要点商業登記法 122 条は、合同会社が合名会社・合資会社に種類変更した場合の登記添付書面を定める。合資会社になるときは定款のほか、有限責任社員の履行済出資額を証する書面が必要となる。
Q · 合同会社から合資会社に変えるとき、法務局には何を出せばいいんですか?
定款のほか、出資の履行済額を証する書面が要る
商業登記法 122 条により、合同会社が合名会社になった場合の登記申請書には定款を添付します。合資会社になった場合は、定款に加えて、有限責任社員が既に履行した出資の価額を証する書面、無限責任社員を加入させたときはその加入を証する書面(法人社員の場合は 94 条 2 号・3 号の書面を含む)が必要です。さらに同条 3 項により 104 条・106 条が準用されます。登記は定款変更の効力が生じた日から 2 週間以内に申請します(会社法 919 条)。
合同会社を経営していて、取引先から「無限責任の社員がいる会社としか継続取引しない」と言われた、あるいは新たに無限責任社員を迎え入れた。そのとき会社は合同会社をやめて合名会社・合資会社になる。会社法 638 条 3 項がその変更を認め、商業登記法 122 条があなたに「何を紙で証明しろ」と命じる。ここで見落とされがちなのが 2 項 2 号、有限責任社員が既に履行した出資の価額を証する書面である。合資会社の有限責任社員は、登記簿に「出資の履行済額」まで公示される。つまりあなたが過去にいくら払い込んだかが、誰でも取れる登記事項証明書に載る。合同会社時代には社員の氏名すら原則登記されなかったのに、種類変更した瞬間、無限責任社員の氏名・住所も、有限責任社員の出資額も外部に開示される。定款変更の効力発生日から 2 週間、この書類束を揃えられるかどうかで、あなたの会社の登記は止まる。
商業登記法 122 条は、合同会社が会社法 638 条 3 項各号の規定により合名会社または合資会社となった場合における種類変更の登記申請書の添付書面を定める規定である。合名会社となる場合は定款のみ、合資会社となる場合は定款、有限責任社員の履行済出資額を証する書面、無限責任社員の加入を証する書面を要し、同法 104 条および 106 条が準用される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
合名会社・合資会社・合同会社という持分会社の種類を、定款変更によって別の種類へ移すことです。法人格は消えず同一性が保たれ、登記手続だけが従前会社の解散登記と変更後会社の設立登記という形式を取ります。
定款変更の効力が生じた日から 2 週間以内です(会社法 919 条)。会社法 638 条 3 項によるみなし定款変更の場合は、社員の退社や責任変更が生じた日が起算点になるため、自覚がないまま期限が進むことがあります。
違います。合名会社になる場合(122 条 1 項)は定款だけで足りますが、合資会社になる場合(同条 2 項)は定款のほか有限責任社員の履行済出資額を証する書面と、無限責任社員を加入させたときはその加入を証する書面が加わります。
あります。会社法 638 条 3 項は、社員の退社や責任の変更によって残る社員の構成が変わったとき、定款変更をしたものとみなします。届出一枚が種類変更登記の引き金になり、放置すると登記懈怠の状態が続きます。
登記申請自体は期間経過後も受理されますが、代表者が 100 万円以下の過料の対象となりうます(会社法 976 条 1 号)。過料は登記官ではなく裁判所が科すため、まず申請を完了させて遅延状態を止めるのが実務的です。
加入を証する書面に加え、商業登記法 94 条 2 号・3 号に掲げる書面、すなわち法人社員の登記事項証明書や職務執行者の選任に関する書面が必要になります。個人社員より収集の手間と相手方の社内決裁が増えます。
合資会社になると、無限責任社員の氏名・住所に加え、有限責任社員の出資の目的・価額・履行済額まで登記事項になります(会社法 913 条)。合同会社では原則公示されなかった情報が、誰でも取得できる状態になります。
出発点の会社形態が違います。120 条は合名会社が他の種類へ、121 条は合資会社が他の種類へ変更する場合の添付書面で、122 条は合同会社が出発点の場合です。どの条文を使うかは変更前の種類で決まります。
法人格は消えず、そのまま続く。ただし登記手続の上では従前の会社について解散の登記、変更後の会社について設立の登記という形式を取る(会社法 919 条)。会社の同一性は保たれるので、契約も債権債務も引き継がれる。業界裏話ヒント:登記簿上「解散」の文字が残るため、取引先が登記事項証明書を見て事業をやめたと誤解することがある。種類変更を予定しているなら、主要取引先には事前に一言入れておくと無用な信用不安を防げる。
金銭出資なら払込みを受けた口座の預金通帳の写しや払込取扱機関の証明、現物出資なら財産引継書などが実務上使われる。合資会社では有限責任社員の出資の目的・価額・履行済額が登記事項になるため、この書面が登記簿の記載を裏づける(会社法 913 条)。業界裏話ヒント:合同会社の設立時からの払込記録を保存していない会社は珍しくない。金融機関の取引履歴の保存期間には限りがあるので、種類変更を検討し始めた日に真っ先に確認するのが実務的な順序である。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 変更前の会社の種類 | 商業登記法 122 条:合同会社が出発点 | — |
| 定款以外の主な添付書面 | 合資会社になるとき、有限責任社員の履行済出資額を証する書面と無限責任社員の加入を証する書面 | — |
| 準用規定 | 3 項により 104 条・106 条を準用 | — |
| 実務上の詰まりどころ | 過去の出資払込記録が残っているかどうか | — |
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