商業登記法 第45条
クイックジャンプ
- 会社の支配人の選任の登記の申請書には、支配人の選任を証する書面を添付しなければならない。
- 2.会社の支配人の代理権の消滅の登記の申請書には、これを証する書面を添付しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第45条は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第45条の条文原文は「会社の支配人の選任の登記の申請書には、支配人の選任を証する書面を添付しなければならない。」で始まります。
- 商業登記法第45条は第四節 支配人の登記に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第45条の前の条は商業登記法第44条です。
- 商業登記法第45条の次の条は商業登記法第46条です。
- 商業登記法第45条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第45条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第45条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/45
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法45条は、会社の支配人の選任の登記には選任を証する書面を、代理権の消滅の登記にはこれを証する書面を添付しなければならないと定める。添付を欠く申請は却下される。
Q · 支配人の登記をするとき、何を添付すればいいんですか?
選任を決めた議事録など、選任を証する書面が必要です
商業登記法45条1項により、支配人の選任の登記の申請書には選任を証する書面を添付します。支配人の選任は取締役会設置会社では取締役会の決議事項(会社法362条4項3号)、非設置会社では取締役の過半数の一致(同法348条3項1号)ですから、実際に添付するのは取締役会議事録または取締役の過半数の一致を証する書面です(商業登記法46条2項)。代表取締役名義の辞令だけでは足りません。2項の代理権消滅の登記では、解任決議や辞任届など消滅事由を証する書面が必要です。
解説
登記所の窓口で申請が止まる理由の大半は、登記の中身ではなく紙一枚の不足である。商業登記法45条は、会社の支配人を登記するときに何を証明させるかを二行で定める。1項は選任を証する書面、2項は代理権の消滅を証する書面。支配人の選任は、取締役会設置会社なら取締役会の決議事項、取締役会のない会社なら取締役の過半数の一致で決める(会社法348条3項1号)。したがって添付するのは取締役会議事録か、取締役の過半数の一致を証する書面である(商業登記法46条2項)。代表取締役が一人で出した辞令だけでは足りない。だが本当に重いのは2項のほうだ。支配人を解任したのに消滅の登記をしなければ、会社法908条1項により、会社は代理権が消えたことを善意の第三者に対抗できない。元支配人が会社名で結んだ契約の責任を、会社が負う。
法的な位置づけ
商業登記法45条は、会社の支配人に関する登記の添付書面を定める手続規定である。1項は支配人の選任の登記の申請書に選任を証する書面の添付を、2項は代理権の消滅の登記の申請書にこれを証する書面の添付を要求する。会社法918条が定める支配人登記義務を、申請手続の側から具体化する条文である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.選任の決定権者を確認する 支配人の選任は、取締役会設置会社なら取締役会の決議事項(会社法362条4項3号)、取締役会非設置会社なら取締役の過半数の一致(同法348条3項1号)。代表取締役に委任できないため、社内規程に「社長が任命する」とあっても、その規程だけを根拠にした登記は通らない
- 2.選任を証する書面を作る 取締役会議事録、または取締役の過半数の一致を証する書面を作成する(商業登記法45条1項、46条2項)。支配人の氏名・住所、置かれる営業所を特定して記載し、決議日を明示する
- 3.2週間以内に本店所在地で申請する 会社法915条1項・918条により、選任の決議日から2週間以内に本店の所在地で登記を申請する。添付書面の欠缺は却下事由になるため(商業登記法24条)、申請前にチェックリストで突合する
- 4.支配人の印鑑を提出する 支配人が営業所の業務に関して自ら手続を行う場合に備え、商業登記規則9条に基づき支配人の印鑑を登記所に提出する。提出の要否は運用と実務上の必要性で判断する
- 5.解任・辞任が決まった当日に消滅登記を準備する 代理権の消滅事由が生じたら、その日のうちに消滅を証する書面(解任決議を証する書面、辞任届、死亡の記載のある書面等)を確保し、消滅の登記を申請する(商業登記法45条2項)。解任日から登記完了までの空白期間に元支配人が結んだ契約が会社を拘束するため、この窓を最短にすることが目的である
- 6.主要取引先へ書面で通知する 登記完了を待たず、取引量の多い相手先へ代理権消滅を書面で通知する。通知が到達した相手は会社法908条1項の善意の第三者ではなくなるため、登記が遅れても防げる範囲が残る
よくある質問 AI による整理
Q1支配人の登記とは何ですか?
会社が営業所の包括的代理権を与えた者を登記簿で公示する制度です。会社法918条が登記を義務づけ、商業登記法45条がその添付書面を定めています。
Q2支配人の選任登記に必要な添付書面は?
選任を証する書面です(商業登記法45条1項)。取締役会設置会社は取締役会議事録、非設置会社は取締役の過半数の一致を証する書面を添付します(同法46条2項)。
Q3支配人の解任の登記にはどんな書面が要りますか?
代理権の消滅を証する書面です(同条2項)。解任なら解任決議を証する書面、辞任なら辞任届、死亡なら死亡の記載のある書面と、事由ごとに添付書面が変わります。
Q4支配人の登記はいつまでにする必要がありますか?
本店所在地において2週間以内です(会社法915条1項、918条)。起算点は選任の決議日または代理権が消滅した効力発生日になります。
Q5支配人の登記を忘れるとどうなりますか?
代表者個人に100万円以下の過料の制裁があり(会社法976条1号)、消滅登記の懈怠では代理権が消えたことを善意の第三者に対抗できません(同法908条1項)。
Q6支配人と支店長は違いますか?
支店長は社内の肩書きにすぎず、登記された支配人とは別です。登記のない支店長には表見支配人(会社法13条)の規定が働き、裁判上の行為は含まれません。
Q7支配人は登記所に印鑑を提出できますか?
できます。商業登記規則9条が支配人による印鑑の提出手続を定めており、支配人が営業所の業務について自ら申請等を行う場面の前提になります。
Q8支配人の代理権が消滅するのはどんな場合ですか?
解任、辞任、死亡、支配人の後見開始、会社の営業所の廃止などです。いずれの事由でも消滅の登記が必要で、事由に応じた証する書面を添付します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1社長が「あいつを支店長にする」と決めれば、それで支配人の登記はできるんですか?
できない。支配人の選任は、取締役会設置会社なら取締役会の決議事項、そうでなければ取締役の過半数の一致で決める(会社法348条3項1号)。だから45条1項の「選任を証する書面」は議事録か過半数の一致を証する書面になる(商業登記法46条2項)。実務のポイント:この決定は代表取締役に委任できない。社内規程に「支配人は社長が任命する」と書いてあっても、その規程を根拠にした登記は通らない
Q2支配人を解任したあと、登記をずっと忘れていました。今から出しても大丈夫ですか?
登記自体は今からでも受理される。問題は解任日から登記までの間で、元支配人が会社名で行った取引は、相手が解任を知らなければ会社に効力が及ぶ(会社法908条1項、11条1項)。過料より、この空白期間の契約のほうが高くつく。実務のポイント:解任と同時に、取引量の多い相手先へ書面で通知を送っておく。通知が届いた相手は善意の第三者ではなくなるので、登記が遅れても防げる範囲が残る
間違えやすい点 AI による整理
- 支配人を解任したら登記を直すべきだ、という程度は誰でも知っている。知られていないのはその放置の射程である。制裁は100万円以下の過料(会社法976条1号)で終わりではない。元支配人が営業所の事業に関して行った一切の裁判上・裁判外の行為(会社法11条1項)が会社に帰属しうるのであって、こちらの金額には上限がない
- 「うちは支配人を登記すべきか」という問いの立て方自体がずれている。会社法918条は、支配人を選任したなら登記しなければならないと定める。選べるのは登記の要否ではなく、その者に営業所の包括的代理権を与えるかどうかという一点だけだ。与えた時点で、登記は義務に変わる
- 支店長という肩書きさえ付ければ支配人登記と同じ効果がある、と考える経営者は多いが、実態は逆である。登記のない「支店長」には会社法13条の表見支配人の規定が働き、裁判外の行為についてのみ権限があるとみなされる。裁判上の行為は含まれない。登記しないほうが権限の範囲が曖昧になり、争いの種は増える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 商業登記法45条:会社の支配人の登記の添付書面 | 商業登記法44条:会社の支配人の登記事項・登記簿 商業登記法43条:個人商人の支配人の登記 |
| 何を決めているか | 選任・代理権消滅それぞれに「証する書面」の添付を要求 | 登記簿に何を記録するか(支配人の氏名住所、営業所等) 商人が個人の場合の申請主体と手続 |
| 実務上の主な失敗 | 代表取締役の辞令のみを添付して補正・却下(同法24条) | 営業所の記載漏れ・移転時の変更登記漏れ 会社の支配人と同じ書面で申請してしまう取り違え |
| 背後にある実体規定 | 会社法918条(登記義務)、348条3項1号・362条4項3号(選任権者) | 会社法11条(支配人の包括的代理権) 商法20条以下(商人の支配人) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は経理人の委任・解任を公司法29条で機関決定事項とし、変更は主管機関への登記申請で公示する。決定権限のある機関の決定書面を求める点は日本と同じ発想だが、包括的代理権の対抗力構成は日本ほど明確ではない
韓国も支配人の選任と代理権消滅を登記事項とし、商業登記法上の添付書面を要求する。日本統治期に日本商法を継受した系譜上にあり、条文構造が最も近い
ドイツは Prokura の授与と消滅の双方を商業登記簿に届け出るべきものとし、日本の45条1項・2項の対応関係と構造が一致する。日本の支配人制度の直接の淵源である
米国には包括的代理権を登記で公示する統一制度がなく、actual authority と apparent authority の事実認定で処理される。代理権消滅の第三者対抗も、通知の有無という事実問題に還元される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 支店長を今日付けで解任した。登記はいつまでにやればいい? 会社法915条1項の2週間は解任日から数える。14日を過ぎても登記自体は受理されるが、代表者個人あての過料の通知(会社法976条1号、100万円以下)は、数年後に別件の登記をしたついでに裁判所から届く。忘れた頃に来るので、忘れていられる時間が長いほど金額は上がる
- 取引先の支店長と与信枠の変更覚書を交わした。ところが後日、相手の会社が「あの者は先月解任済みで権限がない」と言い出した。登記簿に支配人として残ったままで、あなたが解任の事実を知らなかったのなら、壁の前に立っているのは会社側である(会社法908条1項)。この一行の登記漏れが、覚書の効力を決める
- 議事録を添付せず、社長名の辞令だけで支配人選任の登記を申請した。登記官から補正の連絡が入る。45条1項の「選任を証する書面」は、決定権限のある者が決めた事実そのものを示す書面でなければならない。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約書・名刺・メールを日付順に整理し、契約成立日を確定する2. その日時点の登記事項証明書(閉鎖された事項を含むもの)を取得し、相手が支配人として登記されていたかを確認する3. 登記が残っていて解任を知らなかったなら、会社法908条1項により会社は代理権の消滅を対抗できない4. そもそも登記がなかった場合は、支店長等の名称使用を示す証拠を集めて会社法13条の表見支配人を主張する。ただし裁判上の行為は含まれない
訴えられた側:1. 選任の登記が補正・却下になったら決定権者から確認する。取締役会設置会社は取締役会議事録、非設置会社は取締役の過半数の一致を証する書面(会社法348条3項1号、商業登記法46条2項) 2. 消滅事由ごとに証する書面が変わるので、解任決議、辞任届、死亡の記載ある戸籍等の原本を先に確保する3. 登記懈怠を指摘されたら遅れても直ちに申請する。放置期間が長いほど過料は重くなる4. 空白期間の契約は、相手方の悪意を立証できるかが唯一の防御線になる
時効(請求できる期限):支配人の選任および代理権の消滅の登記は、本店の所在地において2週間以内(会社法915条1項、918条)。起算点は選任決議または代理権消滅の効力発生日。懈怠には100万円以下の過料(会社法976条1号)。添付書面に不備があれば補正または却下(商業登記法24条)となり、補正は登記官の定める期間内に行う必要がある
学説
通説:商業登記法45条の「証する書面」は、登記事項の実体的真実性を申請段階で担保するための添付書面であり、書面の種類を限定列挙せず事由に応じた柔軟な立証を許す趣旨と解される。したがって選任は決定権限のある機関の決定を示す書面、消滅は事由ごとの書面が必要となる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和38年(1963年) 新設:商業登記法(昭和38年法律第125号)の制定により、商法上の登記手続を独立の法律として体系化。支配人の登記の添付書面もこの中に規定された
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う整備により、商業登記法上の会社に関する規定が会社法の条文体系に合わせて整理された。支配人登記の実体的根拠は商法から会社法918条へ移行
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める