商業登記法 第82条
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- 合併による解散の登記の申請については、吸収合併後存続する会社(以下「吸収合併存続会社」という。)又は新設合併により設立する会社(以下「新設合併設立会社」という。)を代表すべき者が吸収合併消滅会社又は新設合併消滅会社を代表する。
- 2.前項の登記の申請は、当該登記所の管轄区域内に吸収合併存続会社又は新設合併設立会社の本店がないときは、その本店の所在地を管轄する登記所を経由してしなければならない。
- 3.第一項の登記の申請と第八十条又は前条の登記の申請とは、同時にしなければならない。
- 4.申請書の添付書面に関する規定は、第一項の登記の申請については、適用しない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第82条は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第82条の条文原文は「合併による解散の登記の申請については、吸収合併後存続する会社(以下「吸収合併存続会社」という。」で始まります。
- 商業登記法第82条は第五節 株式会社の登記に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第82条の前の条は商業登記法第81条です。
- 商業登記法第82条の次の条は商業登記法第83条です。
- 商業登記法第82条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第82条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第82条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/82
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法82条は、合併による解散の登記を存続会社等の代表者が申請すると定める。存続会社等の本店が管轄外なら経由申請が必要で、80条・81条の登記と同時に申請し、添付書面の規定は適用されない。
Q · 合併で消える会社の解散登記って、消える側の社長が申請するんですか?
消える会社ではなく、存続会社の代表者が申請します
商業登記法82条1項により、合併による解散の登記は、吸収合併存続会社または新設合併設立会社を代表すべき者が消滅会社を代表して申請します。効力発生日に消滅会社の代表機関は失われるため、法律が代表権を存続会社側へ移しています。存続会社等の本店が管轄外なら、その本店所在地を管轄する登記所を経由して申請し(2項)、80条または81条の登記の申請と同時にしなければなりません(3項)。添付書面に関する規定は適用されず(4項)、書類は存続会社側の申請に集約されます。
解説
合併で消える会社の解散登記、その申請書に署名するのは誰か。消える会社の代表取締役ではない。存続会社または新設会社の代表者である。商業登記法82条1項は、消滅会社を代表する権限を、吸収合併存続会社(または新設合併設立会社)の代表者に法律で移している。ここに実務上の破壊力がある。合併の効力発生日に消滅会社の取締役は退任し、代表権を失う。もし消滅会社の元代表者が解散登記を申請する建付けにしていたら、その申請は権限のない者による申請として却下されうる。さらに3項が同時申請を命じ、4項が添付書面規定の適用を外す。存続会社側の変更登記に添付した書類で審査は完結し、解散登記の側は身軽になる。合併登記の実務でスケジュールが一日でもずれれば、効力発生日と登記日の間に代表権の空白が生まれる。その空白を埋めているのが、この条文である。
法的な位置づけ
商業登記法82条は、合併による解散の登記の申請主体と手続を定める規定である。消滅会社を代表する権限を吸収合併存続会社または新設合併設立会社を代表すべき者に付与し(1項)、存続会社等の本店が管轄区域内にない場合は経由申請を義務づけ(2項)、80条または81条の登記の申請との同時申請を要求し(3項)、申請書の添付書面に関する規定の適用を除外する(4項)。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.管轄を確認して経由申請の要否を判定 消滅会社の本店所在地を管轄する登記所の区域内に、存続会社または新設合併設立会社の本店があるかを確認する。区域内になければ商業登記法82条2項の経由申請となり、書類送付に要する日数を日程表へ織り込む
- 2.存続会社側の代表者印・印鑑証明書・委任状を事前に確保 申請人は存続会社等を代表すべき者(82条1項)であるため、消滅会社の代表印ではなく存続会社代表者の印鑑と印鑑証明書、司法書士への委任状を効力発生日の前日までに揃える
- 3.80条または81条の登記書類と一本のチェックリストで管理 82条4項により解散登記側に固有の添付書面はなく、合併契約書・株主総会議事録・債権者保護手続の証明書などはすべて存続会社側の申請に集約される。書類の抜けは解散登記の側では発見できないため、存続会社側で完結させる
- 4.効力発生日以後に同時申請する 商業登記法82条3項により、解散の登記の申請と80条・81条の登記の申請は同時にしなければならない。片方だけ先行させることは制度上できないため、申請日は両社で1日に固定する
- 5.補正は存続会社側から疑い、完了日基準で対外日程を組む 同時申請のため補正は両方の登記を止める。補正原因はまず存続会社側の申請書と添付書面を確認する。許認可の承継届出や取引先提出用の登記事項証明書は、効力発生日ではなく登記完了日を基準に逆算する
よくある質問 AI による整理
Q1合併による解散の登記とは?
吸収合併や新設合併で消滅する会社について、法人格が消えた事実を登記簿に反映させる登記です。商業登記法82条が申請主体と手続を定め、存続会社側の登記と同時に申請します。
Q2合併の解散登記は誰が申請できる?
吸収合併存続会社または新設合併設立会社を代表すべき者です。商業登記法82条1項が、その者に消滅会社を代表する権限を法律上付与しているためです。
Q3経由申請とは?
解散登記を管轄する登記所の区域内に存続会社等の本店がないとき、その本店所在地を管轄する登記所を経由して申請する方式です。商業登記法82条2項が定めています。
Q4合併の登記はいつまでに申請する?
本店所在地では2週間以内です(会社法921条、922条)。吸収合併は効力発生日、新設合併は所定の日が起算点で、契約締結日や株主総会決議日ではありません。
Q5合併の登記を怠るとどうなる?
会社法976条1号により、登記を怠った代表者に過料が科されることがあります。合併の効力自体は効力発生日に生じますが、懈怠の責任は代表者個人に及びます。
Q6新設合併でも商業登記法82条は使える?
使えます。1項は新設合併設立会社を代表すべき者も対象としており、3項により商業登記法81条の設立登記の申請と同時に解散登記を申請します。
Q7消滅会社の登記簿はどうなる?
解散の登記がされると消滅会社の登記記録は閉鎖されます。閉鎖後も閉鎖事項証明書の交付を受けられるため、M&A のデューデリジェンスで履歴を確認できます。
Q8合併の効力発生日と登記完了日は違う?
違います。吸収合併の効力は契約で定めた効力発生日に生じ、登記は事後の公示です(新設合併は設立登記により効力が生じます)。経由申請が入ると完了はさらに遅れます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1消滅する会社の社長は、合併の登記に何もしなくていいんですか?
解散登記の申請人としては何もしません。商業登記法82条1項が、消滅会社を代表する者を存続会社または新設会社の代表者と定めているためです。ただし合併契約の締結、株主総会の承認、債権者保護手続は効力発生日より前の話であり、そこでは消滅会社の代表者が主体です。実務のポイント:効力発生日を境に権限が切り替わるため、効力発生日以降に消滅会社の代表印で作った書類は無効になりうる。合併日を挟む書類の日付管理は、司法書士が最も神経を使う部分である
Q2解散登記と存続会社の登記、別々に出したらどうなりますか?
受理されません。商業登記法82条3項が、80条または81条の登記申請と同時にしなければならないと定めているためです。片方だけ先に処理することは制度上できません。実務のポイント:同時申請であるがゆえに、片方の補正は必ず両方を止める。合併の完了を取引先に告知する日程を、申請日の翌日や翌々日に設定してしまうと、補正一つで告知の撤回に追い込まれる。告知日は登記完了確認後に設定するのが実務の鉄則である
Q3添付書面がいらないなら、解散登記は簡単なんですよね?
解散登記の側だけを見れば簡単ですが、82条4項が添付書面規定の適用を外しているのは、同時申請される存続会社側の登記に必要書類がすべて揃っているからです。合併契約書、株主総会議事録、債権者保護手続の証明書などはそちらに集約されます。実務のポイント:この構造を理解していないと、解散登記が却下されたときに解散登記側の書類を探してしまい、原因が存続会社側にあることに気付くまで時間を浪費する。補正原因は常に存続会社側の申請書を先に疑う
間違えやすい点 AI による整理
- 「消滅会社の解散登記だから、消滅会社が申請するのが当然」と考えるのが自然に思えるが、問いの立て方自体が誤っている。合併の効力発生時点で消滅会社は法人格を失い、代表機関も存在しない。存在しない者が申請することはできない。82条は「誰が申請するか」ではなく「消滅した法人の登記を誰が引き受けるか」を定めた条文である
- 4項の「添付書面に関する規定は適用しない」を、書類が一切要らないという意味だと受け取る人がいる。実際には、存続会社側の合併による変更登記に合併契約書・株主総会議事録・債権者保護手続の書面が添付されており、同時申請(3項)を通じて登記官はそれらを審査する。書類が消えたのではなく、審査の場所が一か所に集約されているだけである
- 経由申請(2項)を「郵送先が変わるだけの事務手続」と軽く見ると、実務で日程が崩れる。経由先の登記所から管轄登記所へ書類が送付される日数が実際に発生し、解散登記の完了日は存続会社側の登記完了より遅れる。取引先への登記事項証明書の提出期限を効力発生日基準で組んでいると、証明書が間に合わない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる登記 | 82条:消滅会社の合併による解散の登記 | 80条:吸収合併存続会社の変更登記 81条:新設合併設立会社の設立登記 |
| 申請人 | 存続会社等を代表すべき者が消滅会社を代表(1項) | 吸収合併存続会社の代表者 新設合併設立会社の代表者 |
| 添付書面 | 添付書面に関する規定を適用しない(4項) | 合併契約書・議事録・債権者保護手続書面等を添付 合併契約書・議事録・設立関係書面等を添付 |
| 手続上の制約 | 経由申請(2項)+同時申請(3項) | 本店所在地の管轄登記所へ直接申請 本店所在地の管轄登記所へ直接申請 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では消滅会社の権利義務を存続会社が包括承継することを前提に、存続会社の変更登記と消滅会社の解散登記を一連の手続として処理する運用。日本の同時申請に近い実務が形成されている
韓国も存続会社の変更登記と消滅会社の解散登記を合併登記として一体で扱い、本店所在地における期間制限を置く点で日本と共通する
ドイツでは引受法人(存続法人)の代表機関が、譲渡法人(消滅法人)の登記所に対しても合併の登記を申請できると定められており、申請権限を承継側へ寄せる発想が日本82条1項と共通する
米国は登記所への申請ではなく、州務長官への Articles of Merger の提出により合併が効力を生じる方式。消滅会社の解散を別個に申請する構造をとらない点が日本と大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが中小企業の総務担当で、親会社への吸収合併を任された。効力発生日は4月1日、司法書士への依頼は3月28日。解散登記の申請書に押す印鑑を、消滅会社の代表印だと思い込んで用意していた。82条1項により、押すのは存続会社の代表者の印である。準備した書類一式が全部やり直しになる
- 本店が大阪の会社を、本店が東京の会社が吸収合併する。解散登記は大阪法務局の管轄だが、82条2項により東京法務局を経由して申請しなければならない。「大阪に直接持ち込めば早い」という発想が、そのまま却下につながる
- もし存続会社の変更登記だけ先に通り、消滅会社の解散登記が後日になったらどうなる? 3項の同時申請規定がある以上、そもそも別々には受け付けられない。一方に補正事由があれば両方止まる。合併スケジュールのクリティカルパスは、この一点に集約する
- 合併の効力発生日まであと5日。消滅会社の代表取締役が急逝した。解散登記は誰が申請するのか。82条1項があるため、存続会社の代表者が申請できる。消滅会社側で後任代表者を選任する必要はない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 合併契約の締結前に、消滅会社の本店所在地と存続会社の本店所在地の管轄登記所を確認し、経由申請(2項)が必要かを判定する2. 存続会社代表者の印鑑証明書、委任状、代表者印を効力発生日の前日までに司法書士へ渡す3. 存続会社の変更登記と消滅会社の解散登記が同時申請(3項)である以上、両方の必要書類を一つのチェックリストで管理する4. 許認可の承継届出や取引先提出用の登記事項証明書は、効力発生日ではなく登記完了日を基準に期限を逆算する
訴えられた側:1. 登記官から補正の連絡が来た場合、同時申請である以上、存続会社側の登記も止まっていることを前提に対応順序を決める2. 補正事由が存続会社側の添付書面にある場合、4項により解散登記側に独自の添付書面はないため、修正は存続会社側の一本で足りる3. 申請人の権限に疑義が生じた場合、82条1項が法律上の代表権を定めていることを示し、消滅会社側で追加の授権を取る必要がないことを主張する4. 却下処分がなされた場合、登記官の処分に対する審査請求(商業登記法142条以下)の道がある
時効(請求できる期限):合併による変更の登記および解散の登記は、吸収合併では効力発生日から、新設合併では所定の日から、本店所在地において2週間以内に申請しなければならない(会社法921条、922条)。この期間を過ぎると代表者に過料が科されうる(会社法976条1号)。起算点は効力発生日そのものであり、契約締結日でも株主総会決議日でもない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
登記実務の通説:82条1項は、合併の効力発生により消滅会社の代表機関が失われることを前提に、存続会社等の代表者へ法律上の代表権を付与した規定と理解されている。したがって消滅会社側で追加の授権や後任代表者の選任を要しない。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和38年(1963年) 新設:商法から登記手続に関する規定を分離し、商業登記法として制定。合併登記の申請手続もこの法律に置かれた
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う整備により、合併に関する商業登記法の規定が現行の条文構成へ整理された(具体的な改正内容は e-Gov の沿革でご確認ください)
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