要点商業登記法 29 条は、商号の登記をした者が管轄外へ営業所を移転したときは旧新両所在地で登記を申請し、登記事項の変更や商号廃止のときもその登記を申請しなければならないと定める。
Q · 屋号(商号)を登記したまま引っ越したり廃業したりしたら、登記はどうなるの?
自動では消えない。移転・変更・廃止の登記を自分で申請する必要がある
商業登記法 29 条により、商号の登記をした者は、営業所を他の登記所の管轄区域内へ移転したときは旧所在地に営業所移転の登記を、新所在地に商号・営業の種類・営業所・氏名住所の登記を申請しなければなりません(1 項)。登記事項に変更が生じたとき、商号を廃止したときも同様です(2 項)。個人商人には会社法 976 条のような過料の直接規定はありませんが、放置すれば商法 9 条 1 項により第三者に対抗できず、同一所在場所で同一商号を使いたい者から抹消を申請される状態が続きます(商業登記法 33 条)。
商号の登記は、するかしないかを自分で選べる。商法11条2項は「商人は、その商号の登記をすることができる」と書くだけで、個人事業主に強制していない。ところが登記した瞬間、片道の扉が閉まる。29条が課すのは更新の義務だ。営業所を別の登記所の管轄区域へ移せば、旧所在地には営業所移転の登記を、新所在地には商号・営業の種類・営業所・氏名住所の登記を、両方申請しなければならない。引っ越し1回で登記所2つが相手になる。商号を変えたとき、廃業したときも同じである。ここで多くの人が手を止める。会社と違い、個人商人の登記懈怠には過料の規定が直接用意されていないからだ。だが代償は罰金の形では来ない。廃止の登記を出さなければ、廃止したことを善意の第三者に対抗できず(商法9条1項)、同じ場所で同じ商号を使いたい誰かは、あなたの登記の抹消を申請できる(商業登記法33条)。
商業登記法 29 条は、商号の登記をした者に課される登記の更新義務を定める規定である。管轄区域をまたぐ営業所移転の場合は旧所在地と新所在地の双方への申請を、登記事項の変更および商号の廃止の場合はその旨の登記の申請を要求し、登記簿の記載を営業の実態に一致させる機能を担う。
AI 輔助整理,以條文原文為準
商号の登記をした者に、管轄外への営業所移転、登記事項の変更、商号の廃止があった場合の登記申請を義務づける規定です。登記簿を営業の実態に合わせるための更新条文です。
個人商人には過料の直接規定がありません。ただし商法 9 条 1 項により変更や廃止を善意の第三者に対抗できず、同一所在場所で同一商号を使いたい者から抹消を申請されます(商業登記法 33 条)。
商業登記法 29 条自体に期限の定めはありません。会社の 2 週間以内(会社法 915 条 1 項)のような期限は個人商人の商号登記には置かれておらず、遅れた分だけ対抗力の不利益が続きます。
できます。管轄法務局に商号廃止の登記申請書を提出します。司法書士に依頼せず本人申請も可能で、法務局の商業登記の案内で書式と添付書面を確認できます。
不要です。29 条 1 項の二本立ては他の登記所の管轄区域へ移転した場合の話で、同一管轄内であれば営業所についての変更登記 1 件で足ります。
法務局が公表する管轄区域の案内で確認します。市区町村の区割りと一致せず支局の統廃合で変動するため、物件を決める前に最新の案内を見るのが安全です。
消えません。29 条 2 項が商号廃止の登記の申請を求めており、申請しなければ登記簿上は営業中の商号として残り続けます。
同一所在場所で同一商号は登記できません(商業登記法 27 条)。廃止・変更・移転・不使用の事実があれば、商業登記法 33 条の抹消申請を検討できます。
会社なら会社法915条1項で2週間以内の変更登記義務があり、怠れば同法976条の過料の対象です。個人商人の商号登記にその直接の過料規定はありません。ただし商法9条1項により、変更や廃止を登記しなければ、それを知らない第三者に主張できない状態が続きます。業界裏話ヒント:金融機関の与信、補助金の交付審査、大手との取引開始時の確認では、登記事項証明書がほぼ必ず取られます。罰金は来ませんが、審査が止まるという形で請求書が届く。
法務局の管轄区域をまたぐかどうかで手続量が変わります。またぐ場合は29条1項により、旧所在地で営業所移転の登記、新所在地で商号・営業の種類・営業所・氏名住所の登記の2件になります。業界裏話ヒント:法務局の管轄は市区町村の区割りと一致せず、支局の統廃合で数年単位で動きます。同業者の記憶ではなく、法務局が公表する管轄の案内を、物件を決める前に見る。前に見るか後に見るかで手続の設計が変わる。
消えません。29条2項が商号廃止の登記の申請を求めており、出さなければ登記簿には営業中の商号として残ります。放置された登記は、同一の所在場所で同一の商号を使いたい第三者から抹消を申請される対象になります(商業登記法33条)。業界裏話ヒント:これは裏返せば武器です。あなたが使いたい屋号と場所が誰かの古い登記で塞がれているとき、同じ33条であなたが申請する側に回れる。諦めて別の屋号を考える前に確認する。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 商業登記法 29 条:移転・変更・廃止時の登記申請義務 | — |
| 誰が動くか | 商号の登記をした本人 | — |
| 発動する場面 | 管轄外移転・登記事項の変更・商号の廃止 | — |
| 怠った場合の効果 | 過料の直接規定なし。商法 9 条 1 項の対抗力否定+抹消申請の対象 | — |
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