商業登記法 第27条(同一の所在場所における同一の商号の登記の禁止)
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商号の登記は、その商号が他人の既に登記した商号と同一であり、かつ、その営業所(会社にあつては、本店。以下この条において同じ。)の所在場所が当該他人の商号の登記に係る営業所の所在場所と同一であるときは、することができない。
この条文の基本情報
同一の所在場所における同一の商号の登記の禁止とは何ですか?
定義同一の所在場所における同一の商号の登記の禁止とは、商業登記法第27条に定められた規定で、「商号の登記は、その商号が他人の既に登記した商号と同一であり、かつ、その営業所(会社にあつては、本店。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第27条(同一の所在場所における同一の商号の登記の禁止)は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第27条の条文原文は「商号の登記は、その商号が他人の既に登記した商号と同一であり、かつ、その営業所(会社にあつては、本店。」で始まります。
- 商業登記法第27条は第二節 商号の登記に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第27条の前の条は商業登記法第26条です。
- 商業登記法第27条の次の条は商業登記法第28条です。
- 商業登記法第27条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第27条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第27条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/27
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法27条は、商号と営業所(会社は本店)の所在場所がいずれも他人の既登記商号と同一である場合にのみ、商号登記を禁じる。類似商号は規制対象外である。
Q · 同じ会社名の会社って、本当に登記できてしまうんですか?
番地が一つ違えば登記できる。法務局は止めない
商業登記法27条が禁じるのは、商号と営業所(会社は本店)の所在場所が両方とも他人の既登記商号と同一である場合だけです。2006年5月1日施行の改正で旧法の類似商号規制は廃止されたため、同じ市内、隣のビルに同じ社名の会社を作ることを登記手続は止めません。社名を守る役割は会社法8条、不正競争防止法3条、商標法が担っており、登記官はこれらを一切審査しません。
解説
2006年5月1日、会社の名前をめぐるルールが静かに反転した。それ以前は、同じ市町村内で同じ営業なら、紛らわしい商号は登記できなかった(類似商号規制)。今の商業登記法27条が禁じるのは、たった一点だけである。商号が完全に同一で、かつ営業所(会社なら本店)の所在場所まで完全に同一のとき、その二つ目は登記できない。裏を返せば、隣のビルに同じ社名の会社を作ることを、登記手続は止めない。あなたが10年かけて育てた社名を、来週別の誰かが同じ市内で会社名にできる。法務局は止めてくれない。止める役目は会社法8条と不正競争防止法、そして商標法が担っており、登記官ではない。この役割分担を知らないまま「登記が通った=安全」と思い込むと、差止めと損害賠償が数年後に追いついてくる。
法的な位置づけ
商業登記法27条は、商号登記の消極的要件を定める規定であり、登記しようとする商号が他人の既登記商号と同一であり、かつ営業所(会社にあっては本店)の所在場所も同一である場合に、その登記を許さないものとする。同一性は文字単位の完全一致で判断され、類似商号は本条の規律対象に含まれない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.社名候補の三点チェックを同日に済ませる 候補が挙がった日に、①法務局の商業登記情報で同一商号・同一本店の有無、②国税庁法人番号公表サイトで同名法人の実在、③特許庁 J-PlatPat で称呼検索まで一気に確認する。順序を逆にすると、定款認証と登記費用を払った後で社名を捨てる羽目になる
- 2.同一商号を指摘されたら所在場所の表示を精確化する 同一所在場所に同一商号が既にある場合、所在場所の表示をビル名・階・室番号まで記載し、別の所在場所として登記できるか管轄法務局の商業登記部門に事前照会する。事前照会は無料で、申請却下(商業登記法24条)を未然に防げる
- 3.先行商号が眠っているなら33条で抹消を申請する 同一所在場所の先行商号が既に廃止されている、または正当な事由なく2年間使用されていない場合、商業登記法33条により商号登記の抹消を申請する。訴訟より圧倒的に速く、費用の桁も違う
- 4.登記完了後、別ラインでブランドを押さえる 登記が通っても防衛は終わらない。商標出願で商標法上の権利を確保し、社名決定の経緯(候補リスト、議事録、ドメイン取得日)を保全する。将来会社法8条の「不正の目的」を否認する材料になり、逆に自社が周知性を主張する際の立証資料にもなる
よくある質問 AI による整理
Q1商業登記法27条とは?
商号と営業所(会社は本店)の所在場所がいずれも他人の既登記商号と同一のとき、その商号登記を認めない規定です。類似商号は対象外で、同一性は文字単位で判断されます。
Q2同じ会社名は登記できる?
本店の所在場所が違えば登記できます。2006年に類似商号規制が廃止されたため、同じ市内どころか道路を挟んだ向かいのビルでも、同名の会社が適法に成立します。
Q3設立前に社名の重複はどう調べる?
法務局の商業登記情報、国税庁法人番号公表サイト、特許庁 J-PlatPat の三点で確認します。登記の可否は同一本店かどうか、使い続けられるかは商標と周知性で決まります。
Q4会社名 かぶる とどうなる?
登記自体は通りますが、会社法8条の差止請求、不正競争防止法3条、商標権侵害で後から使用を止められることがあります。登記の可否と使用の可否は別ラインです。
Q5同一商号の判定基準は?
文字単位の完全一致で判断します。「株式会社ABC」と「ABC株式会社」、全角半角の違い、スペースの有無は、いずれも別商号として扱われます。
Q6社名を商標登録しないとどうなる?
他人が同じ名称を先に商標登録すると、商号登記が有効でも商標法37条により使用差止めや損害賠償を受けます。社名決定と同時に出願するのが実務上の防衛線です。
Q7先に登記された商号を消せる?
商業登記法33条により、同一所在場所で同一商号を使おうとする者は、その商号が廃止されたか、正当な事由なく2年間使用されていない場合に抹消を申請できます。
Q8個人事業の屋号も27条の対象?
会社以外の商人が商号を登記する場合も本条の対象で、商号と営業所の所在場所が同一なら登記できません。不正目的の使用禁止は商法12条が担当します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1同じ住所に同じ会社名がもうあると言われました。もう詰みですか?
詰みではない。27条が禁じるのは商号と所在場所の完全一致だけなので、所在場所をビル名・階・室番号まで精確に記載すれば、別の所在場所として登記できる場合がある。実務のポイント:申請前に管轄法務局の商業登記部門へ事前照会すれば、同一性の判断を無料で確認できる。レンタルオフィス業者が「登記可」と言い切れるのも、この構造があるからだ
Q2この社名が商標登録されているかどうか、登記のときに法務局は教えてくれますか?
教えてくれない。登記官の審査は商業登記法27条の同一性などの形式的事項に限られ、商標権(商標法37条)との抵触は審査対象外である。登記が通った後で差止めと損害賠償を受けることはある。実務のポイント:法務局と特許庁はデータを照合していない。社名を決めた日に J-PlatPat で称呼検索まで済ませておけば、後の登記・印鑑・名刺・ドメイン・口座の総入れ替えを丸ごと回避できる
Q3昔は同じ市内に似た社名の会社は作れなかったと聞きましたが、今は違うんですか?
違う。2006年5月1日施行の会社法関連整備により、旧27条の類似商号規制(同一市町村内・同一営業の類似商号を排除する仕組み)は廃止され、現在は同一商号かつ同一所在場所のみが禁止される。実務のポイント:この改正で設立は速くなったが、ブランド防衛のコストは国から企業へ移された。設立時に商標まで押さえる起業家と、登記だけで満足する起業家の差が、数年後に社名変更リスクとして表面化する
間違えやすい点 AI による整理
- 「同じ会社名は登記できない」と思われているが、禁止されるのは商号と所在場所が両方とも同一の場合だけである。番地が一つ違えば、道路を挟んだ向かいのビルに同名の会社が適法に成立する
- 「この社名で登記できますか」という問いの立て方そのものがずれている。登記できるか(商業登記法27条)と、使い続けられるか(会社法8条、不正競争防止法3条、商標法37条)は完全に別の審査ラインで、登記官は後者を一切見ない。本当に聞くべきは「この社名を使い続けて訴えられないか」である
- 「同一かどうか」は、あなたの目には「ほぼ同じ」でも、登記実務では文字単位の完全一致で判断される。「株式会社ABC」と「ABC株式会社」は別商号、全角半角の違い、スペースの有無、これらもすべて別物として扱われる。消費者から見れば紛らわしさは同じ、登記官から見れば全くの別商号。この落差の中で、あなたのブランドは無防備に置かれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 何を決める規定か | 商業登記法27条:その商号を登記できるか | 商業登記法33条:既に登記された商号を消せるか 会社法8条:登記後もその商号を使い続けられるか |
| 発動要件 | 商号が完全同一 かつ 営業所(本店)の所在場所も同一 | 同一所在場所の同一商号が廃止済み、または正当な事由なく2年間不使用 不正の目的による誤認商号の使用(同一性・所在場所を問わない) |
| 判断する主体 | 登記官(形式的審査、商標権や不正目的は審査しない) | 登記官(申請に基づく抹消手続) 裁判所(差止請求訴訟で実体判断) |
| コストと時間 | 登記申請の一部、事前照会は無料 | 申請手続のみ、数週間規模 訴訟、数か月〜数年および弁護士費用 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は2009年の公司法改正で「類似名称」規制を廃止し「相同名称」のみ禁止とした点で日本と同方向。ただし会社の名称審査は全国単位で行われ、所在場所を問わないため、日本より事前規制の範囲は広い。独資・合夥の商業は同一直轄市・県市内で同一営業の相同名称が禁止され、旧日本法に近い地理単位が残る
韓国は他人が登記した商号について、同一の特別市・広域市・市・郡において同種営業の商号として登記できないとする地理単位+営業種の規制を維持しており、日本が2006年に捨てた旧型に近い構造を残している
ドイツは新たな商号が同一の地(Ort・Gemeinde)にある既登記商号と明確に区別できることを要求する。単なる完全一致ではなく『区別可能性』を基準とする点で、日本の現行27条より保護範囲が広い
米国は州務長官の記録上 distinguishable であることを州単位で要求する。名称の予約制度(name reservation)が広く整備されており、日本の事後救済モデルとは異なり登記段階での調整余地が大きい
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もしレンタルオフィスで法人登記をしようとして、法務局から「同一の所在場所に同一商号が既にある」と指摘されたら、そこで詰むのか? 詰まない。同一性の判定は番地だけでなく、ビル名・階・室番号まで含めた所在場所の表示で行われる。表示を精確化すれば別の所在場所として登記できる余地がある
- 同じ市内に、同じ読みの社名の会社が現れた。法務局に相談しても「その登記は適法です」としか返ってこない。戦場は登記所ではなく、裁判所に移っている
- あなたが後から会社を作った側で、先行企業の弁護士から警告書が届いた。商号が同じでも本店の所在場所が違えば登記は有効に成立している。だが会社法8条は「不正の目的」があれば使用差止めを認めるため、争点は登記の可否ではなく、あなたが相手の知名度にただ乗りする意図で社名を選んだのかどうかに移る。候補リストやドメイン取得日が、そのまま防御材料になる
- M&A で買った会社の本店を売主の本社ビルへ移そうとしたら、その所在場所には既に同一商号のグループ会社が登記されていた。決済まであと10日。本店移転登記が通らなければクロージング条件を満たせない。商号を変えるのか、所在場所の表示を階・室番号まで分けるのか、今週中に決める必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 同一商号・同一所在場所で登記を阻まれたら、先行商号が生きているか調べる(登記事項証明書、国税庁法人番号公表サイト、現地確認) 2. 既に廃止済み、または正当な事由なく2年間使用されていなければ、商業登記法33条で抹消を申請できる3. 相手が稼働中なら、自社側の所在場所表示を階・室番号まで精確化して別所在場所とするか、商号を調整する4. ブランドを守るなら並行して商標出願、登記の可否とは別ラインで押さえる
訴えられた側:1. 警告書が届いても登記自体は有効。慌てて商号変更に応じる前に、相手の根拠を会社法8条(不正の目的)、不正競争防止法2条1項1号(周知性と混同のおそれ)、商標権侵害のどれかに分類する2. 社名決定の経緯(候補リスト、議事録、ドメイン取得記録)を保全、不正目的の否認材料になる3. 相手の商標登録の有無を確認、未登録なら周知性の立証責任は相手側にある4. 事業領域が全く異なるなら、混同のおそれ自体を争える
時効(請求できる期限):商号の登記そのものに期間制限はない。会社法8条2項や不正競争防止法3条の差止請求に固有の消滅時効規定はない(不正競争防止法15条の時効は営業秘密に関する類型が対象)が、損害賠償請求は民法724条により損害及び加害者を知った時から3年、行為時から20年で消滅する。なお会社が商号を変更した場合、本店所在地では2週間以内に変更登記が必要(会社法915条1項)
学説
通説(形式的審査主義):登記官の審査権限は申請書と添付書面の形式的事項に限られるため、27条の同一性判断も文字単位の機械的一致に留まる。商標権侵害や会社法8条の不正の目的は、そもそも登記段階の審査対象に含まれないと解されている。
現行27条の趣旨に関する一般的理解:本条の目的は登記記録の同一性の維持、すなわち同一所在場所に同一商号が二重に登記されることによる登記簿上の混乱の防止にあり、営業上の信用保護そのものは会社法8条・不正競争防止法・商標法に委ねられていると理解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)会社法整備法による改正、平成18年(2006年)5月1日施行 旧27条の類似商号規制(同一市町村内で同一の営業のため他人の登記商号と判然区別できない商号を登記できないとする規制)を廃止し、商号と営業所(会社は本店)の所在場所がいずれも同一である場合のみ登記を禁止する現行の内容へ改正した。商号の事前保護から事後救済への転換点
改正の年表
- 1.昭和38年(1963年) 新設:商業登記法(昭和38年法律第125号)制定。従来商法および非訟事件手続法に分散していた商業登記の手続規定を単行法へ統合し、商号登記の制限に関する規定を置いた
- 2.平成17年(2005年)成立・平成18年(2006年)5月1日施行 改正:会社法整備法により旧27条の類似商号規制(同一市町村内で同一の営業のため他人の登記商号と判然区別できない商号の登記を排除する仕組み)を廃止し、商号と営業所(会社は本店)の所在場所がいずれも同一である場合のみ登記を禁止する現行の内容へ改めた。商号の事前保護から事後救済への転換点
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