要点商業登記法108条は、持分会社の合併登記の添付書面を定める。吸収合併では合併契約書と債権者保護手続の履行を証する書面、新設合併ではさらに定款と総株主の同意書が必要となる。
Q · 合同会社どうしを合併させるとき、法務局には何を出せばいいんですか?
合併契約書と債権者保護手続の証明書面がなければ登記は通りません
商業登記法108条1項により、吸収合併の変更登記には吸収合併契約書、80条5号から10号の書面、そして公告および催告をしたこと、異議を述べた債権者があるときは弁済・相当の担保提供・信託をしたことまたは害するおそれがないことを証する書面が必要です。2項の新設合併では定款が加わり、消滅会社が株式会社であるときは総株主の同意があったことを証する書面も要ります。法人が社員となる場合は94条2号または3号の書面が必要で、3項により合名会社の登記にも79条・82条・83条が準用されます。
持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)の合併登記で、法務局のカウンターに立ったときあなたが手にしているべき書類の完全なリストが、この一条に書き切られている。吸収合併なら合併契約書、80条5号から10号の書面、そして債権者保護手続を「本当にやった」ことを証明する書面。新設合併ならさらに定款と、消滅会社が株式会社である場合の総株主の同意書。ここで見落とされがちなのが3項だ。合名会社の合併登記には79条・82条・83条が準用される。つまり合名会社だからといって簡略化されるわけではない。そして実務上の最大の落とし穴は、債権者保護手続の証明書面である。官報公告を出した、それだけでは足りない。個別催告もしたこと、異議を述べた債権者がいればその者に弁済したか担保を提供したか信託したか、あるいは「害するおそれがない」ことまで証明しなければならない。この一枚が欠けると、合併の効力発生日を過ぎていても登記は通らない。
商業登記法108条は、持分会社の合併登記における添付書面を定める規定であり、1項が吸収合併による変更の登記、2項が新設合併による設立の登記の必要書面を列挙し、3項は79条・82条・83条を合名会社の登記に準用する。債権者異議手続の履行を証する書面が中核をなす。
AI 輔助整理,以條文原文為準
持分会社の合併登記の申請書に添付すべき書面を定めた条文です。1項が吸収合併、2項が新設合併、3項が合名会社への準用を規定しています。
吸収合併契約書、商業登記法80条5号から10号の書面、債権者保護手続の履行を証する書面、法人が社員となる場合は94条2号・3号の書面です。
新設合併契約書、定款、81条5号および7号から10号の書面、消滅会社が株式会社なら総株主の同意書、法人が社員となる場合は94条2号・3号の書面です。
吸収合併は効力発生日から2週間以内の申請が原則です。新設合併は設立の登記によって効力が生じるため、登記が完了するまで新会社は成立しません。
商業登記法79条・82条・83条が108条3項により準用されます。合名会社だからといって添付書面が簡略化されるわけではありません。
94条2号または3号に掲げる書面が必要です。法人の資格を証する書面や職務執行者の選任に関する書面が該当し、1項4号・2項5号が引用しています。
添付書面の不足が典型です。とくに債権者保護手続の証明が公告のみで、催告や異議対応の記録を欠くと補正を求められ、応じなければ却下されます。
吸収合併は契約で定めた効力発生日に効力が生じ、登記はその後に行います。新設合併は設立の登記が効力要件で、登記されるまで新会社は存在しません。
原則は官報公告と個別催告の両方です。ただし定款に電子公告または日刊新聞紙による公告を定めている会社が、官報に加えてその方法でも公告した場合は、個別催告を省略できます(会社法799条3項、802条2項準用)。108条1項3号の括弧書きはこの場合の添付書類を規定しています。業界裏話ヒント:債権者が多い会社ほど、定款変更をして二重公告に切り替えた方が催告書の発送コストと発送漏れリスクを一気に下げられる。合併の前段階で定款を触るという発想を、多くの経営者は持っていない
全額弁済は四つの選択肢の一つにすぎません。相当の担保の提供、相当の財産の信託、または「当該合併をしても当該債権者を害するおそれがない」ことの証明でも足ります(108条1項3号)。実務では最後の類型が使われますが、疎明の程度について解釈が分かれている領域です。業界裏話ヒント:害するおそれがないことの証明は、存続会社の直近の貸借対照表と債務の弁済能力を示す資料で構成する。管轄法務局によって求められる資料の厚みが違うため、申請前に登記官への事前照会をかけるのが実務の定石
持分会社を設立する新設合併では、消滅する株式会社について総株主の同意が必要です(108条2項4号、会社法804条2項)。株主が持分会社の社員となり責任の性質が変わりうるため、多数決では足りません。業界裏話ヒント:この一点で株式会社から持分会社への新設合併が事実上封じられるケースは多い。少数株主が一人でも反対すれば止まるため、実務では先に株式を集約するか、吸収合併など別のスキームに組み替える判断を早い段階で下す
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる会社類型 | 商業登記法108条:持分会社(合名・合資・合同)の合併登記 | — |
| 本条との関係 | 80条5号から10号、81条5号・7号から10号を引用して添付書面を構成 | — |
| 機関決定の要件 | 新設合併で消滅会社が株式会社のときは総株主の同意書(2項4号) | — |
| 債権者保護手続の証明 | 公告および催告+異議対応(弁済・担保・信託・害するおそれなし)の証明が必須 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。