要点商業登記法 43 条は、個人商人の支配人の登記事項を、支配人と商人の氏名・住所、代理すべき営業と商号、営業所の四つに限定する。代理権の範囲は登記事項ではない。
Q · 個人事業主が店長を支配人として登記するとき、登記簿には何が載るんですか?
登記事項は四つだけ。代理権の範囲は登記できません
商業登記法 43 条 1 項により、個人商人の支配人の登記事項は、支配人の氏名及び住所、商人の氏名及び住所、数個の商号で数種の営業をする場合の代理すべき営業及び商号、支配人を置いた営業所の四つに限られます。代理権の範囲や金額上限は登記事項ではなく、内部で加えた制限は善意の第三者に対抗できません(商法 21 条 3 項)。解任した場合も、代理権消滅の登記をするまでは消滅を善意の第三者に対抗できません(商法 9 条 1 項)。
会社ではない商人、つまり個人事業主にも支配人を置く制度がある。商業登記法 43 条 1 項は、その登記で世間に見せる情報を四つに限定した。支配人の氏名と住所、商人の氏名と住所、複数の商号で複数の営業をしているならどの営業のどの商号を代理するか、そして支配人を置いた営業所。注目すべきは、書かれていないものだ。代理権の範囲も、決裁できる金額の上限も、登記事項に一つもない。支配人の代理権は営業に関する一切の裁判上・裁判外の行為に及び、制限を加えても善意の第三者には対抗できない(商法 21 条 3 項)。登記簿は「この人に何ができないか」を書く場所ではなく、置いた瞬間にその営業所の全権を渡したと公示する装置である。そして 2 項が商号の登記に関する 29 条を準用する。渡した権限を切ったときの後始末まで、この一条が射程に収めている。
商業登記法 43 条は、会社を除く商人(個人商人)の支配人に関する登記事項を定める規定である。登記事項は支配人及び商人の氏名・住所、数個の商号で数種の営業を営む場合に代理すべき営業と商号、支配人を置いた営業所の四項目に限定され、代理権の範囲や内部的制限は登記事項に含まれない。2 項は変更等の登記手続に関する 29 条を準用する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
商人が営業所の営業を任せる支配人を選任した事実を、登記簿で公示する制度です。商業登記法 43 条が個人商人の登記事項を四つに限定して定めています。
できます。43 条 1 項は「商人(会社を除く。)」を対象とし、個人商人専用の規定です。登記所には支配人登記簿という帳簿が現に置かれています。
支配人を置いた営業所の所在地を管轄する法務局・地方法務局に申請します。営業所は 43 条 1 項 4 号の登記事項でもあるため、所在地の特定が前提になります。
書けません。43 条 1 項の登記事項に代理権の範囲は含まれません。対外的に絞れるのは 1 項 3 号の「代理すべき営業及びその商号」という単位だけです。
商法 9 条 1 項により、代理権消滅の登記をするまでは消滅を善意の第三者に対抗できません。元支配人が結んだ契約の効果が商人本人に帰属し続けます。
本店・支店の営業の主任者らしい名称を付した使用人は、登記の有無と無関係に支配人と同一の権限があるものとみなされます(商法 24 条)。未登記でも責任は生じます。
43 条は会社を除く商人(個人商人)の支配人の登記、44 条は会社の支配人の登記です。会社の場合は会社の登記簿に記録され、支配人登記簿は用いません。
商号の登記に関する 29 条の手続を支配人の登記にも当てはめる趣旨で、登記事項の変更や消滅が生じたときの変更・消滅の登記手続の根拠になります。
契約のたびに事業主本人が出ていく必要がなくなる点が最大の実益です。支配人は営業に関する一切の裁判上・裁判外の行為ができ(商法 21 条 1 項)、43 条の登記でその権限が公示されるため、相手方は権限確認の作業を省けます。業界裏話ヒント:支配人は登記所に印鑑を提出でき、支配人名義の印鑑証明書を取得できる。事業主が入院や長期不在で動けない期間も営業を止めない、という理由で登記する個人商人が実在する(最新の取扱いをご確認ください)
個人商人には会社法 915 条のような二週間の明文期限はありません。ただし商法 22 条が代理権消滅の登記を義務付け、登記するまでは商法 9 条 1 項により消滅を善意の第三者に対抗できません。業界裏話ヒント:司法書士が真っ先に確認するのは解任日ではなく登記完了日です。争いになったとき効くのは「いつ辞めさせたか」ではなく「いつ登記されたか」で、解任合意書より登記の受付日のほうが強い証拠になる
安心できません。支配人の代理権に加えた制限は善意の第三者に対抗できず(商法 21 条 3 項)、上限を超えた契約も相手が事情を知らなければ有効に成立します。43 条 1 項の登記事項にも代理権の範囲は入っていません。業界裏話ヒント:実務では金額で縛る代わりに、43 条 1 項 3 号を使って代理させる営業と商号そのものを限定します。金額ではなく営業の単位で区切る、それがこの制度の中で唯一対外的に機能する絞り方です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる商人 | 43 条:会社を除く商人(個人商人)の支配人 | — |
| 登記事項の中身 | 支配人・商人の氏名及び住所、代理すべき営業及び商号、支配人を置いた営業所の四つ | — |
| 記録される帳簿 | 支配人登記簿(商業登記法 6 条が定める帳簿の一つ) | — |
| 変更・消滅の手続根拠 | 2 項が 29 条を準用 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。