商業登記法 第123条(組織変更の登記)
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第百七条の規定は、合同会社が組織変更をした場合について準用する。この場合において、同条第一項第六号中「公告及び催告」とあるのは、「公告及び催告(同法第七百八十一条第二項において準用する同法第七百七十九条第三項の規定により公告を官報のほか時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙又は電子公告によつてした場合にあつては、これらの方法による公告)」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
組織変更の登記とは何ですか?
定義組織変更の登記とは、商業登記法第123条に定められた規定で、「第百七条の規定は、合同会社が組織変更をした場合について準用する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第123条(組織変更の登記)は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第123条の条文原文は「第百七条の規定は、合同会社が組織変更をした場合について準用する。」で始まります。
- 商業登記法第123条は第八節に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第123条の前の条は商業登記法第122条です。
- 商業登記法第123条の次の条は商業登記法第124条です。
- 商業登記法第123条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第123条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第123条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/123
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法123条は、合同会社の組織変更の登記に同法107条を準用し、官報と日刊新聞紙または電子公告で二重に公告した場合は、各別の催告を証する書面の添付を不要とする。
Q · 合同会社を株式会社にするとき、取引先全員に個別通知しないと登記できないの?
官報+新聞か電子公告の二重公告なら、個別通知は不要です
商業登記法123条は、合同会社が組織変更をした場合の登記に同法107条を準用します。会社法781条2項が準用する779条3項により、官報のほか定款で定めた日刊新聞紙または電子公告で二重に公告したときは、各別の催告が不要となり、登記申請にも催告を証する書面を添付しなくてよいという読み替えが置かれています。ただしこの省略は合同会社に限られ、合名会社と合資会社では認められません。定款の公告方法が官報のみの場合は、先に公告方法の定款変更とその登記が必要です。
解説
合同会社を株式会社に変えると決めた瞬間、あなたの会社には「取引先を一社ずつ名指しで通知する」義務が生まれる。会社法779条2項(781条2項が準用)が求める各別の催告であり、銀行、リース会社、仕入先、知れている債権者は全員が対象だ。ところが商業登記法123条は、その義務を登記の場面で消す読み替えを持ち込む。官報だけでなく、定款で定めた日刊新聞紙または電子公告でも同じ公告をした場合、登記申請に添付するのは二本の公告を証する書面だけでよく、催告した証拠はいらない。裏を返せば、定款の公告方法を官報のみと書いている限り、この抜け道は開かない。しかも同じ持分会社でも、合名会社と合資会社にはこの省略が認められていない。有限責任の器を選んでいたという過去の選択が、ここで初めてスケジュールとコストの利益になって返ってくる。
法的な位置づけ
商業登記法123条は、合同会社が組織変更をした場合の登記について、株式会社の設立登記の添付書面を定める同法107条を準用する規定である。準用に際して債権者保護手続の証明に関する文言が読み替えられ、官報のほか日刊新聞紙または電子公告による二重公告が行われた場合には、公告を証する書面のみで足り、各別の催告を証する書面の添付を要しないものとされる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.定款の公告方法を確認し、必要なら先に変更する 定款の公告方法が官報のみなら二重公告は使えない。日刊新聞紙または電子公告への定款変更を総社員の同意で決議し、その変更登記を組織変更の公告より前に済ませる。順番を逆にすると効力発生日が1か月単位で後ろにずれる
- 2.組織変更計画を作成し、総社員の同意を得る 組織変更後の株式会社の商号、目的、発行可能株式総数、機関設計、効力発生日などを定めた組織変更計画を作成し、総社員の同意を得る(会社法781条1項)。効力発生日は公告期間1か月+余裕を逆算して設定する
- 3.官報+日刊新聞紙または電子公告で二重公告する 官報への掲載申込みは2週間前後のリードタイムを見込む。同一内容を定款所定の日刊新聞紙または電子公告でも公告し、異議申述期間を1か月以上確保する。電子公告なら調査機関への調査申込みを同時に行う
- 4.異議が出た債権者に弁済・担保提供・信託で対応する 期間内に異議を述べた債権者には、弁済、相当の担保提供、信託会社への相当の財産の信託のいずれかで対応する(会社法779条5項)。組織変更をしても害するおそれがないと言えるかを、財務資料をもとに検討する
- 5.効力発生日から2週間以内に同時申請する 組織変更後の株式会社の設立登記と、組織変更前の合同会社の解散登記を同時に申請する(会社法920条)。二重公告をした場合の添付書面は公告を証する書面で足り、催告を証する書面は不要(商業登記法123条・107条)
- 6.公告と同意書の原本を最低6か月保管する 組織変更無効の訴えは効力発生日から6か月以内に提起されうる(会社法828条1項6号)。官報の現物、新聞紙面、電子公告調査結果通知、総社員の同意書は登記完了後も原本で保管し、催告省略の適法性を立証できる状態を維持する
よくある質問 AI による整理
Q1組織変更の登記とは何ですか?
合同会社が株式会社になるなど会社の類型を変える場合に行う登記です。組織変更後の株式会社の設立登記と、組織変更前の合同会社の解散登記を同時に申請します。
Q2合同会社から株式会社への変更はどれくらいかかりますか?
債権者の異議申述期間が1か月以上必要で、官報の掲載申込みにも2週間前後かかります。定款の公告方法変更が先に要る場合はさらに1か月程度の上乗せを見込みます。
Q3各別の催告を省略できる条件は?
合同会社であること、定款の公告方法が日刊新聞紙または電子公告であること、そして官報とその方法の二重公告を実際に行うことの3つが揃う必要があります。
Q4合名会社や合資会社でも催告を省略できますか?
できません。商業登記法123条の読み替えは合同会社の組織変更にのみ適用されます。無限責任社員という人的な引き当てが失われるため、催告の省略は認められていません。
Q5組織変更の登記はいつまでに申請しますか?
効力発生日から2週間以内です(会社法920条)。期間を過ぎても登記自体は受理されますが、登記懈怠として過料の対象になりうる点に注意してください。
Q6電子公告にするには何が必要ですか?
定款で公告方法を電子公告と定め、その旨の変更登記とURLの登記が必要です。加えて公告期間中の中断を確認する電子公告調査機関の調査(会社法941条)が義務づけられます。
Q7債権者の異議申述期間はいつまでですか?
公告に定める期間で、1か月を下ることができません(会社法779条2項3号)。期間内に異議が出れば、弁済・相当の担保提供・信託のいずれかの対応が必要になります。
Q8組織変更の登記に必要な添付書面は?
総社員の同意書、組織変更計画書、定款、債権者保護手続を証する書面などです。二重公告をした場合は公告を証する書面のみで足り、催告を証する書面は不要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちは合同会社なんですが、株式会社にするのに取引先全員へ通知しないとダメですか?
原則は必要である(会社法781条2項が準用する779条2項)。ただし定款の公告方法が日刊新聞紙または電子公告なら、官報とその方法で二重に公告することで各別の催告は不要になり、登記の添付書面も公告の証明だけで足りる(商業登記法123条の読み替え)。実務のポイント:この省略は持分会社のうち合同会社だけに認められている。合名会社と合資会社で同じ段取りを組むと、法務局で足元をすくわれる
Q2登記が通ったら、もう組織変更は完全に確定ですよね?
確定しない。登記官の審査は添付書面の形式が中心で、催告漏れのような実体の瑕疵までは踏み込まない(商業登記法24条の却下事由も形式面が軸)。効力発生日から6か月以内は組織変更無効の訴え(会社法828条1項6号)で争われうる。実務のポイント:官報の現物、電子公告の調査結果通知、社員の同意書は登記完了と同時に片付けてしまう会社が多い。争われるのは登記の後であり、証拠が必要になるのもその時である
間違えやすい点 AI による整理
- 「商業登記法の条文だから、法務局に出す書類が一枚減るだけの話だ」という前提の立て方がずれている。減るのは書類ではなく、知れている債権者全員に個別通知を発送するという実体手続そのもの。名簿の作成、発送、到達管理、その一式が消える
- 電子公告は官報より安いと知っている人は多いが、電子公告には電子公告調査機関の調査(会社法941条)が義務づけられ、その費用がかかることまでは計算に入っていない。しかも二重公告は「官報+もう一本」なので、官報代は結局かかる。安くするための選択ではなく、催告を省くための選択だと理解すると判断を誤らない
- あなたから見れば、催告の省略は事務の効率化にすぎない。債権者から見れば、自分に届くはずだった通知が消えることを意味する。この落差が、後になって組織変更無効の訴えや取引条件の見直し要求という形で戻ってくる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 商業登記法123条:合同会社の組織変更の登記に107条を準用し、催告の証明を読み替えで省く | 商業登記法107条:準用元。組織変更後の株式会社の設立登記の添付書面を定める 商業登記法46条:添付書面の通則。総社員の同意書等の要否を規律する |
| 登記官の審査対象 | 二重公告を証する書面が形式的に整っているか | 公告及び催告を証する書面が揃っているか 決議・同意を証する書面が法定の形式を満たすか |
| 不備の効果 | 公告の証明を欠けば添付書面不備として却下されうる | 催告の証明を欠けば同じく却下されうる 同意書の不備は商業登記法24条の却下事由に直結する |
| 適用される会社類型 | 合同会社のみ(合名会社・合資会社には省略なし) | 組織変更後の株式会社一般 商業登記全般の通則 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も有限公司から股份有限公司への変更組織を認め、債権者への通知と公告を要求する。公告のみで通知を代替する明文の省略規定という構成は取っていない点が日本と異なる
韓国も有限会社から株式会社への組織変更に債権者異議手続を準用する。公告と個別催告の関係の設計は日本と近い構造を持つ
ドイツの Formwechsel は法人格の同一性を維持したまま形態を変える構成。債権者保護は事前の催告ではなく、登記後の担保請求権(Sicherheitsleistung)として設計されている点で発想が異なる
米国デラウェア州の conversion は、州務長官への certificate of conversion 提出が中心で、債権者への事前公告・催告を一般的な要件とはしない。債権者保護は債務の当然承継と詐害譲渡法理に委ねられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先の合同会社が株式会社になるという官報公告を、あなたが見落としたらどうなる? 異議を述べられる期間は最低1か月。だが二重公告が使われていれば、あなたの手元に個別の通知は届かない。官報も新聞も見ないまま期間が過ぎれば、異議の機会は音もなく消える。組織変更後の株式会社に請求できる中身は変わらないが、担保の追加を求める交渉カードは失われる
- 4月1日付で株式会社になりたい。逆算すると債権者保護の公告開始は3月1日、官報の掲載申込みはさらに2週間前。ところが定款の公告方法が官報のみだと、まず公告方法を電子公告に変える定款変更とその登記が先に立つ。あと10日で組み立て直せるかどうかで、効力発生日が丸1か月ずれる
- 登記は無事に通った。しかし催告を受けていなかった債権者が、効力発生日から6か月以内に組織変更無効の訴え(会社法828条1項6号)を起こす。登記官が見るのは添付書面の形式であり、実体の瑕疵まで止めてはくれない
取るべき行動
被害を受けた側:債権者側に立つなら、1. 取引額の大きい相手の官報公告は定期的に確認する(官報情報検索サービスで社名検索が可能) 2. 組織変更の公告を見つけたら、異議申述期間(最低1か月)内に書面で異議を述べる3. 異議を述べれば、会社は弁済、相当の担保提供、信託のいずれかを迫られる(会社法779条5項) 4. 期間経過後に催告漏れを発見した場合は、効力発生日から6か月以内の組織変更無効の訴え(会社法828条1項6号)が最後の窓口になる
訴えられた側:会社側なら、1. 定款の公告方法を確認、官報のみなら電子公告または日刊新聞紙への変更登記を先に済ませる2. 総社員の同意で組織変更計画を確定(会社法781条1項) 3. 官報+もう一本で公告、期間は1か月以上を確保4. 効力発生日から2週間以内に、組織変更後の株式会社の設立登記と組織変更前の合同会社の解散登記を同時申請5. 公告の現物、電子公告の調査結果、社員の同意書は登記後も最低6か月保管する
時効(請求できる期限):債権者の異議申述期間は1か月を下れない(会社法779条2項3号)。登記は効力発生日から2週間以内(会社法920条)。組織変更無効の訴えは効力発生日から6か月以内(会社法828条1項6号)。登記申請自体に特定の消滅時効はないが、期間経過後の登記懈怠は過料の対象になりうる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:催告省略が合同会社に限られるのは、社員が既に有限責任であり株式会社化によって債権者の引き当て財産の性質が大きく変わらないためと説明される。無限責任社員という人的引き当てを失う合名会社・合資会社では、代替的周知では足りないとされる
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)会社法整備法(施行は平成18年) 合同会社という会社類型の創設に伴い、商業登記法に合同会社の登記に関する規定群が置かれ、組織変更の登記についても107条の準用と債権者保護手続の読み替えが定められた。改正年と新設か改正かの区別は要人的検証
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 改正:会社法制定に伴う整備法により、合同会社という会社類型の創設に対応して合同会社の登記に関する規定群が整備され、組織変更の登記についても107条の準用と債権者保護手続の読み替えが置かれた。新設か改正かの区別および施行日は要人的検証
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