要点商業登記法 107 条は、合名会社の組織変更後の株式会社の登記申請に、組織変更計画書・定款・就任承諾書・資本金の額の計上を証する書面・債権者保護手続を証する書面などの添付を求める規定である。
Q · 合名会社を株式会社にするとき、登記には何を出せばいいんですか?
六種類の添付書面が必要で、急所は債権者保護手続の証明書面です
商業登記法 107 条 1 項は、組織変更計画書、定款、取締役等の就任承諾書、会計参与・会計監査人を定めたときは 54 条 2 項各号の書面、47 条 2 項 6 号の資本金の額の計上を証する書面、債権者保護手続を証する書面の六号を挙げます。最大の関門は 6 号で、官報公告と知れている債権者への個別催告を行い、異議を述べた債権者に弁済・相当の担保提供・信託をしたこと、または害するおそれがないことまで書面で示さなければなりません。異議申述期間は 1 か月以上、登記申請は効力発生日から 2 週間以内です。
合名会社を株式会社に変える。決断そのものは社員全員の同意で終わる話だが、法務局の窓口はそれを一切見てくれない。窓口が見るのは、商業登記法 107 条が列挙した添付書面が揃っているかどうか、その一点だけである。あなたが用意すべきは、組織変更計画書、新しい定款、取締役(監査役設置会社なら監査役も、監査等委員会設置会社なら監査等委員である取締役とそれ以外の取締役を区別して)の就任承諾書、会計参与や会計監査人を置くならその資格証明、資本金の額の計上に関する証明、そして債権者保護手続を完遂したことを証する書面。特に最後の一枚が実務の急所だ。官報公告に加えて知れている債権者への個別催告を行い、異議を述べた債権者には弁済か担保提供か信託をしたこと、あるいは害するおそれがないことまで書面で示さねばならない。この一枚が欠けると、効力発生日を決めていても登記は通らない。組織変更の効力は登記日ではなく計画書で定めた効力発生日に生じるのに、登記が遅れれば会社は「登記されていない株式会社」という宙吊り状態を晒すことになる。
商業登記法 107 条は、合名会社の組織変更による株式会社についての登記の添付書面を定める規定である。1 項は組織変更計画書、定款、取締役等の就任承諾書、会計参与・会計監査人に関する書面、資本金の額の計上を証する書面、会社法 781 条 2 項が準用する 779 条 2 項の債権者異議手続に関する書面の六号を列挙し、2 項は同法 76 条および 78 条を準用する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
商業登記法 107 条 1 項が六号を列挙します。組織変更計画書、定款、取締役等の就任承諾書、会計参与・会計監査人に関する書面、資本金の額の計上を証する書面、債権者保護手続を証する書面です。
債権者の異議申述期間が 1 か月以上必要で、官報の掲載リードタイムも加わります。計画書作成から登記完了まで、実務では 2 か月以上を見込むのが安全です。
会社法 920 条により、効力発生日から本店所在地において 2 週間以内です。組織変更の効力自体は登記日ではなく計画書で定めた効力発生日に生じます。
掲載申込から掲載までおおむね 1 週間から 10 日が目安です。ここから異議申述期間 1 か月が始まるため、効力発生日の設定は掲載日を起点に逆算します。
会社法 744 条が法定記載事項を定めます。組織変更後の株式会社の商号・目的・本店、発行可能株式総数、定款規定、株主となる者に交付する株式、効力発生日などです。
株式会社になっても、組織変更前に生じた債務については、従前の無限責任社員が登記後一定期間なお責任を負う構造があります(会社法 586 条参照)。
会社法 976 条 1 号の登記懈怠として、代表者が 100 万円以下の過料の対象になり得ます。また登記がない間、対外的に株式会社であることを示せません。
組織変更は法人格の同一性が維持されるため、建設業・宅建業などの許認可は原則承継されます。ただし監督官庁への変更届は別途必要で、失念すると更新時に問題化します。
原則として必要である。会社法 781 条 2 項が準用する 779 条 2 項は 2 号のみを除外しており、個別催告の規定は生きている。株式会社の合併等でよく使われる「官報+日刊新聞紙の二重公告で個別催告を省略」という手法は、持分会社の組織変更では使えないと解するのが登記実務の主流である。業界裏話ヒント:「知れている債権者」の範囲は会社の主観ではなく客観的に判断される。買掛先や金融機関だけでなく、係争中の相手方や未払賃金のある元従業員も含まれうる。ここを絞りすぎると、後から手続の瑕疵を突かれる
そうとは限らない。107 条 1 項 6 号は弁済、相当の担保の提供、相当の財産の信託、そして「当該組織変更をしても当該債権者を害するおそれがない」ことの証明という四つの選択肢を並べている。実務では四つ目が最も多く使われる。業界裏話ヒント:組織変更前に生じた債務については、従前の無限責任社員が登記後一定期間なお責任を負うという構造があるため、「害するおそれなし」の説明は理屈として通しやすい。ただし何を証明資料とするかは実務上、解釈が分かれており、事前に管轄法務局へ照会しておくと却下リスクを潰せる
組織変更の場合は現金の残高証明ではない。107 条 1 項 5 号が引く 47 条 2 項 6 号の書面は、資本金の額が法令の規定に従って計上されたことを証する書面で、通常は代表者作成の証明書に計算根拠を添える形をとる。合名会社の従前の純資産をどう振り分けたかを示すものである。業界裏話ヒント:組織変更では新たな出資が入らないため、株式会社になった瞬間の資本金は従前の純資産額の範囲に縛られる。「株式会社にするなら資本金 1000 万円にしたい」という希望は、実際の純資産がなければ通らない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用場面 | 商登法 107 条:合名会社の組織変更後の株式会社の登記 | — |
| 法人格 | 同一性が維持される(新法人の創設ではない) | — |
| 債権者保護手続 | 1 項 6 号で必須。公告+個別催告+異議対応の証明書面 | — |
| 同時申請の要否 | 2 項が 76 条・78 条を準用し、解散登記と同時申請 | — |
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