(民事訴訟法151条)はあるが、行政訴訟ではこの特則によって役所の保有資料に踏み込む射程が一段広い。あなたが知っておくべきは、これは原告であるあなたが裁判所に発動を促せる仕組みだという点だ。黙っていても裁判所が自発的に動くとは限らない。
法的な位置づけ
行政事件訴訟法23条の2は、行政訴訟における釈明処分の特則を定める規定である。裁判所は訴訟関係を明瞭にするため必要と認めるとき、被告行政庁に対し処分・裁決の内容、根拠法令、原因事実その他の理由を明らかにする保有資料の提出を求め、または他の行政庁に送付を嘱託できる。審査請求を経た事件ではその審査請求の記録も対象となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.出訴期間内に取消訴訟を提起 処分を知った日から6か月・処分の日から1年(行訴法14条)を過ぎる前に取消訴訟を提起する。23条の2は訴訟係属が前提なので、まず期間管理を最優先する
- 2.準備書面で釈明処分を具体的に求める 訴状や早期の準備書面で、23条の2による釈明処分を裁判所に求める。出させたい資料を『審査の根拠資料』『起案文書』などリスト化して特定し、なぜ訴訟関係の解明に必要かを書く
- 3.審査請求を経ていれば2項で記録一式を求める 審査請求の裁決を経て出訴した場合は、23条の2第2項で審査請求の記録一式の提出を併せて求める。一度負けた審査請求の記録を、次の戦いの武器に変える
- 4.役所が応じなければ文書提出命令へ切替+情報公開で並行確保 23条の2は強制力がないため、中核文書を出さないときは文書提出命令(民訴220条以下)への切替を準備する。並行して情報公開請求で取れる資料は先に確保し、黒塗り部分を訴訟で攻める二段構えにする
よくある質問 AI による整理
Q1役所を訴えたら証拠はどうやって集めますか?
情報公開請求で先に資料を確保しつつ、訴訟では行政事件訴訟法23条の2の釈明処分や文書提出命令で行政庁の保有資料を段階的に引き出します。
Q2行政事件訴訟法23条の2はいつ新設されましたか?
平成16年(2004年)の行政事件訴訟法大改正で新設され、平成17年(2005年)4月に施行されました。情報の非対称を是正する特則です。
Q3釈明処分の特則は原告と裁判所どちらが動かしますか?
発動は裁判所の職権です。ただし実務では原告が準備書面で具体的に資料を特定して促さなければ、裁判所が自発的に動くことは多くありません。
Q4取消訴訟の出訴期間を過ぎたらどうなりますか?
処分を知った日から6か月、処分の日から1年(行訴法14条)を過ぎると取消訴訟自体を起こせず、23条の2も使えません。期間管理が前提です。
Q5審査請求で負けても訴訟でその記録は使えますか?
使えます。審査請求の裁決を経た取消訴訟では、23条の2第2項により裁判所が審査請求の記録一式を行政庁に提出させられます。
Q6役所の処分理由が一行しかないとき何ができますか?
取消訴訟を提起し、23条の2で処分の根拠資料を出させて理由を洗い直せます。行政手続法14条の理由提示義務違反も併せて争えます。
Q7営業許可の不許可を争うとき釈明処分は役立ちますか?
役立ちます。不許可の審査に用いた根拠資料を23条の2で出させれば、判断の経緯や落とした理由を特定でき、理由の後付けも封じられます。
Q8行政訴訟と民事訴訟で証拠開示の仕組みは違いますか?
違います。行政訴訟には23条の2の釈明処分の特則や24条の職権証拠調べがあり、行政庁の保有資料に踏み込む射程が一般民事より広いです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1情報公開請求で黒塗りされた資料、裁判になったら見られますか?
見られる可能性が上がります。訴訟に入れば裁判所が23条の2で役所に資料提出を求められ、情報公開でブロックされた資料も訴訟の俎上に乗ることがあります。ただし23条の2は強制力のある命令ではないので、役所が拒むこともある。実務のポイント:行政訴訟に強い弁護士は、情報公開請求と23条の2と文書提出命令を段階的に組み合わせます。まず情報公開で全体像を掴み、黒塗り部分を訴訟で23条の2と提出命令で攻める。この順番を知っているかで、引き出せる資料の量が大きく変わる
Q2裁判所が資料を出せと言っても役所が無視したら、どうなるんですか?
23条の2には文書提出命令のような直接の制裁や、提出を拒んだ場合の真実擬制(民事訴訟法224条)はありません。役所が拒んでも罰則はなく、その拒否的態度が裁判官の心証に不利に働くにとどまります。実務のポイント:実務では、本当に出させたい中核文書は23条の2ではなく文書提出命令(民事訴訟法220条以下)で攻めるのが定石です。23条の2は「まず緩やかに促す」段階、提出命令は「強制する」段階。釈明処分で出てこなければ提出命令に切り替える二段構えを、相手の代理人も読んでいる(実務上の運用は事件により分かれる)
間違えやすい点 AI による整理
- 資料は裁判所が職権で集めてくれると思っている人がいる。たしかに23条の2の発動は裁判所の職権だが、現実には原告が準備書面で具体的に「この資料を出させてほしい」と促さなければ、裁判所が自発的に動くことは多くない。制度の存在を知っているだけでは足りず、使い方を知る者だけが相手の書類を引き出せる
- 「裁判所が出せと言えば役所は必ず出す」と考えるのは、問いの立て方そのものが違う。23条の2は釈明処分であって、文書提出命令(民事訴訟法220条以下)のような強制力はない。役所が応じなくても直接の制裁はなく、提出しない態度が裁判官の心証に響くにとどまる。本当に強制したい中核文書は、別途文書提出命令を検討する必要がある(実務上、両者の使い分けは弁護士の腕の見せ所であり、運用は事件により分かれる)
- 「釈明処分」と聞いて自分が何か処分されると身構える人がいるが、これは役所があなたに下す行政処分とは全くの別物。裁判所が訴訟の中身を整理するために行う訴訟手続上の措置であり、むしろあなたに有利に働く道具だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 根拠と性質 | 行訴法23条の2:行政訴訟の釈明処分の特則 | 民訴151条:一般の釈明処分 行訴法24条:職権証拠調べ |
| 対象 | 行政庁が保有する処分関連資料+審査請求の記録 | 訴訟関係を明瞭にするための一般的処分 当事者が提出しない証拠の職権による取調べ |
| 行政庁への射程 | 保有資料の提出・他庁への送付嘱託まで踏み込む | 一般的で行政保有資料への特則はない 証拠調べ一般、補充的な位置づけ |
| 強制力 | なし(拒否は裁判官の心証に影響) | なし なし(職権主義の補充) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も職権探知主義(第125條の闡明義務)と行政機関の文書提出義務(第163條)を組み合わせる構造で、日本の特則に近い。
韓国の제25조は『행정심판기록 제출명령』を定め、日本の2項(審査請求記録の提出)にほぼ対応する。職権심리(제26조)も併存。
ドイツは職権探知主義(§ 86 Untersuchungsgrundsatz)を基礎に、§ 99で行政庁の文書・記録提出義務を定める。日本より行政庁の提出義務が強い。
米国は行政処分の司法審査で行政庁に『whole administrative record』の提出を求める判例法理を発展させた。機能的に近いが、強制の根拠と構造は異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 営業許可の更新を不許可にされた。通知書の理由は「総合的に判断した結果」の一行だけ。この一行から、役所が何を見て落としたのか、どう争えばいい? 取消訴訟で23条の2を使い、審査の根拠資料そのものを出させるところから戦いは始まる
- あなたが自治体の担当者で、被告側に立った。裁判所から23条の2で内部の起案文書の提出を求められた。出すべきか、第三者情報や行政運営上の支障を理由に一部を拒むか。次の進行協議までに方針を固めなければならない
- 生活保護の廃止処分を取り消したい。審査請求では負けた。あと数週間で出訴期間が切れる。訴訟さえ起こせば、負けた審査請求の記録一式を23条の2第2項で裁判所に出させ、廃止の本当の理由を洗い直せる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取消訴訟を提起したら、訴状や早期の準備書面で「23条の2による釈明処分」を裁判所に具体的に求める。必要な資料をリスト化して示すこと2. 審査請求を経ているなら、2項で審査請求の記録一式の提出も併せて求める3. 役所が応じない、または不十分なら、文書提出命令(民事訴訟法220条以下)への切り替えを準備する4. 並行して情報公開請求で取れる資料は先に確保しておく
訴えられた側:1. 裁判所から23条の2で資料提出を求められたら、強制力はないが拒否は心証を害すると理解する2. 個人情報や第三者の秘密、行政運営上の支障がある部分は、理由を明示して一部不提出や黒塗りを主張する3. 釈明処分で出す資料と、文書提出命令で初めて出す資料の線引きを訴訟方針として早期に固める4. 処分理由の後付けと取られないよう、当初の理由提示との整合性を保つ
時効(請求できる期限):23条の2の釈明処分そのものに期限はなく、訴訟係属中いつでも裁判所に発動を促せる。ただし前提となる取消訴訟には出訴期間があり、処分があったことを知った日から6か月、処分の日から1年(行政事件訴訟法14条)を過ぎると訴訟自体を起こせない。2項の審査請求記録の活用も、出訴期間内に訴訟を提起していることが前提となる
学説
通説(実務):23条の2の釈明処分には文書提出命令のような強制力や真実擬制(民訴224条)はなく、まず緩やかに資料提出を促す段階に位置づけられる。中核文書を強制的に出させたい場合は文書提出命令(民訴220条以下)に切り替える二段階運用が定石とされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)新設(施行 平成17年) 行政事件訴訟法の大改正で、行政訴訟における情報の非対称を是正する釈明処分の特則として新設された。これは高い確信のある事実だが、その後の改正(平成26年の行政不服審査法全面改正に伴う2項関連の整備など)の有無・内容・年次は人的検証を要する
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:行政事件訴訟法の大改正で新設(施行は平成17年・2005年4月)。行政訴訟における情報の非対称を是正するため、被告行政庁に処分の根拠資料等の提出を求められる釈明処分の特則を導入した。
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